
毎年,アゲハ蝶の幼虫に鉢植えのキンカンの葉を食い荒らされて頭を抱えている筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第701回は,Shedworksが開発した「Sable」を紹介する。本作は,一人の少女が大人になるための通過儀礼として岩と砂だらけの荒野をホバーバイクで旅しながら,自分らしい生き方を探していくというアドベンチャーゲームだ。来年こそイモムシにやられないように対策を立てなくちゃ……。
![]() |
本作の舞台は,誰もが仮面を付けて生活している,一面の砂漠に覆われた世界。この世界には“グライディング”という大人になるための通過儀礼があり,ある年齢に達した若者は故郷を離れて世界を巡り,自分自身の生き方とそれに相応しい仮面を見つけることになる。主人公の少女セーブルもその一人で,まさに今,旅立ちのときを迎えようとしていた。
![]() |
プレイヤーはそんな大人と子供の狭間にいるセーブルとなって,未知の世界で自分探しの旅をすることに。旅立ちの前に,まずは自分が暮らしている遊牧民のキャンプでいくつかのチュートリアル的な依頼をこなすと,空中をゆっくりと滑空できるようになる魔法の石と,“シムーン”という名前の自分のホバーバイクを入手できる。うーむ,どこかで聞いたことがある名前だ……。
![]() |
そして仕上げにキャンプ近くの神殿に向かい,最初の仮面を手に入れて戻ってくると,遊牧民の一団はすでにほかの場所へと移動しており,荒野にはセーブルだけが取り残されている。いよいよ,ここからが本当の旅の始まりだ。本作はオープンワールドのアドベンチャーゲームで,大まかな目的は示されるが,どこへ向かって何をするかはすべてプレイヤーに委ねられている。
![]() |
基本的なゲームの進め方は,レトロフューチャーなデザインのホバーバイクに乗って,今となっては何に使われていたのか分からない不思議な遺跡や,巨大な宇宙船の残骸があちこちに散らばる荒野を旅し,ほかの集落や町を訪れて人々の手助けをするというもの。困っている人を助けてあげると職業ごとのバッジがもらえ,これを3つ集めると新しい仮面と交換できる。
![]() |
本作の大きな魅力となっているのが,どのシーンを切り取ってもまるでコミックの1コマのように見える,輪郭線をくっきりと強調した独特のセルシェーディングで描かれたグラフィックスだ。戦闘要素は一切ないが,どこか寂しさを感じさせる世界観や雰囲気は「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」に通じるものがあり,本作でもスタミナが続く限りほとんどの崖をよじ登れるなど,ゲームシステムにも影響が感じられる。
旅の途中で新しい服やホバーバイクのパーツを手に入れれば,セーブルの見た目を変えたり,ホバーバイクのスピードやハンドリング性能を向上させたりすることもでき,自分の思うように,たった一人の自分探しの旅を味わえる本作。ゲーム内のテキストは英語のみで日本語ローカライズされていないのが残念だが,独特の雰囲気に魅かれた人はぜひどうぞ。
そんな本作はSteamにて2570円で発売されているほか,Xbox Game Passで配信中だ。
■「Sable」公式サイト
https://www.shed-works.co.uk/sable![]() |
![]() |
![]() |




























