連載
インディーズゲームの小部屋:Room#676「Mundaun」
春先になると,子供の頃によくタケノコ掘りをしていた記憶が蘇る筆者がお届けする「インディーズゲームの小部屋」の第676回は,Hidden Fieldsが開発した「Mundaun」を紹介する。本作は,アルプスの人里離れた暗い谷間を舞台にしたホラーアドベンチャーだ。梅干しをタケノコの皮にくるんでしゃぶっていたのは,筆者だけじゃないよね?
本作のストーリーは,祖父が納屋の火事で焼死したという知らせを受けた主人公が,数年ぶりに故郷のマンドーンに帰ってくるところから始まる。父親からの手紙を受け取った主人公は,その内容に不審感を覚え,何が起こったのかを自分の目で確かめたいと考えたのだ。しかし,主人公がマンドーンに到着してみると,そこではこの世のものとは思えない,恐ろしい事態が進行していた……。
ということで,プレイヤーはそんな主人公となって,アルプスの山間にひっそりと存在する,うら寂れた集落を探索することに。本作は一人称視点のホラーアドベンチャーで,あちこちを調べてパズルのヒントや鍵となるアイテムを探し,少しずつ謎を解きながら先へ進んでいくというのが基本的なゲームの流れだ。
謎解きはどれも比較的簡単で,何か必要なことをやり忘れたまま先へ行こうとしても「まずはこの場所を調べなくては」といったメッセージで引き留めてくれる親切設計。ホラーゲームではあるものの,ジャンプスケアがほとんどないのも遊びやすいポイントだ。しかし,ゲームを進めると正体不明のクリーチャーが現れて,主人公を襲ってくるようになるので注意しよう。
序盤でよく見かけるのは,藁の束を上下で縛って手足を付けた,水戸納豆のお化けみたいな敵。何だかよく分からない見た目だが,こちらの対抗手段が少ないので,見つからないようにこそこそと移動するのが吉。もし見つかって攻撃を受けたら,ピッチフォークで突いたり,藁を燃やしたりして相手が倒れたところを,ダッシュで逃げてしまおう。完全にやっつける必要はないので,とにかく生き残ることが優先だ。
こうして探索を続けていくと,祖父の死には戦時中のとある出来事が深く関係していることが分かり,過去のビジョンと現実が交差しながらストーリーが展開していく。鉛筆画のタッチで描かれたモノトーンのグラフィックスと,得体の知れない恐怖の正体に迫っていくストーリーがうまくマッチし,最後まで目が離せないゲームに仕上がっている。
そんな本作はSteamにて,2050円で発売中。近日中に日本語サポートが追加されるとのことなので,ホラーゲーム好きは忘れずにチェックしておこう。
■「Mundaun」公式サイト
https://www.mundaungame.com/Published by MWM Interactive.
The MWM bowtie logo is a trademark of Madison Wells Media, LLC.
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