連載
インディーズゲームの小部屋:Room#107「Hive Rise」
本作の舞台となるのは,平和に退屈した人々のためのテレビショーとして戦争が提供される世界。戦場となる広大な砂漠には,ずらりと敵チームの陣営が立ち並び,最新鋭の装備を整えた傭兵達がお互いを地獄に送らんと激しい戦いを繰り広げるというのが,本作のバックストーリーだ。うーん,末期的。そしてプレイヤーもまた一チームとして,この戦争ショーに参加することになるのだ。
そんなわけで,ゲームを開始するといきなり敵陣のど真ん中に放り込まれる。誇張ではなく,東西南北すべて敵という四面楚歌であり,それどころか自陣営から徒歩10秒で隣の敵陣営に行き当たるという,ムチャクチャな状況だ。自陣営の中心には旗があり,これを敵の攻撃から守りながら,10分間という対戦時間のうちにできるだけ多くの敵を撃破し,敵陣営の旗を奪うというのが基本的なルールだ。
ユニット生産用施設は,兵舎,ガレージ,エアポートの3種類。それぞれ,数種類の歩兵,戦車,戦闘ヘリが生産できる。
準備時間が終わったら,あとはもう自分の身は自分で守るしかない。とはいえ,直後を敵に狙われると,なすすべもなく叩き潰されてしまうだろう。これはもう運を頼るしかないので,敵が来ないことを祈りつつテキパキと軍備を整えるのだ。
本作では10分間という対戦時間の制約上,ユニットの生産時間が非常に短い。十分な資源さえあれば,あっという間に自軍を整えることが可能だ。この特徴を活かして,じゃんじゃんユニットを揃え,どしどし敵陣に攻め込むというスピーディな展開が本作の大きな特徴となっている。
ポイントは新しい対戦モードのアンロックに必要で,コインでは自軍を強化するためのさまざまなアップグレードが購入できる。コインは有料アイテムとしても販売されているので,手っ取り早く自軍をパワーアップさせたい人はこれを購入してもいいだろう。
とはいえ,コインを使ったアップグレードは必須というほどではなく,10分間という対戦時間内においては,「相手よりもちょっぴり有利」といった程度の違いでしかない。なにせ,どれだけ相手を圧倒していようが,はたまたコテンパンに負けていようが,とにかく10分でケリがつくのだ。
実際,プレイ中は対戦相手がどこの誰なのかすら意識する必要がなく,RTSの醍醐味である攻めたり攻められたりという“ラッシュ”だけを楽しめる。いきなり見知らぬ人と対戦するのはちょっと気が引けてしまうという人でも,本作を一度プレイしてみれば,そんな心配はまったくの杞憂であることが分かるだろう。あまりに短時間で決着がついてしまうので,奥深い戦略性には欠けるきらいもあるが,無料で遊べるスポーツライクなオンラインRTSとしてオススメしたい作品だ。
■「Hive Rise」公式サイト
http://www.hiverise.com/- この記事のURL:
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