連載
インディーズゲームの小部屋:Room#36「ルセッティア〜アイテム屋さんのはじめ方〜」
「ワシは勇者になる!」と言い残して,ルセットの父親が家を出てから3か月。そろそろ一人分の食事を作るのにも慣れてきたものの,一人で食べる食事にはやっぱり寂しさを覚える,そんなある日のこと。ルセットの家にティアと名乗る妖精が訪れ,ルセットに向かってこう言い放った。「アナタのお父様にご融資したお金を返済していただくために,こちらに参りました」と。もちろんそんなお金の持ち合わせがないルセットに,ティアはアイテム屋を経営して,少しずつ返済することを提案する。こうして,ルセットとティアのちょっぴり刺激的な毎日が始まった……。
本作での一日は,朝,昼,夕方,夜の四つのコマに分かれており,お店を開いたり街に買い出しに行ったりすると1コマ,ダンジョンに行くと2コマずつ時間が進んでいく。週に一度借金の返済日があり,期日までに指定された金額が集まっていないとゲームオーバーになってしまう。返済額は週を重ねるたびにほぼ2倍のペースで増えていくので,うかうかしているとたちまち破産に追い込まれてしまうだろう。可愛い顔して,なかなかどうして情け容赦ない妖精だ……。
お店の経営では,手に入れたアイテムに好きな値段をつけて客と交渉し,販売できるのが特徴だ。できるだけ高く売りたいところだが,あまりに高い値段を提示すると客は怒って帰ってしまったり,値下げを要求してきたりする。店には老若男女さまざまな客が訪れ,高く買ってくれるキャラクターや,安値でしか買ってくれないキャラクターがいるので,その見極めが重要だ。
また,アイテムの価格には相場があり,価格が高騰しているときは通常の2倍程度の値段で売りさばける。市場や商人ギルドで購入できるアイテムの価格は常に一定なので,価格が高騰しているアイテムを大量に仕入れて一気に売るのが,借金返済の近道だ。ただし,相場は高騰することもあれば暴落することもあり,このときは通常の半額程度でしか販売できない(というか,買ってもらえない)。相場は一コマ単位で変動する可能性があるので,最新の価格動向には常に注意を払っておきたい。
本作のもう一つのメインとなるのが,アクションRPGのダンジョンパートだ。ダンジョン内で実際に戦闘を行うのは冒険者で,ルセットとティアはアイテム拾いのお供としてついていくという形になっており,ダンジョンに入るには「冒険者ギルド」で依頼料を支払って冒険者を雇う必要がある。冒険者はダンジョン内での戦闘をこなすことでレベルが上がっていき,依頼料もそれに応じて高くなる。仕事を依頼できる冒険者は,ゲームを進めるにつれて増えていくが,クリアだけを目指すなら同じ冒険者を使い続けたほうが効率はいい。
このダンジョンは入るたびに構造が変化し,奥に行くほど強い敵が出現する。また,一度入ったら途中で引き返すことはできず,基本的に5フロアごとに登場するボスを倒すと出現する帰還ゲートでのみ街に戻れる。一度に持ち帰れるアイテム数には上限(初期状態では20個)があり,途中で力尽きてしまうと一つしか持ち帰れないので,ダンジョン内ではくれぐれも慎重に行動しよう。
ルセット自身は,お店での売り買いを成功させて経験値を貯めることで「商人レベル」が上がっていく。商人レベルが上がるとダンジョンから持ち帰れるアイテムの上限数が増えるほか,市場や商人ギルドで売られる品物が豊富になったり,お店を拡張できるようになったりする。街には,市場や商人ギルドだけでなく,広場や酒場などの施設があり,新しい冒険者との出会いなど,ちょっとしたイベントが発生することがあるので,買出しにでかけたついでに,それらも一通り周ってみるといいだろう。
登場するアイテム総数は500以上もあるとのことで,仕事そっちのけで本編を一通りクリアした筆者の収集率は,まだたったの25%ほどだ。このほかにも,床や壁など,お店の内装のカスタマイズが可能で,本編クリア後に出現するダンジョンもあるなど,やりこみ要素はかなりのもの。EasyGameStationの公式サイトでは,本作の紹介ムービーや,最初の1週間がプレイできる体験版などが公開されており,製品版は2100円(税込)で発売中。体験版のセーブデータは製品版に引き継げるので,興味を持った人はまずはそちらからお試しあれ。取り扱いショップについては,公式サイトで確認してほしい。
■EasyGameStation公式サイト
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