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ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
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印刷2016/09/10 00:00

レビュー

6年ぶりの新作となる「Dellのゲーマー向けディスプレイ」は買いなのか

Dell S2417DG

Text by 米田 聡


S2417DG
メーカー:Dell問い合わせ先:問合わせ先一覧ページ
直販価格:5万9800円(税別,配送料込)
ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
 Dellが,ゲーマー向けディスプレイ市場へ還ってきた。
 明確にゲーマー向けとされる製品は,2010年国内発売の「ALIENWARE OptX AW2310」しかなかったDellが,6年ぶりの新製品「S2417DG」を国内発売したのだ。

 発表時のニュース記事でもお伝えしているように,S2417DGは,24インチワイドで解像度2560×1440ドット,垂直リフレッシュレート144MHz対応で「オーバークロック」なら最大165Hz設定も可能なTNパネルを採用し,中間調(Gray-to-gray)の応答速度は1msを実現。さらにNVIDIA独自のディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応と,相当にコアゲーマー向けのスペックを持っている。
 「Dellブランドらしく,万人向けを狙いつつ,ゲーマー向けの要素も足した製品」と思っていると足下を掬われるというか,同価格帯にある他社のゲーマー向けディスプレイと比べても遜色のない本気度が感じられると述べていいように思う。

 では,S2417DGという「Dellのゲーマー向けディスプレイ」は,実際のところ,どこまでゲーマー向けなのだろうか。今回4Gamerでは,Dellの日本法人であるデルから短期間ながら実機を借りることができたので,気になる性能に迫ってみよう。


組み立てやすく,洗練されたデザインの筐体を持つS2417DG


付属のケーブルはACとDisplayPort,USBとなっている。DisplayPortとUSBについては後述
ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
 さっそく,入手した実機を見ていきたい。
 S2417DGはパネル部と脚部,台座に分かれた3ピース構造で,組み立てはいたって簡単。パネルを下に向けた状態でパネル部を平らな場所に置いたうえで,脚部の爪をパネル部の穴に合うよう填め込み,さらに台座を蝶ネジで固定するだけである。

本体は3ピース構造。パネルは100mm幅のVESAマウントにも対応しているが,付属の脚部は,このマウント部へ填め込むようにして固定することになる。左でマウント部の手前に見えるのは,固定解除用のボタンだ。右は台座の底面部で,突起を脚部へ差し込んだうえで蝶ネジを回せば固定可能
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注意すべきはパネルに傷が付かないようにすることくらいで,左の状態まで,箱から出して数分で到達できる。ちなみに,背面はほぼ全部光沢加工済みで,静電気による埃が付着しやすいのはマイナスと感じた。なお,脚部にある穴はケーブルマネジメント用だ(右)
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S2417DGのインタフェース一覧。本体背面側は左からACインレット,3.5mmミニピン,DisplayPort,HDMI(Type A)が各1と,USB Type-B×1,USB Type-A×2。本体向かって左側面にはUSB Type-A×2と3.5mmミニピン×1がある
ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
 ビデオ入力インタフェースはDiplayPort 1.2×1,HDMI 1.4(Type A)×1の2系統。デスクトップPC用G-SYNCにおいては現状,DisplayPort接続が必須なので,現実的には,ゲームPCとはDisplayPort接続し,HDMIのほうにはゲーム機をつなぐといった使い方になるだろうか。
 インタフェースの数が少ないのはG-SYNC対応ディスプレイの宿命的な部分はあるのだが(関連記事),それでも,あと1〜2系統は入力があってもよかったようには思う。

 なお,S2417DGはUSB 3.0ハブ機能と,(DisplayPortもしくはHDMIで入力した)サウンドの出力機能も持っており,アップストリームのType-B端子×1にダウンストリームのType-A端子×2,そして3.5mmミニピンのライン出力端子をビデオ入力と同じ列に,本体向かって左側面にUSB 3.0ダウンストリームのType-A端子×2と3.5mmミニピンのヘッドフォン出力端子を備えている。側面に2つあるUSBポートは汎用性が高そうだ。


 ちなみに,S2417DG自体はスピーカー非搭載だが,ここをマイナスポイントと考えるゲーマーはそれほど多くないだろう。

ピボットではこんな感じの縦配置が可能
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 本体サイズは幅が実測約540mm。高さは調節可能で,机上からパネル部上端までの高さは同370〜500mmの範囲で設定できる。奥行きは同180mmだ。
 また,スタンドはピボット(旋回)のほか,スイーベル(左右回転)とチルト(傾き)もサポートをしており,いずれも調整時の動きはとても滑らかだった。このあたりはさすがDell製ディスプレイといったところである。
 なお,スタンドとケーブルも含む公称重量は約6.09kgとなっている。

左は高さ調整機構,中央はスイーベル,右はチルトの設定幅を上下段で見たもの。高さは130mm,スイーベルは左右各45度,チルトは手前5度&奥21度の範囲でそれぞれ設定できる
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上辺左右のベゼル幅は実測6mm。写真のようにノングレアパネルは縁ギリギリまであるため,狭額縁の印象が強まっている
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 なお,ここまで示してきた写真から分かると思うが,S2417DGはけっこうな狭額縁タイプで,上辺と左右のベゼル幅は実測約6mmと極めて細い。下辺のベゼルは20mmだが,こちらも標準的な製品よりは細いと言っていいだろう。
 付け加えると,表面のノングレアパネルがベゼルの一部を覆っているため,額縁は実際よりもさらに細く見えるデザインとなっている。


OSDの操作系はすこぶる残念。画質は良好な一方,メニューの設定項目は最小限


右下に並んでいるのがOSDの操作ボタンと電源ボタン。左から4つはOSD操作用で,マニュアルには「機能ボタン」とまとめられているのだが,左の2個はショートカット用としても利用でき,ユーザー側で機能を割り当てられる。LEDインジケータ付きで一番右にあるのが電源ボタンだ
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 以上,ハードウェアの完成度は非常に高い……とまとめたかったのだが,いただけないところが1点あった。それは,OSDの操作系である。
 S2417DGでベゼル下辺の右側に寄った計5ボタン中,左の4個がOSD操作用,右の1個が電源オン/オフ用なのだが,4ボタンはメカニカルスイッチで固く,おまけにOSD側の反応も鈍い。ディスプレイ自体がピボットに対応している関係で,固いOSD操作ボタンを押すと画面が傾いてしまうというオマケ付きだ。

 とくに最近のゲーマー向けディスプレイは,手元で操作できたり,PCやモバイルデバイスから挙動を制御できたりと,使い勝手に力の入っているものが多いが,それと比べると,S2417DGの前世代感はものすごい。ひょっとするとここの仕様が追いつかなかったがゆえに,今回,ALIENWAREブランドの名を冠さなかったのではないかと思えるほどである。

ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
左から3つめのボタンを押すと,こんな感じでOSDアイコンがポップアップする。アイコンの位置は下のボタンの位置と揃っていた
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最も左の「ショートカット1」にはデフォルトで「色」メニューが割り当てられていた。「色」メニューの実際の機能は後述する
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こちらは左から2つめの「ショートカット2」には,出力音量設定が標準では割り当てられている
「ショートカット1」と「ショートカット2」に割り当てるメニューは「カスタマイズメニュー」で変更できる。なお,「カスタマイズのプリセット」という項目が見えるが,これは「カスタマイズのリセット」の誤りで,選択すると初期設定に戻る
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 気を取り直して画質関連をチェックしていこうと思うが,前述のとおり,S2417DGは速度性能を優先してTN方式のパネルを採用するため,角度による色の変化は大きい。ただ,24インチワイドという大きすぎないサイズということもあり,正面から見据えることになる実際の利用シーンにおいて,TN方式の欠点は気にならなかった。

 一方,24インチで解像度が2560×1440ドットということもあり,ドットピッチは0.2058mm(≒123ppi)と,かなり小さい。結果として,目の前に映る映像は非常に高精細だ。デスクトップの実用度から言えば,この解像度なら27インチくらいは欲しいのだが,ゲーム用途では,24インチで解像度2560×1440ドットという設定は,映像のキメの細かさに貢献している。
 また,表面のノングレア(非光沢)加工は,映り込み低減にも効果がある。ゲーム用途での画質は文句なしに良好だ。

斜めから見ると「どう見てもTN方式」という色変化が生じるものの,正面から見据える限り,まったく気にならない。これは24インチワイドサイズであることの大きなメリットである。ちなみに液晶パネルの輝度は350cd/m2,コントラスト比は1000:1
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 一方,ゲーマー向けディスプレイによくある「ゲームモード」的な機能は,お世辞にも充実しているとは言いがたい。一応,色合いの設定項目「色」には「FPSゲーム」「RTSゲーム」「RPGゲーム」という3種類のゲームに適した(とメーカーが判断している)プリセットモードは用意されているものの,これらは文字どおりの色合い設定でしかないのだ。
 たとえば,他社のゲーマー向けディスプレイだと,FPSモードを選ぶと,さまざまな機能をバイパスして遅延を低減する機能が有効になったりするが,S2417DGでは単に色合いが変わるだけ。色温度値が示してあるわけでもない「標準」「暖色」「寒色」も含め,カスタマイズすら不可である。

 ユーザー側で色合い設定を行いたい場合は,「ユーザーカラー」を選択して,RGB各色の指定をパーセンテージで指定することになる。

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OSDアイコンを開いた状態で左から3つめのボタンを押してOSDメニューを開き,「色」→「プリセットモード」と進んでいくと,ゲーム用のプリセットを選択できる
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ユーザーカラーを選択したところ。RGB各色の強度を0〜100%の範囲で調節できる。ユーザーカラーの設定はこれだけ

 どんな風に色合いが変わるのか,今回はユーザーカラー以外の6プリセットを選択のうえ,画面を撮影して比較することにした。
 今回は暗めのシーンとしてPlayStation 4用タイトル「Bloodborne」,明るめのシーンとしてPC版「Fallout 4」のスクリーンショットを用いたが,結果は下に結果で示したとおり。他社のゲーマー向けディスプレイだと,ゲーム系のプリセットを選んだときには暗部の視認性を向上すべくガンマ設定を弄っていたりするが,S2417DGだと,それほど極端な設定になっておらず,若干持ち上げ気味になっている程度なのが分かる。また,それゆえに,明るいシーンで破綻はなく,そういうところからも,単なる色合い調整機能であることを確認できよう。

以下,いずれも左がBloodborne,右がFallout 4の画面を,それぞれニコン製デジタルカメラ「D60」を使い,絞り値f5.6,シャッタースピード30分の1秒固定のマニュアルモードで撮影した。なお,S2417DGの「輝度」と「コントラスト」の両設定はいずれも工場出荷時のままにしてある
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「FPSゲーム」プリセット選択時
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「RTSゲーム」プリセット選択時
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「RPGゲーム」プリセット選択時。余談だが,「RPGゲーム」というのはものすごく違和感がある
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「暖色」プリセット選択時
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「寒色」プリセット選択時
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ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
 画質面ではもう1つ,G-SYNCディスプレイということで,G-SYNCのオマケ的な機能「ULMB」が利用可能であることを付記しておきたい。
 ULMB(Ultra Low Motion Blur)は,G-SYNCを無効化のうえ,垂直リフレッシュレートを85Hzか100Hz,120Hzのいずれかに指定したときに利用できる,映像の残像感低減機能で,簡単に言うと,テレビ製品などにもある黒挿入機能である。G-SYNCとは排他となる,あくまでも映像再生用の機能だが,G-SYNCディスプレイとして,ULMBがきちんと機能することは確認できた。

OSD設定の「ディスプレイ」→「応答時間」を選択すると「高速」と「通常」が選択できる
ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
 速度性能関連の設定項目も確認しておこう。
 S2417DGのOSDメニューには「応答時間」という項目があり,「通常」と「高速」を選択できる。「高速」は他社製品で言うところの,液晶のドライブ信号を工夫して応答速度を速めるオーバードライブを有効にするものだ。
 ただ,結論から先に言ってしまうと,S2417DGの「高速」を使うことはまずないだろう。というのも,「高速」選択時の画質劣化が著しいためである。

 今回は,EIZOが提供している「Motion Blur Checker(Beta)」を使って4Gamerロゴを1ドット単位で横スクロールさせ,その様子をソニー製コンパクトデジタルカメラ「DSC-RX100 M4」から960fps撮影し,それを1080/24p再生したもので比較を行うことにした。S2417DG側のリフレッシュレート設定は144Hzとしている。

 下に示したムービーを見てもらうとすぐ分かるが,「応答時間」を「高速」にすることで,ロゴの縁(へり)に不自然なリンギングが生じてしまう。結果,一見するとゴーストっぽく見えるという,他社製のオーバードライブを強くかけたときにもよく観察される症状が出た。
 確かにスクロールはシャープになるが,それと引き替えに見た目の印象は悪くなるので,画質劣化を我慢してまで「高速」を利用するメリットはないというのが筆者の意見だ。


 なお,これ以外に画質や速度性能に関する項目はない。G-SYNC対応ディスプレイの場合,映像エンジンの重要な部分をNVIDIA製のカスタムチップが支配するため,メーカー側で凝った実装するのは難しいのだが,案の定という感じになっている。


垂直リフレッシュレート165Hz対応+G-SYNCの威力は十分すぎるほど


 ハードウェアと設定周りを概観したところで,S2417DGで最も気になる部分のチェックに移っていきたい。
 S2417DGは標準時の垂直リフレッシュレートが最大144Hz対応で,「リフレッシュレートのオーバークロック時には」165Hz設定が可能というのが公式スペックだが,そもそもの話として,S2417DGは,ただPCと接続しただけだと,垂直リフレッシュレート最大144Hzのディスプレイとして認識される仕様だ。

「オーバークロック」を「オフ」から「オン」に変える。これだけでは設定完了とならない
ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
 このリフレッシュレート設定を変更するには,まず,OSDメニューの「ディスプレイ」→「オーバークロック」で,「オン」を選択するのだが,これだけだとリフレッシュレートは切り替わらない。この点は(実にDell製品らしく)何の説明もないので筆者も最初は戸惑ってしまったが,「オン」を選択するとOSDメニューに出てくる「オーバークロックリフレッシュレート」から,150/155/160/165のどれかを選ぶ必要があるのだ。これでようやく設定完了である。

「オーバークロックリフレッシュレート」のバーからオーバークロック設定を選択(左)。選択後,「オーバークロックリフレッシュレート」のところに選択後の値が表示されれば設定完了だ(右)
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 選択すると,画面中央付近に下に示すとおりのアラートが出てくる。分かりにくい文章なのだが,ここで[はい]を選択すれば,自動的にディスプレイが再機動して,オーバークロック設定が有効になるという仕掛けだ。
 オーバークロックを行ってディスプレイを再起動したら画面に何も表示されなくなった場合は,いったんDisplayPortを抜いて差し直すとリセットがかかる仕様にもなっている。

垂直リフレッシュレートのオーバークロック設定を行うと出てくるアラート。[はい]を選択すると自動的にディスプレイが再起動してオーバークロック設定が有効になる
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オーバークロック設定に成功したところ。NVIDIAコントロールパネルから,「オーバークロックリフレッシュレート」で選択した値を選択できるようになる
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 なぜこんな面倒な設定方法になっているかだが,付属の光学メディアに収録されているpdf形式のマニュアルによると,環境によっては正常に表示できないことがあるためだそうだ。要するに,パネルの仕様としてはあくまでも144Hzなので,それ以上は100%の安定動作を保証できないということなのだろう。

 さて,「高い垂直リフレッシュレートでヌルヌル」というのは今更繰り返すまでもないと思うが,S2417DGはそれに加えてG-SYNCをサポートする。なので今回は,「GeForce GTX 1080 Founders Edition」搭載システムを使って,G-SYNCを絡めてチェックしてみることにした。
 ここでテストに使ったタイトルは「Project CARS」だ。144fps以上が出る設定でProject Carsを実行し,リプレイを前述のDSC-RX100 M4から,やはり960fps撮影する。それを1080/24p再生して,何が起きているか見ようというわけである。

ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
 というわけでまずは,垂直リフレッシュレートのオーバークロックを無効化し,定格の144Hz設定でProject CARSのリプレイを再生することにした。下に示したのは,G-SYNC有効,G-SYNC無効+Vsync有効,G-SYNC無効+Vsync無効の3パターンで計測した結果を順につなげたムービーだが,ここで興味深いのはG-SYNC有効時の様子だ。

 G-SYNCを有効化にすると,フレームレートはディスプレイの上限リフレッシュレートで抑えられるのが普通だが,今回のテストシステムだとリフレッシュレートは150fpsを超えてくる。すると,G-SYNCでは生じないはずのテアリングが,ごくまれに生じるのを確認できたのである。画面奥(=上)で横に流れる柵に注目してもらうと分かりやすいだろう。
 とても不思議な現象で,S2417DG独特の挙動だと思われる。


 では,垂直リフレッシュレートを165Hzまでオーバークロックするとどうなるのかというと,予想どおり,G-SYNC有効時のテアリングは綺麗に消える。GeForce GTX 1080を持ってしてもProject CARSで165fpsを超えるのはなかなか難しい――解像度を下げたりグラフィックス設定を下げたりしても,先に相対的なCPUボトルネックがやってくる――ため,165fps超級でテアリングが出るのかどうかまでは分からないのだが,「144Hz設定時にG-SYNCでテアリングが生じた場合,垂その直リフレッシュレートのオーバークロックは有効」とは言えるだろう。


 ちなみに,「165Hz+G-SYNC」の威力はなかなかのもので,映像のスムーズさに目を奪われる。いったんこの環境に慣れると,他の環境に移るのが難しくなるのではないかと思うほどだ。


測定環境の限界から遅延検証結果は微妙なものに


ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
 さて,最後にディスプレイの表示遅延を調べてみたい。ただし,S2417DGはDisplayPortとHDMI入力しか持たないこと,テストに堪えるスペックを持ったDisplayPortスプリッタが市場に見当たらないことから,今回,十分な検証を行うことができなかった。
 筆者の手元にあるノーブランドのHDMIスプリッタだと,垂直リフレッシュレートは60Hzまでの対応なので,同じく60Hz対応のS2417DG側HDMIと接続したうえ,今回はこの条件におけるテスト結果を参考として示しておきたい。ここで使うツールは「LCD Delay Checker」である。

 比較対象として用いるのは,4Gamerの比較用リファレンスであるBenQ製ディスプレイ「XL2430T」。本機は垂直リフレッシュレート最大144Hz対応だが,HDMI入力時は最大60Hzなので,60Hzに設定のうえ,動作モードは「FPSモード」,パススルーモードにあたる「Instant Mode」は有効という,最も遅延が小さくなる設定で,S2417DGと比べてみる。

 下に示したムービーは,前半がS2417DGの「応答時間」を「通常」,後半は「高速」にしたものだ。「通常」だとS2417DGのほうがXL2430Tよりもやや大きな遅延がある。「高速」にすると緩和されるが,再生を一時停止しながら調べた限り,1フレーム未満の遅延がやはり生じているようである。


 念のため,「色」→「プリセットモード」から「FPSゲーム」「RTSゲーム」「RPGゲーム」に切り替えて遅延をテストしてみたが,やはりというか何と言うか,前述のとおり,これらは色合いのみを変える機能であって,遅延状況に違いはなかった。


 なお,今回は,時間の許す限り足掻こうということで,手元のGeForce GTX 1080 Founders Editionと,「GeForce GTX 980 Ti」搭載グラフィックスカードを使い,カード上にある複数のDisplayPortが持つ組み合わせを全部試し,同じタイミングで出力できる組み合わせがないか試したのだが,つなぎ換えると遅延の発生する,一貫性のない結果になった。なので,グラフィックスカードのデスクトップミラーリングで遅延計測を行うのは,少なくとも試した限りでは不可能だ。
 したがって,非常に残念すぎる話なのだが,DisplayPort接続して高リフレッシュレート設定したときの遅延テストについては,今後の課題ということにさせてもらいたいと思う。


ALIENWAREブランドを冠していないのは納得。しかしコストパフォーマンスは高い


 以上,駆け足ながら,S2417DGを評価してみた。
 画質面や速度性能面における機能並びに設定項目の少なさ,そしてOSDメニューの操作系に対する工夫のなさは,確かにALIENWAREグレードではない――というか,市場で先行する他社のハイクラスモデルと,総合的な完成度で戦えるレベルにはない――わけで,S2417DGがDellブランドで出てきた理由は,このあたりに求めることができそうだ。

ゲーマー向けディスプレイ「S2417DG」レビュー。Dellにとって6年ぶりの新作となるG-SYNC対応モデルは買いなのか
 ただし,だからといって,S2417DGに価値がないわけではない。実勢価格で税込5万6000〜6万5000円前後で最大リフレッシュレート144Hz超級,中間調応答速度1msの解像度2560×1440ドットパネルを搭載し,さらにG-SYNCにも対応する製品というのは,少なくとも筆者が知る限り本機だけだ。ゲーマー向けの高スペックディスプレイとしては文句なしに値ごろ感の高い製品である。
 機能の貧弱さとOSDメニューの使い勝手の悪さにさえ納得できるなら,2016年9月時点において,最もコストパフォーマンスの高いディスプレイだと結論付けることができるだろう。

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