オススメ機能
Twitter
お気に入り
記事履歴
ランキング
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
Access Accepted第595回:新ハードは2020年? SIEのE3出展中止報道から想像できること
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2018/11/26 12:00

業界動向

Access Accepted第595回:新ハードは2020年? SIEのE3出展中止報道から想像できること

画像(001)Access Accepted第595回:新ハードは2020年? SIEのE3出展中止報道から想像できること

 ソニー・インタラクティブエンタテインメントが,過去24年にわたって欠かさず参加してきたE3に,2019年は出展しない予定であるというニュースが流れ,多くのゲーマーや業界関係者を驚かせている。果たしてこれは,最近,求心力の低下が叫ばれているE3に価値がなくなったという判断なのだろうか。今週は,あちこちから聞こえてくる噂話を含めて,同社の今後を予想してみたい。


2019年に向けたソニー・インタラクティブエンタテインメントの動き


 北米のゲームメディアGame Informerによると,ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下,SIE)は2019年6月に開催されるイベント「E3 2019」に参加しない意向を明らかにしたという(関連記事)。2019年に記念すべき25周年を迎えるE3は,大手ゲームメーカーが一堂に会して開催年の後半以降にリリースされる新作を発表する場として日本のゲームファンにもよく知られており,欧米ゲーム業界では最も影響力を持つイベントだ。
 SIEは,1995年に開催された第1回から参加しており,カンファレンスやショーフロアで大きな存在感を示してきた。それだけに,多くのゲーマーや業界関係者はこれを“異変”として捉えているようだ。

E3 2019へは出展しないと報道されたSIE。ショーフロアに大きなブースを出展していただけに,そのスペースをどう埋めるのだろうか
画像(002)Access Accepted第595回:新ハードは2020年? SIEのE3出展中止報道から想像できること

 SIEのコミュニケーション部門で副社長を務めるジェニファー・クラーク(Jennifer Clark)氏はGame Informerの質問に対し,同社がE3 2019への参加を取りやめた理由として,「固定観念を超えて,PlayStationファンを喜ばせる方法を試すため」であると述べている。原文の「固定観念を超える」は“Think differently”となっており,Appleが20年以上前に使用して成功を収めたプロモーションのスローガン“Think different”を思い出させる。

 なお,クラーク氏は,「2019年には,新旧双方の手法を用いて,コミュニティの心をつかんでいく予定である」とも述べており,彼女の言うコミュニティは,ファンのことだけでなく,開発者やメディアも含んだ広い意味を持っているはずだ。

 SIEはまた,ここ数年,12月の恒例になっていたファンイベント「PlayStation Experience」も開催しないことも明らかにしている。したがって,10月にフランスに行われた「Paris Game Week 2018」以降,同社のイベント参加予定はまったくの空白になってしまった。

 これらは確かに異変かもしれないが,冷静に考えると発表できるものが少ないという事情もありそうだ。最近まで,ほかのプラットフォームホルダーを圧倒するほどの勢いでエクスクルーシブタイトルを揃えてきたPlayStation 4だが,とりあえず出るものは出てしまい,現在は落ち着いた雰囲気が漂っている。2019年以降の発売が予定されている注目作は,「The Last of Us Part II」「Days Gone」「Ghost of Tsushima」,そして「DEATH STRANDING」にほぼ絞られており,ご存じのように6月に開催されたE3 2018でも上記の4作がカンファレンスの中心になっていた。
 SIEにE3 2018で目立った新作発表がなく,かつての元気さが影をひそめたという感想は,本連載の第580回「ゲーム業界の最重要イベント,『E3 2018』を振り返る」でも触れたとおりだ。

 2013年の発売からちょうど5年が経過したPlayStation 4は,そろそろ息切れを起こしている――そう考えるのは早計かもしれない。SIEの一連のこの動きを,「PlayStation 5」発表への布石と見ることもできそうだからだ。

フランスのゲームメディアVRPlayerに掲載されたPlayStation 5のコンセプトアート。もちろん,彼らが勝手に想像したものだ。上に物を乗せにくいデザインは日本では敬遠されるようだが,フランス人はこういう形が好みなのだろう
画像(003)Access Accepted第595回:新ハードは2020年? SIEのE3出展中止報道から想像できること


2019年に新型ハードウェアの発表。リリースは2020年か?


 実は,Game Informerの記事が掲載される前日,アメリカの巨大掲示板Redditに,SIEのE3 2019への出展中止を伝える「予言コメント」が書き込まれていた。
 RuthenicCookieという謎の投稿者はこのほかに,「2019年にはPlayStation Experienceとは別のイベントが予定されている」と,妙に具体的な書き込みを行い,「変更の可能性もあるが,8コアのAMD Ryzenプロセッサを使った500ドルのハードウェアが,2020年3月か11月に発売される」と書き込み,それがちょっとした話題になっている。

2018年4月,SIEがアメリカ特許商標庁に出願した資料一部。VR対応ヘッドマウントディスプレイを装着したプレイヤーが見ている世界を,モバイルデバイスでほかの人も共有できるという技術であるらしい。リアルなVRやAIを駆使したゲーム,サービスの新しい形など,次世代コンシューマ機に期待できることは多い
画像(004)Access Accepted第595回:新ハードは2020年? SIEのE3出展中止報道から想像できること
 もちろん,この書き込みをそのまま真に受けることはできないが,その一方,イギリスで発行されている経済誌Financial Timesの電子版が10月18日に掲載した記事では,SIEが新しいハードウェアの開発を行っていることを報じている。また,電化製品の情報サイトTrustedReviewは,ソニーの関連企業であるジャパンディスプレイがVRデバイス向けの高性能LCDの生産を行うと伝えており,SIEの周辺で何かが動き出している気配は濃厚なのだ。

 現在のコンシューマ機開発では,傘下のファーストパーティのタイトルを揃えつつ,いかにサードパーティの協力を取り付けていくのかが重要になる。上記のように,E3 2018で新作発表が少なく,2019年のPlayStation 4向けタイトルが絞られているのは,すでにメジャーなデベロッパに開発キットやプロトタイプがわたっており,SIEが次世代機のプロジェクトを進める一方,デベロッパもそちらにシフトしつつあるとは考えられないだろうか。

 さらに,現在の情勢で言えば,新しいハードウェアの発表に関係者しか集まらないE3のようなイベントがふさわしいわけでもない。事実,まだ「Project Morpheus」というコードネームで呼ばれていたPlayStation VRはE3でなく,一般参加も可能な開発者向けイベントのGDC(Game Developers Conference)で初公開されている。周辺機器とコンシューマ機本体を同列に並べることはできないが,2019年のGDCにはいつも以上に注目する必要があるとかもしれない。

 ライバルのMicrosoftは,アメリカで“第9世代”などと呼ばれる次世代コンシューマ機での先手を打っている。E3 2018のメディアブリーフィングで同社のXbox部門を率いるフィル・スペンサー(Phil Spencer)氏が,次世代Xboxを開発中であると発表したのだ(関連記事)。
 具体的な発表内容はなく「開発中である」と言うだけで,正体は海のものとも山のものともつかないが,こうした発言を行った以上,おそらく2019年のE3でなんらかのフォローアップがあるだろう。もし正式発表されれば,次世代Xboxは早くて2019年末,遅くても2020年にはリリースされるくらいのスケジュール感で,SIEがこのことに対して無頓着であるとも考えにくい。

新型コンシューマ機の開発をSIEに先んじて発表したMicrosoft。過去の例を見る限り,先に発売されたハードウェアが(少なくとも最初の数年は)独走状態になることが多い。両社とも,それは十分に理解しているはずだ
画像(005)Access Accepted第595回:新ハードは2020年? SIEのE3出展中止報道から想像できること

 以上,筆者の想像もかなり含まれているが,読者の皆さんはどう思うだろうか。
 次世代コンシューマ機の主流になるといわれるクラウドコンピューティングについては,本連載の第591回「Googleのクラウドゲーミング参入はゲーム業界に変革をもたらすか」で紹介したとおりだが,通信インフラが世界規模で整っているかといえば,それはまだまだ不十分で,技術的にも一段の飛躍が必要になる。筆者は,すべてのゲームがやがてストリーミングで楽しめるという未来を信じているものの,それには時間がかかりそうで,据え置き型のコンシューマ機の重要性はまだ長く続く。
 「XデイならぬXイヤーは2020年!」と断言するには早すぎるが,少なくとも2019年にはさまざまな動きがより鮮明になってくるだろう。

著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
トピックス
スペシャルコンテンツ
タイトル評価ランキング
81
KENGOHAZARD2 (PC)
76
鬼ノ哭ク邦 (PC)
76
Days Gone (PS4)
74
2019年04月〜2019年10月