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Access Accepted第367回:「OUYA」と「Atlas」はゲーム業界に変革を迫れるか
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印刷2012/12/10 12:00

業界動向

Access Accepted第367回:「OUYA」と「Atlas」はゲーム業界に変革を迫れるか


 2013年春の発売に向け,Androidベースのコンシューマ機「OUYA」の開発が進んでいるようだ。そんな中,Android端末のゲームを操作できるというコントローラ,「Atlas」をひっさげ,新たなメーカーGreen Throttle Gamesが市場に参入してきた。ゲームを遊べるプラットフォームが多様化する中,これらの新機種が既存のゲーム市場に変革を迫れるのか。今週はAndroidをキーワードに,二つの製品を紹介しよう。


Androidベースのゲーム機がいよいよ発売間近


 2012年12月3日に掲載した本連載の第366回,「iGeneration時代のコンシューマ機」で,iGenerationと呼ばれる新世代の青少年が,iOSデバイスをクリスマスプレゼントに望んでいるというNielsenの統計を紹介した。しかし,スマートフォン市場全体を見れば,Androidベースの機器は75%と大多数を占めている。

 そんなAndroid OSの最新バージョンであるAndroid 4.1/4.2(Jelly Bean)を搭載し,99ドルという価格帯で発売される据え置き型のコンシューマ機が,本連載でも何度か紹介している「OUYA」だ。懸案だったプリント基板の生産体制にもメドがつき,12月末には開発機の第1陣が出荷される予定になっているなど,2013年春の発売に向け,計画は順調に進んでいるようだ。
 ゲームを開発するための「OUYA Development Kit」(ODK)を搭載した開発機は,6万3000人を超えるKickstarterの出資者全員に送られるわけではなく,人数は未発表だが,699ドル以上を投資した人に限られる。もっとも,当初の計画どおり,最終製品版にもODKは同梱されるので,企業でも個人でも,ロイヤリティフリーでOUYA向けゲームの開発・販売が可能になるはずだ。

12月末から1月上旬にかけて,699ドル以上の出資者向けに開発機が配送される予定のOUYA。ゲームだけでなく,動画や音楽配信企業とのパートナーシップを結んでいたりするので,今後,PlayStation NetworkやXbox LIVE並みのサービスが提供されることになるのかも

 現時点で,OUYA向けにリリースが予定されているのは12タイトルほど。いち早く参入を表明したスクウェア・エニックスによるリメイク版「Final Fantasy III」と,「Call of Duty」シリーズのブランド戦略を担当したロバート・ボーリング(Robert Bowling)氏が設立したRobotokiの新作アクション「Human Element」特別篇などが注目されている。
 これらはすべてFree-to-Play(基本プレイ料金無料)のタイトルとしてリリースされ,サードパーティは,ゲーム内アイテムやDLCの販売,アップグレードサービスなどで利益を得る予定になっている。

Googleが開発するオープンソースのOS「Android」。そのコードネームは,「Donut」や「Cupcake」「Ice Cream Sandwich」「Jelly Bean」など,甘味の強いものばかりだ。2012年10月末にリリースされた最新バージョンとなる4.2では,使い勝手面での改善が図られている
 OUYAの思想は,OSであるAndroidと同じく「オープンであること」だ。誰でもゲームの開発・販売が可能であり,さらにユーザーがOUYAを自分好みに改造したりすることも推奨されている。この場合,問題になりそうなのが,違法コピーなどの,いわゆる海賊行為だが,OUYAは対応ゲームをすべてFree-to-Playにすることで,海賊版を無意味なものにしているのがポイントといえる。

 OUYAのビジネスモデルは,ゲーム内で販売されたアイテムなどの売上の70%をメーカーが得て,残り30%の中から利益を出すというものになっている。99ドルという本体価格を考えると,ハードウェア販売で利益を得ることは難しそうなので,ソフトを提供するサードパーティがマイクロトランザクションで儲けてくれれば,そのぶんOUYA側も潤うという流れになる。長期的に利益を生み出し続けられるのか,大いに気になるところだ。


スマートフォンがコンシューマ機になる!? 新発想のデバイスも


 OUYAだけでも2013年のゲーム市場はずいぶん楽しくなりそうだが,新たな入力デバイスとして開発が進められている「Atlas」という新製品にも注目が集まっている。
 Atlasは,一見するとどこにでもあるゲームパッドだが,BluetoothでAndroid端末に接続し,端末上で動いているゲームアプリをAtlasから操作できるようになっている。高解像度テレビに接続できるAndroid端末と組み合わせれば,大きな画面でゲームを楽しめるようになるわけだ。PlayStation 3やXbox 360の代わりにAndroid端末があり,それを手元のAtlasで操作するというイメージになる。

Green Throttle Gamesが開発中のAtlasは,BluetoothでAndroid端末と接続してゲームを操作するためのゲームパッド。Android端末を高解像度テレビに接続すれば,大きな画面でゲームが楽しめる。ハードウェア的にはゲームパッドだけなので,開発のリスクが少ないのがウリとされている。ちなみに,iOS向けバージョンも開発が進められることになるようだ

 Atlasを開発中のGreen Throttle Gamesは,2012年12月4日にベンチャーキャピタルから600万ドル(約4億9500万円)の出資を受けたと発表しており,製品化は確実な状況だ。すでに44.95ドルで予約受付も開始されており,対応機種として,GoogleのNexusデバイスや「HTC One X」「GALAXY S II」「Galaxy Note」の名前が並んでいる。

 Green Throttle Gamesを起業したチャールズ・フアン(Charles Huang)氏は,RedOctaneの設立者で,「Guitar Hero」シリーズの開発を指揮した人物としても知られる。そんな彼のもとに,Nokiaで製品部門の幹部を務めたマット・クロウリー(Matt Crowley)氏と,Palmのエンジニアとしてスマートフォンの原型ともいえる「PalmPilot」の開発に携わったカール・タウンゼント(Karl Townsend)氏が集まっているのも見逃せないところだ。

 すでに,nWay,Free Range Games,そしてMercenary Technologyといったモバイルゲームのメーカーが,Atlas対応ゲームを開発すると発表。Green Throttle Gamesはさらに,開発キットを2012年内に配布する予定だが,Atlas成功の鍵は,今後どれだけのメーカーが参入してくれるかにかかってくるだろう。
 将来性は未知数ながらも,すでに存在する膨大な数のAndroidユーザーをターゲットにしているだけに,勝算は相応に見込めそうだ。なお,Atalsの公式サイトで公開されているムービーでは,スマートフォンとAtlasを持って友人の家に遊びに行き,そこでCo-opや対戦を楽しむといった場面が紹介されている。


 Wii Uが発売され,さらには「Durango」と呼ばれる次世代Xboxや,「Orbis」というコードネームの次世代PlayStationに関する噂話も各所から聞こえてくるが,その一方でAndroid搭載機やiOSベースのデバイスも進化を続け,既存のゲーム産業に変革を与えることになるだろうと,Green Throttle Gamesに出資したベンチャーキャピタルのTrinity Venturesは見ている。
 ゲームを遊べるプラットフォームが多様化するなか,OUYAやAtlasなどは果たして市場にどのようなインパクトを与えてくるのか。そして,それを現在のコンシューマ機はどう受けるのだろうか。今後も注視していきたい。


著者紹介:奥谷海人
 4Gamer海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年の開始以来,4Gamerで最も長く続く連載記事。欧米ゲーム業界に知り合いも多く,またゲームイベントの取材などを通じて,欧米ゲーム業界の“今”をウォッチし続けている。
  • 関連タイトル:

    OUYA

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