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印刷2012/03/26 17:23

業界動向

Access Accepted第339回:次世代コンシューマ機のグラフィックス予想


 前回の本連載では,2013年の発売が予想される次世代Xbox 360についてまとめた。世代が変わるごとに,とくにゲームグラフィックス面で大きな進歩を見せてきた据え置き型のコンシューマ機だが,次はどのようなものになるのだろうか? 今回は,次世代コンシューマ機のグラフィックス進化の方向性について考えてみたい。


GDC 2012で話題になった「Kara」の最新技術


 2012年3月5日〜9日,サンフランシスコで開催されたGame Developers Conference 2012で大きな話題を呼んだセッションがあった。それが「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」でゲーマーのハートをガッチリつかんだフランスのデベロッパ,Quantic Dreamのテクノロジーデモ「Kara」だ。Karaは独自のモーションキャプチャ技術を利用したショートムービーで,同社のCEOであるDavid Cage氏独自の視点を持った講演ともども,来場者やメディアの大きな注目を集めたのだ。

 Karaについては,2012年3月8日に掲載したGDCのセッションレポートで詳しくお伝えしているので,そちらも合わせて参照してほしい。Karaのデモをまだ見たことないという人は,公式発表されたムービーを以下に掲載したので,ぜひ見てほしい。


 Karaは,人々の生活を補助する目的で生産されたアンドロイドが「意識」を持つ瞬間を描いたものだ。アンドロイドのKaraが「私,生きていると思ったのに」と話したことに驚いた研究者が,大きな問題になる前にKaraを解体し始めるが,それに対して「怖いの!」と叫ぶKara。そして……。これ以降は,とりあえずムービーで確認してほしい。
 7分余りのビデオでは,この研究者は声だけで姿を見せない。事実,研究者とは書いたものの,アンドロイド工場の責任者,あるいは声の主もAIかもしれず,素性は分からない。いずれにせよ,Quantic Dreamが2006年にリリースした技術デモ「The Casting」と同様,登場するのはKara1人だけという構成で,キャラクターの身体や表情の動きをキャプチャすることで,CGでいかに自然な演技を行わせることができるかに挑戦している。

 余談ながら,Karaのモデルとなったのはアメリカ人女優ヴァロリー・カリーさんで,最近公開されたビハインド・ザ・シーンのムービーによると,彼女の顔に多数のマーカーをつけて撮影した様子が確認できる。Quantic Dreamは自社のモーションキャプチャースタジオを持っており,そこに設置された約40台のカメラで彼女の撮影が行われたという。

 このテクノロジーデモで興味深いのはThe Castingと同様,プリレンダではなくPlayStation 3でリアルタイム処理が行われていることだ。グラフィックスのレンダリングには,Quantic Dreamが独自開発したゲームエンジンが使用されているが,The Castingと比較すると,キャラクターの質感や筋肉の動きの描画などが大きく向上しているのが分かる。つまり,同じハードウェア(PlayStation 3)でありながら,モーションキャプチャ技術の向上とエンジンの改善によって格段にレベルアップしたグラフィックスになっているというのが,大きなポイントだ。

PlayStation 3を使用したテクノロジーデモ「Kara」。300の言語に対応しているというKaraは,ドイツ語やフランス語を話すかと思うと,日本語で「さくら」を歌いだす。その動きには,フランスで活躍する日本人ダンサー,壇上花子さんの演技がミックスされている
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 セッションでCage氏が念を押していたが,Karaはゲームではなく,The Castingと同じように,あくまで次回作に使用されるゲームエンジンのテストのために作られたものだ。
 とはいえ,一年ほど前,Quantic DreamはSony Computer Entertainment Europeと共同で「Fiv5」というドメインネームを取得しており,そのことから「5人のアンドロイドを主人公にしたゲームが制作される」という噂が流れたこともある。噂の真偽はともかくとして,寡作で知られるQuantic Dreamが新作をリリースするのは,早く見積もっても2〜3年後のことだろう。


次世代ゲームグラフィックスは,どこへ向かうのか


 さて,前回の本連載「次世代コンシューマ機にまつわる話題」では,2013年の発売が噂される次世代Xboxについてまとめてみたが,対する,次世代PlayStationのリリースは2014年という見方をするメディアは多い。仮にそれが正しいとすれば,Quantic Dreamを含めた多くのゲーム開発会社が次世代PlayStationに向けた新作の制作に入っているはずだ。

 次世代PlayStationのハードウェアについて,現時点ではもちろん分からないが,PlayStationからの流れを考えると,ハイレベルのゲームグラフィックスを追求してくる可能性が高い。現在,最高峰のグラフィックスを誇る商用ゲームエンジンとしては,Crytekの「CryENGINE」と,Epic Gamesの「Unreal Engine」を思い浮かべる人も多いだろう。
 GDC 2012でCrytekは,次世代Xbox 360でグラフィックスのベースになると予想される「DirectX 11」に対応した「CryENGINE 3」の最新バージョンのデモを行っていた。Microsoft関係者が「もし,次世代のXboxのゲームを開発したいのであれば,CryENGINE 3に慣れておくといいだろう」とゲーム開発者に説明したという話も聞いているので,注目しておく必要がありそうだ。

DirectX 11に対応した「CryENGINE 3」の最新版。Crytekは,「CryENGINE 3はDirectX 11.1になんの問題もなくアップグレードできる」とスケーラビリティの高さを強調しており,次世代Xbox 360のソフトを“今から”制作できるミドルウェアとしてシェアを広げるかもしれない
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 一方のEpic Gamesは,次世代Unreal Engineのグラフィックスデモとして2011年に「Samaritan」を制作している。Epic Gamesのティム・スウィーニー(Tim Sweeney)氏によれば,解像度1920×1080ドットで30fpsのフレームレートの同デモは,ピクセルごとに4万オペレーション/秒を行っており,トータルで2.5TFLOPS(テラフロップス)の処理が必要になるという。同氏は「Xbox 360の処理能力は約0.25TFLOPSなので,Samaritan並みのグラフィックスを実現するには,現在の10倍の処理速度が必要になる」と語っており,一見するととんでもない技術的飛躍が要求されているように感じられた。

 ところが,GDC 2012では,NVIDIAの新世代GPU「Kepler」こと「GeForce GTX 680」一枚でSamaritanが動いており(関連記事),さまざまな負荷軽減のためのトリックが使われているとはいえ,1年前には夢のようだったSamaritanのグラフィックスが手の届く範囲に入ってきたわけだ。

 コンシューマ機では,技術的に優れたソフトウェアが世代交代の直前に出てくるという現象が見られる。最初は手探り状態だったプログラマーがハードウェアに慣れ,ライブラリが拡充し,ファームウェアのバグも枯れてくるからだ。ゲームグラフィックスに関しては現行の世代が成熟期を迎えつつあり,Karaデモからも分かるように,同じハードウェアにもかかわらず,大きな進歩を実現させている。
 そして,よほどのブレイクスルーがない限り,次世代コンシューマ機にも現在の技術が継承されていくはずだ。KaraやSamaritanなど,次のグラフィックス技術はすでに我々の見えるところにあるといっていいだろう。

 ともあれ,2012年末のWii Uに続き,2013年には次世代Xbox,そして2014年にはPlayStationの新型機と,前回の,Wii,Xbox 360,そしてPlayStation 3のリリースと同じパターンが繰り返されると,多くの欧米メディアが予想している。前回も書いたことではあるが,今後数年,欧米ゲーム業界は大きく動いていくだろう。

著者紹介:奥谷海人
 本誌海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,北米ゲーム業界に知り合いも多い。この「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年に連載が開始された,4Gamerで最も長く続く連載だ。バックナンバーを読むと,移り変わりの激しい欧米ゲーム業界の現状が良く理解できるはず。
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