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印刷2009/11/27 14:02

業界動向

奥谷海人のAccess Accepted / 第242回:究極のゲームデバイスを探る

奥谷海人のAccess Accepted

 今週は,ゲームコントローラを始めとしたゲーム周辺機器について考えてみよう。十年一日のごとく「キーボード&マウス」で遊ぶPCゲーマーにはあまり縁のない話かもしれないが,ギター型やスケートボード型のコントローラ,バランスWiiボードやPlayStation Eyeなど,現在のコンシューマ機の周辺機器は百花繚乱。その中から,いずれ現在のコントローラを駆逐するものが出てくるのかもしれない。さらに究極の周辺機器は,すべてのコントローラを過去の遺物にするかもしれないのだ。

第242回:究極のゲームデバイスを探る

 

コントローラの時代がやってくる?
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Guitar Heroシリーズの大成功を受け,このところ「奇抜」ともいえる専用ゲームコントローラが次々に登場しているが,最右翼を担うのがActivision Blizzard。彼らの新作は,スケートボード型コントローラでトリックを行なう「Tony Hawk: RIDE」。画像は,今年の6月に行なわれたE3 2009のイベントでゲームについて説明するトニー・ホーク氏

 ときは3009年。ところはアメリカ西海岸。考古学者の一団が,メガロポリスの拡張にともなって発見された遺跡を調査していた。それは,ちょうど1000年前のアパートと思われる建物で,史実をたどると当時は大不況のさなかだったらしく,火事にあったそのアパートは,建て直されることも,また取り壊されることもなく,そのままの状態を保って地下に埋まったようだった。
 調査中の一角は1000年前のリビングルームらしく,保存状態が非常に良いため,図書館のアーカイブで見られる過去の映像そのままの姿を残していた。

 調査団の一人,若手研究員のキャシーがその場所に興味をひかれたのは,1000年前の人々がどのような娯楽を楽しんでいたかが分かりやすいためだった。西暦2000年を中心にした前後50年間の,ほぼすべての住居遺跡から「家庭用ゲーム機」と呼ばれる機器が発掘されている。だが,この遺跡からはさらに,家庭用ゲーム機に付随したさまざまなオブジェクトが発見されているのだ。矢印のついたマット,当時の自動車の方向を操作するらしい機械に似たもの,ギターやドラム,フィットネス用の台,さらにはクイズゲーム用のプッシュボタンから釣竿まで,リビングルームの遺跡はたくさんのオブジェクトで溢れていた。

 エンターテイメント歴史学者によれば,この時期は,Age of Peripherals (周辺機器の時代)と呼ばれているそうだ。やがて主流になるAge of Motion-Censored Cameras (センサー付きカメラの時代)の直前,正確にはダンスマットなどが日本で突然発生した1999年から,ギター型コントローラやチェーンソー型コントローラが出土される2005年を経過し,ターンテーブルやスケートボード型コントローラがアメリカを席巻した2009年に至る10年間である。
 調査員キャシーは,こうした機器が短期間に次々と登場し廃れていった事実に驚きを隠せなかった。そして,1000年前にゲームを楽しんでいた人々の様子を想像せずはいられなかったのである……。

 ……ちょっと妄想が過ぎてしまったようだ。というわけで,今回は(すでにお気づきかと思うが)欧米ゲーム業界におけるゲームコントローラの話をしたい。

 ここ数年,ゲームコントローラの販売には,すさまじいものがあった。Activisionが「Guitar Hero」をリリースしたのが2005年。以来,シリーズ総計2500万本という大ヒットシリーズに育っているが,売上累計が推定で20億ドル(約1900億円)に達した理由の一つとして,コントローラを含めたゲーム単価が高かったことが挙げられる。ドラムやマイクが付いたスペシャル版は邦貨で2万円を軽く超えてしまうほどで,へたをすると,コンシューマ機本体より高価な周辺機器という,なんともおいしい商売になっているのだ。

 

ゲームコントローラの変革は来るのか?
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ゲーム史にも記されるであろう面白デバイスの筆頭「チェーンソー・コントローラ」は,PLAYSTATION 2とGameCube用「バイオハザード 4」のために,NubyTechという会社がデザインしたものだ。エンジンをかけるようにリプコードを引っ張るスタートボタンがイカすデバイスだったが,実際にはチェーンソーよりも銃のように画面に向けて使用する機会のほうが多かった

 本連載の第241回,「岐路に立つ欧米ゲーム産業」でもレポートしたように,「DJ Hero」と「Band Hero」の評判があまり芳しくないActivision。そんな彼らは2009年11月17日,「Tony Hawk: RIDE」という,スケートボード型コントローラが売りのゲームをリリースした。
 とはいえ,プレイヤーの微妙な動きをセンサーで読み取ってトリックに変換していくのは,やはり技術的に難しいらしく,メディアやスケートボーダー達の評判はあまり良くない。専用コントローラ付きのゲームにおけるActivisionの苦戦は,しばらく続きそうだ。

 ゲームコントローラビジネスは,売れれば儲かるぶん,失敗したときのリスクも大きい。また,特定のゲームにしか対応していないコントローラは,いっとき人気商品になったとしても,ゲームの売れ行きと共に下降線をたどるのは避けられない。
 さまざまなコントローラが登場する時代に生きる我々は,「数年後に残っているのはどれなのか」とか「次世代のスタンダードになるものは登場するのだろうか」などと考えてしまうが,どうも根本的な変化はすぐには来そうもない。この先しばらく,ゲームパッドでゲームをするという現在のスタイルが続くことになるだろう。

 「デュアルショック2コントローラ」を搭載したPlayStation 2がリリースされたのは,1999年のことである。もちろんコントローラだけが理由ではないが,PlayStation 2はシングルスティックのコントローラを使ったNINTENDO64を販売台数で大きく引き離し,MicrosoftのXboxがデュアルスティックを採用したことでそれが一般的になった。
 ちなみに,ゲームの入力デバイスや周辺機器に関して,Microsoftは常にソニーのアイデアを借用している感があり,例えばPlayStationのクイズゲームであるBuzz!シリーズは,Xboxの「Scene It」に,「EyeToy」は「Xbox Liveビジョンカメラ」に,カラオケゲームの「SingStar」は「Lips」にという感じで対抗馬をリリースしている。

 デュアルスティックが一般的になったコントローラに大きな変化をもたらしたのは,任天堂である。リモコンを思わせるコントローラが採用されたWiiは,それまでPlayStaionに次ぐ二番手に甘んじていた同社をトップに返り咲かせた。とはいえ,従来のコントローラが廃れたわけではない。Wiiは「ゲームをやらない層にアピールする」ためにこうした斬新な入力デバイスを採用したのであり,ゲーマーは相変わらずゲームパッドを使用している。
 E3 2009で任天堂は,次なるコントローラ候補として「Wiiバイタリティ・センサー」を発表したが,現在のところ,それを使ったゲームは発表されていない。

 

もはやデバイス入らずなデバイス,プロジェクトNatal
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何かと場所を取りがちな大型コントローラも,プロジェクトNatalのような入力方法が一般的になれば,「過去の遺物」。カメラでプレイヤーの動きや表情までを認識するというプロジェクトNatalだが,このデモ画像のようにスケボーまでできてしまうらしい。1万円近い専用コントローラが必要なTony Hawk: RIDEの立場がない

 いろいろなゲームコントローラやゲーム周辺機器が登場しては消えていったが,この先しばらく使われそうなのが,バランスWiiボードを利用するフィットネスゲームだ。「Wii Fit」は,日本でも350万本ほどの成功を収めているが,アメリカ,そしてヨーロッパではそれぞれ1000万本を売り上げている。6週間ほど前に北米でリリースされた「Wii Fit Plus」も,毎週10万本以上のセールスを維持している。奥さん達が子供を学校に送り出したあとでプレイするといった,新しいユーザー層による新しい使い方を欧米市場に定着させつつあるのだ。

 また,Electronic Artsの「EA Sports Active」は,バランスWiiボードに加えて,太モモにWiiリモコンを装着することで,さらに激しいフィットネスプログラムを可能している。
 リリースからすでに150万本以上を売り上げており,Electronic ArtsがWii用に発売したソフトの中で最も売れたタイトルになった。同じようにMajescoも,著名トレーナーをライセンスした「Julian Michaels Ultimatum 2009」が100万本クラスのヒットになっており,それまで“中小パブリッシャ”というイメージしかなかった同社の地位を一気に引き上げることに成功している。

 さて,カメラのうまい使用も次の時代の課題だろう。PlayStation 2時代のEyeToy,PlayStation 3のPlayStation Eyeとカメラ付き周辺機器で先行するソニーだが,2010年3月には手持ち型のモーションコントローラをリリースする予定で,カメラとコントローラを連動させることでさまざまなゲームを提供するとしている。

 対するMicrosoftは,ご存じ「プロジェクトNatal」を2010年末に控えており,こちらにもユニークなゲームが登場してくるかもしれない。
 Natalについては,E3 2009で話題になったLionhead Studiosの“ライフ・シミュレーションゲーム”「Milo & Kate」がよく知られており,同社の「Fable III」もプロジェクトNatal対応で登場するというのがおおかたの予想。Electronic ArtsやActivisionのほか,日本からはコナミ,バンダイナムコゲームス,セガ,スクウェア・エニックスなど14社が,すでにプロジェクトNatal対応タイトルをリリースすると発表しており,まるで新たなプラットフォームのローンチ前夜のような雰囲気になっている。
 プロジェクトNatalのような入力が一般的になれば,コントローラを買う必要すらなくなるわけで,果たして,これからのゲームコントローラ/ゲーム周辺機器はどのように進化していくのだろうか? 

 

■■奥谷海人(ライター)■■
サンフランシスコ在住の4Gamer海外特派員。ゲームジャーナリストとして長いキャリアを持ち,多様な視点から欧米ゲーム業界をウォッチし続けてきた。業界に知己も多い。本連載「奥谷海人のAccess Accepted」は,連載開始から200回以上を数える,4Gamerの最長寿連載だ。
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