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ベルクス,新作MMORPG「Wonderland ONLINE」の日本サービスを発表。10月下旬にもクローズドβテストを実施
台湾で人気のコンシューマRPGライクなMMORPG
「Wonderland ONLINE」が日本上陸
テスターの募集およびクローズドβテストが10月中旬から下旬にかけて順次行われる予定で,近日中にその詳細が発表される。また,正式サービス開始は年内を目指しているとのことで,課金方式については,クローズドβテスト終了後に発表するとのことだ。
Wonderland ONLINEは,台湾のChinese Gamer Internationalが開発した2D MMORPGで,現地では2006年2月の正式サービス開始以来,120万人以上の登録会員を獲得し,最大同時接続者数6万人を記録している。ただし同時接続者数に関しては,後述する「自動操作システム」に依存する部分も多いと思われるので,そのまま純粋なアクティブプレイヤー数として額面どおりに受け取るわけにはいかないが,それを差し引いてもかなりの人気を集めているとみていいだろう。
4Gamerでも,過去何回か「飄流幻境ONLINE」として紹介しており,台湾版のプロモーションムービーなども掲載しているので,ぜひ本記事と併せて「こちら」もチェックしてもらいたい。
また日本でのサービス開始にあたり,本作には独自仕様として有名声優陣によるキャラクターボイスが採用される。声優陣の詳細は後日あらためて発表される予定だが,ベルクスでは,合併前のGAMESPACE24時代から1年以上にわたり,セリフや演出を入念にローカライズしてきたとのことで,かなりの力を注いでいるようだ。
MMORPGではあまり見ない一本道のストーリー
ストーリーも章仕立てとなっており,それぞれに起承転結があるなど,断片的に提示された情報からプレイヤーごとの物語が構成されていく,多くのMMORPGとは一線を画した,国産のコンシューマRPGに近い構成となっている。
ストーリーは,プレイヤーの乗った豪華客船が難破するところからスタート。やがてプレイヤーは孤島にたどり着くが,実はそこはパラレルワールドの入り口で,一歩足を踏み入れると白亜紀や中世ヨーロッパ,現代の日本やハワイ,果ては宇宙に至るまで,さまざまな時代/場所が入り乱れる,まさに“何でもあり”の世界だった。そこでプレイヤーは元の世界に戻るための手掛かりを探すうちに,「星宿」と呼ばれる仲間の存在や,自身に課せられた運命を知ることとなる。
サブタイトルにもなっている「暗黒の禁術」のストーリーは,プレイヤーがこの世界の大きな流れに巻き込まれるまでの物語を描いたもので,台湾でのベーシックバージョンからエキスパンション第1弾までを含むものだ。
ストーリーはここで一応の区切りを迎えるが,台湾ではすでに第2弾,第3弾のエキスパンションが公開されており,その後も物語が続いていくとのこと。星宿の運命にまつわるかなりシリアスな物語だが,キャラクターの言動がコミカルに描かれる演出が多く,必要以上に重苦しさは感じさせないそうで,これまた国産コンシューマRPGを彷彿させるといえそうだ。
なお,このような物語の性質上,多くのMMORPGと異なり,プレイヤーキャラクターはあらかじめ用意されているものの中から選択する必要がある。とはいえ,10種類以上のキャラクターが用意されており,髪の色などもカスタマイズ可能だ。
放っておいてもレベリングしてくれる「自動操作システム」
また,キャラクターの成長にはレベル制が採用されており,レベルアップするごとに与えられるポイントを任意のパラメータに割り振っていく。ツリー状のスキル体系が用いられており,特定の系統のスキルを使うほど,上位のスキルを習得できる。このあたりは多くのMMORPGと同じだ。
本作のもう一つの大きな特徴が,「自動操作システム」だ。これは読んで字のごとく,敵モンスターがいるマップで使用することで,プレイヤーキャラクターが戦闘開始から終了までを繰り返し,自動的にレベリングしてくれるというもの。
プレイヤーが外出したり就寝したりしている間も継続でき,スキルや回復アイテムの使用も設定できるので,設定次第では途中で体力が尽きてしまうということも避けられる。
多くのMMORPGでは,レベリングのために戦闘を繰り返すことを退屈だと思うプレイヤーがいる一方(筆者もどちらかといえばそうだ),「何のためにゲームをやっているのか分からなくなる」との理由から自動化を嫌うプレイヤーも少なくない。
自動操作システムの採用については賛否が分かれるかもしれないが,このシステムを使わない選択肢もある。
プレイヤーの個性を表現できる,マイルームとペット
次に,本作のコミュニケーション要素について紹介しよう。
「マイルーム」は,ほかのプレイヤーを招き入れたり,露店として活用したりできるプレイヤー固有の空間で,マップ上の任意の場所に設置できる。
本作はアイテムの生産要素が充実しており,例えば家具を制作し,マイルーム内にインテリアとして設置できる。本作で生産できるアイテムは1800種類以上で,アバターの装備品はもちろん,例えば乗り物なら自動車などの現代的なものから,UFOなどのSF的なものまで作れる。中には,生産アイテムではないが,いかにもネタ的な「メイドロボ」(実は生産補助機能を備えており,侮れなさそう)などもあるとのこと。
作り出せるアイテムがこれだけ用意されていれば,ほかのプレイヤーの部屋とは雰囲気の異なる独自の空間に仕立てられそうだ。
ほかのプレイヤーとの差別化といえば,ペットの存在にも注目したい。本作ではボスモンスターを含め,登場するモンスターのほぼすべての種類を捕獲し,ペットとして育成できる。
ペットとは共に戦えるだけでなく,マップ上ではペットに騎乗することも可能で(ただし外見が変わるだけで,移動速度向上などの効果はない),最大4匹まで連れ歩けるとのこと。
なお生産したアイテムや捕獲したペットは,ほかのプレイヤーとトレード可能だ。
MMORPGとしての要素や実装されるコンテンツも充実
MMORPGとしてのそのほかの要素も備えている。まず本作では最大4人でパーティプレイを行える。パーティを組んだ場合には,自動的にメンバーがリーダーを追尾し,戦闘時にはメンバーが順次コマンドを選択する方式で,メンバー間の連携やスキルのコンボなどはとくに用意されていないようだ。
パーティ同士の腕試し(PvP)や,生産拠点の権利を争う攻城戦(ギルド戦)といったシステムも用意されており,ストーリーの区切りを迎えても,次のエキスパンションが実装されるまで,飽きずにプレイし続けられるようになっている。
また,すでに台湾で1年半以上サービスが先行していることもあり,正式サービス開始までに実装されるイベントやクエストなども充実しており,簡単には遊び尽くせないだろうとのこと。
筆者の経験上,サービス開始から1か月も経たないうちに実装されているコンテンツをプレイヤーが消費し尽くしてしまい,新コンテンツが実装される頃には飽きられてしまう作品も少なくないので,この点には期待したいと思う。
さて,筆者は本作について一連の説明を受け,実際にプレイしているところを見せてもらったのだが(試遊はできなかった),画面を見る限り,繰り返しになるがMMORPGというよりはシングルRPGそのものという印象を持った。
より具体的に言うとすれば,少し前の日本ファルコムの作品に代表されるような,PC用オフラインRPGといったところだろうか。その中にオンラインゲームのパーティプレイやPvP,他者との差別化を図るための生産やカスタマイズといった要素を追加した作品,というのが現段階でのイメージだ(実際にプレイすれば,多少は変わるかもしれないが)。
したがって,本作に既存のMMORPGのような内容を求めると,肩透かしを食らうかもしれない。しかし,これまでのMMORPGに食傷気味の人や,少し毛色の違ったものを求める人なら,プレイしてみるといいのではないだろうか。
もちろん,オンラインゲームに興味はあるが,コンシューマ機用ゲームしか遊んだことがないという人の入門用にも適しているといえそうだ。
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