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HyperXの最新ヘッドセット「Cloud III」が6月12日発売。コスパ良好のCloudシリーズがマイク品質を改善して新登場[PR]
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印刷2023/05/30 12:00

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HyperXの最新ヘッドセット「Cloud III」が6月12日発売。コスパ良好のCloudシリーズがマイク品質を改善して新登場[PR]

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 HPのゲーマー向けブランドとなった「HyperX」の新型ヘッドセット「HyperX Cloud III」(以下,Cloud III)が,6月12日に発売となる。5月30日から予約受付を開始しており,税込のメーカー想定売価は1万2980円前後だ。

HyperX Cloud III
メーカー:HP
メーカー想定売価:1万2980円(税込)
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 本製品は,2015年に登場した「HyperX Cloud II」の後継機種で,前機種同様にアナログ&USB接続型の有線ヘッドセットだ。前機種からの変更点もできるだけ触れていくが,実際はかなり「別物」なので,前機種に触れたことがない人でも,比較的安価なゲーマー向けヘッドセットの新製品として,見てもらえれば幸いだ。

Cloud IIIの製品ボックス(左)と同梱物(右)。同梱物は,左からヘッドセット本体,USB Type-A変換アダプタを接続した状態のUSBサウンドデバイス付変換ケーブル,マイクブーム
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HyperX Cloudらしい外観はそのままに大幅に機能を強化


 いつものように外観から見ていこう。
 本機はツヤ消し黒色にメタリックな赤の差し色が入った,「HyperXといえばこれ!」という配色をしている。

今回評価した製品は「レッド」で,ほかに全面黒一色の「ブラック」もラインナップされている
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ケーブル込みで320gは,とくに重くはない
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 エンクロージャは,実測のサイズが約80×110×50mm。イヤーパッドの厚みは20mmだ。最近のヘッドセットとしては,イヤーキャップはやや大きめの印象だが,ごついというほどではない。
 実測重量は,本体直付けケーブル込みで実測約320g。ごく標準的な重さと言える。

左右イヤーキャップの中央には,HyperXではお馴染みのシンボルマークがメタリックレッドで印刷されている
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 操作系がインラインリモコン上にあったCloud IIと異なり,インタフェースやボタン類は,左右のイヤーキャップ後方にある。たとえば左イヤーキャップの後方にはマイクミュートボタンが,右イヤーキャップには音量調整ダイヤルがあるといった具合だ。

左イヤーキャップの後ろ側には,マイクミュートボタンがある
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音量調整ダイヤルは右イヤーキャップの後ろ側にある
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 Cloud IIにはなかったと記憶しているが,Cloud IIIの左右イヤーキャップ上部には,2か所ずつスリットが入っている。最初は「単なるデザインかな」と思ったのだが,HyperXによると,「飾りではなく,エンターテインメント向けの音にするために開けた」という。

イヤーキャップの上には,横長の孔が2つある
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 「エンターテインメント向けの音」が何を意味しているのかは,試聴しないと分からないが,空気孔であれば,おそらく低音の再生能力を向上するための「バスレフポート」ではないかと考えられる。そうなると,本機は純粋な密閉型(クローズド)ヘッドセットではなく,半開放型(セミオープン)ヘッドセットということになる。

 Cloud IIは,イヤーパッドが2種類付属していたが,Cloud IIIは柔らかな合皮製カバーの1種類のみとなった。Cloud IIのレビューを見ると分かるのだが,Cloud IIの合皮製イヤーパッドよりも,Cloud IIIのほうが分厚い。

Cloud IIIのイヤーパッドは,厚みのある合皮製だ
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 HyperXによると,Cloud IIIではヘッドバンド裏のクッションとイヤーパッドの厚みを増すことで,より疲れにくくなるよう配慮したのだそうだ。また,カバーが合皮のみになったのは,コスト削減のためではなく,布製より快適さで勝ると判断したからとのこと。
 製品ボックスにも,「Memory Foam」や「HyperXならではの低反発クッション」とあるくらいで,アピールポイントのひとつであることが伺える。

 イヤーパッドの内寸は,実測で約65×40mmくらいで,厚みは20mmほどあり,ストッキング生地より分厚い1〜2mmくらい厚みがあるスポンジ素材のスピーカーネットと一体になっていた。

イヤーパッド内側の厚み(高さ)は20mmほど。スピーカーネットと一体になっている
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 このイヤーパッドは,イヤーキャップ外周に引っかけて取り付ける方式を取っており,ユーザーが取り外し可能だ。
 イヤーパッドを外すと,プラスチックのスピーカーグリルに覆われた53mm径のスピーカードライバーが現れる。まっすぐ水平にスピーカーを取り付けていたCloud IIとは異なり,スピーカーの取付角度は,前方から後方にアングルがつけられており,ヘッドセットとはいえ,多少前方から聞こえるよう改良されているのも改良点だ。
 また,スピーカードライバーのすぐ下に空気孔が開けられており,そこに和紙のような紙が貼られていた。これも音響調整の一環であろう。

右イヤーキャップからイヤーパッドを取り外した状態。スピーカードライバーが斜めに取り付けられていて,その下(写真では右)に楕円形の和紙が貼り付けられていた
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スライダー裏には目盛として7つの丸が彫られていた。実際には9段階に長さが調整できる
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 イヤーキャップは,二点留めのヒンジで金属製のアームと接続されている。HyperXは,「耐久性に優れたメタルフレーム」とアピールしているが,このアームのことだろう。メタリックレッドの塗装が印象的なアームは,スライダーと一体化しており,スライダーからヘッドバンドとつながっている。
 一番伸ばした状態と縮めた状態は,以下に示す写真のとおりだ。

ヘッドバンドのスライダーを伸び縮みさせた様子
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アームは左右に目視で約35度くらい可動するが,前後は固定で動かない
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 ヘッドバンドは,両端がプラスチックで,それ以外は表裏とも合皮製のカバーで覆われている。

ヘッドバンドの表面には,ブランドロゴがエンボス加工されている。バンドの幅は実測約38mm,厚みは約20mmだ
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裏面のクッションはイヤーパッドのものと近く,フワッとした低反発クッションだ
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 実際に装着してみても,柔らかいイヤーパッドやヘッドバンドのクッションのおかげか,柔らかくしなやかな装着感,という印象を持った。カチッと装着してまったくずれないタイプのヘッドセットではないが,普通にゲームをプレイする分には,まず大きくずれたりしないので,カチッとした装着感よりこちらを好むゲーマーも結構いるだろう。

首像に装着した状態
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マイクブームは着脱式。外せば物理的にミュートできる
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 取り外し可能なマイクブームは,4極3.5mmミニピン端子でヘッドセット本体と接続する。端子部分を除いた長さは,実測約73mmだ。ブームは遊びが少なく,狙ったところにピタっと留めることができる。

マイクブームを口元に寄せた状態
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 Cloud IIとはまったく異なる形状のマイク部分は,実測で約40×17×14mm程度で,表裏両面が目の細かい金属メッシュで覆われている。外箱に10mmマイクと書かれているだけなので,資料からは指向性や1マイクか2マイクかは分からない。

マイクの先端は,内側(左)も外側(右)もメッシュで覆われていた
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ヘッドセットにつながるケーブルは,固定式で取り外せない
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 マイクミュートボタンのすぐ下に取り付けられたヘッドセットケーブルは,直付けで取り外すことはできない。端子を除いた長さは,実測で約121cm。太さは4mmくらいで,黒赤のツートンカラーの布製シールドで覆われている。接続端子は4極3.5mmミニピンだ。

 付属のUSB変換ケーブルには,実測で約40×17×10mmくらいの部品が取り付けられていて,そこにヘッドセットからのケーブルを接続する3.5mmミニピン端子が用意されている。後述する「DTS Headphone:X」やイコライザ(以下,EQ)を有効にするには,PCにHyperXの統合設定ソフトウェア「HyperX NGENUITY」をインストールしておき,ヘッドセットのアナログケーブルを,変換ケーブルのアナログミニピン端子と接続したうえで,変換ケーブルのUSB端子をPCに接続する必要がある。
 ケーブル先端のUSB端子はUSB Type-Cだが,USB Type-C to Type-A変換コネクタが付属しているので,どちらの端子にも接続可能だ。

付属のUSBサウンドデバイス機能付き変換ケーブル(左)。変換ケーブルのPC側はUSB Type-Cで,付属の変換コネクタでUSB Type-Aに変える。装着した状態だと自然すぎてアダプタだと気がつかないくらいだ
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 変換ケーブルも,太さやシールド材質は本体のケーブルと同じで,端子部分を除いた長さは実測約130cmくらいだ。Cloud IIではUSBサウンドデバイスがリモコンも兼ねていた。一方,Cloud IIIではボタンやダイアルが本体のイヤーキャップに移動したので,USBサウンドデバイス上に操作するものはない。

USBサウンドデバイス部分。とくにボタン類はない
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マイクはスポンジがなくなり,サイズも小さくなった
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 初代「HyperX Cloud」で「スポンジが不必要に長く」と評し,Cloud IIのレビューでも「まだ大きい」と評したマイクは,ごく普通のサイズに近くなっている。おかげで,視界に入って邪魔になることはなくなった。


NGENUITYでサラウンドとEQをコントロール


 Cloud IIIのソフトウェア面も見ていこう。
 先代のCloud IIは,USBサウンドデバイスの内蔵DSPで駆動するスペシャライザーにしか対応しておらず,本格的なバーチャルサラウンドを使いたければ,ほかのソリューションを利用するしかなかった。それに対してCloud IIIは,先ほども名前を挙げたHyperX製ソフトウェア「NGENUITY」をPC上で利用することにより,EQの設定だけでなく,DTSのバーチャルサラウンドサウンド技術「DTS Headphone:X」が利用できるのだ。
 なお,Cloud IIIでNGENUITYを使用するには,USBサウンドデバイス付き変換ケーブルを利用して,本製品とPCをUSB接続する必要がある。アナログ接続時は,もちろんNGENUITYの機能は一切使えない。

NGENUITYでCloud IIIの設定を開いた状態
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 さて,NGENUITYの使い方は簡単なので,ざっと見ていこう。
 Cloud IIIをつないだUSBサウンドデバイス付き変換ケーブルをPCに接続すると,画面左に「Headset」というメニューが現れる。これをクリックすると,Cloud IIIの設定を行う画面がメニューの右側全面に現れる。

 画面右上にある「Presets」のアイコンは,設定プリセットを複数保存したり,切り替えたりするのに利用する。メニューやアイコンのテキストは英語だが,とくに難しい単語は使われていないので,迷うことはあまりないだろう。

Presetsのアイコンをクリックした状態。右に並ぶのがプリセットだ
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 さて,肝心のCloud IIIの設定だが,NGENUITYの画面下半分にまとめられている。
 ヘッドセット本体はピュアアナログヘッドセットなので,本体のマイクミュートボタンと音量調整ダイヤルはOS側と連動しない。USBサウンドデバイス接続時は,NGENUITYの画面左ペインにある「VOLUME」のスライダーで音量調整,スライドスイッチでヘッドフォンをオン/オフできる。「MICROPHONE」のスライダーは,マイクの入力レベル調整で,スライドスイッチでマイクのオン/オフだ。これらはいずれもOS側の設定と連動する。
 MICROPHONEの下にある「MIC MONITORING」のスライドスイッチは,サイドトーンのオン/オフを行うものだ。

DTSドライバソフトのインストールを促すダイアログ
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 中央にある「Spatial Sound」のスライドスイッチは,DTS Headphone:Xのオン/オフスイッチだ。ただ,NGENUITY導入直後は,DTSのドライバソフトがインストールされていないので使えない。NGENUITYインストール後に,ダイアログが現れるので,そこでDTSのドライバをインストールする必要がある。

この画像は,DTSドライバインストール前の状態で,Spatial Soundの右に「!」のアイコンが表示されている
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 MIC MONITORINGの右にある「SETUP」は,「Windows Sound Devices」のボタンをクリックすると,Windowsの古いサウンドコントロールパネルが開くだけのものだ。

サウンドコントロールパネルでは,Cloud IIIはひとつのヘッドフォンとして表示される(左)。「詳細」タブを見ると,ステレオ(2チャネル)出力だけ選べた。解像度の初期値は「24bit/48kHz」で,最大24bit/96kHzまで選べるようだ
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Cloud IIIのマイクデバイス(左)。マイク解像度初期値はモノラル/24bit/48kHzで,最大で24bit/96kHzまで上げられる。PC側では常にモノラルマイクとして扱われるようだ
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EQプリセットの選択を行える
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 下側右ペインにある「EQUALIZER」は,EQプリセットの選択と,新規プリセット作成を行う。スライドスイッチをクリックして青くなったらEQが有効となり,EQプリセットも変更できるようになる。各EQについては後程見ていこう。
 NGENUITYの設定は全体的にシンプルで,間違えることなく簡単に操作できる印象だ。


フラット&高域のモニターヘッドフォン的特性でサラウンド再生も良好


 ここまでを踏まえて,Cloud IIIをテストしていこう。
 Cloud IIIはUSBおよびアナログ接続有線ヘッドセットなので,計測テストは,いつもどおりPCで行っている。そのため,リファレンス機材となるデスクトップPCにCloud IIIを付属のUSBサウンドデバイス,またはサウンドカードの「Sound Blaster ZxR」経由で接続して,2種類の検証を行うことになる。

  • ヘッドフォン出力テスト:ダミーヘッドによるヘッドフォン出力の遅延・周波数特性計測と試聴
  • マイク入力テスト:マイク入力の周波数特性および位相計測と試聴

 ヘッドフォン出力時の測定対象は,周波数特性と出力遅延の2点で,具体的なテスト方法は,これまでどおり「4Gamerのヘッドセットレビューなどにおけるヘッドフォン出力テスト方法」で示している。未見の人は,一読してほしい。
 一方,出力遅延のテストに用いるオーディオ録音&編集用ソフト「Audacity」は,バージョン2.3.3を使用している。こちらも過去のテストと同様に,WASAPI排他モードでテストするとテスト時エラーが出て計測できない問題があるため,今回もDirectSound APIを用いたテストのみとなる。
 マイク入力の測定対象は,周波数特性と位相特性で,こちらも具体的なテスト方法は「4Gamerのヘッドセットレビューなどにおけるマイクテスト方法」にまとめたとおりだ。

 まずは,USB接続型ヘッドセットで気になる遅延の計測結果から。ソニーのワイヤレスヘッドセット「INZONE H9」のテストで導入したやり方を踏襲し,独RME製オーディオインタフェース「Fireface UCX」の設定で内部遅延を変更して,一番遅延が少ない結果が得られる値に設定したうえで計測を行った。そのため,INZONE H9以前のテスト結果と単純比較はできないことをお断りしておく。
 ちなみに,PCIe接続のSound Blaster ZxRは,Fireface UCXより内部遅延が大きい。今回は,EPOSのゲーマー向けアナログ接続型ヘッドセットである「GSP 600」をFireface UCXとアナログ接続した状態を基準として,Cloud IIIの遅延を比較する。Fireface UCXで設定した内部遅延は,Cloud IIIとGSP600+UCXのどちらも48samplesに設定した。その比較結果をで示す。

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 DTSとEQをオフにした素の状態だと,GSP 600とFireface UCXの場合よりも2.77ms遅く,DTSオン,EQオフの状態だと7ms速くなった。原理的に考えれば,オーディオプロセッサを有効にしたほうが遅延は大きくなりそうだが,Cloud IIIのように,時折それが逆転することはこれまでもあった。
 正直何が理由か分からないが,DTSオン/オフともにFireface UCXに匹敵する低遅延だとは言える。実勢価格を考えると,Cloud IIIは遅延もかなり優秀である。

ヘッドフォン出力品質テスト用のリファレンス波形
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 次に,Cloud IIIの周波数特性を見ていこう。ヘッドフォン出力時の周波数特性は,Waves製アナライザ「PAZ Analyzer」で計測したデータそのものと,「データのうち,周波数特性がリファレンス波形とどれくらい異なるか」の差分を取った結果を4Gamer独自ツールで画像化したもので示す。リファレンスに近ければ近いほど黄緑になり,グラフ縦軸上側へブレる場合は,ブレが少ない順に黄,橙,赤で,下側へブレる場合は,同様に水,青,紺と色分けするようにしてある。
 差分画像の最上段にある色分けは,以下のような音域を左から順に示したものだ。

  • 重低域:60Hz未満,紺
  • 低域:60〜150Hzあたり,青
  • 中低域:150〜700Hzあたり,水
  • 中域:700Hz〜1.4kHzあたり,緑
  • 中高域:1.4〜4kHzあたり,黄
  • 高域:4〜8kHzあたり,橙
  • 超高域:8kHzより上,赤

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 テストに用いた設定だが,EQプリセットは,EQを使用しない状態になるようにNGENUITYでEQをオフにしたうえで,DTSもオフの状態で計測している。どういう処理が行われているのか確認する意味で,EQプリセットを変更したものも計測して,EQオフの特性との差分も取った。

 次に示すグラフと差分画像は,USB接続,EQオフで,DTSオフという基本状態での周波数特性を示す。

Cloud III USB接続,EQオフ,DTSオフ時の出力特性
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 グラフは滑らかで,比較的高低差が少ない。差分を見ると,一応低域の山が100Hz付近,一番大きな高域の山が5〜6kHz付近のドンシャリ型とも言えなくないが,谷というより300Hzくらいから1.6kHzくらいまでは,低域と高域の山よりも低いが,ほぼフラットと言っていい。100Hzの山との高低差も少ないから,フラット+高域の山,とも言える。
 ただ,100Hzから低域に行くに従って緩やかに落ちていくし,高域は9kHzくらいから急峻に落ち込むので,厳密にフラット+高域とも言えず,非常に軽いドンシャリ,と考えるてもいいだろう。いずれにしても5〜6kHz付近の高域の山が目立って強い,割と低弱高強の特性だ。

 次にSound Blaster ZxRにアナログ接続してEQオフ,DTSオフの出力を見てみよう。

Cloud III アナログ接続,EQオフ,DTSオフ時の出力特性
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 USB接続と大きな違いはなく,高域の5〜6kHz付近の山は変わらないが,低域の山の頂点が100Hzから125Hz付近に若干移動し,その間がフラットというより1.5kHzが谷の底となるドンシャリ型に近くなっているように見える。125Hzから落ちていくグラフの勾配もUSB接続時よりやや急に見える。

 USB接続時と比較してどのくらい差があるか,差分を取ってみた。

USB接続とアナログ接続の差分画像
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 一番差があるのは200Hzあたりで,80Hzくらいから低域は,USBよりも早く落ち込んでいく。150Hz〜5kHzくらいまではアナログのほうが弱く,高域は逆に6〜7kHz付近はアナログが若干強い。つまり相対的なドンシャリ具合は,アナログ接続時のほうが顕著と言えよう。
 とはいえ,USB接続,アナログ接続ともに,高域を除いて高低差が少なく,低域がやや弱い低弱高強の特性であり,ゲームプレイ時に音を聞き取りやすいのではないかと予測できる。

 以上の結果を踏まえて,試聴テストに移ろう。まずは,USB接続でEQオフ,DTSオフのステレオ音楽試聴から試す。
 聞こえ方としては,周波数特性で見たとおりだが,印象としてはフラット+高域に近いと感じる。ただ,低域は100Hzくらいから緩やかに落ちるので,聞こえ方としては比較的タイトだ。低域が足りないとは思わないが,重量感があるわけでもない。100Hz以上で広い帯域がフラットに近いため,低域のバランスはよく,特定の帯域が強すぎたり弱すぎたりすることもなかった。
 どちらかというとCloud IIIはモニターヘッドフォン的な聞こえ方だ。色気や味よりも,音を聞き取り,捉えることに重点を置いた音質傾向と言える。

 EQオフ,DTSオンだとどう変わるか。ステレオ音楽でもDTS Headphone:Xは有効になるので試してみよう。
 DTSをオンにすると,前方を中心に音が聞こえてくるからか,ステレオ感はむしろ狭まった感じがする。全体的に音圧が増して,ダイナミックレンジを圧縮したいわゆる「コンプレッション感」が強くなった。これは多くのオーディオプロセッサがそうであるように,Cloud III+NGENUITYの音からは,コンプレッション感が確かに感じられるが,聴くに耐えないほど強過ぎるわけではない。残響もほとんど足されていないので,比較的聞きやすい。自分の好みに合うか試してみる価値はあると思う。

 続いては,EQオフ,DTSオンのサラウンド試聴に移ろう。
 筆者がどうにも引っかかっていたのは,製品ボックスに「DTS Headphone:X 空間オーディオ」と書かれている一方で,NGENUITYのロゴは「DTS X Spatial Audio」のみで,「Headphone:X」の表記がない点だ。そのため,ゲームタイトルで試聴に入る前に,念のため,サラウンドオーディオ対応の「Windows Media Player」でサラウンドオーディオを再生して,DTSオン/オフで聞こえ方が変わるかどうか試してみた。

 結論から言うと,DTSオン時はすべてのチャンネルが聞こえるが,DTSオフの時はFL/FR(フロントL/R)チャンネル以外は聞こえない。ほかのサウンドデバイスでも試してみたが,FL/FR以外のチャンネルも左右から聞こえたり,LFE(低域用)チャンネルのローパスフィルタ(※高域を削除する周波数フィルタ)がない状態で聞こえたりする。どうやらサウンドデバイスによって,再生チャンネルやオーディオフィルタ処理が若干異なるようだが,NGENUITYは,マルチチャンネルオーディオ再生時に,DTSオフだとFL/FRしか再生せず,DTSオンだと全チャンネル再生するようだ。つまりNGENUITYは,きちんとDTS Headphone:Xの空間オーディオ=バーチャルサラウンドプロセッサとして動作していると言えよう。

 DTSオン時の動作を確認したので,USB接続でEQオフ,DTSオンでのサラウンドゲームタイトル試聴に進む。
 まずは「Fallout 4」。いつものようにヘリの前でぐるぐる回ってみる。とくにエンジン音の「キーン」という高周波を多く含む音は,キャラクターの向きを変えると,直ちに反応して音が変わるのが確認できた。飛行時に前方右から聞こえるローター音は,きちんとFRチャンネル付近に定位していて,低いエンジン音は背後から聞こえる。着陸時の効果音は,重低音までしっかり再生されるが,フラット+高域特性のヘッドフォンらしく,重低域がびっくりするような派手な鳴り方をすることはない。
 ダイナミックレンジが広く,平均音圧レベルが低めのFallout 4なので,セルフパワーのUSBサウンドデバイスであるCloud IIIだと音量も気になるところだが,最大音量なら,ほとんどの人には必要十分な音量だと思う。

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 次は「Project CARS 2」を試す。こちらは,最新世代バーチャルサラウンドプロセッサのひとつであるDTS Headphone:Xらしく,前方と後方の敵車の動きはきちんと独立した音で把握できた。DTS Headphone:Xは,きちんとサラウンドプロセッサが動作している。念のためDTSオフで再生すると,敵車のエンジン音は左右を行ったり来たりするだけなので,間違いないだろう。
 敵車が横を通過してすれ違ったときの音の変化も滑らかだ。低域は強くなく,ワイパー音もうるさくない。縁石に乗り上げたときの音にいたっては,「ゴー」ではなく「コー」と軽い音で,よく耳を澄まさないといけないくらいであった。どちらかと言えば,敵車のエンジン音のように移動する音の把握がしやすいな,と感じた。

 PC版「MONSTER HUNTER: WORLD」(以下,MHW)では,実際に村の中を歩き回って,環境音含めた効果音の聞こえ方をチェックした。環境音は,向きを変えるとグワッと劇的に変わるというよりは,滑らかに変わっていく印象だ。それでいて,今どこに定位しているかは,きちんと把握できて間違えることもなかった。足音はきちんと捉えられるが大きすぎないという,ゲームプレイにおいてちょうどいいくらいの音量だ。
 カリッカリの定位感というよりも,若干効果はマイルドだが,決して定位感が悪いわけではなく,あくまで聞こえ方は「最新世代のバーチャルサラウンドプロセッサ」なので安心してほしい。

 アナログ接続でPlayStation 4と接続して,PS4版MHWも試してみた。PS4純正ゲームパッド「DUALSHOCK 4」とCloud IIIをアナログ接続することで,ヘッドセットのマイクとヘッドフォンがPS4でも利用できる。ただ,PCやPS5とは異なり,PS4はシステムレベルではサラウンドサウンドに非対応で,ゲームタイトルがサラウンドサウンドに対応していれば,そのゲーム内でだけサラウンドサウンドでプレイできるようになる。本タイトルもそのひとつだ。今回は,小さい音と大きい音の差が一番少ない「ナローレンジ」でプレイしてみた。

 聞こえ方はPC版とさほど変わらないが,足音は少し軽いように感じられる。一方,ナローレンジに設定しているので若干聞こえ方は変わるが,環境音や効果音の定位はPC版に近い,ややマイルドな聞こえ方で,しっかり定位感が把握できる。低品質なハードウェアだと,ちょいちょいサラウンドの定位が前後逆に認識されたりもするが,Cloud IIIでは,そういうこともない。PS向けに低価格なヘッドセットを利用しているゲーマーは,Cloud IIIをアナログ接続すればその音に驚くかもしれない。


USB接続の制約がなくなって音質向上したマイク入力

コンデンサマイクらしい音質傾向に


マイク入力品質テスト用のリファレンス波形
画像集 No.056のサムネイル画像 / HyperXの最新ヘッドセット「Cloud III」が6月12日発売。コスパ良好のCloudシリーズがマイク品質を改善して新登場[PR]
 Cloud IIIのマイク入力音質もテストしよう。ヘッドフォン出力と同様に,USB接続とアナログ接続それぞれの周波数特性並びに位相特性を計測した。

 まずはUSB接続時の特性から。Cloud IIのようなUSB接続でよく見られる高周波の帯域制限は見られない。20kHzくらいまで延びているので,一見してUSB接続とは分からないほどだ。

Cloud III USB接続のマイク入力特性
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 差分を見ると,形状的には低域が125Hz付近を頂点として,高域は7kHzくらいだろうか。実際には,同じくらいの高さで2〜12kHzくらいまでが緩やかな山になっている。低域の山のほうが強く,125Hzの頂点から低域と高域に向かって緩やかに落ちていく。一番深い中域の谷は1.5kHzくらいで600Hz付近にも凹みが存在する。明らかに低域の強いドンシャリ型である。
 位相は完璧なので,おそらくモノラルマイクと思われる。

 次はアナログ入力時のマイク特性を確認してみよう。

Cloud III アナログ接続のマイク入力特性
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 USB接続時とよく似ており,USB時にはEQなどによる大きな補正はかかっていないことが推測できる。低域の山や中域の谷,高域の山などもほとんど頂点は変わっていない。つまり,アナログ接続時も低域の強いドンシャリ型で,無論アナログ接続なので,高周波の帯域制限もない。
 なお,こちらも位相は完璧だった。

 USB接続と比較してどのくらいアナログ接続は乖離しているかを確認するため,両者の特性の差分を取ってみた。

USB接続とアナログ接続におけるマイク周波数特性の差分画像
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 30〜250Hzくらいは,ほぼ乖離ない。30Hzからアナログ接続のほうが少し弱くなり,250Hz以上は20kHzくらいまで,ほぼ一貫してアナログのほうが同じくらい強い。つまり,中域から高域は,わずかだがアナログ接続のほうが強いと言える。もちろん,接続するサウンドデバイスによって結果は異なるはずだが,参考にはなる。

 自分の声を録音して聴いてみたが,USB,アナログ接続のどちらも,低域強めで高域まで伸びた広帯域を集音できる。一言で言えば,よりクリアな音質が求められる配信でも使える「いかにもコンデンサマイク」という音質傾向だ。アナログ接続のほうが,高音は強いせいか,より明るい音に感じるのだが,一方で若干ヒスノイズ≒高周波ノイズが乗りがちだ。
 USB接続はそれと異なり,高域がアナログ接続より抑えられていて,ノイズが少ないというか,ほとんどノイズがない。これは高域を抑えているからというよりは,ノイズリダクション,またはノイズキャンセリング処理が,USBサウンドデバイス内で行われている可能性が高い。声がケロったりもしないので非常に実用的といえ,実況配信のようにクリアな音質が求められる状況でも,十分使えそうだ。

 HyperXによると,Cloud IIのマイク入力品質は「欠点とまで言われた」そうだが,Cloud IIIでは,それは解消していると判断していいだろう。きちんとユーザーフィードバックに応えているのは,評価できる。


高コスパぶりは健在 これ1台で高品質サラウンド体験までできる


 HyperXの強みは,昔から高い価格対性能比にあると思う。今回のCloud IIIも,前世代と変わらない1万円台前半というこなれた価格なのに,モニターヘッドフォンのような出力を実現している。弱点と言われていたマイク入力品質も,一躍,高価な製品に並ぶほど高品質なコンデンサマイクサウンドを提供できるようになり,USB接続時には,DTS Headphone:Xでサラウンド体験までできるようになってしまった。

 別途サウンドデバイスを用意しなくてもこの価格でDTS Headphone:Xのサラウンドサウンドまで得られるのだ。いいヘッドセットでサラウンドサウンドを楽しみたいが予算が限られているなら,今後真っ先に検討すべき製品のひとつになるだろう。

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