韓国のソウルで,7月24日から26日までの3日間開催されたグローバルゲームフェスティバル
「e-Stars SEOUL 2009」が,盛況のうちに幕を閉じた。
今年で3回目になる同フェスティバルには,韓国をはじめとして日本,中国,台湾,タイ,シンガポール,マレーシアなどから各国の代表選手らが参加。3日間で4万人を越える入場者数を記録した。
会期中はダンスゲームである
「Audition(日本名はX-BEAT)」とオンラインFPS
「Sudden Attack」のアジアチャンピオンシップが行われ,Sudden Attackアジアチャンピオンシップには日本チームが参加した。韓国代表4チーム,日本代表2チーム,台湾代表2チームによって争われた組別リーグだったが,日本代表の2チームは,残念ながら四強進出ならず。韓国が四強を占める結果となり,昨年(2008年)の同大会で3位だった
「SJ l Gaming」が,同じく昨年の優勝チーム
「KSP-GAMiNG」に打ち勝ち,優勝を収めた。
日本代表チーム全員
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 日本代表NabDチーム |
 日本代表#AoNチーム |
4Gamerでは競技後,少しだけだが日本代表両チームのリーダーにインタビューする機会を得たので紹介しよう。
4Gamer:
日本ではまだそれほどメジャーとは言えないFPSですが,0.03秒氏はかなり上手ですね。
0.03秒氏:
いろいろなジャンルのゲームをプレイしましたが,オンラインゲームでとくにやり込んだのがTPSの「GUNZ」です。 すっかりハマってしまい,韓国のネットマーブルのサーバーに行ってGUNZをプレイするほどでした(笑)
4Gamer:
IkaRi氏はいかがですか?
IkaRi氏:
最初は知り合いに誘われてオンラインFPSを始めました。 「Special Force」や「Counter Strike」でFPSの魅力を知ったんですが,「Sudden Attack」は,シンプルでハードルが低いタイトルなので,普段から楽しんでプレイしています。
4Gamer:
オンラインゲームのプレイヤーでも,FPSはハードルが高いと感じる人が多いようですね。
IkaRi氏:
実際,私も初めはそんな感じでした。 例えばどこからともなくヘッドショットをもらった時のガッカリ感とか。それに初心者が初めてプレイしたときに,1Killもできないようだとすぐに投げてしまうでしょうね。その反面,MMORPGのようにキャラクターのレベルと強さが直接比例しないので,最初だけ我慢して慣れてしまえば,先行者にも追いつきやすいジャンルだと思います。
4Gamer:
今回の大会参加に向けて,なにか特別な練習とか作戦などはありましたか。
0.03秒氏:
特別な作戦とかはありませんでした。 各メンバーが自分の役割を忠実にこなすように考えていましたが,作戦があったとすればそれくらいでしょうか。練習は毎日深夜の時間帯にクラン戦サーバーで,メンバー同士でずっと対戦していました。結果として今年もあまり良い成績とは言えませんでしたが,昨年に比べれば韓国チームと実力差は少し縮まったように思います。
IkaRi氏:
韓国チームに比べ,我々はハンディキャップがあります。
4Gamer:
ハンディキャップとは?
IkaRi氏:
「Sudden Attack」の日本版には,マウス加速(アクセル)が完全に切れてない問題があります。マウスを大きく動かすと、自分が思った以上にポインタが動いてしまうのが厳しいです。もちろんその問題は,ゲームヤロウさんが修正中とは聞きいていますが……。
0.03秒氏:
大会でマウスの問題がない韓国バージョンをプレイしてみると,非常に快適で便利でした。
4Gamer:
「Sudden Attack」の一番の魅力はなんでしょう? 他のタイトルに目移りしたりはしませんか?
IkaRi氏:
FPSは,やはりこの大会のような継続的なイベントがなければ,集客できないと思います。何かプレイヤーを引き込むような,そんな大会があるのがいいですね。
4Gamer:
最後に何か一言あれば。
0.03秒氏:
もし来年も「e-Stars SEOUL」に参加する機会があれば,必ず良い成績をあげられるよう,がんばりたいと思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
そのほか日本からは参加がなかったものの,「Sudden Attack」以外のイベントにも軽く触れておこう。
まず
「WarCraft 3」と「Counter Strike」でそれぞれの最強を決めるイベント
「King of the Game」では,まず
「Counter Strike」にてスウェーデンの強豪
「fnatic.MSI」が決勝にて韓国の
「Wemade Fox」を2対0で破り,優勝。「WarCraft 3」ではManuel Schenkhuizen氏が韓国のPark Jun氏を下し,優勝カップを手にした。
また「King of the Game」のオンラインファン投票には,177か国から150万人が参加し,全世界のゲーマーから高い関心を集めたようだ。
(上段)fnatic.MSIチーム (下段)Manuel Schenkhuizen氏
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Ma JaeYoon氏
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韓国,中国,タイ,シンガポール,マレーシアなど5か国で国家別予選を行って選抜されたダンスゲーム
「Audition」の大会では,韓国の「MAX」チームがただの一度も敗れずに優勝。韓国のeスポーツ産業を牽引した
「StarCraft」においては,10周年を記念したイベント戦
「StarCraft Heritage」が行われ,Maestroという名で有名なMa JaeYoon氏が名だたるプロゲーマー達を次々と撃破して優勝。この競技はBLIZZARD本社の役員らも直接観戦するなど注目を集めていた。
一方,同会場の別のスペースではWindy Softの
「Ultra LAN Party」も開催されており,「e-Stars SEOUL」の集客に一役買ったようだ。
同社は300席規模のLAN Partyと同時に,四つの新作ゲームをプレイアブルで公開。それぞれ
「塊魂オンライン」,「Heva Online」,
「GetAmped2」,
「Cosmic Brake」の4タイトルで,来場者の関心を集めていた。その中でもとくに注目されていたのが「塊魂オンライン」で,暴力的でない,新しいコンセプトのファミリー向けゲームとして,家族連れの来場者などが楽しんでいたようだ。またそれに続く形で,4タイトルの中では唯一のMMORPGであり,一番早くサービスされるだろう「Heva Online」も人気を集めていた。
同イベントを主催したソウル市の文化産業担当官Seo SungMan氏は,「多彩なイベントで海外からも多くの関心が集まり,直接見て,感じて,体験できる,新しい概念のデジタル文化イベントとなった。誰もがソウルをゲーム文化都市として認識してくれるよう,より多様なフェスティバルを来年も開催する予定だ」とコメントしている。