オススメ機能
Twitter
お気に入り
記事履歴
ランキング
お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名(記事数)

LINEで4Gamerアカウントを登録
「Razer Carcharias」レビュー。高い出力品質で,コストパフォーマンスはすこぶる高い
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のムービー

メディアパートナー

印刷2009/08/31 10:30

レビュー

実は高品質。Razerブランドのシンプルなアナログ接続ヘッドセット

Razer Carcharias

Text by 榎本 涼

»  海外出張に出ていたり,この秋に発売される某大型続編タイトルのサウンド制作に没頭していたりと,多忙を窮めていた榎本 涼氏。そんな氏による,Razer USA製の新型アナログ接続ヘッドセットのレビューが用意できたので,取り急ぎ掲載したい。プロのサウンドデザイナーの目に,本製品の完成度は,かなり高く映っているようだ。


Razer Carcharias
メーカー:Razer USA
問い合わせ先:MSY(販売代理店) http://jp.razerzone.com/
実勢価格:9000円前後(※2009年8月31日現在)
Razer
 2009年3月下旬の発売から半年近く遅れてしまったが,今回は,Razer USA製のアナログ接続型ヘッドセット,2009年モデルとなる,「Razer Carcharias」
(Carcharias:カルカリアス)を取り上げたい。

 伝統的にサメ科の名前を冠するRazerブランドのヘッドセット。本製品の製品名は学名「Carcharodon carcharias」ことホホジロザメから取られているようだが,実勢価格は9000円前後と,同ブランドのヘッドセットとしては,比較的安価なラインに属するモデルとなる。


シンプルなセミオープン仕様のヘッドセット

装着感は全体的に良好だが,イヤーパッドは×


ブラックで統一されたRazer Carcharias。左右エンクロージャー部に配されたグレーのRazerマークがワンポイントになっている。ちなみに,エンクロージャは,光の加減によってはグリーンっぽく見えることも
Razer
 Razer Carchariasについて一言でまとめるなら,「ごくごくシンプルなアナログ接続型ヘッドセット」だ。アナログ出力の上位モデル「Razer Piranha」だと,耳に当てるタイプのエンクロージャーだったのに対し,Razer Carchariasは,耳を覆うタイプを採用しており,ブームマイクがなければ一般的なオーディオ用ヘッドフォン,といった風情である。

 色はRazer伝統のオールブラック。Razer Piranhaのように「別途USBケーブルで給電して,どこかが青く光る」ようなギミックはないので,光り物好きからするとマイナスかもしれないが,ヘッドバンドの長さを調節する金属製のレールまでもブラックで塗装される徹底ぶりで,全体的な印象が安っぽくなることはうまく避けられている。

Razer
網状のデザインがなされたエンクロージャー外観。ガタツキのようなものはまったくなく,好印象
Razer
40mmドライバーユニットを搭載したイヤーパッド部。個人的には,褒められない肌触りだ
 ヘッドフォン部はいわゆるセミオープンタイプで,エンクロージャー外側に設けられた網状の部分から,多少の音漏れが発生する仕様。ドライバーユニットは,優れた高域特性に定評のあるネオジムマグネットを採用した“40mm径フルレンジ一発”となっている。
 イヤーパッドは,耳とドライバーの距離がある程度保たれるようになっており,クッションも硬すぎず柔らかすぎずで,デザイン面に問題はない。ただ,素材のせいか,イヤーパッドが肌にチクチクと当たって不快なのが,かなり気になった。テストは空調の効いた部屋で行っているので,夏のせいでそう感じているというわけではないはずだ。
 職業柄,合皮やメッシュ素材など,さまざまなイヤーパッド素材のヘッドセットやヘッドフォンを触ってきているが,実のところ,「不快」とまで思ったのは,筆者の記憶が確かならこれが初めて。肌に当たる部分の布素材と,中のスポンジの組み合わせが,どうにも心地よくないのである。

 もちろん,肌触りの話なので,好みには個人差があるはず。気にならない人はまったく気にならないだろうから,あまり神経質になる必要はないかもしれないが,筆者の見る限り,Razer Carchariasで,コストダウンの影響を最も受けているのは,このイヤーパッドだ。

ちなみにこのイヤーパッド,(筆者が調べた限り,マニュアルにもWebサイトにも情報はなく,最初は着脱方法が分からず困ったほどだが)強めに回すことで取り外せる。MSYによると,イヤーパッド部は水洗い可とのことだ。おそらく,洗うことで肌触りの改善を図れるようにというのと,イヤーパッドが構造上,汗を吸い込みやすいことを受けているのではないかと思われるが,そこにコストをかけるのなら,先にやることがあったように思う
Razer Razer

ヘッドバンド部のパッド素材もイヤーパッド部と同じ。天頂部にはひっそりとRazerのロゴがあしらわれている
Razer
Razer
 ヘッドバンド部のパッドも,イヤーパッドと同じメリットとデメリットを持っている。頭頂部の場合,髪の毛が不快な肌触りをガードしてくれるので,適度なクッションを利点として享受できるが,バンドが頭皮と直接当たるような人だと,快適には感じられないかもしれない。
 ヘッドバンドの長さ調節は,側部の金属レールで行うというのは先ほど述べたとおりだが,ここの動きは実になめらか。よくある,カチカチとしたクリック感のあるタイプよりも扱いやすい印象を受ける。

 総じて,イヤーパッドの素材が不快であることを除くと,軽量な本体とも相まって,装着時のバランスは悪くない。長時間のゲームプレイでも,重いとか,バランスが悪いとか,締め付けがキツすぎるといった理由でつらい思いをすることはないはずだ。

Razer Carchariasの装着イメージ
Razer Razer


ブームの使い勝手は「Piranhaよりはマシ」

マイクミュートはリモコンで


 左エンクロージャー部から伸びるマイクブームだが,Razer USAによれば,マイクは単一志向性で,ノイズフィルタリング機能を搭載するとのこと。このあたりは後ほど検証することにして,ブームを重点的に見てみよう。

 筆者は,Razer Piranhaのレビュー時に,ブームの可動域が極端に狭く,扱いづらいことを指摘したが,世界中から同じようなフィードバックがあったのか,Razer Carchariasでは,多少の改善が見られている。もっとも,可動域は見た目どおりというか,決して自由度が高いわけではなく,例えば,マイクの“口”は,どんなにがんばっても,唇の左端にかからない程度までしか持ってこれない。ゲーム中,叫ぶようにスピーチするような場合だと,マイクを“吹く”可能性があるので,それへの配慮かもしれないが,そのあたりは,ユーザーの自主性にもう少し任せてほしかったところだ。

Razer Razer
Razer Carchariasにおけるブームの水平方向可動域
Razer Razer
こちらは垂直方向の可動域。念のため付記しておくと,右の写真で,もし肩に当たらないのであれば,マイクはさらに写真右方向(=体の後ろ側)へ持って行くこともできる

ケーブル長は約3m。布巻きになっており,強度はあるように見受けられる
Razer
 マイクのミュートは,3m長のアナログケーブル中,左エンクロージャーから約0.8mのところにあるリモコンのスイッチで行う。リモコン部に用意されているのは,このスイッチと,ヘッドフォン出力のボリュームコントローラのみ。ボリュームコントローラは,マイクとは一切連動していない。
 接続インタフェースは,PC用のアナログ接続インタフェースとして最も標準的なステレオミニピン。ただし,入力端子は,モノラル+電源供給になっているはずである。

アナログケーブルに差し込まれる形で取り付けられているリモコン。クリップが用意されており,衣服などに取り付けられる
Razer Razer


ヘッドフォン部の音質は素晴らしい

クリーン&ハイファイな正当派


 筆者のヘッドセットレビューでは,ヘッドフォン部を試聴で,マイク部は波形測定を軸にそれぞれテストしている。後者については,測定方法を本稿の最後にまとめてあるので,興味のある人は参考にしてほしい。基本的には,測定方法を熟読せずとも理解できるよう,配慮するつもりだ。
 このほかテスト環境はのとおりとなる。


 というわけで,まずヘッドフォン部からだが,結論から先に述べると,これまで取り上げてきたRazerブランドのヘッドセットとはまったく異なる,「正統派オーディオヘッドフォン」の音質傾向である。他社製品も含め,「ゲーム用ヘッドセット」を謳う製品の多くは,近年,低域〜重低域を極端に強く押し出し,一方で中高域を意図的に抑えるものがほとんどだった。結果,筆者のレビューでも,最近は,「地鳴りや,部屋のアンビエンス(=ambience,環境音)など,低域中心の効果音を強く聴かせつつ,銃声など,強すぎると耳に痛い金属音を抑えるべく,高域を落としているのだろう」といった内容の論評をよく繰り返してきている。

Razer
 その点で,Razer Carchariasのヘッドフォン出力は,まったく異質。音楽を聞いてみると分かるのだが,重低域から高域まで,非常にバランスのよい再生特性で,重低域から高域まで,大きな山や谷を感じない。「よくできたオーディオ用ヘッドフォン」と紹介されても,何ら違和感のない音質傾向になっているのだ。
 極端なハイインピーダンスに振った“つるつるの音”でもなければ,ローインピーダンスに特有の“ざらっとした音”でもない。おいしいところ……というか,絶妙なバランスに落とし込んでいる印象である。セミオープンタイプゆえ,あまり圧迫感がなく,長時間聞いていても,音圧が理由で疲れを感じることがないのもポイントが高い。

 また,比較用リファレンスとして用意しているAKG製モニターヘッドフォン 「K240 Studio」と聞き比べても,重低域と高域の伸びは,Razer Carchariasのほうが明らかに優れている。また,K240 Studioで感じられる,位相ズレのような荒っぽさもない。あくまでクリーン&ハイファイな印象で,実勢価格を考えると,驚異的な完成度と言っていいだろう。

Razer
 もう少し突っ込んで語ってみると,K240 Studioで「もこっ」と出てくる中低域,おそらく周波数帯域では80〜250Hzくらいだと思われるが,このあたりが前に出てこない。筆者のように,バランスのいい周波数特性を好む人には好ましい特性なのだが,この中低域の膨らみを,“低音感”と受け取るタイプの人だと,Razer Carchariasの中低域は,少しすっきりしすぎて物足りなく感じられる懸念はある。まあ,重低域がここまでしっかり存在していれば,大部分のプレイヤーは満足すると思うが。
 フラットで,特定帯域に強いピークや減衰がないため,音楽でいうと,ロック,ポップスはもちろんのこと,クラシック,ジャズ,低域と音圧重視のクラブミュージックまで,バランスよく再現してくれる。まさか,これほどのものが,Razerブランドで,しかも(Razerブランドにしては,だが)低価格路線で出てくるとは思わなかった。

 そして重要なことは,この音質特性が,3Dゲームのプレイ中にも維持されることだ。高域の減衰や中低域のかぶりがなく,しっかり再生されるため,「PCI Express Sound Blaster X-Fi Titanium」のバーチャルヘッドフォン機能「CMSS-3Dheadphone」も,K240 Studioを使ったときより効果的に感じる。
 ただ,高域を意図的に落としていたりはしないため,ボリューム設定によっては,銃声が耳に刺さるように感じられたり,最悪の場合は耳を痛める危険性もあるので,この点はくれぐれも注意が必要だ。とくに,FPSで自分が銃を撃ったときの発射音は,一般的なゲーマー向けヘッドセットと比べて相当強く感じられるため,耳を痛めないためにも,音量調整にはいつも以上に気を遣う必要があるだろう。


音質は高域重視で聞き取りやすいが

マイクのノイズフィルタ効果には疑問


 マイクのテストに当たっては,筆者が音楽制作に利用しているモニタースピーカーを信号出力装置として用いているが,最近,そのスピーカーシステムを,Dynaudio Acoustics製の「BM6A」から,ADAM製の「S3A」に変更したため,今回から,テストに用いるスピーカーシステムはS3Aになる。したがって,以前のレビューと,波形ベースの単純な比較はできなくなっているので,この点はあらかじめお断りしておきたい。

Razer
 さて,その周波数特性を計測した結果が,下のグラフである。Razer Carchariasのマイクは,S3Aのトゥイーターにより近い場所へ設置しているため,低域は多少弱く収録されている可能があるものの,50Hz〜16kHzとされる仕様をまずまず反映した傾向になっているとはいえるだろう。
 面白いのは,一見して分かる“低弱高強”の特性だ。設置場所の影響を考慮してなお,おおむね800Hzを境に,低周波帯域では低く(=弱く),高周波帯域では高く(=強く)なっている。

上段の周波数特性は,グリーンがリファレンス,オレンジがRazer Carchariasの波形だ。面白いほど低弱高強になっている
Razer

 実際にスピーチを録音して聞いてみると,高域重視になっている周波数特性のためか,すっきりクリアな音質なのが分かるし,筆者の声は,あまり低周波の成分を含まないこともあって,低音から高音まできちんと聞こえる。ゲームプレイにおいて最大限考慮されるべき「情報としての音」としては,「何を言ってるか分かる」ことこそが最も重要だが,その意味で,Razer Carchariasのマイクは完全に合格だ。
 なお,言うまでもないことだが,アナログ入力ということもあり,入力時のレイテンシは,サウンドカード側でしか発生しないため,本機自体のレイテンシを気にする必要はない。

Razer
 しかし,搭載が謳われるノイズフィルタリング機能に関しては,「除去されているように聞こえない」と苦言を呈しておく必要を感じた。低周波ノイズは確かに除去されているのだが,高周波の「シー」というヒスノイズはまったくもってそのまま拾われてしまうからだ。イメージとしては,ゲーム中,効果音の合間に,「シー」という音が聞こえてくる感じ。全力でボイスチャットを行いながらプレイしているようなときには問題ないが,いったんIRC(などのロビー)に戻ったときもマイクを常時オンにしておくと,チャット相手は不愉快な思いをすることになる。マメなミュートが肝心だ。
 もちろん,DSP処理などをしているわけではなく,アナログのノイズフィルタ部品が搭載されているだけなのだろうから,あまり多くを望むのは酷だが,このレベルで「ノイズフィルタリングマイク(Noise Filtering Microphone)搭載」を謳うのは,少々無理があると言わざるを得まい。


とにかくヘッドフォン品質が優秀

気になる点もあるが,価格対性能比は屈指


 パッドの肌触りがあまりよくなく,少なくとも筆者には不快であることと,マイクのノイズフィルタリング機能が今一つ,というか“今三つ”くらいであること。また,ブームの設置自由度も褒められたものではないこと。以上の明確な欠点はあるのだが,それを補ってあまりあるほど,アナログ2ch仕様のヘッドセットとしてはコストパフォーマンスが高いというのが,筆者の印象だ。

製品ボックス
Razer
 品質を問わなければ1000円強から手に入るアナログ接続型ヘッドセットにあって,実勢価格が9000円というのは決して安価ではないものの,ゲーム用途だけではなく,オーディオ用としてすら十分実用に耐えるレベルの出力品質には驚くほかない。
 オーディオ用にも使えるほど高い音質という意味で,筆者は以前,「DHARMA TACTICAL HEADSET(DRTCHD01BK)」を同じように評したが,低域が高域をマスクしないという点も踏まえるに,出力性能に限っていえばRazer Carchariasに軍配が上がりそうである。少なくとも,購入した人が,細かいところで不満を感じることはあっても,すっきり,はっきりとしたサウンド入出力周りに不満を感じることは,まずないと言い切っていいのではなかろうか。

 Razerブランドの製品は,販売店が限られる一方,その限られた販売店では,たいてい実機を試すことができるので,できることなら,一度装着してみることを勧めたい。パッドの肌触りが気にならない,あるいは我慢できると判断できた人なら,間違いなく満足できるヘッドセットだ。


マイク特性の測定方法

PAZのデフォルトウインドウ。上に周波数,下に位相の特性を表示するようになっている
Razer
 マイクの品質評価に当たっては,周波数と位相の両特性を測定する。
 測定に用いるのは,イスラエルのWaves Audio製オーディオアナライザソフト「PAZ Psychoacoustic Analyzer」(以下,PAZ)。筆者の音楽制作用システムに接続してあるスピーカー(ADAM製の「S3A」)をマイクの正面前方5cmのところへ置いてユーザーの口の代わりとし,スピーカーから出力したスイープ波形をヘッドセットのマイクへ入力して,計測するわけだ。
 アナログ接続ヘッドセットの場合は,入力用PCに取り付けてあるサウンドカード,USB接続ヘッドセットの場合は,マザーボードのオンボードUSBポートと接続して,マイク入力したデータをPAZで計測するという流れになる。アナログ接続ヘッドセットのテストに当たっては,カードの入力周りに位相ズレといった問題がないことを確認済みである。


 測定に利用するオーディオ信号はスイープ波形。これは,サイン波(※一番ピュアな波形)を20Hzから24kHzまで滑らかに変化させた(=スイープさせた)オーディオ信号である。スイープ波形は,テストを行う部屋の音響特性――音が壁面や床や天井面で反射したり吸収されたり,あるいは特定周波数で共振を起こしたり――に影響を受けにくいという利点があるので,以前行っていたピンクノイズによるテスト以上に,正確な周波数特性を計測できるはずだ。
 またテストに当たっては,平均音圧レベルの計測値(RMS)をスコアとして取得する。以前行っていたピークレベル計測よりも測定誤差が少なくなる(※完全になくなるわけではない)からである。
 結局のところ,「リファレンスの波形からどれくらい乖離しているか」をチェックするわけなので,レビュー記事中では,そこを中心に読み進め,適宜データと照らし合わせてもらいたいと思う。


 用語とグラフの見方について補足しておくと,周波数特性とは,オーディオ機器の入出力の強さを「音の高さ」別に計測したデータをまとめたものだ。よくゲームの効果音やBGMに対して「甲高い音」「低音」などといった評価がされるが,この高さは「Hz」(ヘルツ)で表せる。これら高域の音や低域の音をHz単位で拾って折れ線グラフ化し,「○Hzの音は大きい(あるいは小さい)」というためのもの,と考えてもらえばいい。人間の耳が聴き取れる音の高さは20Hzから20kHz(=2万Hz)といわれており,4Gamerのヘッドセットレビューでもこの範囲について言及する。

周波数特性の波形の例。実のところ,リファレンスとなるスイープ信号の波形である

 上に示したのは,PAZを利用して計測した周波数特性の例だ。グラフの左端が0Hz,右端が20kHzで,波線がその周波数における音の大きさ(「音圧レベル」もしくは「オーディオレベル」という)を示す。また一般論として,リファレンスとなる音が存在する場合は,そのリファレンスの音の波形に近い形であればあるほど,測定対象はオーディオ機器として優秀ということになる。
 ただ,ここで注意しておく必要があるのは,「ヘッドセットのマイクだと,15kHz以上はむしろリファレンス波形よりも弱めのほうがいい」ということ。
15kHz以上の高域は,人間の声を認識するにあたりまず必要ない。このあたりをマイクが拾ってしまうと,その分だけ単純に声以外の高周波ノイズが増えてしまい,全体としての「ボイスチャット用音声」に悪影響を与えてしまいかねないからだ。男声に多く含まれる80〜500Hzの帯域を中心に,女声の最大1kHzあたりまでが,その人の声の高さを決める「基本波」と呼ばれる帯域で,これと各自の声のキャラクターを形成する最大4kHzくらいまでの「高次倍音」がリファレンスと近いかどうかが,ヘッドセットのマイク性能をチェックするうえではポイントになる。


位相特性の波形の例。こちらもリファレンスだ
 位相は周波数よりさらに難しい概念なので,ここでは思い切って説明を省きたいと思う。PAZのグラフ下部にある半円のうち,弧の色が青い部分にオレンジ色の線が入っていれば合格だ。「AntiPhase」と書かれている赤い部分に及んでいると,左右ステレオの音がズレている(=位相差がある)状態で,左右の音がズレてしまって違和感を生じさせることになる。
 ヘッドセットのマイクに入力した声は仲間に届く。それだけに,違和感や不快感を与えない,正常に入力できるマイクかどうかが重要となるわけだ。

  • 関連タイトル:

    Razer

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
トピックス
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:05月25日〜05月26日