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「AMD Software 23.10.2」でチートと誤認される「Anti-Lag+」を一時無効化
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印刷2023/10/18 17:55

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「AMD Software 23.10.2」でチートと誤認される「Anti-Lag+」を一時無効化

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「AMD Software 23.10.2」でチートと誤認される「Anti-Lag+」を一時無効化
 米国時間2023年10月17日,AMDは,Radeon RX 5000シリーズ以降のGPUと,RDNAアーキテクチャ以降のGPUを搭載するAPU向けドライバソフト「AMD Software Adrenalin Edition 23.10.2」(以下,Adrenalin 23.10.2)をリリースした。
 Adrenalin 23.10.2は,前バージョンの「Adrenalin 23.10.1」において発生した,一部ゲームタイトルのアカウントが停止される問題に急遽対応したドライバといっていい。

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 2023年10月14日,AMDは,GPUドライバソフト「AMD Software」の最新版で遅延低減技術「Anti-Lag」を有効にすると,「Counter-Strike 2」のアカウントが誤って停止されてしまう問題について警告した。解決に向けて取り組んでおり,アップデートを提供するまで同機能を使わないよう呼びかけている。

[2023/10/16 13:53]

 アカウントが停止される原因は,Radeon RX 7000シリーズから対応となる遅延低減技術「Anti-Lag+」が,一部のゲームが使用するDLLのファンクションコールをフック(横取り)するためのようだ。アンチチートツールはDLLのフックを行うようなソフトウェアをチートツールと判断してブロックする。それ自体はいまに始まったことではなく,たとえばAMDが主催するオープンソースプロジェクトGPUOpen製のフレームレート計測ツール「OCAT」が,アンチチートツールでブロックされるといった問題が過去に起きていた。

 AMDは,ゲームアカウントが無効化される問題が表面化した直後にAdrenalin 23.10.1の公開を停止。ここ数日は最新ドライバへのリンクが前々バージョンであるAdrenalin 23.9.3まで巻き戻っていた。
 今回のAdrenalin 23.10.2では,シンプルにAnti-Lag+機能を一時無効化している。Radeon RX 7000シリーズのユーザーは,Adrenalin 23.10.2をインストールするとAnti-Lag+が設定できなくなるわけだ。
 なお,Radeon GPUで設定できる従来型の遅延低減技術「Anti-Lag」には問題がなく,Adrenalin 23.10.2でもAnti-Lagは使用可能である。

 AMDは,Adrenalin 23.10.2のリリースノートにおいて,「Anti-Lag+の影響でブロックされたアカウントを復旧し,Anti-Lag+機能を再び有効化する方法を,ゲームデベロッパと協力し模索している」と記している。不幸にも被害にあってしまったRadeon RX 7000シリーズのユーザーは,少し待ってみるといいかもしれない。

 やや余談だが,Anti-Lag+機能が無効化される影響は決して小さくない。Anti-Lag+機能は「HYPR-RX」を構成する機能のひとつで,ドライバレベルでフレーム生成を行う「AMD Fluid Motion Frames」(AFMF)の機能と関連しているからだ。
 AFMFでは,ゲームエンジンから画面が動く方向(モーションベクトル)を取得できないため,レンダリングを終えたフレームからモーションベクトルを計算して追加するフレームを生成する必要がある。そのため,AFMFは原理的に遅延が避けられず,少しでも遅延を低減するために,HYPR-RXとAFMFを併用するようAMDは推奨していたのだ。
 つまり,HYPR-RXでAnti-Lag+機能が利用できないと,一部のタイトルでは,遅延が大きくなりすぎてAFMFの利用が難しくなる可能性があるわけだ。

 AMDとしては,AFMFをドライバに正式実装するまでに,Anti-Lag+機能を復活させたいところだろう。それゆえに,Anti-Lag+機能が復活するのはそう遠い将来ではないと,筆者は予想している。

 なお,Adrenalin 23.10.2は本稿執筆時点でWHQL(Windows Hardware Quality Labs,ウィクル)を通過していないが,進行中(In Progress)と記されており,オプショナル版には位置づけられていない模様だ。
 機能面においても,レースゲームシリーズの最新作「Forza Motorsport」への対応が新たに行われたり,「Call of Duty: Modern Warfare II」(以下,CoD: MW2)で生じていた問題が修正されているなど,Adrenalin 23.10.1から多少の変更が行われている。なので,対象のGPUではインストール推奨のドライバと考えておいていいだろう。

 ただ,本バージョンもAdrenalin 23.10.1と同様にPolaris世代およびVega世代のGPUとRDNA世代以降のGPUを併用しているユーザーは,リリースノートに掲載されている専用のインストーラーが必要になる点に注意していただきたい。

### 以下,英文リリースノートまとめ ###

●Adrenalin 23.10.2の対応GPU
  • Radeon RX 7000シリーズ
  • Radeon RX 6000シリーズ
  • Radeon RX 5000シリーズ
  • Radeon RX 7000M/7000Sシリーズ
  • Radeon RX 6000Mシリーズ
  • Radeon RX 5000Mシリーズ

●Adrenalin 23.10.2の対応APU
  • Ryzen 7000シリーズ
  • Ryzen 6000シリーズ
  • Ryzen Mobile Processors with Radeon Graphics(※RDNA世代以降)

●Adrenalin 23.10.2が統合するコンポーネント(※比較対象はAdrenalin 23.10.1)
  • Display Driver 23.20.17.03-231016a-396809E-KB-AMD-Software-Adrenalin-Edition(←Version:23.20.17.01-231004a1-396397C-AMD-Software-Adrenalin-Edition)
  • Radeon Settings:2023.0911.2328.1996
  • 2D Driver:8.1.1.1634
  • Direct3D:9.14.10.01526
  • OpenGL:23.09.230729_569461f
  • OpenCL:31.0.22017.3004(←31.0.22017.1011)
  • AMD Windows Driver:31.0.22017.3004(←31.0.22017.1011)
  • Audio Driver:10.0.1.30
  • Vulkan Driver:2.0.283
  • Vulkan API:1.3.262

●Adrenalin 23.10.2における最適化
  • 記載なし

●Adrenalin 23.10.2における新要素(※Adrenalin 23.10.1と共通の項目は除く)
  • 「Forza Motorsport」に対応

●Adrenalin 23.10.2で解決した問題(※Adrenalin 23.10.1と共通の項目は除く)
  • Anti-Lagを有効化してCoD: MW2をプレイすると,断続的にゲームがクラッシュすることのあった問題

●Adrenalin 23.10.2における既知の問題
  • さまざまなゲームで,「Performance Metric Overlay」のフレームレート表示が「N/A」になることがある
  • AMD SoftwareでAV1コーデックを選択して録画すると,音声と動画が同期しないことがある
  • Forza Motorsportでレイトレーシングを有効にすると,表示が乱れることがある
  • 「Total War: Pharaoh」において,グラフィックス設定を変更後にメニュー表示が断続的に短時間ちらつくことがある

  • 関連タイトル:

    AMD Software

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