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プレビュー版の内容を含んだ「Catalyst 11.10」正式版がようやく公開に
Catalyst 11.10では,PC版「Battlefield 3」や「Rage」に最適化すべく,都合3回のプレビュー版ドライバが用意されていたが,今回のCatalyst 11.10は,それらプレビュー版ドライバの修正内容を含みつつ,追加のバグフィックスもなされたものとなっている。
対応GPUは以下のとおりとなっており,「Catalyst 11.9」から変化なし。「Display Driver」のバージョンは8.902で,Catalyst 11.9の8.892からは0.01の引き上げとなる計算だ。ちなみに,Catalyst 11.10のプレビュー版ドライバ第3弾だと8.901.2だったため,そこからは0.000.8の引き上げになる。
- デスクトップPC向けRadeon HD 6000〜2000シリーズ
- ノートPC向けRadeon HD 6900M・6800・6300MおよびATI Mobility Radeon HD 5000〜2000シリーズ
- Fusion APU A・E&Cシリーズ
- AMD 7〜9世代のデスクトップPC向けチップセット(※AMD 740Gを除く)
- 「ATI PowerXpress」対応のノートPC用チップセット
すぐに入手したい人は下に示したリンクからどうぞ。ただし,リンク先で説明文をちゃんと読まずに「Catalyst Software Suite」をダウンロードすると,設定ソフトウェアである「Catalyst Control Center」(以下,CCC。APUやAMD製GPU+CPUの場合は「VISION Engine Control Center」と名称が変わる)の日本語最新版を入手できなかったりするので,その点は注意が必要だ。どのファイルをダウンロードしたらいいのか今一つ自信がないという人は,4Gamerの最新ドライバリンクページを開いたうえで,コメントを参照しつつ入手してもらえればと思う。
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst 11.10
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst 11.10
→Windows XP用Catalyst 11.10
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 11.10
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 11.10
→4Gamer最新ドライバリンクページ
アップデートの概要は冒頭でお伝えしたとおりだが,今回は,そんなアップデート内容について,プレビュー版ドライバの修正内容ともども英文リリースノートの日本語訳を試みている。その結果は本稿の最後にまとめてあるので,興味のある人はチェックしてもらえれば幸いだ。
ちなみにバグフィックスはWindows 7環境に向けたゲーム関連のものが多い印象。それほど大規模というわけではないものの,最新タイトルへの最適化を含んだ手堅い公式最新版として――ドライバの更新作業は自己責任となるが――対応GPUのユーザーに広く勧められるものとまとめていいのではなかろうか。
なお,AMDのドライバ担当であるAndrew Dodd氏は,CrossFireXユーザーに向けて,Catalyst 11.10と同時公開の「CAP4」(Catalyst 11.9 Application Profiles 4)の導入を強く推奨している。CAP4では,Battlefield 3向けの性能最適化や,CrossFireX環境でBattlefield 3がひっかかったような挙動を示す問題の解決などが図られているとのことだ。
また氏によると,AMDのドライバチームはCrossFireX環境でBattlefield 3を実行したときに生じる別の問題にも取り組んでいるそうである。おそらくそれらは,Catalyst 11.10のCAPとして登場するのだろう。
●Catalyst 11.10 Version 1〜3 Previewで導入済みの要素
・Eyefinity
- Radeon HD 6000&5000シリーズでEyefinity 5x1が可能に。ディスプレイは横置き,縦置きどちらにも対応
・CCC
- CrossFireX,GPU OverDrive,Information Centerのユーザインタフェースを改良(※Catalyst 11.10の新要素と似ているが,微妙に表現が異なる)
・「Rage」向け
- 「Rage」でマップを読み出すとき,間欠的にクラッシュすることがある問題を低減
- 「Rage」でNPCがちらついて見える問題の修正
- 「Rage」で垂直同期が自動で有効にならない問題の修正
- 32bit版Windows 7環境で「Rage」をプレイしているとクラッシュすることがある問題の修正
- 「Rage」のプレイ中,オブジェクトやアニメーションがちらついて見えたり,テクスチャ表示がおかしく見えたりする問題の修正
●Catalyst 11.10 Version 1〜3 Previewで導入済みの性能向上
- 「Battlefield 3」のオープンβ版テストにおいて,Radeon HD 6000&5000シリーズ向けの最適化を実施。アンチエイリアシング設定の有無,シングル/CrossFireX構成に関わらず恩恵を受けられる(※具体的な数値は明らかになっていない)
- Radeon HD 6000とATI Radeon HD 5000&HD 4000シリーズのシングルGPU構成時に,「Rage」実行時の性能を引き上げ(※具体的な数値は明らかになっていない)
●Catalyst 11.10の新要素
・Eyefinity
- Radeon HD 6000シリーズ搭載環境でDirectX 11アプリケーションを実行したときの最大解像度を16,000×16,000ドットへ拡張
- ピクセル密度の異なるディスプレイの組み合わせでベゼルコレクション(Bezel Correction,Bezel Compensationともいう)が可能に
・CCC
- GPU OverDriveとソフトウェアおよびハードウェア用Information Centerの使い勝手を改善(※Catalyst 11.10 Previewで導入済みの要素と似ているが,微妙に表現が異なる)
●Catalyst 11.10で解決した問題(Windows 7)
- 「Enemy Territory: Quake Wars」など,いくつかのOpenGLタイトルで,画面表示がおかしくなることのある問題
- 「ロスト プラネット 2」のベンチマークを実行するとゲームがクラッシュすることのある問題
- 「F1 2010」と「Colin McRae: DiRT 2」でゲーム中に画面がまたたくことのある問題
- 「Google Earth」をOpenGLモードで実行すると表示がおかしくなることのある問題
- CrossFireX環境で「Mafia II」を実行したりゲームプレイしたりすると,ゲームがクラッシュすることのある問題
- AMD Dual Graphics環境でUNiGiNE製ベンチマークソフト「Heaven Benchmark」をDirectX 11モードで実行するとフレームレートが低下する問題
- 「Homefront」でゲームがクラッシュすることのある問題
- 120Hz駆動するディスプレイと接続した状態でSD/HD解像度のビデオを再生すると画面がまたたくことのある問題
- M2V,MPEG-2もしくはMPEG-4形式のファイルを再生している最中に(ビデオ再生の)ハードウェアアクセラレーション設定を切り替えると,画面がまたたくことのある問題
- デュアルディスプレイの拡張ディスプレイモードで,Windows Aeroを有効化すると,プライマリディスプレイ側で画面表示がおかしくなることのある問題
●Catalyst 11.10で解決した問題(Windows Vista)
- デュアルディスプレイの拡張ディスプレイモードで,Windows Aeroを有効化すると,プライマリディスプレイ側で画面表示がおかしくなることのある問題-ディスプレイとDisplayPortもしくはDFP(Digital Flat Panel)接続したときに画面解像度スケーリング設定が正常に表示されない問題
- M2V,MPEG-2もしくはMPEG-4形式のファイルを再生している最中に(ビデオ再生の)ハードウェアアクセラレーション設定を切り替えると,画面がまたたくことのある問題
●Catalyst 11.10で解決した問題(Windows XP)
- デュアルディスプレイの拡張ディスプレイモードで,Windows Aeroを有効化すると,プライマリディスプレイ側で画面表示がおかしくなることのある問題-M2V,MPEG-2もしくはMPEG-4形式のファイルを再生している最中に(ビデオ再生の)ハードウェアアクセラレーション設定を切り替えると,画面がまたたくことのある問題
●ノートPC向けCatalyst 11.10の制限事項
- 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
- Intel製チップセットを搭載し,Switchable Graphicsを採用したノートPCは非対応
- 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
- 関連タイトル:
AMD Software
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