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「Catalyst 11.4」がようやく登場。ドライバ更新通知機能などControl Centerの刷新が正式実装に
北米時間2011年4月27日,AMDは,同社製GPUおよびチップセットに対応するドライバスイートの2011年4月版となる「Catalyst 11.4」を公開した。対象製品は以下のとおりで,2011年3月版から変わっていない。
- デスクトップPC向けRadeon HD 6000〜2000シリーズ
- ノートPC向けRadeon HD 6900M・6800・6300MおよびATI Mobility Radeon HD 5000〜2000シリーズ
- Fusion APU E&Cシリーズ
- 「AMD 740G」を除くAMD 7〜8世代のデスクトップPC向けチップセット
- 「ATI PowerXpress」対応のノートPC用チップセット
ダウンロード先は下記のとおり。「Catalyst Mobility」あるいは「Catalyst Mobile」と呼ばれるノートPC向けバージョンも同時公開となっている。
Catalystはコンポーネントが多岐に及んでいて少々分かりづらいので,どれを入手すべきか悩んだ人は,4Gamerの最新ドライバリンクページを利用してみてほしい。
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst 11.4
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst 11.4
→Windows XP用Catalyst 11.4
→32bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 11.4
→64bit版Windows 7&Vista用Catalyst Mobility 11.4
→4Gamer最新ドライバリンクページ
ただ,英文リリースノートの内容見て,実際に導入してみた限り,予告されていた「Catalyst Control Center」(以下,CCC)周りの新要素,
- Standard View(標準表示)のメニューを,目的別のものに刷新
- ドライバの更新確認機能追加
- 「AMD製CPU+AMD製GPU」の環境では「VISION Engine Control Center」,FireProやFireStream搭載環境では「Catalyst Pro Control Center」という名称が新たに設けられ,3ブランド体勢へと移行
- Eyefinity設定周りの使い勝手改善
- Welcomeページに変わる「AMD Home」の導入
は一通り実装されているようだ。その点において,巻き戻りに関する心配は無用と述べてよさそうである。
このほか,ゲームにおける性能の最適化や,Windows 7環境を中心としたバグフィックスなども広く行われている。英文リリースノートの該当部分は例によって和訳を試みたので下記を参照してほしいと思うが,全体として,対応製品のユーザーなら,自己責任で導入する価値はある印象だ。
●Catalyst 11.4の新要素
・CCC
- 「Standard View」(標準表示)に「何を設定するか」ベースのメニューを採用。ディスプレイ設定方法を単純化
- Eyefinity周りの改善。Eyefinityの設定が容易に
- ドライバの更新確認機能を搭載。新しいCatalystが登場したら通知してくれるようになった
- Catalyst 11.4に含まれるOpen CL Runtimeの拡張。APUにおける「zero-copy」が可能になったほか,PCI Expressを経由したCPUと単体GPU間のデータ転送速度も向上した
●Catalyst 11.4におけるパフォーマンス向上
(※「示している向上率のいくつかはRadeon HD 6900&6800シリーズで確認されたもの」とされているが,対象となるものがどれかは明らかになっていない。なお,アンチエイリアシングは「AA」,異方性フィルタリングは「AF」とそれぞれ表記する)
- Call of Duty: Black Ops シングルカード構成で,AAおよびAFを適用したとき最大15%
- Battleforge シングルカードおよびマルチGPU構成で,AAおよびAFを適用したとき最大15%
- Batman: Arkham Asylum シングルカードおよびマルチGPU構成で,AAおよびAFを適用したとき最大20%
- Aliens vs. Predator シングルカードおよびマルチGPU構成で,AAおよびAFを適用したとき最大8%
- Sid Meier's Civilization V シングルカードおよびマルチGPU構成に最大15%
- Far Cry 2 シングルカードおよびマルチGPU構成に最大6%
- Just Cause 2 シングルカードおよびマルチGPU構成に最大9%
- ロスト プラネット2 シングルカードおよびマルチGPU構成に最大10%
●Catalyst 11.4で解決した問題(Windows 7)
- 「Firefox 4」でGPUアクセラレーションを有効化すると,GPUの使用率が高くなる問題
- 垂直同期を有効化し,モーフォロジカルAA(MLAA)を適用した状態で「BioShock」を実行すると,ティアリングや画面表示の乱れが発生することのある問題
- CrossFireX(以下,CFX)構成時に「Two Worlds II: Castle Defense」を実行すると,水のテクスチャがちらついて見える問題
- Radeon HD 6970搭載環境で「Bulletstorm」を実行すると,光(lightshaft)の表現が乱れる問題
- CFX構成時に「Bulletstorm」を実行すると,テクスチャの表示がおかしくなる問題
- CFX構成時に「F1 2010」を実行すると,間欠的にフレームレートが低下する問題
- CFX構成時に「PowerDVD」を使ったBlu-rayコンテンツの再生を行い,その最中にCFXの有効/無効を切り替えると,アプリケーションがクラッシュする問題(※PowerDVDのバージョンは明らかになっていない。原文は「PowerDVD no longer crashes if Crossfire is enabled / disabled during playback of a BD title.」)
- ディスプレイの回転機能を使って縦画面表示させている状態で「WinDVD」からBlu-rayコンテンツの再生を行うと,画面表示がおかしくなる問題
- 「Crysis Warhead」で,ゲームの起動時に画面表示がおかしくなることのある問題
- 「Heaven Benchmark」をDirectX 11モードで実行すると画面表示がおかしくなる問題
- セカンダリディスプレイを接続すると,CCCの「Avivo settings」が正常に表示されなくなる問題(※「Avivo settings」が何を指すのかは不明。コンバータの話ではないとすると,「Video Settings」(ビデオ設定)のことだと思われるが……。原文は「Catalyst Control Center Avivo settings are now correctly displayed after connecting a secondary display.」)
- CCCから画面の輝度を調整しようとすると画面がちらつく問題
●Catalyst 11.4で解決した問題(Windows Vista)
- 「Windows Media Player」「Windows Media Center」でMPEG-2再生時のハードウェアアクセラレーションを利用できない問題
- 2×1のEyefinityでベゼルコレクションを行おうとすると,2台のディスプレイに何も表示されなくなる問題
- CCCから画面の輝度を調整しようとすると画面がちらつく問題
●Catalyst 11.4で解決した問題(Windows XP)
- 「World of Warcraft」のプレイ中,画面表示がおかしくなることのある問題
- 「Star Wars: The Force Unleashed II」のプレイ中,システムが突然再起動することのある問題
●ノートPC向けCatalyst 11.4の制限事項
- 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
- Intel製チップセットを搭載し,Switchable Graphicsを採用したノートPCは非対応
- 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
- 関連タイトル:
AMD Software
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