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「ATI Catalyst 10.8」リリース。FFXIVに向けたCrossFireXプロファイル追加などマルチGPU関連の最適化に注目
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印刷2010/08/26 12:01

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「ATI Catalyst 10.8」リリース。FFXIVに向けたCrossFireXプロファイル追加などマルチGPU関連の最適化に注目

 北米時間2010年8月25日,AMD製のGPUおよびチップセットをサポートするドライバスイートの最新版「ATI Catalyst 10.8」(以下,Catalyst 10.8)がリリースされた。
 対応製品は,デスクトップPC向けがATI Radeon HD 2000〜5000シリーズと「AMD 740G」を除くAMD 7世代のチップセット,「Catalyst Mobility」とも呼ばれるノートPC向けがATI Mobility Radeon HD 2000〜5000シリーズのGPUと「ATI PowerXpress」対応のチップセット。これといった新製品が登場していないため,このあたりは「ATI Catalyst 10.7」(以下,Catalyst 10.7)から変化なしだ。

 すぐに入手したいという人は,4Gamerの最新ドライバリンクページからどうぞ。

4Gamer最新ドライバリンクページ
(※ノートPC向けドライバに関しては,本稿の最後に「Catalyst Mobility 10.8の制限事項」としてまとめたとおり,いくつか注意点がある)

 「Display Driver」のバージョンは8.762で,2010年7月版の同8.741から0.021の引き上げとなる計算だが,そんな2010年8月版における最大の注目点は,マルチGPU関連でさまざまに手が入っていること。とくに,「FINAL FANTASY XIV」に向けたATI CrossFireXプロファイルの追加が行われているのは,日本のゲーマーにとって見逃せないポイントだろう。7月の時点で,スクウェア・エニックスとAMDの間では協力に関する確認が取れていたが,さっそくその成果が出てきたわけだ。

※15:15追記
 本文にもあるとおり,Catalyst 10.8ではFINAL FANTASY XIVに向けたCFXプロファイルが追加されたとのことだったのだが,実際に「ATI Radeon HD 5970」+「Core i7-975 Extreme Edition/3.33GHz」搭載の32bit版Windows 7 Ultimateシステムで「FINAL FANTASY XIV OFFICIAL BENCHMARK」を実行してみたところ,Highモードのスコアは3978だった。少なくともベンチマークテストにおいて,CFXは有効になっていないようだ。


TechPowerUp製のGPU情報表示用ツール「GPU-Z」(Version 0.4.5)で,Highモードのベンチマーク実行中にGPU使用率を見てみたところ,片側のGPUは常時0%で,まったく動作していなかった
画像集#001のサムネイル/「ATI Catalyst 10.8」リリース。FFXIVに向けたCrossFireXプロファイル追加などマルチGPU関連の最適化に注目

 なお,32bit版Windows 7の場合,プロファイルの内容は,
C:\Program Files\ATI Technologies\Application Profiles\atiapfxx.bib
というデータベースファイルに収められている。これをバイナリエディタで開いてプロファイル名をチェックしてみたのだが,FINAL FANTASY XIVに関する記述はなし(※下に和訳で示したもう1つの新規追加タイトル「The Lord of the Rings Online」は発見できている)。これが,CFXが機能しない理由なのではなかろうか。
 どうも,CFXプロファイルの記載漏れのような気がするのだが,現在4Gamerでは,本件についてAMDに問い合わせ中。何か判明したら,本稿か,別記事でお伝えしたいと考えている。

※2010年8月27日10:50追記
 AMDのATI Catalyst担当,Terry Makedon氏(@CatalystMaker)からメールが返ってきた。少々くだけたメールなので原文の掲載は差し控えるが,「現在,エンジニアに確認中だが,現時点でお伝えできるのは,『(FINAL FANTASY XIV用のプロファイルは)Catalyst 10.8には入っておらず,10.9には入るだろう』ということになる。可能であれば数日以内にプロファイルを追加したCatalyst Application Profileを公開するつもりだ」とのこと。ちょっと待ってみるのが正解のようである。

※2010年9月10日11:00追記
 Makedon氏から続報が来た。いわく「FFXIVでCFXを有効にするためには,ドライバレベルの対応が必要だと分かったので,10.9を楽しみにしていてほしい」とのこと。だとするとリリースノートの内容は何だったのかという気がしないでもないが,10.9での対応予告がなされたのは福音といえそうだ。


 なお,ATI CrossFireX(以下,CFX)関連以外でも,Catalyst 10.7から派生した公式β版「Catalyst 10.7 Beta」および「Catalyst 10.7a Beta」の内容が盛り込まれていたり,ビデオ周りに改善や修正が入っていたりと,見所は少なくない。このあたりについては,下記のとおり英文リリースノートの和訳を試みたので参考にしてほしいが,対象となるGPUを使っているなら,導入する価値のある最新版だと述べていいのではなかろうか。
 なお,ドライバのアップデート作業は自己責任となるので,この点だけはご注意を。

●Catalyst 10.8の新要素
  • OpenGL ES 2.0仕様のフルサポート。Windows 7/Vista/XPのいずれにおいてもサポートされる
  • ビデオ関連のデフォルト設定を下記のとおりアップデート。また,それらをインターネット上で配信されるビデオに関しても適用できるよう,「ATI Catalyst Control Center」(以下,CCC)に「Internet Video」のチェックボックスを追加
    ・「Advanced Color」においては,「Color vibrance」が40,「Flesh tone correction」が50になり,「Brighter Whites」が有効に
    ・「Advanced Quality」においては,「Edge Enhancement」が25,De-noiseが64に,「Mosquito Noise Reduction」が50,「De-blocking」が50に
  • 4-way CFX構成時におけるATI Eyefinityパフォーマンスの大幅な向上
  • CCCから「StarCraft II: Wings of Liberty」に対するアンチエイリアシング設定が可能に
  • 「Aliens vs. Predator」「Mafia II」「Singularity」に向けたCFXプロファイルのアップデート
  • 「FINAL FANTASY XIV」「The Lord of the Rings Online」に向けたCFXプロファイルの新規追加

●Catalyst 10.8におけるパフォーマンス向上
  • Far Cry 2
    ・ATI Radeon HD 5800シリーズのシングルカードおよびCFX構成時に2〜6%
    ・ATI Radeon HD 5700シリーズのシングルカードおよびCFX構成時に2〜4%
    ・ATI Radeon HD 4800シリーズのシングルカードおよびCFX構成時に3〜8%
  • Left 4 Dead 2
    ・ATI Radeon HD 5800&5700シリーズのCFX構成時に3〜5%
  • Stormrise
    ・ATI Radeon HD 5600&5500シリーズ搭載時に5〜10%

●Catalyst 10.8で解決した問題(Windows 7,Vista&XP)
  • HDMI出力時のデフォルトリフレッシュレートがCCCのHDTVメニューに正しく60Hzと表示されない問題
  • CCCのBasicモードで,コンポーネント出力関連の設定を行おうとしたとき,設定ウィザード,あるいは「Display Setting for Desktop Viewing」の解像度設定ボックスが表示されない問題
  • 「City of Heroes」およびその拡張「Going Rogue」で「FSAA」(Full Screen Anti-Aliasing)を選択できない問題

●Catalyst 10.8で解決した問題(Windows 7)
  • ディスプレイデバイスとDisplayPort接続し,Blu-rayコンテンツを再生しているときにPCの電源を落とすと,再起動後,デスクトップに線(状のノイズ)が表示される問題
  • 「Borderlands」を長時間プレイするとゲームアプリケーションが落ちる問題
  • 「Adobe Photoshop CS5」でたくさんのウインドウを開くとアプリケーションが落ちる問題
  • 1280×720&1920×1080ドット解像度のWMVファイルを「Windows Media Player」から再生しているときにウインドウサイズを調整すると何も映らなくなる問題
  • CFX構成時に「ARMA II: Operation Arrowhead」を実行できない問題
  • マルチディスプレイ構成時にディスプレイ間でマウスカーソルを移動させると,間欠的にカーソルの表示がおかしくなったり,システムが応答しなくなったりする問題

●Catalyst 10.8で解決した問題(Windows Vista)
  • 64bit環境で特定のビデオファイルをトランスコードしていると,CCCが落ち,エラーメッセージが表示される問題
  • 「Microsoft PowerPoint」のスライドデッキでAVI形式のビデオファイルを再生するとラグが生じる問題
  • スリープや休止状態に入ってそこから復帰すると,(復帰前に設定した)「3D」および「Video」の設定内容が保持されない問題

●Catalyst 10.8で解決した問題(Windows XP)
  • 「PowerDVD」の利用時にハードウェアアクセラレーションを有効にできない問題
  • インタレースの高解像度ビデオコンテンツの再生時に若干のフレームドロップが発生する問題

●Catalyst Mobility 10.8の制限事項
  • 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
  • Intel製チップセットを搭載し,Switchable Graphicsを採用したノートPCは非対応
  • 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
  • 関連タイトル:

    AMD Software

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