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順当なアップデートに“プラスアルファ”も。「Catalyst 10.5」リリース
対応製品は,デスクトップPC向けがATI Radeon HD 2000〜5000シリーズと「AMD 740G」を除くAMD 7世代のチップセット,ノートPC向けはATI Mobility Radeon HD 2000〜5000シリーズのGPUと「ATI PowerXpress」対応のチップセットで,このあたりは「ATI Catalyst 10.4」(以下,Catalyst 10.4)と同じだ。デスクトップPC向けだとWindows XP,Vista&7用,ノートPC向けだとWindows Vista&7用がそれぞれ公開されているというのも変わっていない。
というわけで,すぐに入手したい人は4Gamerの最新ドライバリンクページからどうぞ。なお,ノートPC向けドライバに関してはいくつか制限事項があり,それについては本稿の最後に「Catalyst Mobility 10.5の制限事項」として示したので,対象となる人はチェックしてもらえれば幸いだ。
→4Gamer最新ドライバリンクページ
「Display Driver」のバージョンは8.732で,Catalyst 10.4の同8.723からは0.009の引き上げとなる“月刊Catalyst 2010年5月号”だが,最大のトピックは,ATI Radeon HD 4000&3000シリーズ搭載環境で,垂直リフレッシュレート120Hz対応ディスプレイがサポートされた点だろう。
「え,サポートされてなかったの?」と思うかもしれないが,3D立体視対応のディスプレイの流通量が増えるに従って,これらを“高リフレッシュレート対応ディスプレイ”として使いたい人達の間から,本件は「ドライバの問題」としてレポートされたりしていた。その意味で,枯れたGPUと組み合わせてFPSなどに使いたいというプレイヤーにとって,Catalyst 10.5で正式サポートが謳われたというのは,重要な意味を持ちそうである。
このほか,英文リリースノートに記載されている新要素やパフォーマンス最適化内容,バグフィックス内容の和訳は下記のとおり。「ATI Catalyst 10.4 Preview」ドライバで対処の始まった「『Battlefield: Bad Company 2』で,マップの読み出しに長い時間がかかる問題」について,サポート対象となるOSのすべてで解決したとされるなど,バグフィックスが順当に進んでいる印象を受ける。
総じて,対象製品のユーザーに,広く勧められるリリースと言ってよさそうだ。もちろんドライバのアップデートは自己責任となるので,この点は注意してほしいが,新要素やバグフィックスの内容に興味を引かれるなら,試してみてはどうだろうか。
●Catalyst 10.5の新要素
- ATI Radeon HD 4000&3000シリーズにおける垂直リフレッシュレート120Hz対応ディスプレイの新規サポート
- 「ATI Overdrive」のマルチGPU環境完全対応
●Catalyst 10.5で解決した問題(Windows XP,Vista&7共通)
- 「Battlefield: Bad Company 2」で,マップの読み出しに異常なほど長く時間がかかる問題
- 「IL-2 Sturmovik: 1946」で,ゲーム内オプションの「hardware shaders(perfect mode)」(※リリースノートより原文ママ)を有効化すると,テキストや,ミッション読み出し時におけるオンスクリーンメニューの表示がおかしくなる問題
- リモートデスクトップ接続を受け入れたあと,再度ログインすると,「Catalyst Control Center is not supported…」という警告メッセージが表示されたり,ATI Catalyst Control Center(以下,CCC)の詳細表示メニューにある「Graphics」メニューが消えたりする問題
- CCCの「Desktop & Displays」メニューにある「CV display」アイコンにマウスカーソルを合わせたとき,高解像度テレビの解像度がツールチップから正常にレポートされない問題
●Catalyst 10.5で解決した問題(Windows XP)
- AGP接続のグラフィックスカードからHDMI出力を行っていると,「バイオハザード5」が正常に起動しない問題
- PowerDVDでBlu-ray Discの内容を再生しているときに,CCCから輝度やコントラスト設定を調整すると,PowerDVDの再生画面に青やピンクの線が表示される問題
●Catalyst 10.5で解決した問題(Windows Vista)
- CCCの「Avivo basic color controls」にある「All Settings」ページで,設定内容が反映されず,デフォルト値に戻る問題
- 「HBR audio」が正常に機能しない問題(※HBRはHigh Bit-Rate,高ビットレートと説明されているものの,意味不明。内蔵のHDMIサウンドコントローラが,24bitサウンドの出力に問題を抱えていたということだろうか?)
- ATI Radeon HD 3000&2000搭載環境で,「Tom Clancy's Splinter Cell: Conviction」がゲーム中に落ちる問題
●Catalyst 10.5で解決した問題(Windows 7)
- 「Mass Effect 2」のゲーム中に[Alt]+[Tab]キーによるタスク切り替えを行ってデスクトップに移り,再びゲームに戻ってくると,ディスプレイに何も表示されなくなる問題
- 「Empire:Total War」および「Napoleon: Total War」で,ゲーム内オプションからボリュームエフェクトなどそのほかのグラフィックス設定を有効化すると,アンチエイリアシングを有効化できない問題
- 「Empire:Total War」で,アンチエイリアシングを有効化すると,パフォーマンス(≒フレームレート)が低下する問題
- ATI Radeon HD 5000シリーズで「Heaven Benchmark 2.0」を実行し,テッセレーションを有効化しつつワイヤーフレーム表示を行うと,アプリケーションが落ちる問題
- マルチGPU構成時に「Aliens vs. Predator」を実行し,ゲーム内で解像度設定を変更すると,画面がちらつく問題
- 「Heaven Benchmark 2.0」をOpenGLモードで実行すると,画面に何も表示されない問題
- XviD形式のビデオを再生しているときにCCCからダイナミックコントラストを有効化すると,再生画面に縦縞が表示される問題
●Catalyst Mobility 10.5の制限事項
- 本バージョンのリリース後に発表されたノートPCは非対応
- Intel製チップセットを搭載し,Switchable Graphicsを採用したノートPCは非対応
- 東芝製ノートPC,ソニー製「VAIO」シリーズのノートPC,パナソニック製ノートPCは非対応(※従来同様,ドライバはPCメーカーから提供される)
- 関連タイトル:
AMD Software
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