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AMD,「ATI Catalyst 9.6」を公開。XP/Vista/7で共通のものを中心に,多くの問題が潰される
北米時間2009年6月15日リリースとなる“月刊Catalyst 2009年6月号”が対応するGPUはATI Radeon HD 2000/3000/4000シリーズで,対応チップセットは「AMD 740G」を除くAMD 7世代の製品群。「Display Driver」のバージョンは8.62で,先月からは0.008の引き上げとなっている。
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いきなり結論めいたことから述べると,Catalyst 9.6は,いくつかのゲームタイトルにおける性能向上も図りつつ,目の前にある多くのバグに対処してきたバージョン,といったところだ。「ATI Catalyst 9.5」では,Windows XPに向けたバグフィックスが一つもなかったが,今回は,Windows XP/Vista/7に共通の問題点も含めて,多数の問題が潰されており,Windows XPユーザーも一安心といったところだろう。
というわけで,リリースノートの和訳は以下のとおりだ。
●Catalyst 9.6におけるパフォーマンス向上(Windows XP/Vista/7)
- 「Company of Heroes」において,ATI Radeon HD 4600シリーズ搭載環境で最大25%,ATI Radeon HD 4800シリーズ搭載環境で最大10%,
- 「Crysis」において,マルチGPU構成時に最大13%
- 「Crysis Warhead」において,マルチGPU構成時に最大11%
- 「World in Confilcet」で,従来,CPUボトルネックによってパフォーマンス向上が制限される設定を行ったときに最大30%
●Catalyst 9.6で解決した問題(Windows XP/Vista/7共通)
- 「ATI CrossFireX」(以下,CrossFireX)のタブを開くと,「ATI Catalyst Control Center」(以下,CCC)が応答しなくなる問題
- いくつかのデュアルグラフィックスカード構成でクローンモードを利用しているとき,CCCからプライマリディスプレイを無効化できない問題
- WMV形式のトランスコード中に,ビットレートのスライダーを動かすと,CCCが応答しなくなる問題
- いくつかのシステム構成において,ATI OverDriveの設定が表示されない問題
- 自動デ・インタレース(=プログレッシブ化)を有効化しているとき,CCCの中身がインタレース表示される問題(※「中身」が何を指すのかは分からない。原文は「Catalyst Control Center content no longer appears interlaced when automatic deinterlacing is enabled」)
- クローンモード設定時に,CRTディスプレイをホットプラグすると,CCCのディスプレイ設定が表示されなくなる問題
- 高解像度テレビクラスではない解像度を使っているとき,CCCの「Scaling」設定スライダーが何の前触れもなく有効化される問題(※「高解像度テレビクラスではない解像度」の具体的な値は不明。原文は「a non-HDTV resolution」。また,「Scaling」が何を指すのかも分からない。テレビ云々の話からすると,アスペクト比を維持したままの拡大表示機能に関する話のような気もするが,本機能にはスライダーが用意されていなかったりする)
- 「2009年4月版より前のCatalystでコンパイル&実行された特定のILカーネルが,2009年4月版以降のCatalystから実行できない」という,CAL(Compute Abstraction layer)の退行が存在していた問題(※ILカーネルが何を指すのかは不明。ATI Stream SDKに含まれる何かだとは思われる)
●Catalyst 9.6で解決した問題(Windows XP)
- 高解像度テレビクラスではない解像度を使っているとき,CCCの「Scaling」設定スライダーが間違って有効化される問題(※上で紹介したWindows XP/Vista/7共通の修正内容と何が異なるのかは不明。「inadvertently(何の前触れもなく)」に対して「incorrectly(誤って)」と,微妙に表現が異なっている)
- デスクトップと「Tom Clancy's H.A.W.X」の間でタスク繰り替えを行うと,システムが不安定になる問題
- いくつかのシステム構成において,HDMIあるいはコンポーネント接続ディスプレイに向けた「scaling」オプションが表示されない問題(※「scaling」が何を指すのかは不明。アスペクト比を維持したままの拡大表示機能のことだと思われるが……)
- 「Team Fortress」で,ゲーム中に,フレームレートが幾分か低下する問題(※ということだと思われる。原文は「Team Fortress 2 some slowdowns no longer occur during gameplay」)
●Catalyst 9.6で解決した問題(Windows Vista)
- いくつかのシステム構成で,トランスコードされたビデオを再生すると,信号の歪み(※原文は「video artifacts」)が見えてしまう問題
- (ATI OverDriveから)GPUクロックをカスタマイズしていると,いったん3Dゲームをフルスクリーンで実行し,その後終了させるという手続きを踏まない限り,セカンダリグラフィックスカードの動作クロックが,(本来ならATI PowerPlayによって自動的に変更されるはずの)最低値に落ちない問題
- ウインドウ(※デスクトップと同義と思われる)と,フルスクリーンモードで実行中の「Crysis」の間でタスク切り替えを行うと,画面表示がおかしくなったり,画面がちらついたりする問題
●Catalyst 9.6で解決した問題(Windows 7)
- コンポーネントビデオ接続のディスプレイと,セカンダリディスプレイが両方つながっている特定のシステムで,ディスプレイ設定のコピーを行えない問題
- CCCの「ATI Graphics Power Settings」をアップデート(※変更の意と思われる)すると,画面表示がおかしくなる問題
- CCCからコンポーネントビデオ接続設定を正常に行えない問題
- CCCがCrossFireXを無効とレポートする問題(※「どのような条件で生じるかが書かれていないため詳細不明。原文は「Catalyst Control Center no longer shows Crossfire as disabled」)
- CCCの高解像度テレビ用標準動作モードが有効に機能しない問題
- 特定のシステム構成においてCrossFireXを有効化すると,CCCが応答しなくなる問題
- 「Enemy Territory: Quake Wars」において,ゲーム世界の表示が断続的におかしくなる問題
意味を取りにくい,もしくは取りようのない項目がいくつかあるのは相変わらずだが,全体として,CCCから設定できる項目の問題が優先的に修正された印象は受ける。対応するGPUやチップセットを使っている人には,自己責任で導入する価値があるとお勧めしておきたい。
- 関連タイトル:
AMD Software
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