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OpenCL 1.0&OpenGL 3.2対応に,200以上のバグ潰し。「GeForce Driver 195.39 Beta」が公開される
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対応製品は,GeForce 6以降の単体GPUとグラフィック機能統合型チップセット,そしてIONプラットフォーム。ミドルクラス向けと思われる未発表のGPU「GeForce GTS 240」が対応製品として追加されているのはトピックといえるだろう。
ダウンロードしたい人は,下に示したリンクを利用してほしい。なお,統合されている「PhysX System Software」のバージョンは,Release 191世代と同じく9.09.0814だ。
→Windows XP用GeForce Driver 195.39 Beta(116MB)
→32bit版Windows Vista/7用GeForce Driver 195.39 Beta(129MB)
→64bit版Windows Vista/7用GeForce Driver 195.39 Beta(157MB)
Release 195世代の幕開けを告げる195.39 Betaドライバだが,最大の特徴は,GeForce 8以降におけるOpenCL 1.0とOpenGL 3.2のサポートが加わったこと。開発者向けリリースはさておき,一般PCユーザー向けのGeForce Driverで,両者のサポートが宣言されたのは今回が初めてとなる。
また,下に箇条書きでまとめたとおり,CUDAやNVIDIA SLI(以下,SLI)周りにもアップデートがあり,なかなか見どころは多い。
●GeForce Driver 195.39 Betaの新要素
- PhysXの動作状況を示す「PhysX Indicator」をNVIDIAコントロールパネルの「3D Settings」プルダウンメニューに追加
- GeForce 8以降におけるOpenCL 1.0の新規サポート
- GeForce 8以降におけるOpenGL 3.2のサポート
- CUDA Toolkit 3.0のサポートとCUDAパフォーマンスの引き上げ
- 「Borderlands」「Cloudy with a Chance of Meatballs The Video Game」「G-Force Video Game」「FIFA 10」「League of Legends: Clash of Fates」「NHL 09」「Order of War」「Pro Evolution Soccer 2010」「RACE On」「Star Trek D-A-C」用のSLIプロファイル追加
- 「Champions Online」「Dragon Age: Origins」用SLIプロファイルのアップデート
もう一つ重要なのは,195.39 Betaにおいて,200以上のバグが潰されているとリリースハイライトにおいて宣言されている点。リリースノートに,そのすべてが記載されているわけではないが,ひとまず記載されている全項目の和訳を試みたので,興味のある人は参考にしてもらえれば幸いだ。
●GeForce Driver 195.39 Betaで解決した問題(Windows XP)
- 「The Sims 3」製品版が起動時にクラッシュする問題
- 「Football Superstars」のプレイを開始して数分後に,BSOD(ブルースクリーンになってシステムがクラッシュすること)が発生する問題
- GeForce 200シリーズもしくはGeForce 9800 GX2搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルの「Manage 3D Settings」(「3D設定の管理」)から「Override Anti-Aliasing」(「アプリケーション設定の変更」)を行っても,ウインドウモードで実行したDirectX 9アプリケーションには適用されない問題
- GeForce GTX 280搭載環境で,「Battlefield Heroes」を終了させるとき,あるいはサーバーとの接続を終了するときにアプリケーションがフリーズする問題
- GeForce G210搭載環境で,グラフィックスドライバのインストール完了後,ディスプレイが4bitカラー設定に切り替わる問題
- GeForce 9800 GX2搭載環境で,「Race Driver: GRID」を起動すると,オープニングムービーの再生終了後,ディスプレイに何も表示されなくなる問題
●GeForce Driver 195.39 Betaで解決した問題(32bit版Windows Vista)
- アプリケーションプロファイル(※「プログラム設定」のことだと思われる)のOverride Anti-Aliasing(「アプリケーション設定の変更」)設定を適用できない問題
- GeForce 9800 GX2搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルからアンビエントオクルージョンを有効化した状態から「Unreal Tournament 3」をデフォルト設定で実行すると,アプリケーションがクラッシュする問題
- GeForce 9600 GT搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルからアンチエイリアシングを強制的に適用すると,「League of Legends」で地表のテクスチャが真っ黒になる問題
- GeForce 9800 GTXを差して,最初にドライバをインストールし,再起動したたときに,「Display Configuration has changed」というバルーンチップが表示されない問題
- IONプラットフォームを2台のディスプレイデバイスと接続しているとき,DualViewモードからクローンモードへの切り替えに50〜60秒を要する問題
- GeForce GTX 280のSLI構成時に,ディスプレイの解像度設定を変更しても,NVIDIAコントロールパネルの「Change Resolution」ページの内容が適切に書き換わらない問題
●GeForce Driver 195.39 Betaで解決した問題(64bit版Windows Vista)
- アプリケーションプロファイル(※「プログラム設定」のことだと思われる)のOverride Anti-Aliasing(「アプリケーション設定の変更」)設定を適用できない問題
- GeForce GTX 260搭載環境で初代「Call of Duty」を実行すると,バッファオーバーランエラーが発生してアプリケーションがクラッシュする問題
- GeForce GTX 280搭載環境を,2台のDVI接続ディスプレイまたはDVI接続ディスプレイ×1+HDMI/DisplayPort接続ディスプレイ×1と接続しているとき,ドライバのインストール後,DualViewモードがデフォルトで設定されない問題
- GeForce 9800 GTX搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルの「Adjust Desktop size and position」(「デスクトップのサイズと位置の調整」)に「Resize desktop」オプションが表示されない問題(※「Resize desktop」の詳細は不明)
- GeForce 9800 GTXを差して,ドライバをインストールし,再起動したときに,「Display Configuration has changed」というバルーンチップが表示されない問題
- GeForce GTX 280のSLI構成時に,ディスプレイの解像度設定を変更しても,NVIDIAコントロールパネルの「Change Resolution」ページの内容が適切に書き換わらない問題
- GeForce 9800 GTXのSLI構成時に,NVIDIAコントロールパネルからアンビエントオクルージョンを有効化した状態から「Call of Duty: World at War」を実行すると,画面表示がおかしくなる問題
●GeForce Driver 195.39 Betaで解決した問題(32bit版Windows 7)
- アプリケーションプロファイル(※「プログラム設定」のことだと思われる)のOverride Anti-Aliasing(「アプリケーション設定の変更」)設定を適用できない問題
- ドライバのインストールを行っても,NVIDIAコントロールパネルがセットアップされないことがある問題
- GeForce 200シリーズもしくはGeForce 9800 GX2搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルの「Manage 3D Settings」(「3D設定の管理」)から「Override Anti-Aliasing」(「アプリケーション設定の変更」)を行っても,ウインドウモードで実行したDirectX 9アプリケーションには適用されない問題
- GeForce 9800 GTX搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルの「Adjust Desktop size and position」(「デスクトップのサイズと位置の調整」)に「Resize desktop」オプションが表示されない問題(※「Resize desktop」の詳細は不明)
- GeForce 9800 GTX搭載環境で「Far Cry 2」を起動し,ゲーム内オプションから解像度を1920×1200ドット,アンチエイリアシングを2x以上にそれぞれ指定すると,空の表示がおかしくなる問題
- GeForce GTX 295のQuad SLI構成時に,OpenGLのCUDAポストプロセスを適用したアプリケーションを閉じたとき,SLIアンチエイリアシングの結果がデスクトップに残る問題(※訳しておいて申し訳ないのだが,よく分からない。原文は「GeForce GTX 295: CUDA Post‐Process in OpenGL SLI antialiasing values remain on the desktop even after closing the application.」)
- GeForce GTX 280のSLI構成時に,ディスプレイの解像度設定を変更しても,NVIDIAコントロールパネルの「Change Resolution」ページの内容が適切に書き換わらない問題
●GeForce Driver 195.39 Betaで解決した問題(64bit版Windows 7)
- アプリケーションプロファイル(※「プログラム設定」のことだと思われる)のOverride Anti-Aliasing(「アプリケーション設定の変更」)設定を適用できない問題
- ドライバのインストールを行っても,NVIDIAコントロールパネルがセットアップされないことがある問題
- GeForce GTX 285搭載環境で「Assassin’s Creed」をプレイすると,光が描画されない問題
- GeForce GTX 260搭載環境をテレビと接続しているとき,デスクトップ解像度の設定を変更しても,システムを再起動するとデフォルトの解像度にリセットされる問題
- GeForce GTX 260搭載環境で「Tomb Raider: Underworld」が起動時にクラッシュする問題
- GeForce GT 220搭載環境で,「Crysis Warhead」をプレイするに当たってカスタム解像度設定を行っても,それをゲームからは選択できない問題
- GeForce 9800 GTX搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルの「Adjust Desktop size and position」(「デスクトップのサイズと位置の調整」)に「Resize desktop」オプションが表示されない問題(※「Resize desktop」の詳細は不明)
- GeForce 9800 GX2搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルからアンビエントオクルージョンを有効化した状態から「Unreal Tournament 3」をデフォルト設定で実行すると,アプリケーションがクラッシュする問題
- GeForce GTX 295のQuad SLI構成時に,OpenGLのCUDAポストプロセスを適用したアプリケーションを閉じたとき,SLIアンチエイリアシングの結果がデスクトップに残る問題
- GeForce GTX 280のSLI構成時に,ディスプレイの解像度設定を変更しても,NVIDIAコントロールパネルの「Change Resolution」ページの内容が適切に書き換わらない問題
OpenCL 1.0,OpenGL 3.2のサポートといっても,ゲーム用途で,今すぐ何かメリットがあったりするわけではないが,GeForce 8以降のGPUが一斉にOpenCL 1.0をサポートしたという事実が,相応に意義深かったりするのは確かだ。
200か所以上とされるバグフィックスもなかなか強烈であること,そして,NVIDIAがPCゲーマーに対して,β版ドライバの利用を推奨していることも踏まえるに,自己責任で試してみるだけの価値はある印象である。
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GeForce Driver
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