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GeForce 9世代以前のGPUに対応する「ForceWare 175.19」公式最新版公開
→Windows XP用ForceWare 175.19(72.4MB)
→32bit版Windows Vista用ForceWare 175.19(61.6MB)
→64bit版Windows Vista用ForceWare 175.19(76.8MB)
GeForce 9世代以前を広くサポートするドライバとしては,2008年5月13日に「ForceWare 175.16」がリリースされているが,基本的には,同バージョンをベースに,「GeForce 9800 GTX+」のサポートを追加し,バグフィックスを進めたマイナーアップデートという理解で問題ないようだ。ただし,リリースハイライトを見ると,ForceWare 175.16にあった
様々なDirectX 9およびOpenGL 対応アプリケーションにおけるパフォーマンスの 改善。
(※NVIDIA日本語サイトより原文ママ。米国サイトの英文は Improved performance on many DirectX 9 and OpenGL applications.)
という文言が,
シェーダオプティマイザの改善によるDirectX 9およびOpenGLアプリケーションでの3DパフォーマンスおよびGeForce 8・9シリーズGPU向けロード時間の改善。
(※NVIDIA日本語サイトより原文ママ。米国サイトの英文は Improved 3D performance and load times for GeForce 8 and 9 series GPUs in some DirectX 9, DirectX 10 and OpenGL applications as a result an improved shader optimizer.)
へと,一歩踏み込んだ内容に変わっている。また,4Gamerが独自に入手したNVIDIAの内部文書では,パフォーマンス向上の一例として,「GeForce 9/8世代のGPUを利用したとき,『3DMark Vantage』で10〜20%」(3DMark Vantage benefits from this change with a 10-20% > performance increase when run on 8 and 9 series GPU)が挙げられており,パフォーマンス面での改善は決して小さくないようだ。
一方のバグフィックスは,さすがにバージョンが0.03しか上がっていないこともあって小粒な印象。64bit版Windows Vistaは項目もなく,残るWindows XPと32bit版Windows Vistaも,解決済みとされる項目のうち,ForceWare 175.19で新たに追加されたのはわずか1項目に留まった。もちろん,「前バージョンで解決しきれなかった問題に,再度取り組んだ結果」という可能性が考えられるが,このあたりは何ともいえないところだ。
なお,今回はForceWare 175.16で解決済みとされながら再度掲載された項目の冒頭に★マークを付けつつ,リリースノートにある修正内容のすべてを日本語化してみたので,興味のある人は参考にしてほしい。
●ForceWare 175.19で解決した問題(Windows XP)
- ★GeForce 9800 GTXをHDMIインタフェースでディスプレイと接続したときに,NVIDIAコントロールパネルから「Resize HDTV Desktop」を利用できない問題
- ★GeForce 9600 GT搭載環境で,テレビを含むDualViewを構築したとき,DVIシングルディスプレイモードからDualViewへ移行すると,「Adjust video color settings」「Adjust Television color settings」にあるいくつかの設定値がゼロになってしまう問題
- ★GeForce 8800 GTS搭載環境で,HD-DVI接続(※高解像度テレビにDVI接続を行う意味と思われるが詳細は不明)を行っていると,「Television Setup Wizard」がクラッシュする問題
- ★GeForce 8600搭載環境で,デフォルト設定のまま「Tiger Woods PGA Tour 2007」を実行すると,起動中にゲームがハングアップする問題
- ★GeForce 8200およびnForce 720a搭載環境でCRTディスプレイの位置調整を行うとデスクトップの表示がおかしくなる問題
- ★GeForce 7300 GT搭載環境で「Lego Star Wars 2」を実行し,ゲームメニューからグラフィックスオプションを選択すると,ゲームがクラッシュする問題
- ★GeForce 8800 UltraのNVIDIA SLI(以下,SLI)構成時に「Sid Meier's Railroads!」を1024×768ドットの解像度で実行し,ゲーム側のアンチエイリアシング設定を8xとnoneの間で切り替えると,システムがクラッシュする問題
- ★GeForce 8300/8400/8500のSLI構成時に,ゲーム側,もしくはNVIDIAコントロールパネル側からVSyncを有効化すると,複数のゲームでティアリングが発生する問題
- ★GeForce 7950 GX2のQuad SLI構成時に「Black and White 2」をプレイすると,画面がちらついたり,水の表示がおかしくなったりする問題
●ForceWare 175.19で解決した問題(32bit版Windows Vista)
- ★対応する全GPU搭載環境で,デスクトップのコンテキストメニューからNVIDIAコントロールパネルを開くショートカットが失われていた問題
- GeForce 9800 GX2のQuad SLI構成時に,Quad SLIを有効化して「Painkiller: Overdose」を実行すると,ゲームのパフォーマンスが周期的に低下する問題(※原文は「the game slows down perdiodically」。perdiodically は periodically のタイプミスと判断した)
- GeForce 9800 GTXの3-way SLI構成時に,解像度1280×1068ドット,2x AA有効,ナイトビジョン有効で「Tom Clancy's Splinter Cell: Double Agent」をプレイすると,断続的に画面が白く光り,表示がおかしくなる問題
- ★GeForce 8600 GTのSLI構成時に,「Object dynamic lighting」レンダリングモードを利用して「S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl」をプレイすると,ゲーム画面がちらついたり,その後システムがクラッシュしたりする問題
- ★GeForce 7900 GTXのSLI構成時に,SLIモードを有効化すると,「Set SLI Configuration」ページのセカンダリモニタに関する項目を利用できない問題
●ForceWare 175.19で解決した主な問題(64bit版Windows Vista)
とくに報告されていない
というわけで,リリースノートを見る限りは「地味」としか評しようのないアップデートだが,(NVIDIAの内部的に)パフォーマンスの向上が謳われた,GeForce 9以前のGPUやグラフィックス機能統合型チップセットを広範にサポートする公式最新版なのは確か。この点には,相応の価値があるといっていいだろう。現在利用しているForceWareで何かしらの不具合に見舞われたりしている人や,少しでもパフォーマンスの向上を図りたい人は,自己責任で導入してみると幸せになれるかもしれない。
なお,アップデート方法は4Gamerの不定期連載「PCゲームのお作法」第10回や第12回で詳しく解説してあるので,興味を持った人はそちらもぜひご一読を。
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GeForce Driver
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