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β1テスター募集開始「ときめきONLINE」インタビュー第2弾
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印刷2005/08/12 23:30

インタビュー

β1テスター募集開始「ときめきONLINE」インタビュー第2弾

 本日(8月12日)より,β1テストのテスター募集が開始された「ときめきメモリアルONLINE」(以下,ときめきONLINE)。本格的なコミュニティーゲームとして,そして何より"ときめきメモリアルシリーズ"のオンライン化第一作として,各方面から大きな期待を集めているこの作品について,プロデューサーのメタルユーキ氏に,現在の開発状況や,今後の展開などについて語ってもらった。


■ゲームの骨子はほぼ完成している!

4Gamer:
 β1テストが9月下旬にスタートするとのことですが,その時点でゲーム全体としては,どれぐらいまで完成していますか?

メタルユーキ氏(以下,メタル):
 全体から見ると,6割方というところかな。骨子の部分はほぼ完成しているんだけど,季節ごとのイベントとか,そういうのをこれから入れていかなきゃならないところ。ただ,βテストで技術的にクリアしなければならないポイントについては,β1テスト開始時にはすでに実装している。

4Gamer:
 先ほど実際に遊ばせていただきましたが,学園生活の肝となる授業の部分や,ツーショットチャットはできてますもんね。

メタル:
 そうだね。そのあたりはこのゲームの骨子だから。

4Gamer:
 基本的な学園生活に関係する部分は完成していると。

メタル:
 うん。

4Gamer:
 季節ごとのイベントなど,今後配信予定のものも順次作っていってるんですか?

メタル:
 このゲームで考えているのは,いつもお祭りをやっているという環境。常に何かしらイベントが行われてたり,というようにね。ただ,学校の部分が出来てないのにお祭りのところを先に作っちゃうのもいかがなものかと思うんで,まずは学校の体裁を整えて,オンラインゲームとしての技術的な部分を詰め込んで,その段階でテストしましょうと。

4Gamer:
 まずは土台をしっかり固めてから,ということですね。

メタル:
 うん,そうだね。イベントはそのときの流行とかユーザーの反応を見ないと作れないからね。みんながどういうイベントを求めているのか,まずは学校に来てもらってからじゃないと調べられないしさ。

4Gamer:
 マンパワー的なことも含めて?

メタル:
 そう。そのへんが我々としても,ミッションであると同時に「大変だなぁ」と(笑)。こちらは定期的なイベント開催を検討しているけれども,もしかしたらプレイヤーさんはそれ以上のペースでのイベント更新を望んでるかもしれないしさ。そういうのも含めて,どれぐらいのペースでイベントを回せるかも考えなきゃいけないしね。

4Gamer:
 学校行事って,細かいのも合わせると月に1回は何かしらあるものですしね。

メタル:
 そうなんだよね。それにさ,クリスマスのイベントを10月からやってるとおかしいでしょ? イベントはだいたい1か月ごとにリニューアルしていかなきゃいけないとは思ってるよ。

4Gamer:
 β1テストが始まるこのタイミングで,手応えというのは感じていますか?

メタル:
 手応えというよりも,まずは反応を見てみたいよね。是非一度プレイしてもらって,今回の"ときめきメモリアル"を楽しんでもらって,いろいろ声を聞かせてもらいたいんだよ。それの第一弾として,まずはβ1。ここでいろいろな意見を寄せてほしいな,と。

4Gamer:
 β1開始にあたって,ドキドキしてます?

メタル:
 合格発表を見に行く前の受験生みたいな心境だよ(笑)。

4Gamer:
 まだテストは開始されてませんが,従来のシリーズのファンから,メッセージが送られてきたりしていますか?

メタル:
 コナミにはカスタマーサポートという,お客様対応室のようなところがあるんだけど,そこにメールで意見を送ってくれる人は大勢いるね。あと,すでに独自のファンサイトを立ち上げてくれてる人もいるし。嬉しい限りだよ。

4Gamer:
 今回のβ1テストは5000人限定ということですが,これは実際の正式サービス運用に向けて,どれぐらいの規模の数字とお考えですか?

メタル:
 β1テストは,あくまでもミニマムな構成で徹底的に検証していこう,って感じかな。

4Gamer:
 ということは,今回募集した5000人が負荷テストのできる適正人数だと考えてもいいですか?

メタル:
 うん,まぁそうだね。

4Gamer:
 今回は倍率高いと思いますよ。

メタル:
 そうだとうれしいねぇ(笑)。



■バーチャルとリアルの融合を目指して

4Gamer:
 そういえば,声優さん3人(金月真美さん,野田順子さん,神田朱未さん。詳しくは「こちら」を参照)のゲスト参加も発表されましたね。

メタル:
 これは,いままでの"ときめきシリーズ"を遊んでくれた人に対する感謝の気持ち,として考えていたことなんだよね。金月さん達は,それぞれが演じたキャラクター,詩織ちゃんや光,ゆっこじゃなくて,声優さん本人として参加してくれる予定なんだ。これまでの詩織ちゃんは,こちらが台本を用意して演じてもらってたわけで,それをリアルタイムで,アドリブでやってくださいというのは難しいからね。

4Gamer:
 確かにそうですよね。過去の台詞だけしか使えなかったらコミュニケーションなんてできないですし。

メタル:
 キャラを演じることに関しては,もしかしたら金月さん達よりファンの皆さんの方が,なりきり度は高いかもしれないしさ(笑)。

4Gamer:
 あはははは。いや,純粋にどうなるのかなと思ってたんですよ,アバターとか。"スペシャルゲストキャラクター"として参加される,タレントの西田奈津美さんや中村友也さんに関しては,ご本人に似たアバターが用意されているじゃないですか。それと同じように,本人に似せたアバターを登場させるのかなー,って。

メタル:
 それに関しては2種類の参加の方法を用意しているんだよ。すでに発表している,中村さんと西田さんみたいに本人のアバターで登場するのがスペシャルゲストキャラクター。それに対して,今回発表した金月さんとか野田さん,神田さんは,"ゲストキャラクター"と呼んでいるんだ。ゲストキャラクターは,本人のアバターではなく,その方達がご自分で作ったアバターで参加する。ここが違いだね。

4Gamer:
 ああ,なるほど。ということは,神田さんが"神楽坂明日菜"ってキャラでゲームに参加しちゃう可能性もあると。

メタル:
 そんなこともあるかもしれないね。

4Gamer:
 そうなると,声優さん本人とは知らず仲良くなってしまうような可能性もありますね。

メタル:
 話をしていく過程で,「あれ? もしやこの人は金月さん?」ってなることもあるだろうしね。そういうのを見つける楽しみも,このゲームにはあるんだよ。そういう部分は,こちらから強要せずに,参加協力していただく方に任せるつもり。いま発表している人達以外にも,参加表明をいただいてる方が何人かいるんだ。そのあたりは,順次発表していこうと思っているよ。

4Gamer:
 いまのところは声優さんと,俳優,アイドルですが,それ以外にも?

メタル:
 うん。これはまだわかんないけどさ,たとえばお笑い芸人さんがゲーム内のチャットで漫才してたらおもしろそうでしょ? そういういろいろなアイディアを考えてるよ。

4Gamer:
 ほほう!

メタル:
 ほかにも,占い師とか料理関係の人も需要あると思うんだよね。料理研究家の人がゲーム中で「今日の献立は……」とかやってくれたらさ,ゲームに参加している奥様方は助かるんじゃない? 「今日の晩ご飯は,ゲーム中であの人が言ってた料理を作ってみようかしら」ってさ。そういった形で,バーチャルとリアルの融合をしていきたいな,と。

4Gamer:
 なるほど。個人的には,ゲーム本体の部分も気になってるんですが,それ以外に,そういったコミュニティ部分での展開を,今後どのように仕掛けていくのかが気になってるんですよ。今回の声優さん参加のニュースにしても「こんなのするの!?」ってすごくビックリしたし。

メタル:
 いまは,ただ単に「ゲームを作りました,遊んでください」じゃ人は集まらないからさ。仕掛けを多く打っていって,一般の人のアンテナにも引っかかるような展開をしていきたいんだよね。

4Gamer:
 ゲストキャラクターの方々はβ1テストには参加するんですか?

メタル:
 参加するかもしれませんよ,ってレベルだね。さっき言ったように強要しているわけじゃなくて,「参加できればしてくださいね」ということだから。個々のスケジュールもあるわけなんで。

4Gamer:
 そういえば,公式サイト(「こちら」)では,西田さんの体験プレイの様子がけっこう早い段階で掲載されてましたね。

メタル:
 いやー,彼女は現代人だからね,飲み込みが早い! 携帯とかPCのメールをやり慣れてるからなんだろうね,タイピングも早いし。あれなら何人ファンに囲まれてもちゃんとやりとりができそうだから,安心だよ。

スペシャルゲストキャラクターの西田奈津美さん(左)と中村友也さん(右)。本人が本人をモチーフにした専用のアバターでゲームに参加する


■メディアとして機能するぐらいまで育てていきたい

4Gamer:
 β1の期間はどれぐらいを予定してますか?

メタル:
 まずは2週間ぐらいで考えている。その期間で問題点を洗い出して,それをどれぐらいで修正できるかを調整して,問題点を解決したバージョンでもう一度テストしてみてください,という流れになると思うね。

4Gamer:
 問題解決後にもう一度遊んでください,というのはオープンβ?

メタル:
 そのへんは現段階ではまだ分からない。

4Gamer:
 クローズドβの可能性もあると。

メタル:
 うん。どんな問題が出るかわかんないし(苦笑)。

4Gamer:
 なるほど。ところで,β1テストは9月下旬のスタートとのことですが,9月16〜18日には東京ゲームショウがありますよね? そのタイミングで何か大きな発表を考えていたりしませんか?

メタル:
 まぁ,まずはゲームショウでこのゲームを実際に触れて確かめてもらいたいんだけれどね。多分,初お披露目になるとおもうから。β1以降の計画もしっかりと立てているので,その中のいくつかは9月のゲームショウで話すことができると思うよ。

4Gamer:
 おっ! そのへんについて詳しく教えてほしいんですが,どういったものを発表する予定なんですか?

メタル:
 いや,それは言えないよ,発表前だから(笑)。

4Gamer:
 そこをなんとか!

メタル:
 んー,ヒントだけを言うとさ,これはゲームショウで言うとか言わないを前提にしてない話だけど,ゲームの中に入っている時間以外にも,楽しめることを提案したいんだよね。このゲームは「つながる」がテーマだけど,ゲームに参加していないときの人との繋がり。それも重視してるんだ。現実の学校にいるとき,職場にいるとき,どこかに出かけているとき。そういうときもゲームで得たつながりを感じてもらえれば,ってね。ゲーム内のバーチャルな世界だけじゃなくて,リアルの世界でもそういう楽しみを提供したいんだ。

4Gamer:
 リアルの世界でゲームの楽しさを提供するとなると,けっこうパターンは限られてきますよねぇ。

メタル:
 そんなことないよ,いろいろあるよ〜(笑)。

4Gamer:
 パッと思いつくのは,公式イベントとかなんですけど,そういうのも想定してらっしゃるんですか?

メタル:
 当然,想定しているよ。

4Gamer:
 おおっ!

メタル:
 いろいろなことを考えてはいるからね。電源を入れてないときの楽しみ方っていうのかな。たとえば,身の回りのものであったりさ。書籍,映画,そして現在ドラマを放送している「電車男」って,2ちゃんねるからスタートしてブームになっているわけだよね。2ちゃんねるという,すごくコアなところから始まって,ライトなところまで浸透していった。ああいうのをこのゲームでも起こしたいんだよ。

4Gamer:
 あれの場合,2ちゃんねるは知らないけれども,電車男は知っている,という人がいるわけですからね。

メタル:
 そうなんだよ。「ときめきメモリアルONLINE,知らないの?」って言ってもらえるようにしていきたい。世間の人達の中には,ゲームをやったことないのに,勝手にときめきメモリアル像を頭の中に描いてしまっている場合があるでしょ(笑)。でも,そこに西田さんとか中村さんみたいな人だって,ゲームをしているんだよとアピールすることで,世間の目も変えていきたいなって。今回我々が提案するのは,一部の人だけが楽しめればいいというものじゃないから。

4Gamer:
 なるほど。

メタル:
 できればメディアとして機能するまで育てていきたいんだ。さっきの占い師さんとか料理研究家の話じゃないけど,こちらが仕組んだもの,仕組んでないものに関わらず,ゲーム内に来ればいろんな情報が手に入ると。すると,一般の人も入ってきやすくなるんじゃないかな。

4Gamer:
 ゲームの枠組みを超えるようなものを想像してもいいんでしょうか?。

メタル:
 もちろん根底にあるのはゲームなんだよ。コナミが作っているものだからね。でもほら,もっと大きい解釈で考えてみたらさ,人生自体がゲームみたいなもんだし(笑)。

4Gamer:
 この作品は,人によって関わり方も違いそうですね。

メタル:
 そうだね。コミュニケーション重視な人もいるし,ドラマイベントを楽しみたい人もいるだろうし,戦闘が好きな人はクラブ活動ばっかりやってるだろうしね。

4Gamer:
 そのあたりは実際の学園生活を同じですよね。勉強ばっかりやってる人もいれば,遊んでばっかりの人も,部活ばっかりやってる人もいるという。

メタル:
 うん,そうそう。Eラーニングってあるじゃない。あれは何かを学ぶためスクールに通いたいけれども,時間や場所が合わないから通信を使ってやってる。いわゆる,学校という環境の中で,一番難しい勉強の部分だけを提供しているんだよね。でも,ちゃんと需要はある。
 で,それよりも広い,学校生活全体が楽しめる今作は,もっと需要があると思うんだよ。ま,授業に出てクイズをしっかりやってれば雑学も身に付くし(笑)。うちはゲーム企業だから,みんながメチャクチャつらくなるような試練を強いるようなことはしないから。楽しければ何でもありなんだよ。


■追加の恋愛可能なNPCの投入タイミングは反応を見ながら

4Gamer:
 今作ではNPCのキャラも今まで以上に濃いキャラになってますね。

メタル:
 人それぞれの好みがあったり,時流があったりもすると思うんだけど,その中で個性的な雰囲気を醸し出すには,思いっきり明確な表現にしておかなきゃと思ってさ。

4Gamer:
 イラストと資料を見てて,キャラ設定の露骨なまでの分かりやすさに笑っちゃいました。

メタル:
 今回NPCのキャラデザインしている人は,この手のものが得意なんでね。もしかしたら,あの先生たちとか先輩のなかから,恋愛可能となるキャラが出てくるかもしれないよね。ものすごく人気が出ちゃって。

4Gamer:
 そういうのはやはりユーザーの反応を見ながら,恋愛可能NPCに変更することも考えているんですか?

メタル:
 う〜ん,どうだろう。

4Gamer:
 恋愛対象NPCの話が出たところでそちらについても聞きたいんですが,恋愛対象NPCは今2キャラ発表されています。これらは今後もっと増えていくんですよね?

メタル:
 もちろん。正式サービス開始時にはある程度の数を揃えて,サービス開始後も増やしていって「新たな転入生がやってきた!」って,常にみんなに思ってもらえるようにするつもりだよ。

4Gamer:
 投入ペースは反応を見つつ?

メタル:
 うん。だってさ,もし仮にみんながさ,「生徒同士の会話とかクラブ活動とかに忙しくて恋愛してる暇なんてねーよ」って言うんだったら,汗水垂らして新キャラ投入しても悲しいだけだから,みんなが攻略するスピードも見ながら,決めようと思ってる。

4Gamer:
 そういった各個人の情報,攻略済みキャラの数であったりっていうのはシステムで管理するんですよね?

メタル:
 ある程度は制作側で作ってるツールで管理するよ。でも,新しい何かを投入するときは,最終的にはやっぱり人の目とか情報の流れを見ての判断になると思うね。システムで管理するのは可能かもしれないけど,この作品は血の通ったコンテンツにしたいから。

現在発表されている恋愛可能なNPCはこの二人。天宮小百合(上段)と桜井晴(下段)だ


■料金はリーズナブルに,スペックもできるだけ低く

4Gamer:
 これはちょっと答えづらい質問かもしれないんですが,課金形態はもう決まったんですか?

メタル:
 んー,それはねぇ……ホントに答えづらいなぁ(笑)。

4Gamer:
 でも,今年中には正式サービス開始を目処にしてるわけで,そこから考えるともうそろそろ具体案が決まってるんじゃないかな,という読みもあるんですが。

メタル:
 現在有料サービスとして展開しているオンラインゲームの価格帯から見て,突出して高いものにはしたくないので調整してるよ。具体的な金額については,これからβテストをしてもらったお客さんの反応を見つつ,「これぐらいの料金だったら満足してくれるかな?」というのを見極めて決めたいなって。もちろん,いろんな想定のもとで試算はしてるよ,事業だからね(笑)。

4Gamer:
 プレイヤーにしてみれば,「この内容なら,これぐらいなら出していいかな?」っていう感覚は,ゲームを実際に遊んでみないと分からないですもんね。

メタル:
 これはさっきの話と180度視点が変わるんだけど,企業として考えれば,マニアの人たちだけに高付加価値を与えて高料金でプレイしてもらうというのも,ケースとしてはあると思うんだ。

4Gamer:
 「リネージュII」くらい高いっていう意味ですか?

メタル:
 そう。でも逆に,多くの人に遊んでもらうために,リーズナブルな料金設定で,動作環境も低くして,できるだけ多くの人にお金を払ってもらう方法もある。事業の形態はいろいろ考えられると思うんだけど,このゲームに関しては後者のイメージに近いからさ。

4Gamer:
 じゃあ,料金面もリーズナブル,スペックも極力低めのところで検討していると。

メタル:
 うん。できるだけお手ごろな価格にしたいと思ってるよ。

4Gamer:
 料金形態の話を聞いててふと思ったんですけど,最近他社さんのオンラインゲームでも,月額課金を廃止してアイテム課金に切り替えているものが増えてきてるんですね。そういうのを見て,どのようにお考えになってますか?

メタル:
 アイテム課金について否定するつもりは毛頭ないよ。アイテム課金もそうだし,ゲーム内への貨幣制度導入についても,コナミ内で「やっちゃいけない」というルールがあるわけではないからね。実際,「ときめきメモリアル Girl's Side」ではお金の概念を入れたしね。だから,それらについては研究対象としてしっかり捉えてるし,取り組みも考えてる。
 ただし,この学園内で貨幣を流通させたり,アイテム課金でアイテム自体に金銭的価値を付けると,いろんな弊害が出てくることも考えられるんだよね。最近だとRMT(リアル・マネー・トレード=現実世界での貨幣によるアイテムなどの売買)の問題もあるし。それから,インフレ・デフレがゲーム中で発生する可能性もある。それらがクリアできるシステム,考えがあったうえで導入しないと,お客さんに迷惑をかける可能性が残るからさ。その状態で「儲かりそうだから入れました」というのは問題が多いかな,というのが正直なところだね。

4Gamer:
 じゃあ,そのへんもβテストでの反応や意見を聞きながら,ですね。

メタル:
 忌憚のない,いろんな声を聞いてみたいね。

4Gamer:
 今各社さんがそういう流れにいってるのは,月額課金をやめて,とりあえずまずは無料で遊んでもらって登録ユーザー数を増やそうという狙いがあると思うんです。

メタル:
 ああ,そうだよね。オンラインゲームをプレイするユーザーの数は増えてるけど,それとは別次元の問題で,これだけコンシューマー機が普及している今,ゲームをプレイする人口というのはほぼ頭打ちになってると思うんだよ。既存のゲームという商品は,お金を払ってくれるお客様に,ほぼ普及し尽くしてしまっている。そこでほかの企業も,新たな収入の可能性があるオンラインゲームに注力してくると思うんだ。そうなると今後数年で,供給過剰になって競争が激化するのは簡単に予想できるよね。

4Gamer:
 現時点でも,その傾向は見られますからね。

メタル:
 だよね。だからそういう現状で,「初期プレイ無料で会員を集める」という道理は非常によくわかるんだ。ある意味,「正しいな」と思ってるよ。

4Gamer:
 個人的には,このゲームはアイテム課金向けな作品だなぁって感じてるんです。イベントごとの課金という方法もあるでしょうし。でもそうなっちゃうと,現実での財力の差で楽しみ方にも差が出ちゃう。

メタル:
 うん,そこが気になるところなんだよ。みんなにフラットで,不公平なく遊んでもらいたいというのが第一だから。お金持ってる人だけがいい思いをできるというシステムにしちゃうと,リアルの世界と変わらなくなるからさ(苦笑)。

4Gamer:
 せめてゲームの中だけは,リアル世界での切なさを味わいたくはないですからね。

メタル:
 それは,私の制作理念からも外れるからね。

4Gamer:
 課金の徴収手段も今はいろいろありますよね。クレジットカードを持っていない人や,オンラインでクレジット決済をすることに抵抗を感じる人に向けた手段として,具体的なことは何か検討していますか?

メタル:
 もちろん考えてるよ。うちで提供している「遊戯王オンライン」は,コンビニなどで専用のプレイカードを購入すれば遊べるシステムなんだけど,そういうシステムがコナミにはあるからね。今後活用していきたいと思ってる。

4Gamer:
 しかも,そのカードの絵柄が1枚ずつ違ってて,コレクション性があったりしたら……。

メタル:
 そうそう,そういう楽しみ方もあるよね。それはさっき言ってた,オンラインじゃないとき,オフラインのリアルな世界での楽しみにも繋がると思うしね。是非検討したい課題のひとつだね。

個性的なNPC。上段は教師(城崎文彦,薬研粒一,黒十影操,針縫由布子,名称不明)で下段が部活のキャプテン(石打一郎,大珠裕美,神野領一,内海小鮎)。どのキャラクターも個性的だ。こんなキャラクターの絵柄がプリントされたプリペイドカードなどが登場したら,思わず集めたくなってしまう人も多いはず


■携帯電話との連携もやっていくつもりで検討中

4Gamer:
 ところで,コナミさんってコナミスタイルやコナミネットDXといった,ネット通販や携帯電話を使ったコンテンツ提供なども行っていますよね。そういうところとの社内連動は,密に行っていくつもりなんですか? 実際,カスタムファクトリーではときめきONLINEの限定版の発売も検討しているようですが。

メタル:
 コナミが生み出したコンテンツを,コナミのメディアを使ってお客さんに広く渡していく,そのための部署間での連携は非常に重要だと思ってるよ。他社さんでも,携帯電話を使って知り合いが今オンラインなのかどうかを調べるシステムを導入しているところもあるよね。
 コナミの場合は,他社との提携をせずとも,社内だけでできることも多いはずだし。携帯電話を使って,今日参加するかしないかを,電話番号や携帯のメールアドレスを知らせることなく,簡易的に連絡しあえるとかさ。そういうサービスというのはいろんな部署と連携を取りつつやっていくため動いてるし,さっき言ったリアルな展開もね,コナミグループとしてこのコンテンツを盛り上げるために,全力で協力してもらってるよ。

4Gamer:
 学園内のサッカー部が「ウイニングイレブン」と連動してたり,野球部が「実況パワフルプロ野球」と連動してたり……。そこまでいくと,ホントにおもしろそうですよね。夢が広がる(笑)。

メタル:
 そうだね。一つのゲームが売れればいいんだという単純な仕組みではなくて,生活レベルでも楽しんでもらえるという提案の仕方のほうが,時代に合ってるのかなって。

4Gamer:
 それこそ,ゲーム中の購買部で何かを買ったら,2〜3日後に実際に自宅に商品が届くとか。そういうのも楽しそうだし。あと,授業の予習が携帯でできるとか,そういうのも面白そうですよね。

メタル:
 そういった連携もね,他社に負けないぐらいのものはやっていくつもり。いろいろ考えてはいるんだよ。ただやっぱり,サーバー負荷をどうするかとかね,現実的な部分での検証や,何らかの問題に対する施策とかね。そういうのを一つ一つクリアしていかなきゃって。

4Gamer:
 セガさんの「クエスト・オブ・D」とかだと,携帯電話でアイテムが買えたりするじゃないですか。そういうのとかも,動いてるんじゃないのかなーって思ったりしたんですよね。

メタル:
 コナミは携帯コンテンツにも力を入れてるからね。ま,どんどん進化させていくつもりだよ,ゲームの中身,恋愛対象キャラの数とかドラマイベントの数とか,あとはマップ自体の拡張。それから,ほかのメディアとの連動とかね。新たなアイデアが出てくれば出てくるだけ,検証と実験を進めていくつもり。
 まぁまずは,千里の道も一歩からだね。いろいろと考えつつも,実現可能なものを一つずつやっていくよ。……っていうかさ,そこまでやってたら,俺のライフワークになっちゃうかもしれないけど(笑)。

4Gamer:
 ああ,それは冗談じゃ済まなさそうですね(笑)。では,ライフワーク宣言をしたところで,最後に一言いただけますでしょうか。

メタル:
 いよいよクローズドβ1テストが始まります。我々が提供するこのゲームの世界を楽しんで,いろんな意見をお寄せください。みなさんの意見が,このゲームをよりおもしろいものにしていく原動力になります。これからも応援のほど,よろしくお願いします。

4Gamer:
 ありがとうございました!

(ライター:midi / photo by 小林秀銀)

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