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ネットカフェでのプレイが一般的になること。NHN JapanとMediawebの共同出資による新会社「メディエーター」の事業説明会が開催
メディエーターは,韓国でネットカフェでのゲームパブリッシングやゲームマーケティング,ネットカフェ向けシステムソリューション事業などを行うMediawebと,日本最大のゲームポータル「ハンゲーム」を擁するNHN Japanとの共同出資で設立され,その名称(Mediator)には「仲介者」という意味がある。
ネットカフェのサポート事業には,日本でもテクノブラッドなど先行業者が存在するわけだが,そのあとを追う形になるメディエーターは,今後どのような戦略で事業を展開していくのだろうか。
会場となった品川プリンスホテルには,ネットカフェ事業関係者はもちろん,オンラインゲームパブリッシャからの出席も多く見受けられた。メディエーター代表取締役 イ・ジュンハン氏,Mediaweb代表取締役 イ・サンゴン氏,NHN Japan代表取締役社長 森川 亮氏による挨拶がそれぞれ行われたあと,メディエーター ネットカフェ事業部 事業部長 チェ・ヒョソン氏による事業説明が始まった。
Mediaweb代表取締役 イ・サンゴン氏 |
NHN Japan代表取締役社長 森川 亮氏 |
それによると同社は,現在2600万アカウントというハンゲームの集客力と,Mediawebのネットカフェサポート専門会社としての豊富なノウハウを活かし,ネットカフェにおけるゲームパブリッシング,ゲームマーケティング事業,オンラインゲーム運営代行事業,オンラインゲームカスタマーサポート運営事業などを行っていく。
ネットカフェに関する専門スキルを持ち合わせたスタッフの増員や,日韓のノウハウを融合することでネットカフェにおけるオンラインゲームの展開力をアップさせ,それを通じてネットカフェ産業の発展,そしてオンラインゲーム業界の発展へつなげていこうという狙いを持つ。
また同社は,ネットカフェを舞台として,ゲームマーケティングのリーディングカンパニーを目指すとしており,パブリッシャーやコンテンツホルダーと公認ネットカフェとの仲介役になることで,ネットカフェ産業・ゲーム業界を発展させていくことを目標としており,市場活性化のためにネットカフェマーケティングインフラの構築を行っていく。
二つめは,ネットカフェでのオンラインゲームプレイを一般化することだ。先ほどの話を発展させた形になるが,ネットカフェ専用オンラインゲームを推進したり,ネットカフェだけで楽しめるゲームプレイヤーのコミュニティサイトを開発したり,顧客サポートを強化したりすることで,ネットカフェでオンラインゲームをプレイすることを一般的にしていく。ネットカフェ専用オンラインゲームというものが,どのようなものなのかも興味深いところだ。
三つめは,韓国で培われたノウハウを日本向けにカスタマイズすることだ。韓国ではPC Bang(ネットカフェ)でのプレイが主流であることはよく知られており,そこで培われたネットカフェでのオンラインゲーム運営/サポートの経験/ノウハウのレベルには,日本のそれと比べた場合,大きな差があるのだろう。ネットカフェ環境分析ツールの開発と分析結果の無料提供や,ネットカフェ運営サポートウェアの提供,さらにハンゲームにおけるハンキャッシュのような決済代行や,アバター商品の販売などを支援することで,ネットカフェに新しい収益機会を提供していく。
このようにメディエーターでは,ネットカフェに特化したゲームコンテンツの仲介/提供をはじめ,ネットカフェでの顧客サポートの強化やゲーム稼働率の向上に向けたサポートなどを行っていく考えだ。大枠として,プレイヤーに向けたサービスというよりも,パブリッシャー・ネットカフェ間の連携を密にすることが中心ではあるものの,それにより強化されるネットカフェのサービスは,プレイヤーに快適なプレイ環境の整備とサポートを進化させ,ネットカフェ特典も豊富になっていくという展望なのである。
説明会ではメディエーターでの最初のサービス例として,三つの新サービスを発表した。まずは最大同時接続者数1万6000人を記録する「アラド戦記」と,累計登録者数200万人を突破した「SPECIAL FORCE」の2タイトルで,獲得経験値の上昇や長く楽しむためのサービス,ネットカフェだけの特別なルール追加など,特典サービスが開始される予定となっている。
さらに,8月上旬には公認ネットカフェで,ネットカフェ特典の紹介や,公認ネットカフェ検索などが用意された会員制ネットカフェ情報サイト「Netcafejp」が開設予定となっている。
日本のネットカフェといえば,漫画喫茶を兼ねたところがほとんどで,そのサービスの一つとしてインターネット環境,そしてオンラインゲームが提供されているという形だ。この現状を,オンラインゲームをプレイする,もしくはそのコミュニティに参加するためにネットカフェを訪れるという形に変化させていくことが,今後の目標になるのだろう。彼らが目指すものはオンラインゲームのためのネットカフェなのだ。
今回の発表を受けて,ハンゲーム以外のパブリッシャーがどう反応するかも,今後気になるところである。
- 関連タイトル:
ハンゲ
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(C)NHN hangame Corp.