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[プレイレポ]一度の過ちで即暗殺! 後宮の陰謀を描く古代中国実写フルモーションビデオゲーム「盛世天下:女帝への道II」
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印刷2026/06/13 11:00

プレイレポート

[プレイレポ]一度の過ちで即暗殺! 後宮の陰謀を描く古代中国実写フルモーションビデオゲーム「盛世天下:女帝への道II」

 2026年6月9日にSteamでリリースされた「盛世天下:女帝への道II」は,古代中国の後宮を舞台にした全編実写のフルモーションビデオゲームだ。
 プレイヤーは身分の低い女性・武元照となり,権謀術数がはびこる朝廷を生き残って,愛と権力を我が物にしていく。豪華絢爛な実写ムービー,しっかり練り上げられた脚本,もはやギャグの域に達している暗殺シーンの数々。宮廷ドラマとインタラクティブ作品の魅力を存分に味わえる作品となっている。

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 物語は前作「盛世天下:女帝への道I」の続きからスタートする。冒頭に紹介映像が流れ,ゲーム中もキャラクター一覧を読めるので,前作を遊んでいなくてもまったく分からないということはないだろう。
 とはいえ,主要な登場人物は引き継がれており,宮廷ドラマをじっくりと味わいたい人は前作のチェックもおすすめしたい。
 
 主人公・武元照はさまざまな事情で尼僧となり,俗世とは関わらない生活を送っているが,彼女の野心は燃え尽きていなかった。
 さっそく大きな選択肢があり,より広い世界を見るために旅立つか,後宮(君主の妾や家族が暮らしている区域)に戻って権力をその手にするかを選ぶ。筆者は後者,後宮ルートから遊んでみることにした。
 
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 後宮の政治劇は苛烈だ。誰も彼もが隣人を蹴落とそうと画策し,裏切りや懐柔は日常茶飯事。笑顔の裏に殺意を隠している者ばかりである。
 こう書くと難しい内容なのかと思われるかもしれない。実際,中国語の人名には少し面食らった。
 
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 だが,物語の筋書きは分かりやすく,人々の動機もシンプルだ。役者の演技は丁寧で,誰が誰を恨んでいるか,今何が起きて誰がハメられたかなど,キャラクターの感情がすぐに見えるように設計されている。
 畳み掛けるような昼ドラ的展開なので,古代中国の知識が皆無でも「この人はあの人の味方なんだ」くらいの理解があれば,どんどんのめり込める。
 
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 また,本作はフルモーションビデオの合間に選択肢が表示され,それを選んでいくことで進行する。ただし,選択肢のほとんどが罠であり,間違えると即座に暗殺されてしまう。

 たとえば,陰口を叩かれているのに毅然とした態度をとっていると,腹に一物抱えていることが皇后にバレて殺されてしまう。想いを寄せている皇太子から身分を与えられたときは,下女の大躍進が気に食わない派閥から,慣例に則らなかった罪で追い立てられる。何から何まで急転直下だ。
 
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 暗殺のパターンも,洗い物の最中に井戸に落とされたり,頭に鉄板を投下されたり,寝ているあいだに毒を盛られたりとさまざまだ。死亡後は暗殺を仕向けた人間たちに嘲笑され,自分がどんな過ちを犯したかを確認できる。
 この黄金パターンが作中のいたるところに仕掛けられており,むしろコンプリートしたくなるような楽しさがある。
 
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 もちろん,間違えた選択肢にはすぐ戻れるので,ストレスを感じることはない。「ここは泣いて同情を誘うのが正解なのか……」と,腕力も権力もない女性がたった1人で生き抜いていくロールプレイの体験は,とても面白かった。
 とはいえ,武元照はか弱い少女ではなく,相手の弱みを握ろうものなら攻勢に転じるパワーを秘めており,主人公として最適な性格をしている。
 
 皇太子に好かれると「好感度+99」と表示されたり,罠を仕掛けてきた恋敵を逆に論破すると憎悪の顔を向けてきたりと,とにかく分かりやすく作られているのが痛快だ。
 物語は複数の章で構成されており,それぞれが適度に短く,すーっと頭に入ってくる。
 
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 全体の進行は「運命の道」と呼ばれるフローチャートで管理されており,「あの選択肢の先は?」と気になったら,すぐに過去の場面に戻ってやり直せる。
 また,「人物図鑑」「万象博物」(登場した小物を眺められるモード)によって,本作の世界観に没入できる。

 各章をクリアすると選べる「回想」(サイドストーリー)も豊富で,物語を補完する役割として機能している。
 さらにクリア後には,選んだ選択肢の変遷によって性格診断をしてくれる。自分がどういう人間なのか,浮き彫りにされるというわけだ。
 
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 多少引っかかるポイント(音楽が途切れるなど)はあったものの,非常に高いテンションを保ったまま何時間も遊び続けてしまった。
 近年,中国産の実写フルモーションビデオゲームがにわかに注目を浴びているが,そのなかでも一際輝く作品だろう。
 
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