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「ファイナルファンタジーXI」で5年ぶりに登場する新拡張ディスク「アドゥリンの魔境」の内容を,現在分かる範囲でまとめた
2012年6月23,24日の2日間,MMORPG「ファイナルファンタジーXI」(PC/Xbox 360/PlayStation 2。以下,FFXI)のオフラインイベント「A DECADE OF FINAL FANTASY XI VANA★FEST2012」(以下,ヴァナフェス)がパシフィコ横浜で開催された。さまざまなアトラクションが行なわれたイベントだったが,会場内がひときわ盛り上がったのが,次期拡張ディスク「アドゥリンの魔境」(PC/Xbox 360/PlayStation 2)の電撃発表だ。
ヴァナフェスの会場では両日共に,開発スタッフによるトークセッションが1時間近く行われ,アドゥリン関連のコンテンツや新ジョブの風水士,魔導剣士の存在など,さまざまな情報が明らかになった。ここでは,そうしたアップデート情報をまとめてみたい。
「ファイナルファンタジーXI アドゥリンの魔境」公式サイト
「ファイナルファンタジーXI」の拡張ディスク第5弾「アドゥリンの魔境」発表。新ジョブ「風水士」が公開に
「ファイナルファンタジーXI」の新拡張「アドゥリンの魔境」2つめの新ジョブは「魔導剣士」だ。イメージイラストとスクリーンショットを掲載
5年ぶりの拡張ディスク「アドゥリンの魔境」発表!
歴戦の冒険者達が前人未到のウルブカ大陸へ挑む
発表されたアドゥリンの魔境は,FFXIの5番目の拡張ディスクで,スクウェア・エニックスと,かつて追加シナリオ「石の見る夢」などを担当したマトリックスが共同で開発中だ。
最近のFFXIは,「追加シナリオ」や「バトルエリア拡張コンテンツ」など,中規模の拡張がダウンロード販売を中心に行われていた。それに対して,2013年に発売されるアドゥリンはパッケージとしてリリースされる予定になっており,拡張ディスクという形では,「アルタナの神兵」以来,実に5年ぶりに登場するものだ。
アドゥリンという名前は,これまでたまにFFXIに登場していたものの,聞きなれない人も多いだろう。クォン大陸の遙か西方にウルブカ大陸が存在しており,その近くの群島を中心とした一帯が「神聖アドゥリン都市同盟」になる。中心部の島には「アドゥリン(島)」という拠点があり現在まで数百年にわたって交易による発展を続けている。アドゥリンの西に広がるウルブカ大陸については,今もなお,ほとんど分かっていない。
というのも,アドゥリンの人々は,過去に何度かウルブカ大陸の開拓を試みたのだが,開拓は困難を極め,その計画はすべて頓挫してしまったからだ。そして今回また,新たな開拓計画が持ち上がり,歴戦の冒険者たるマイキャラに白羽の矢が立つことになった。つまり,アドゥリンを拠点にウルブカ大陸を開拓するというのが今回のメインコンセプトになる。
冒険者は困難を乗り越えながら未開の地を切り開き,「開拓率(仮)」を上げながら,各地に「アウトポスト」を建築していく。これは今までのアウトポストと似ており,ショートカット移動が行なえたり,滞在させたNPCからバフなどの効果が得られたりするそうだ。
また,冒険を通じて得られる「彫像」を用いて,魔境インスタンス(仮)という新たなコンテンツにも挑戦できる。彫像には頭,胴,足の3パーツがあり,これらを揃えて完成させるとカギの役割を果たす。組み合わせ方によってはダンジョンの広さや報酬などが変わるという。自分のプレイスタイルに応じて,ダンジョンをカスタマイズできるというわけだ。トークセッションでは,これまでの「モブリンズメイズモンガー」の醍醐味を,よりシンプルに楽しめるようにしたいと語られていた。
そのほか,神聖アドゥリン都市同盟には,情報,開拓,治安,娯楽,運搬,工房という6種類のギルドがあり,冒険者は各ギルドを通じてクエストを受け,これをこなすことでランクが上昇するという仕掛けになっている。ランクが上がると,冒険の役に立つアイテムを購入できたり,ギルドサービスというバフが受けられたりするようになるのだ。
全体的に難度の高い拡張ディスクになりそうな印象だが,「マイ牧場(仮)」と呼ばれる,まったり系のコンテンツも新たに導入されるとのこと。プレイヤーは島の一つを所有でき,そこで,例えば農地から作物を収穫したり,羊から羊毛を刈り取ったり,釣堀で釣り糸を垂らしたりなど,生産や採取ができる。モグハウスでの栽培と異なり,定期的なメンテナンスの必要性はなるべく抑えたいとのことだったので,より気軽に楽しめそうだ。
自然の力を利用して戦う新ジョブ「風水士」
アドゥリンの魔境では,久々に新たなジョブが登場する。現在は企画,開発の途中であり,今後変更される可能性があるので,その点には注意しておいてほしいが,とりあえず最初の新ジョブとして紹介された「風水士」(Geomancer)からチェックしてみよう。
風水士とは自然の力を利用して戦うジョブで,過去のFFタイトルにも何回か登場している。FFXIでは,風水魔法(仮)を駆使して味方キャラクターにバフ効果を与えたり,敵にデバフをかけたりといった,支援,弱体化が得意なジョブとして登場するそうだ。
風水魔法は,使い方によって性質が変わる魔法だ。自身に詠唱した場合は,自身を中心とした範囲内に効果を及ぼし,詠唱者が動くとそれに応じて有効範囲も移動する。具体的なバフの効果としては,リジェネ,リフレシュ,リゲイン,各種ステータス上昇などがある。また,遠隔スロットに専用の「鈴」を装備することで,風水魔法の更なる効果が引き出せるとのこと。
デバフに関しては,スロウや麻痺,魔法防御力のダウンなどが現在検討されているそうだ。
風水士は,メインジョブ限定のアビリティとして,羅盤(仮)というものが会得できる。これはパーティメンバーの誰かを指定して,相手の立っている地面に魔法効果を設置するというもの。羅盤にはHPがあって時間と共に減っていき,ゼロになると消失する。その代わり,モンスターではなくフィールドを対象として行なうため,基本的にレジスト判定が行なわれないのが大きな強みだ。
ジョブ特性として紹介された鬼門(仮)は,精霊魔法を詠唱する際,相手との位置関係によりプラスアルファの効果が得られるというユニークなもの。例えば風水士がモンスターの北側に立って詠唱すると,与えるダメージが上昇したりする。戦局に応じてマイキャラのポジジョンを変えることで,より効果的に戦えるだろう。
現在はバランス調整中と前置きしつつ,風水魔法(仮)以外に習得できる魔法もざっと紹介された。精霊魔法に関してはスキルランクが「B-」まで,単体系は「IV」まで習得可能。また,範囲攻撃が可能な「ガ系」は習得できないものの,新たに登場する「ラ系」が得意だという。ラ系は,上で触れた鬼門の影響を強く受けるそうだ。また,一部の暗黒魔法も使用可能とのことだった。
属性防御に長けた第3の盾ジョブ「魔導剣士」
続いての「魔導剣士」(Rune Fencer)は,シリーズ従来作に登場していないジョブであり,少々イメージしにくいかもしれないが,これはさまざまな「ルーン」を扱う,新たな盾役として設計されているものだ。
ルーンは「エレメントルーン(仮)」と「エンチャントルーン(仮)」に大別される。前者は火や水などの属性効果を身につけられ,例えばオートアタックに「エン系」魔法のようなダメージを追加したり,耐性効果などが得られたりする。
エンチャントルーン(仮)は,攻撃用と防御用に分かれており,攻撃用を使用するとエレメントルーンを消費する代わりに大ダメージが与えられる。もう一方の防御用のエンチャントルーンはダメージを軽減する効果があり,こちらはエレメントルーンを消費せずに使えるそうだ。
魔導剣士のアビリティに関しては,強化魔法の効果持続時間が半分になる代わりに効果が1.5倍になるものや,パーティメンバーの被魔法ダメージを防ぐバリアなどが検討されているという。今回発表された情報を見る限り,風水士よりも若干複雑そうなジョブだが,きっちり使いこなせば,ナイトや忍者に続く第3の盾ジョブとして活躍できるとのことであった。
そのほかのアップデート予定内容
アドゥリン関連のほかにも,今後のFFXIのアップデートに関して,大小さまざまな情報が発表されたので,以下,まとめて紹介しよう。
・2012年の開発ロードマップ
ロードマップはあくまでも予定であり,今後の開発において変更される可能性がある点をあらかじめご了承いただきたいが,まず,「新2Hアビリティ」の追加。これはだいたい決定済みとのことで,例えば戦士用には,オートアタックの攻撃が無属性となるもの,モンク用としては,相手から受ける通常攻撃に対し確実にカウンターを行なうものなどが用意される。そのほかのジョブに関しては,近日中にFFXIの公式フォーラムで公開される予定だ。
また,モンスターの弱体魔法耐性の調整も行われており,こちらも近日中にフォーラムで公開予定とのこと。
遠隔攻撃時の攻撃間隔調整については,従来比で約半分に短縮。「プロテス」と「重装騎兵のミンネ」の効果上昇は,プロテスIについては従来比で1.5倍に,プロテアVではメリットポイントを加えて約3〜4倍になるという。
暗黒騎士の調整は,しばらく様子見。また,モンクの「ためる」効果調整については若干遅れているが,「黒帯」の上位クエストが実装される予定だ。
さらに,竜騎士のメリットポイントのジョブカテゴリ1に再使用時間短縮の項目が追加される予定があり,「サック」類の拡張も検証中だという。サック類の拡張では,収納家具のアイテムを他国のレンタルハウスからも利用できるように変更される予定だ。
現在,PC版とPlayStation 2版でプレイフィールの異なる「釣り」の修正については,フレームレートに上限を設ける方向でテスト中とのこと。順調に進めば2012年の夏頃に修正される予定だそうだ。
・「モンスタープレイング(仮)」
これは,マイキャラがさまざまなモンスターに変身して遊べるというコンテンツで,モンスターになったプレイヤーは,バトルの結果に応じて「悪名値」や「名声値」を得たり,失ったりするという。
プレイヤーは,より凶悪なノートリアスモンスターを目指してもいいし,あるいは普通のキャラクターとしてモンスタープレイヤーを討伐してもいいという。一風変わったPvPコンテンツといえそうだが,PvP参加モードとPvP非参加モードの切り替えが可能だそうだ。
モンスタープレイヤーは,経験を積むことで,モンスター種族に応じたさまざまな知識が入手できる。これらの知識は,青魔法のようにある程度カスタマイズでき,自分だけのモンスターを作り出すといった遊び方も可能となっている。早ければ2012年9月に実装される予定だそうだ。
・ユーザーインタフェースのリニューアル
新しいユーザーインタフェースはマルチウィンドウに対応しており,ウィンドウをドラッグして移動したり,カスタマイズしたりすることができるという。こうした操作はマウスには向いているが,パッド操作との親和性が高くないため,その点をどうするかが今後の課題になる。開発作業は当初の予定よりもやや遅れているが,アドゥリン拡張よりも前に実装することを目標に作業が進められているとのことだった。
「ファイナルファンタジーXI アドゥリンの魔境」公式サイト
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