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アメリカのインディースタジオBlue-Gは,2026年6月23日13:59まで「The Blue-G Interactive Vector Archive 77-97」のプレッジ(支援)を受け付けている。本作は同社が1977年〜1997年に開発したという11本のゲームの詰め合わせである。現時点で発表されているのは9本で,今後も同社のアーカイブからゲームが追加されていくという。
●「SUGAR STARDUST」(1977)
固定画面型シューティング。自分が撃った弾が画面上部に到達するとループして画面下から飛んでくるため,これをうまく使いつつ,自爆しないように戦う。
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●「END_LINE」(1981)
レースゲーム。自機が走った軌跡を使って敵を妨害する,いわゆるスネークゲームの変種だ。
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●「POWER LINE」(1983)
サブタイトルは「SUGAR STARDUST 2.0」。最大4人で同時プレイできる固定画面型シューティングで,「SUGAR STARDUST」同様に撃った弾が画面の上下でループする。ショットを斜めに撃てるようになった。
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●「SMASH BRICKS,GET POINTS」(1984)
アイテム有りのブロック崩し。アイテムを取ると自分のラケットが弾を撃つなど,パワーアップする。
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●「GREENLINE 3D」(1989)
ゴルフゲーム。フィールドの周囲が壁で囲まれていて,ボールがビリヤードのように跳ね回る。
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●「GLYPH-DRIVE 3D」(1992)
超高速でひたすら走り続けるレースゲーム。
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●「WAVE 65」(1995)
12台のボートが入り乱れてレースする。
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●「END_LINE_65」(1996)
自分が走った軌跡でライバルを囲むバトルレース。「END_LINE」は真上からの見下ろし画面だったが,こちらは3Dのフィールドを駆け巡る。
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●「GLYPH-DRIVE-65」(1997)
近未来のバイクで,ジャンプ台や壁といったギミックのあるコースを走るレースゲーム。
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いずれも懐かしのベクタースキャンが使われており,光の軌跡で描かれる画面が実に美しいものとなっている。
ここまで読んで,ゲームに詳しい読者であれば違和感を覚えることだろう。ベクタースキャン風の表現ならともかく,ベクタースキャンのゲームが1990年代に出ていたなんて聞いたことがないし,9本のタイトルにも見覚えがない。
それもそのはず,これらのゲームは1977〜1997年に発表されたという設定の架空ゲームであり,付けられた年号もすべてフェイクだ。つまり,ベクタースキャンが使われ続けた世界という架空のゲーム史,Blue-G世界線とでもいうべき仮想世界が描かれているというわけである。
このあたりを踏まえてゲームをよく見ると,「SUGAR STARDUST」の6年後にパワーアップした続編「POWER LINE」が作られ,ショットを斜めに撃てる新機軸が取り入れられるなど,ゲームシステムの発展がシミュレートされているのが興味深い。
「END_LINE」は続編「END_LINE_65」で3D化しているが,あくまでベクタースキャンを使った3D画面になっている。このあたりは“IFの歴史”の面白さといえるだろう。
“65”というタイトルもゲームに詳しい人ならニヤリとできるはずだ。1996年に発売されたNINTENDO 64ではタイトルに「64」が付けられたゲームが散見されたが,こちらの架空世界では1996年に「END_LINE_65」,1997年に「GLYPH-DRIVE-65」という「65」のゲームが出ており,もしかすると「65」が付いたゲーム機があったのかもしれない……と深読みさせてくれる。
プレッジは早期割引が3ドル(約480円),通常版が5ドル(約800円)で,どちらもSteam版のコードとDRMフリー版というデジタルのリワード(返礼)を入手でき,エンドクレジットに名前を掲載できる。リワードの配送は2026年6月,そしてSteam版の発売は2026年6月23日が予定されている(リンク)。
目標額は500ドル(約8万円)で,原稿執筆時点では193ドル(約3万1000円)の支援が集まっている。
前述のとおりSteam版の発売日も決まっているため,目標額を達成できなくてもゲーム自体はリリースされると思われる。製品版にはエディタも実装され,自機やコースの形を自由に作れるという。
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歴史考証をしたうえでIFを取り入れた戦争を描く架空戦記というジャンルがあるが,こちらは架空ゲーム史といったところだろうか。ベクタースキャンを愛するあまりに生まれた妄想のゲーム史であり,興味深い取り組みといえるだろう。





























