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2012年6月,ルクセンブルクで「ICT SPRING EUROPE 2012」開催。新鋭オンラインゲーム企業など最大10社に無料展示ブースや視察ツアーなどを提供
ICT SPRING EUROPEは,ICT事業を手がける企業や関係者の交流を目的とするフォーラムである。第3回目の開催となる今回は,ネットワークセキュリティ/クラウド/SNS/モバイルを主なテーマに掲げており,楽天のCEOを務める三木谷浩史氏や,Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグ氏の姉にして同社のマーケティング責任者を務め,その後RtoZ Mediaを立ち上げたランディ・ザッカーバーグ氏などが基調公演を行う予定となっている。
同フォーラムは,これまで北米と欧州からの参加者を主な対象としてきたが,上記のとおり今回は楽天の三木谷氏が登壇することもあって,日本からの参加を促すべく,スタートアップ企業向けプログラムを提供する運びとなった。
このプログラムは,ICT SPRING EUROPE 2012会場での無料展示ブースや,企業訪問ツアー(Skype/Amazon/eBay)などを,最大10社のスタートアップ企業に提供するというもの。このスタートアップ企業向けプログラム参加募集の締切は,2012年4月27日となっており,審査結果は2012年5月上旬に応募企業へ伝えられる。
なお,ここで言うスタートアップ企業とは,オンラインゲームやソーシャルゲーム,SNSなど,今回のテーマに沿った事業を手がける企業のうち,起業から5年程度までの若い企業を想定している。ただし,ICTのイノベーションに関連する内容であれば,該当しない企業の新設プロジェクトなども別枠で相談に応じるとのことだ。
- ITU(国際電気通信連合)の2010年におけるICT発展指数評価で欧州第5位/世界第7位
- 情報関連費用の低さでは世界第7位
- ブロードバンド普及ターゲットの設定がEU諸国の中で最高
- 東欧諸国のインフラ整備に伴う今後のインターネットユーザーの急速な増加
- 欧州における2015年のデジタルコンテンツ市場規模が2010年の倍になるという見込み
その一方で,欧州で事業展開するうえでの課題として,複数の言語圏が存在するために英語のみでは全域をカバーできないことや,各国で法規制が異なる点などがあるとする。
そうした状況下で,なぜルクセンブルクを欧州の拠点に据えるICT企業が増えているのかについて,松野氏は,同国ではフランス語/ドイツ語/英語といった多言語の語学教育を徹底しており,国際的な生活環境が整っていることを挙げ,欧州全域をカバーできるからであると説明。
また,ルクセンブルクと欧州主要都市とを結ぶネットワークが整備されており,最近ではレイテンシの面からオンラインゲーム企業の注目を集めているとのことである。
説明会の最後には,松野氏は今回の試みをきっかけに,今後,多くの日本企業をICT SPRING EUROPEに送り込みたいとの強い意気込みを語るとともに,あらためてスタートアップ企業向けプログラムへの参加を呼びかけていた。海外展開を視野に入れているオンラインゲーム/ソーシャルゲームパブリッシャなどは,応募を検討してみてはどうだろうか。
「ICT SPRING EUROPE 2012」公式サイト
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