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[プレイレポ]「Halo: Campaign Evolved」は,思い出がさらに美しく,楽しくなる新要素満載。しかし,それだけに気になる点も
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印刷2026/08/01 10:00

プレイレポート

[プレイレポ]「Halo: Campaign Evolved」は,思い出がさらに美しく,楽しくなる新要素満載。しかし,それだけに気になる点も

 2002年(北米では2001年)に発売された「Halo: Combat Evolved」は,現代FPSの基礎を築いたゲームであるとともに,XBOXを代表するゲームでもある。

 そのリメイク作となる「Halo: Campaign Evolved」PC / Xbox Series X|S / PS5)が,2026年7月29日にリリースされた。PS5でもプレイできるため,本作で初めて「Halo」に触れる人も多いだろう。

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 FPSというジャンルにおいて「Halo」がどれほどエポックメイキングだったのか,XBOXにとって「Halo」はどのようなシリーズなのか,そのうえで今回のリメイク作にはどういう意義があるのか。XBOX専門雑誌に関わってきた筆者の視点を交えつつ,「Halo」についてじっくりと紐解きたい。

 ストーリーをザッと説明しておこう。西暦2552年,マスターチーフとAI・コルタナは,宇宙巡洋艦ピラー オブ オータムでエイリアン勢力コヴナントの追撃を逃れ,リング状の人工天体Haloに不時着する。

 チーフはコヴナントと戦いながらHaloの謎に迫るが,やがてこのリングが単なる要塞ではなく,銀河規模の脅威に対抗するための兵器だと判明する。さらに寄生生命体フラッドが解き放たれ,事態は一変。Haloの真の目的を知ったチーフとコルタナは,銀河系の存亡をかけて死闘を繰り広げるのであった――。

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 すでに25年も前の作品なので,いまさらネタバレがどうもこうもないと思うが,一応核心的な部分は伏せさせてもらった。ハードSF的な設定を交えつつ,ミリタリー要素濃いめのスペースオペラといった展開になっている。詳細を知らないのであれば,ぜひゲームで体験してほしい。

 当時プレイした筆者は「マジか!」と声に出して驚いたので,これから「Halo」1作目をまっさらな状態で楽しめる人をうらやましく思う。

 ゲームシステムはFPS。物語の進行に合わせてさまざまなマップや敵が登場するので,それらを攻略していく。パズル的な要素はほぼないので,とにかく先へ先へと進んでいけばいい。


ゲームパッドでFPSを成立させた,2002年の革命


 2002年当時,オリジナル版のHaloはいろいろな意味で革新的だった。まずはそれらを改めて説明しておきたい。

シリーズ1作目となる「Halo: Combat Evolved」は2002年4月にXBOX版が国内でリリースされた(画面は2003年11月に発売されたPC版のもの)
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 当時のゲーム業界はどんな状況だったか。2002年はPS2全盛期で,任天堂のハードウェアがゲームキューブとゲームボーイアドバンスだった頃だ。
 家庭用ゲーム機向けFPSとしては,1997年にNINTENDO64用ソフトとしてリリースされた「ゴールデンアイ 007」のヒットこそあったが,それに続くタイトルがなく,まだまだマイナーなジャンルだった。

 実際,「Halo: Combat Evolved」の日本のゲームマスコミ向け発表会では,「ガンコントローラーは発売されるのですか?」という質問が飛んだ。つまりガンシューティングと勘違いされたのである。それなりに詳しいはずのゲームマスコミでさえ,この程度の認識だったのだ。


 PCゲーマーの間だと,FPSはすでに一定の知名度があるジャンルだったが,それもあってか「FPSはマウスとキーボードで遊ぶもの」という意識が根付いていて,「ゲームパッドでプレイするなんて考えられない」という人も珍しくなかった。

 そのため,オリジナル版のHaloは,FPSをゲームパッドで遊びやすくするためのさまざまな工夫が施されていた。

 大きなものとしては,ツインスティックによる操作がある。左スティックでプレイヤーキャラの移動,右スティックで視点を操作し,照準が敵に近づくと照準の動きが鈍くなって行き過ぎを防ぐなど,今のFPSなら当たり前の操作・動作を広く定着させたのが「Halo: Combat Evolved」だった。

 ほかにも,FPSとしては新しい要素が多々取り入れられていた。敵から攻撃を受けずにじっとしていると自動で回復するシールド,射撃・投擲・近接攻撃がそれぞれ別のボタンで瞬時に出せる仕様(武器交換ボタンで攻撃方法を切り替える必要がない)などで,家庭用ゲーム機としての遊びやすさ,コントローラで操作する気持ちよさがとことん追求されていたのである。

 つまり,初代XBOX版「Halo: Combat Evolved」がなければ,「CoD」シリーズも「Apex Legends」もなかった……と言っても過言ではないだろう。

 そして,対戦モードも忘れてはいけない。本体1台であっても,テレビ画面を4分割した4人対戦が可能で,本体4台をLAN接続することで,最大16人対戦を実現した。さすがに本体とテレビを4台セットで揃えた環境は公式大会くらいでしか見かけたことはないが,2台セットでの4〜8人プレイの経験者は一定数いるのではないだろうか。

 当時,原稿を書くために編集部で複数台つなげて遊び始め,気がつくと朝だった……という経験を何度もした。FPSにここまでハマったのは,PC版「Quake」が大流行したとき以来だった。

 なお,オリジナル版HaloのころはまだXBOXのサービスとしてオンラインプレイが実装されていなかった(オンライン対戦が実現するのは「Halo 2」から)。

 今では対戦といえばオンラインだが,みんなでリアルに集まっての対戦も,とても楽しいものだった。ルールやチームを変えて夜通し遊んだ初代XBOXからのユーザーも多いだろう。

 そんなオリジナル版Haloなのだが,残念なことに,当時の日本市場では初代XBOXが苦戦していたこともあり,プレイヤーからの評価こそ高かったものの,洋ゲーという大きな括りのひとつにすぎなかった。

 濃密なストーリー展開,革新的なFPSシステム,何度遊んでも飽きない対戦が,XBOXでしか楽しめなかったのは優越感でもあったが,やはりもっと大勢の人に楽しんでほしい,という気持ちも強くあった。

 日本の家庭用ゲームファンが本格的にFPSの面白さに気がついたのは,2007年にPS3とXBOX 360で発売された「コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア」あたりからだったと思う。国内でFPSの人気作が当たり前のように数十万本売れるようになったのも,ここからだった。「Halo」登場から,実に5年もかかったのである。


UE5で完全再構築。“遊びやすさ”を追求した傑作リメイク


 前振りが長くなったが,そんな「Halo: Combat Evolved」が「Halo: Campaign Evolved」として現行機向けに生まれ変わるのはとても嬉しい。PC(Steam)に加えてPlayStation 5向けにもリリースされるので,XBOXの代名詞的な存在である「Halo」をPSユーザーに楽しんでもらえるのは,とても喜ばしいことだと思っている。

 本作は現代向けにチューニングされ,オリジナルの良きところは残しつつ,当時難しいと感じた部分も遊びやすくなった。

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 分かりやすい点でいえば,そのビジュアルが圧倒的なまでに現代化した。過去作はずっと自社エンジンを使っていたが,本作からUnreal Engine 5で開発されており,その表現力によって大幅にパワーアップしている。マップや乗り物,敵であるコヴナントなどのデータを見るかぎり,いちから作り直している印象だ。

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 また,マーカーが表示されるようになったのも大きい。オリジナル版はどのステージもマップが広大で,探索的な面白さもあったのだが,どこへ行ったらいいのかが分かりづらくなる弊害もあった。あちこち歩いていれば進む方向が見えてくるのだが,現代のゲームのように進むべき方向のマーカー表示はなかったのである。

目標までの距離が表示される。この画面ではあと42メートル
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 これが,今回の「Halo: Campaign Evolved」ではマーカーによって進むべき方角が示され,さらに迷路状のマップでは進路まで分かるようになった。「初プレイ時に迷ってこそ『Halo』だろう!」という意見もあるだろうが,こうした遊びやすさは大事だ。

よく見るとフロアに矢印のようなマークが……
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 加えて,シールドだけでなく体力も自動回復するようになったところも,遊びやすさの向上につながっている。

 オリジナル版Haloでは,シールドがゼロになった状態で攻撃を受けると体力ゲージが減り,これがなくなるとチェックポイントからやり直しとなる。そのため,体力回復アイテムのライフパックを血眼で探す場面が頻繁にあったのだが,自動回復の導入により,ライフパック自体がなくなった。

 シリーズのファンにとっては,吹き替え音声も気になるところだろう。マスターチーフの声は,1作目から3作目までは谷 昌樹氏,4作目以降は小山力也氏が担当している。
 筆者は旧版の谷氏の声をそのまま使うのか,新録ならやはり小山氏なのか……と発売日までずっとモヤモヤしていたのだが,発売されてみれば,新たに録音された谷氏の声だった,というまさかの展開!

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 聞き比べると分かるのだが,セリフそのものや,演技のニュアンスが少し変わっていたりもする。コルタナに小池亜希子氏,ジョンソン軍曹に廣田行生氏(「Gears of War」日本語版ではマーカス・フェニックスを演じている)も続投しており,これにはもう古参ファン大歓喜。25年前の記憶が蘇ってくる。


新規ミッションに追加武器,スカルも解禁! 無限に遊べるキャンペーンへ!


 オリジナル版をプレイしたXBOXユーザーは,「Halo: Campaign Evolved」を遊ぶ必要がないのか? と問われたら,まったくそんなことはない。むしろ熱心な「Halo」ファンにこそ遊んでほしい要素もしっかり用意されている。

 その最たるものがボーナスミッションだ。キャンペーンのメインシナリオとは別に用意されており,本編をクリアせずにこちらを楽しむことも可能だ。

 キャンペーン本編の1年前を舞台にした全3ミッションで,マスターチーフとジョンソン軍曹がコヴナントの研究船から貴重な航行データを盗み出す物語が描かれる。

 新たな「Halo」の物語を,ジョンソン軍曹と共に楽しめるのであれば,これはファンにとってこのうえないサービスであろう。ジョンソン軍曹とのバディものとして,これだけでも遊んでおく価値はある。


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 そして,シリーズ2作目以降でおなじみになった要素がいくつか追加されているのも見逃せない。

 まずは武器。1作目には登場せず,後のシリーズタイトルで使えるようになったバトルライフル,ニードルライフル,サブマシンガン,スパイカーなどを含む9種類が追加された。とくに近接武器であるエナジーソードは,1作目で登場していたものの,“コヴナント専用”だった。

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 エナジーソードを持った金色のエリートは本当に怖かったが,倒した後にこれを拾って,逆にコヴナントに対してぶんぶんと振り回せるようになったのである。なんと気持ちいいことか。

 これらの追加された武器は,「Halo」シリーズのファンからすれば,感覚的にはあって当たり前,使えて当たり前の武器だろう。1作目にはなかったのかと思いつつも,それらが使えるのは嬉しいポイントだ。

 スカルも,オリジナル版にはなかった要素の1つだ。多くはゲーム中のマップのどこかに隠されており,これを獲得すると,それぞれに設定されたカスタム要素が開放される。「Halo 2」から搭載されたシステムだ。本作ではキャンペーン リミックスというモードで,収集したスカルを自身で選んだりランダム選択したりしてプレイできる。

スカルは,進行ルートから少し外れたところにあることが多い
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 本作のスカルは42個用意されており,その組み合わせでプレイ感がまったく変わってくる。登場する敵がランダムになるアダプテーション,武器配置がランダムになるリロード,自軍の乗り物がダメージを受けなくなるエンデュランス スペック,他陣営の武器が使えなくなるフォーリンなどなど,プレイヤーが有利・不利になるものが多数用意されている。いわばやり込み要素で,本作をより深く楽しみたい人に向けたものだ。

序盤のミッションをキャンペーン リミックスでプレイ。画面の雰囲気も変わるし,ここにいないはずのフラッドも出てくる
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自分でスカルを選ぶことも,ランダムで設定することも可能
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 つまり本作は,1周目は普通にエンディングまでプレイし,2周目はスカル探し,3周目以降はキャンペーン リミックスと,いつまでもどこまでも遊べてしまう。


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 当時初代XBOXで遊んだ人や,最近すっかりHaloから遠ざかっていたファンは,ぜひこれを機に戻ってきてほしい。思い出の中のHaloを新要素満載で遊べる! という貴重な体験ができるはずだ。当時PSユーザーだった人も,XBOXユーザーが「Halo」のことをやたらオススメしてきた理由が,25年の月日を経て分かるはずだ。

 なお,今回初めてリリースされるPS5版は,ハプティックフィードバック対応,アダプティブトリガー対応,PS5 ProならPSSR対応と,しっかり最適化されている。

 Steam版およびWindows PC版は,推奨スペックがちょい高めだ。4Kの60fpsで楽しみたいなら,CPUはRyzen 7 7700かCore i7-12700K以上,GPUはRadeon RX 9070かGeForce RTX 3080 Ti以上となっている。フルHDの場合はGeForce RTX 2060 SuperかRadeon RX 6600,もしくはArc A580とグッとハードルは下がる。ただ,ROG XBOX Ally XなどのハンドヘルドPCでは,グラフィック周りの設定をできるだけ下げて,アップスケーラーを適切に設定する必要がありそうだ。


唯一にして最大の不満──対戦モードはどこへ行った


 ここまでは嬉しい楽しい要素を中心にまとめてきたが,残念に感じた部分もある。

 それは何と言っても対戦モードがごっそり削られていることだ。オリジナル版では,5タイプ26種のゲームルールと13種のマップが用意されていた対戦モードが,影も形もない。「Halo: Campaign Evolved」という名称に「キャンペーンモードしかないんだよ」という意味があるのは分かるが,これでは「Halo」の魅力が半減してしまう。

このグラフィックスでマルチ対戦を楽しみたかった……
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 シリーズ最新作の「Halo Infinite」では基本プレイ無料でマルチ対戦ができるが,今のところPS5版はリリースされていない。Microsoftはここ数年,ファーストパーティータイトルをマルチプラットフォーム展開してきたが,2026年2月にXBOX事業のトップに就任したアーシャ・シャルマ氏は,独占タイトル重視への回帰を表明した。

 この方針を踏まえると,「Halo」次回作がPS5で出る可能性は低くなってきたように思える。せっかく「Halo」マルチ対戦の楽しさをより多くのユーザーに知ってもらえるチャンスだったのだが……。
 その代わりと言っては何だが,「Halo: Campaign Evolved」で最大4人までのクロスプラットフォーム協力プレイが可能になったのはありがたい。ただ,どうせなら対戦で遊びたかったよなあ,とつくづく思う。

 さらに言わせてもらえば,フォージ(ユーザーが自由にマップや敵配置を設定できるサンドボックス)にファイアファイト(敵の波状攻撃を防衛するPvEモード)という,「Halo」シリーズらしさを代表するゲームモードもない。

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 キャンペーンモードの完成度が非常に高いだけに,これはやはり残念でならない。スカルを大量に追加したことで,キャンペーンをとことんしゃぶり尽くすことはできるが,マルチ対戦プレイという味変もしたかった。元の味はこんなにおいしいんだから。

 もしXBOX専門誌を今でもやっていたら,自分はクロスレビューで何点を付けていただろうなあ。次回作があるなら……頼みますよ!(マジで)

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