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ゲーム経済を狙う不正ビジネスはサービス化へ。DMAチートやAI悪用の広がりも指摘,中国の「2025年版ゲームセキュリティ白書」
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印刷2026/06/17 11:31

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ゲーム経済を狙う不正ビジネスはサービス化へ。DMAチートやAI悪用の広がりも指摘,中国の「2025年版ゲームセキュリティ白書」

 テンセントのゲームセキュリティ部門ACE(Anti-Cheat Expert)はこのほど,中国のゲーム環境を取り巻くセキュリティ動向をまとめた「2025年版ゲームセキュリティ白書」を公開した。

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 同白書によると,2025年の中国ゲーム市場の売上高は3507.89億元(約8兆2786億円)に達し,ユーザー数は6億8300万人を突破した。いずれも過去最高を更新している。また,中国製ゲームの海外売上も204億ドル(約3兆2675億円)を突破したという。

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 その一方で,市場の拡大に伴い,ゲーム関連の不正ビジネスも規模を広げている。同白書では,中国国内における不正ビジネスの市場規模を約2000億円と推定しており,そのなかには,チートツールの販売や不正アカウントの流通,代行プレイ,ゲーム内通貨やアイテムを自動的に稼ぐBotの使用などが含まれる。

 さらに,不正ビジネスの形態も変化している。従来はチートツールの販売が中心だったが,現在は不正手段によるランク上げやゲーム内通貨の獲得といったサービスを,成果として請け負う形が広がっている
 利用者はチートツールを自分で導入・運用する必要がなく,サービス業者が専用の環境でログインし,代わりに操作を行うという。白書では,こうした傾向をCaaS(Cheating as a Service)として紹介しており,ゲームの公平性を脅かす深刻な課題として位置付けている。

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 2025年の主要な脅威として挙げられているのが,DMAチート(Direct Memory Access)だ。これは,別のハードウェアからゲームPCのメモリを直接読み取る手法で,ソフトウェア上の痕跡を残しにくい点が特徴だ。PCIe機器やNVMe機器などに偽装できるため,アンチチート側から検知しにくい。
 DMAチートを使うことで,利用者はドライバを導入したり,ゲームのプロセスやメモリを改ざんしたりせずに,透視や自動照準,レーダーといったチート機能を実現できる。

 白書では,DMAチートの普及により,チートとアンチチートを巡る攻防が,ソフトウェア同士の対抗から,ハードウェアも含む対抗へと変化していると分析している。

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 大規模言語モデル(LLM)や生成AIの普及により,チート開発の技術的ハードルが下がり,開発サイクルが短縮されている点が指摘されている。

 こうした環境変化は,チートツールの増加にも表れている。2025年に確認されたPC向けチートサンプルの数は13万8395件で,2024年から124.4%増加した。機能数は59万2222件で,こちらは276.8%増となっている。
 ジャンル別では,射撃ゲーム向けのチートが81.9%を占めて圧倒的に多く,アクションゲーム向けが11.8%で続く。

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 モバイルゲーム向けのチートも急増しており,機能数は23万677件,前年比117.3%増となった。

 AI技術は,代行プレイやBot運用にも使われている。従来型のBotは,行動パターンが固定されやすく,操作間隔や移動ルート,クリック位置などから検知されやすかった。
 しかし,AIを組み込んだBotは,本物のプレイヤーの操作リズムを模倣し,場合によってはチャットでのやり取りまで人間に近づけられる。これにより,ランク上げ代行やゲーム内通貨の獲得を目的とした自動化の検知が難しくなるという。

 さらに,AI技術はDDoS攻撃の効率化にもつながっている。攻撃側は,通常のゲーム通信に似せた攻撃トラフィックを作成し,防御側の対応を分析しながら,攻撃の規模や通信量の分布を調整できる。加えてサーバー側の弱点を探し,より精密な攻撃を仕掛けることも可能だという。

 一方,防御側でもAIの導入は進んでいる。白書では,AIを通報処理やプレイヤー向けの安全サービスに活用する取り組みが紹介されている。通報内容の整理,処理状況の可視化,違反の深刻度判定,プレイヤーへの説明などをAIで支援するという。

 AIチートへの対策としては,ゲーム本体の改ざん検知だけでなく,プレイヤーの行動データを分析する方向が重視されている。防御側は,リプレイデータをAIで解析し,通常のプレイでは見られにくい操作や判断を検出することで,不正行為の検出につなげる。

 また,Botによる代行プレイやゲーム内通貨の自動獲得といった問題に対しては,AIを通じて不正業者グループの行動パターンや取引の流れを分析する。ルールベースの検知から,深層学習を用いた検知へ進むことで,不正活動の検出精度を高めていくという。

 AI時代において,チートとアンチチートを巡る攻防が今後どのように変化していくのか,引き続き注目していきたい。

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