企画記事
年末恒例企画「ゲーム業界著名人コメント集」。177人が振り返る2023年と,2024年に向けた思いを語る
ドロッセルマイヤーズ
株式会社ドロッセルマイヤー商會 代表取締役/ゲームデザイナー/ゲームプロデューサー
渡辺範明
代表作:Kaiju on the Earthシリーズ、ヨフカシプロジェクト、小学館グッドゲームズ、ゆるゲーシリーズ等ボードゲーム作品多数実際にあった自転車操業詐欺をモチーフにしたボードゲーム『ポンジスキーム』です。プレイヤーたちは詐欺師として投資家から資金調達をおこないますが、その配当金を新たな投資家からの資金によって賄い、またその配当金を…という自転車操業でどんどん苦しくなっていき、誰が最初に破綻するか!?という尖ったゲーム性。知的なブラックユーモアに満ちたボードゲームならではの面白さが素晴らしい。カジュアルでストレートな「快楽」がもてはやされがちな昨今、この「苦しさが楽しい」というエンタメ性にオルタナティブな可能性を感じます。
※2023年2月にすごろくやから新版発売。2015年に初版発売した香港のメーカー作品のリメイク。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
『ちいかわ』です。「なんか小さくてかわいいやつ」というタイトルから、単にかわいいキャラを愛でるだけのコンテンツと見せかけつつ、実は徐々に不穏な世界観やストーリー性が浮かび上がっていく優れた構成。かつての『ハルヒ』『まどマギ』のような、同時代にリアルタイムで見届けてこその「事件性」のある物語が、X(Twitter)マンガとして展開していくダイナミズムを感じました。しかもそれが最終的にすべてキャラの魅力に還元され、きっちり「かわいさ」として消費されていく構造も見事で、数年前の『100日後に死ぬワニ』が果たせなかった着地に成功していると思います。日本における最新型「かわいさ」をアップデートした功績も計り知れない。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
評論家/編集者の宇野常寛さんです。僕は同い年なので、2008年に宇野さんが『ゼロ年代の想像力』でデビューしたときには「ついに同世代の声を代弁してくれるサブカルチャーの言論人が…!」と興奮したものですが、そんな宇野さんが今年は初めて物語小説を書き、小説家デビューされました。この初作品『チーム・オルタナティブの冒険』がきっちり面白かったことにも、正直ちょっと驚きましたね。僕も今年、サンデーうぇぶりにて連載開始した『Kaiju on the Earthボルカルス』で、期せずしてマンガ原作者デビューすることになったため、「40代で初めて物語作家になる」という妙なライフステージの一致もあったりなど、なんとなく常に気になっている方です。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2023年は初の著書『国産RPGクロニクル ゲームはどう物語を描いてきたのか?』出版、初のアプリ『ドロッセルマイヤーさんのさんぽ神アプリ』リリース(iPhone有料アプリランキング最高2位!)、初のマンガ『Kaiju on the Earthボルカルス』連載開始と、個人的に初めてづくしの「挑戦の年」でした。そこから続く2024年は、今年始めた挑戦に継続性があるか?単なる社会科見学に終わらず本物になっていけるか?という意味で再び「挑戦の年」になりそうな気がします。ただ、そういう「挑戦」も、実は昨年末の時点ではまったく予定していなかったものも多いので、あまり気張らずに予想外の展開を楽しんでいけるといいな〜とも思っています。2024年もよろしくお願いいたします!
ヨフカシプロジェクト『天魔楼大戦』 (C)2021 Konami Digital Entertainment |
小学館グッドゲームズ『ゼロワンバース』 (C)2023 Shogakukan |
ドロッセルマイヤーさんのひまつぶ神 (C) 2023 Drosselmeyer & Co.Ltd. |
ドロッセルマイヤーさんのさんぽ神アプリ (C) 2023 Drosselmeyer & Co.Ltd. |
Niantic
ゲームディレクター、ゲームデザイナー
菅野千尋
代表作:モンスターハンターNow今年は9月のモンスターハンターNowのローンチに向けてほとんどゲームを遊ぶ時間が取れなかった一年でした(ティアーズオブキングダムとピクミン4はもちろん遊びました)
「Cocoon」と「Viewfinder」でしょうか。
元来、ナラティブをアートで表現したようなアドベンチャーパズルゲームが大好物なのですが、Cocoonはアドベンチャーパズルのレベルデザインとしてもとても良くできていると思いますし、クラシックゲームのようでもあり、最新のゲームでもあるような遊ばせ方が実に心地が良かったです。
あと「Viewfinder」は、あのアイデアをちゃんと遊べて面白い作品に仕上げたのはすごいなとおもいました。
普通はおもいついてもゲームに落とし込むことを諦めるか、まとめきれないのではないかとおもってしまいます。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
今年はなんといっても漫画由来のアニメが強かった、印象的な一年だったなと思いました。
チェンソーマン、【推しの子】、僕ヤバ、葬送のフリーレン、そして進撃の巨人の完結と。
そのなかでも、漫画でも大好きだった、葬送のフリーレンは深い感情表現とキャラクターの掘り下げが素晴らしいとは思っていましたが、蓋を開ければとんでもない大ヒットをしていて、素晴らしい作品は伝わるのだなぁと感心しました。
あとこれは、完全に僕の趣味にちかいはなしですが、来年もしこのアンケートを書かせていただけるのであれば、公開が2024年冬にきまった『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』について書いているだろうと予告させていただきます。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
シンガーのAimerさんです。
「六等星の夜」の頃からすばらしい歌声をお持ちの方だなとおもってほそぼそと応援していたのですが、昨年ライブに行ったことをきっかけに、この一年はずっとAimerさんをきいていました。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
今年リリースしたモンスターハンターNowですが、2024年もたくさんのことを計画しています。
年末の大型アップデートにはじまり、1月、2月もいろいろなイベントを予定していますし、よりたくさんのハンターさんに遊んでいただけるゲームにするために、現在のコンテンツやイベントの改善、新規コンテンツも新モンスターの実装などなど、2024年を通してハンターのみなさんに現実世界での狩猟体験をお届けできるようチーム一同がんばります!
名越スタジオ
代表取締役社長
名越稔洋
代表作:龍が如くシリーズ今年は忙しすぎて、ほとんどゲームを遊ぶ時間が無かった1年でしたね。とは言っても、とにかくまわりでも評判の高かった『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』はプレイしました。クラフト要素の強化等、ゲームに深みを与えつつ、ユーザーが本当に喜ぶであろう要素をしっかり見極めて進化を遂げる様子は本当に勉強になります。このシリーズを遊ぶたび、作り手としては刺激を受けます。ここから先の展開も楽しみです。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
こちらもあまりたくさん触れる時間が無かったのですが、Netflixオリジナルドラマの『サンクチュアリ -聖域-』はとても面白かったです。相撲という日本の国技をモチーフにしながら海外からも高い評価と共感を得て、ビジネス的にも日本発のコンテンツとして最も大きな成功を収めたという事実は、とても価値の高い仕事だと言えると思います。ゲーム作品ではありませんが、同じ日本のクリエイターとしてとても勇気づけられる出来事でした。まだご覧になっていない方には、お勧めしたい作品です。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
今は小島秀夫さんですね。言うまでもなくゲームクリエイターとして数多くのコンテンツを世に輩出された業界の大先輩です。最近は本格的に映画制作にも参入される宣言もされ、また同時にご自身がゲーム以外のエンターテインメントも含めて成功することで、あとに続くクリエイターの手本となる意思表示もされました。ご自身の作り手としての価値を自らが認識しつつも現状に満足せず、さらに上のレベルを求めて突き進む姿勢は、心から尊敬します。私自身も少しでも近づけるように頑張りたいと思います。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2024年も、きっと2023年と同様に現在制作しているコンテンツに全力投球の1年になると思います。「早く情報を出してほしい!」という声もたくさんいただくのですが、新しい時代にふさわしい、心から面白いと思える作品をじっくり作ると決めた以上、焦らずに進めていきたいと思っています。もちろん発信できる情報が見つかれば積極的に公開したいと考えていますので、これからも応援よろしくお願いします!
日本ファルコム
代表取締役社長/プロデューサー
近藤季洋
代表作:イースシリーズ、軌跡シリーズ発売された時期は開発の仕事が忙しかったので、最近になってようやく「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」を遊び始めました。忙しい時にやっつけで遊びたくないタイトルなんです。昔から毎回のことですが、ゼルダはウルトラハンドなど攻略アイテムのアイデアが楽しいゲームだと思います。今回はどんなアイテムが登場するのかワクワクしながら進めています。でも、これも毎回のことですが寄り道ばかりでなかなか先に進みません。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「ミステリと言う勿れ」です。仕事は基本的にファンタジー世界を扱うことが多いので、全くジャンルが違うものに触れようと思っていたところに家族に薦められました。ちょうど映画が公開されていたので最初は映画を観たのですが、整くんのマイペースさと奇妙な人物像にやられました。ひたすら主人公が喋ってばかりの場面が続くのに、なぜ見入ってしまうんだろうと。直後にマンガを全部読んで、ドラマも全て見てしまいました。整くんとライカさんが好きです。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
諫山創先生です。物語をきちんと終わらせるのはとても大変だと思います。自分は制作しているRPGのエンディングを書くのが昔から少し苦手です。とりあえず終わらせてはみるものの、これでよかったのかどうか、その時点では分からない。発売されてからも、よく分からずに悩み続けることが多いです。ましてや「進撃の巨人」のような、あれだけの物語を完結させるのは途轍もなく大変だっただろうなと。最後まで楽しませてもらいました。本当にありがとうございました。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
ファルコムお馴染みのシリーズものだけでなく、他の新作も着手・注力していこうと考えています。すでに準備が進んでいるものもありますので、今年のどこかのタイミングで皆さんにお知らせしたいと思います。でも、まずは軌跡シリーズの最新作「界の軌跡」を頑張ってお届けしたいと思います。長年続いていて20周年を迎える軌跡ですが、次作ではシリーズを通して謎とされてきたゼムリア大陸の真実がいよいよ明かされます。お見逃しなく!
バンダイナムコエンターテインメント
バンダイナムコエンターテインメント第2IP事業ディビジョン 第3プロダクション ゼネラルマネージャー/株式会社バンダイナムコエイセス 代表取締役副社長
河野一聡
代表作:リッジレーサーシリーズ、エースコンバットシリーズなど「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」です。10年ぶりの新作がシリーズで一番売れるというのは、ユーザーの支持、市場環境、マーケティングPR、ブランディング、製品品質などすべてが噛み合った結果だと、スゴイと衝撃的に感じます。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「葬送のフリーレン(アニメ)」です。アニメ化されると聞いたとき、原作独特のなんともいえないリズム、テンポ、間合い、繊細な感情表現はどうなるんだろう?と思いましたが、きちんと細部まで拾って、さらに動画でしか出せない魅力が追加されていて、とても楽しんでいます。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
「竹谷隆之さん」です。今年は「風の谷のナウシカの「腐海創造」」の写真集を出版されていましたが、これまで巨神兵、イデオン、ダンバインと、竹谷さんの再解釈が大好きで、ついつい、そのディティールと原作を見比べて惚れ惚れする時間を過ごしてしまいます。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
昨年はいろいろあり、それでもやはり「感謝を忘れずに」は絶対にマストで。さらに2024年は「健康で楽しく熱心に」を抱負にしております。新作を創るのは、日々生みの苦しみをチーム全体が感じている状態です。けれど、やはり楽しいと感じるときは問題が解決したりして、良いアウトプットが出ています。そのためにはそもそも熱心に取り組まないといけなく、それには心身ともに健康が必須だと実感しております。
バンダイナムコエンターテインメント
「シャイニーカラーズ」プロデューサー
高山祐介
代表作:「アイドルマスター シャイニーカラーズ」「アイドルマスター シャイニーカラーズ Song for Prism」DREDGE(PS/NS/PC)
リリース後、その面白さがじわじわと広がった印象の本作ですが、内容もラヴクラフトに影響を受けた不気味な雰囲気がひたひたと迫ってくるような、一貫して不穏な魅力を持った「DREDGE」を挙げさせていただきます。
そのクリエイティブや世界観だけではなく、中毒性のあるゲームシステム、特に漁船の拡張によって漁獲できる海域が増えていくような拡張性と、魅力的な奇形の魚類たちは、しばらくの間本作に夢中にさせるのに十分すぎるほどでした。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS
今年、間違いなく心を動かされ、番組が更新されるたびに一喜一憂したコンテンツが「PRODUCE 101 JAPAN THE GIRLS」です。
こちらはいわゆる「オーディション番組」で、視聴者(国民プロデューサー)の投票によってアイドルデビューする11人が決まるという性質のコンテンツになります。
アイドルコンテンツを担当していながら、こういったオーディション番組を見るのは初めてだったのですが、もう心動かされまくりでした。投票の度に頭を悩ませ、どうか推しが残ってくれと祈り、まさかこんなにも熱中するとは思いもせず。番組で切磋琢磨した96人のアイドル候補生の皆さんと、11人のデビューメンバーに心から敬意を表します!
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
ジョーダン・ピール氏
「ゲット・アウト」「アス」「nope」で有名な氏と、小島秀夫氏がコラボしたゲームタイトルが先日発表されました。個人的に大好きなクリエイターのご両名がタッグを組まれるというのがテンションブチ上げですし、発表された「OD」もミステリアスで、不穏で、一体何が待ち構えているのか分からない度合いが物凄くて、期待しかありません。2023年注目というよりも、2024年以降も目が離せませんという意味で挙げさせていただきました。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
本年も誠にお世話になりました。
4Gamerの読者のみなさまにとって、2023年はどのような1年でしたでしょうか?
私は、「シャニマス」アニメの劇場放映や「シャニソン」のリリースなど、シャニマスのプロデューサーのみなさまと新たな一歩を踏み出せた、充実の1年でした。
そして2024年は、いよいよはじまるアニメの地上波放映を通して、新たなファンのみなさんにお会いできることを心から楽しみにしています!
ゲームをはじめ、アニメ、音楽、ライブ、グッズ、コミックなど……様々な場を通して、みなさんで一緒に声をあげて楽しめるようなコンテンツを目指し、日々精進いたします!
2024年も、たくさんのプロデュース、よろしくお願いいたします。
バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー
都築克明
代表作:ONE PIECE 海賊無双4/ONE PIECE ODYSSEY/キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS今年も多くの魅力的なゲームが発売されましたが、個人的にはその中でも『龍が如く7外伝 名を消した男』はゲームの構造としても非常に優れていると感じましたが、なにより“桐生一馬の単独主人公最終作品”に相応しい展開とファンサービスに、凄く心を動かされた作品でした。(思わず泣いてしまいました。)
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
印象に残ったのは『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』です。マリオたちが大スクリーンで縦横無尽に動き回ることだけでも楽しい映画でしたが、音楽が特に印象的でした。最初にBrian Tylerが作曲をされると知った時には、劇場に相応しい壮大な楽曲を想像していましたが、至るところにゲームファンが嬉しいアレンジが散りばめられていたことは予想以上に気持ちを盛り上げてくれました。ファン喜んでいただくための試みの1つとして音楽を扱うことの学びになりました。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
久保建英選手には今年も注目しています。ラ・リーガという世界の舞台で繰り広げる、ファンタスティックなプレイを毎試合楽しみにしています。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
来年も皆さんに新しい情報をお届けできるように頑張っていきますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。
バンダイナムコエンターテインメント
IP総合プロデューサー
富澤祐介
代表作:『テイルズ オブ アライズ』
『ゴッドイーター』シリーズ
すいません一つは無理です…。
ティアキンにもAC6にも全て感心させられたというか、大作になればなるほど、続編を更に大きな一つの形に帰結させるためにはプロデュース視点も含めて大きな『筋の良い方針やアイデア』というものが絶対に必要で、でもどんなに筋が良くてもそのために何かを棄てなければいけないかも知れないという選択があり、そこからが勝負と意気込んで『どっちも捨てぬ!』と一石二鳥のアイデアを絞り、、。
そうした、ゲームという膨大な要素の奇跡的な統合作用により成り立っている人体のごとき存在に、自らメスを入れて行く自傷行為、或いは超人ボディビルドのような作業に果敢に取り組み続ける全てのクリエイターの皆様に今年もお疲れ様でした楽しませてもらいましたとお伝えしたいです。
それでも一つに絞れと言われたら、今年の作品でなくてごめんなさい、『CARRION』が最もドラマチックな触手体験だったかもしれないと振り返っています。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
映画『BLUE GIANT』
『映画大好きポンポさん』に通ずる熱量を感じる作品でしたよ、と紹介されて劇場に足を運び、今年唯一複数回劇場鑑賞した作品になりました。
ジャズに賭ける青春の圧倒的熱量に何度見ても涙。
原作に対してはダイジェスト的な描き方にはなっているかもしれないけど、常に目標に向かって淡々と、かつ一気に駆け上がって行く姿を、周囲はただ置いていかれない様に見守るしかない、そんな眩しさに目がくらむような体験であったと思います。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
『NEEDY GIRL OVERDOSE』を制作された『にゃるら』さんの日々のSNS発信を楽しみにしています。
毎日相当な濃さの日記を公開されているんですが、ネットおたく達への共感と愛情に満ちた視点と文体は、生々しさを感じるとと同時に現代の荒んだネットにおける癒しそのものであると感じます。2月に小説も上梓されるとのことで楽しみにしています。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
『テイルズ オブ』シリーズは、2023年は『テイルズ オブ アライズ』の劇場版と呼べる様な大型ストーリーDLC『ビヨンド ザ ドーン』の配信という挑戦を行わせて頂きましたが、いよいよ30周年という大きな節目が近づく中、我々なりの使命と進化について今年も考え、動き続けていきます。
それ以外にも関わらせていただいている待機作品もありますが、どれも開発に長い時間がかかる昨今、全ての現場に刺激を貰いながら相互的なフィードバックを心掛けていきたいと思います。
バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー
冨所弥生
代表作:家庭用釣りスピリッツシリーズ,クマ・トモ/ネコ・トモ「Hi-Fi RUSH」
リズムアクションはアイディアとしては出るけれど、気持ちのよいアクションと音楽に合わせてプレイするという要素がケンカをしてしまい、中々製品の形にならないというイメージがあるのですが、見事に昇華させている作品でした。ゲーム性に適したキャラクター・設定・世界観が作られた上で、それをエンターテインメントとして楽しませるという心意気が詰め込まれたプロフェッショナルの仕事に感心いたしました!UNREAL FESTで、『Hi-Fi RUSH』の講演も拝見させていただき、少人数で作ったプロトタイプの時点でゲームの基本がほぼ完成していたことと、それを様々な描画パイプラインを使いつつ、軽くてクールなトゥーン表現をつくる試行錯誤は、とっても刺激的でした!スライド共有されているので、おススメです〜。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「呪術廻戦」
呪術のファンなので…今年はアニメ2期に、本誌の五条復活、様々なイベント、グッズと楽しませてもらいました!毎日、好きなコンテンツの新情報があり、外出すると狙ったわけでもないのに推しの姿を見かけることができるという贅沢を味合わせてくれて、ありがとう呪術廻戦!
(全然2023年発売ではないけれど)血と汗とピクセル 大ヒットゲーム開発者たちの激戦記
会社の後輩から進めてもらった本でして、大変に印象深かったので、ご紹介です。海外の有名タイトルにどんなトラブルがあって、開発者がどんな気持ちで、それに向かって行ったのかが時系列でかかれたルポルタージュです。開発者インタビューは好きで読む方だと思うのですが、時系列にそって出来事と背景が書かれたもの、しかもそれがWEBではなく本という形で時間をかけて読めることは中々ないので、とてもとても面白く刺激的な本でした。様々なタイトルの成り立ちを、経緯報告書を読むように理解できる上、開発メンバーがその時どんな風に思って、行動したのかをしることができます。そこにある開発者達の情熱はまさに血と汗。ディアブロ3の話はディアブロ4発売タイミングで読んでいたこともあり、ドキュメンタリーを見た後のような気持ちでプレイすることができました。全部のプロジェクトでこういうの作ってくれないかなー…。2019年の本なので、今更という方もいらっしゃると思うのですが、読んだことがないようでしたら、おススメです!
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
安野モヨコ先生
マンガもエッセイも長いこと愛読させてもらっていますが、美意識や感性の鋭さ、表現力の高さどれをとっても素晴らしいです。そして連載中の「後ハッピーマニア」が、とても面白い。単話を買っておいかけています。安野モヨコ先生が45歳のシゲタの恋愛を、その鋭い視点とカラッとした表現で書いているのですが、自分の年に近い視点で、安野モヨコ先生のマンガを読める幸せをかみしめています。日本人に生まれて本当に良かった。マンガって最高。ご本人のブランドである着物も素敵なのでいつか手にしてみたいなと思っています。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
太鼓の達人の新しいアプリ、リズムコネクトでクマ・トモとネコ・トモのテーマ曲が叩けます〜。「釣りスピリッツ 釣って遊べる水族館」は2024年もアップデートあります。お持ちの方はぜひ遊んでみてください。
バンダイナムコエンターテインメント
プロデューサー
南 敬洙
代表作:『SAND LAND』『ソードアート・オンライン フェイタル・バレット』『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』です。
前作もプレイさせていただきましたが、物をくっつけて乗り物を作り、あの広大な世界をさらに自由に冒険できるというところに、いちゲームユーザーとしてとても楽しくプレイさせていただきました。
絶賛開発中の『SAND LAND』でも参考にさせていただいており、砂漠を舞台とした世界に主人公のベルゼブブを通して、サンドランドのマップを隅々まで遊んでいただけるような作り込みをしておりますので、期待していただきたいと思っております。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
最も印象深かったのは『ゴジラ-1.0』の映画です。
圧倒的な存在であるゴジラを目の前に、様々な人が関わり合って「生きる」「生きなければならい」という意志の強さ、決意の高さに惹かれました。プロデューサーとして日頃から「判断」をしていく中で一人だけの意志では解決できない課題もあり、「どうすればいいか?」と悩むことが多々ありますが、向かう先が同じであるチームと協力し合うことで、前に進んでいると思っております。そういった意味で、苦難や困難にも多くの人達の助けがあって立ち向かっていく映画の主人公に共感できました。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
現役サラリーマンクリエイターとして活躍されている「けーさんとたろー」のお二方です。YouTubeのショート動画からお二人のことを知りました。上司と部下の関係ですが、お二人の仲の良さが伺える動画からドッキリまで「楽しみながらお仕事をしている」エンターテインメント性の高さに、拝見していてとても楽しいですし、他の動画も見てみたくなる魅力を感じています。「まずは自分が楽しもう」は弊社のスローガンの一つでもあり、ゲーム制作を行っていくなかで、自分自身がゲームをして、中身を知り、楽しむこと、それをお客様にお伝え、発売までお届けすることが大切だと思っております。お二人方が自分達自身で楽しみ、かつ楽しんでもらえるエンターテインメント発信に興味を感じておりますので、注目しておりました。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2023年は鳥山明先生の作品である『SAND LAND』のゲーム化を発表させていただき、国内外の様々なイベントで試遊台をご用意してお客様に触れていただきました。また、アニメでは『SAND LAND』のシリーズ化の発表もさせていただき、さらに世界中の多くの方に作品の魅力を知ってもらえると思っております。ゲームは絶賛開発中ではありますが、チーム一丸となって取り組んでおり、2024年のそう遠くない時期にお届けできると思っておりますので、ぜひ期待してお待ちください!
バンダイナムコオンライン
エグゼクティブプロデューサー
下岡聡吉
代表作:「アイドリッシュセブン」、「BLUE PROTOCOL」今年はゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダムになります。2つの驚きがありました。一つ目の驚きは初報の時点で味わってしまっているので今年ではないのですが、ブレスオブザワイルドという完璧な作品に続編が作れるのか?という驚きです。今年については、大きな期待を背負った作品がその期待を裏切らないものだったという純然たる事実です。本当に難しいことだと思いますし敬意しかないです。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
敬愛される方も多いと思いますが、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」です。まるで絵本のように監督の創造した世界を探索しているような気持になりました。主人公というガイドを通して見ているけれど、本のページをめくるように、不思議の世界を歩き夢が覚める。そんな作品だったと思います。
次にスターウォーズファンのみならず、スターウォーズを知らない世代の方にもマンダロリアンはお勧めしているのですが、マンダロリアンの後は是非アソーカも見てもらいたいです。長くIPが続くとこういった世界が待っているのかと本当に勇気づけられる作品だなと思います。世の中にあるエンターテイメントは誰かの創作物だと思いますが、その創造主の元を離れても素晴らしい作品が生まれるというのは、とても愛されているからこそですね。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
ゆこぴさんです。リミックスとしての可能性とか、シーンが浮かびやすい言語チョイスなど、その中毒性に注目していましたが、「夏に咲く」のような表現の豊かさなども素敵だなと思います。たこ焼きバズーカ!
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2023年、アイドリッシュセブンではEXPO、劇場ライブやライブツアーなど徐々に発声を伴ったイベントを行えるようになってきました。劇場ライブにはたくさんのご来場をいただきありがとうございました。また念願だったツアーで各地を回れたことも本当に嬉しいプロジェクトの思い出になりました。まだまだいろんなことにチャレンジできることに勇気をいただけましたので2024年も頑張りますよ!アイナナしようぜー!
そして、長く応援いただいた皆様のおかげをもちまして6月ブループロトコルをPCにて配信開始させていただくことができました!TGSではたくさんお話もでき嬉しかったです。また機会が持てるといいなと思います。12月には、PS5、XBOXシリーズS及びXにてクロスプレイに対応させていただくことも実現し、100万人を超える皆様の集う場所になりました。2024年も、多くの人に遊んでいただける場所を、開発運営チーム一丸となって主人公たる皆さんと一緒にこの世界を作っていけたらと思います。
バトルもより楽しくなるよう開発チーム頑張っていますが、シナリオも2月に5章のアップデートをさせていただく予定ですので、是非楽しみにお待ちいただきたいです!
BLUE PROTOCOL (C)BANDAI NAMCO Online Inc. (C)BANDAI NAMCO Studios Inc. |
アイドリッシュセブン (C)アイドリッシュセブン CD:Arina Tanemura |
バンダイナムコスタジオ
開発プロデューサー兼ゲームディレクター
池田幸平(ナカツ)
代表作:「鉄拳8」●タイトル
「FINAL FANTASY XVI」
●理由
美麗で細部までこだわり抜いた圧倒的な映像クオリティと重厚でドラマチックなストーリー展開に加え、本格的で外連味のあるアクション、おそらくワンオフで作られたと思われるド派手で大迫力の召喚獣合戦など、これまでのFFシリーズとは一味違った挑戦的な要素が満載で、開発の本気度を感じました。
プレイしていた時にRPGを遊んでいるとは思えない位のドキドキ感、手に汗握るシーンの連続に、「すげぇ…」「おおおお…半端ない」とか自然と声が出てしまっていました。開発者として感心しつつも、どこか嫉妬してしまうような感覚を覚えた作品です。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」
もともとMARVEL作品やMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)といったヒーロー映画が好きなのですが、ドハマりするきっかけになったのが「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」でした。独特のSF世界観が魅力的で、登場人物たちが“銀河のならず者”という到底ヒーローとは思えない見た目や行動、言葉遣いやメンバー同士の掛け合いなどに惹かれました。また脚本や劇伴の選曲も素晴らしく、BGMベースで脚本を考えるという監督のこだわり含めて大好きな作品です、というかリスペクトしています。その完結編が2023年5月に公開され、『鉄拳8』の開発の合間に劇場に足を運んで鑑賞。切ないストーリー展開で始まりながらも、個性豊かなガーディアンズ達のセリフ回しや関係性が愛おしく、アクションシーンもカメラワーク含めて演出がカッコイイ、各シーンに絶妙にマッチしたBGMを軸に進んでいくストーリー展開というジェームズ・ガン節全開な作品で、150分があっという間に感じるくらい興奮と感動しっぱなしでした。長いこと映画見てきて、こんなに何度もゾクゾクして鳥肌がたったり、泣いて心を揺さぶられた作品は後にも先にもなかったなと・・・。2023年で最も印象深かった作品というだけでなく、私の生涯でのマスターピースな映画になりました。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
ジェームズ・ガン 監督
2023年に最も印象深かった作品に挙げた「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3」の監督で、MARVELやMCU作品における功労者でレジェンドとも言える人が、2023年の早々にライバルのDCの共同CEOに就任するという漫画のような展開が現実世界で起きてビックリしました!
ジェームズ・ガン監督はDCでも「ザ・スーサイド・スクワッド“極”悪党、集結」や「ピースメイカー」といった作品で大成功を収めているので、今度のDC映画や新生DCUがどうなっていくのか、脚本家や監督としての手腕も含めてワクワクが止まりません。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2024年は『鉄拳8』が1月26日に発売され、さらに鉄拳30周年という節目を迎えます。
『鉄拳8』は開発中から「次世代の鉄拳を作る」「新しいユーザー体験を提供する」という意気込みで、プロジェクトメンバーや多くの関係者の“想い”や“熱”が込められた作品です。
単に鉄拳の最新作や対戦格闘ゲームという枠だけではなく、「お金を払って購入して1人でプレイしても遊ぶ価値があるタイトルにしよう」と品質にもボリュームにもこだわりました。是非、鉄拳プロジェクトの本気を感じてもらえると嬉しいです!繰り返しになりますが、2024年は鉄拳30周年のアニバーサリーイヤーです。
節目にふさわしい年になるように、色々と面白い企画や施策を考えていますので、今後とも鉄拳プロジェクトの応援をよろしくお願いします!
バンダイナムコスタジオ
ゲームデザイナー
有働龍郎
代表作:テイルズ オブ グレイセス テイルズ オブ ザ レイズ『STAR OCEAN THE SECOND STORY R』昔遊んだRPGを現代の便利機能もりもりで遊ぶのもよいものですね。
いいかんじにうろ覚えだったので6人しか仲間にならなかったですが・・・。しばらくしたらもう一周します。
対象的に『ディアブロ IV』には今も現役で前作を遊んでいるユーザーも遊ぶ最新作としての難儀さを痛感しました。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
再アニメ化決定の、現在連載中の『キン肉マン』がしっかり面白い。ただ、原作リアルタイム世代にはいいようのない寂しさと一抹の物足りなさが。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
からの『タマちゃん寝る』さんの動画で呼び起こされる渇望するツッコミどころとイジリ芸の大切さ。
設定を練るのも大切ですが、その場の勢いでしか生まれない魅力もあると思います。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
ソーシャルゲームは頭からっぽにして遊びたい人や、しっかり遊びたい人と様々なユーザーがいますが、日によってどちらの気持ちでも遊んでも楽しいゲームを作れたら理想です。
バンダイナムコスタジオ
エグゼクティブゲームディレクター/チーフプロデューサー
原田勝弘
代表作:鉄拳シリーズ,「サマーレッスン」, 「ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT」,ソウルキャリバーシリーズなど「ファイナルファンタジー16」です。
とにかく圧倒される戦闘シーン、特に中盤以降の戦闘がもう凄い。そして規模感が凄い。特に現役のゲーム開発者ならいろんな意味で圧倒され、感じたはずです。開発リソース、環境、バジェット、あらゆる面の規模感において「あ、これはうちでは無理だ」とわかってしまうあれです。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
映画『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』
これは新しいコンサートの形ですね、下手なコンサート会場の席に座るより、余程いい。というかむしろこっちのほうが良い。音響の良い映画館に限りますが。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
2023年に注目していたのは、株式会社セガ 代表取締役社長COO 杉野行雄さんです。
バーチャファイター6がそろそろ発表されないかなと注目していました。来年も注目したいと思います。
杉野さん、宜しくお願い致します。またお食事などもよろしくお願いします。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
ついに「鉄拳8」が2024年1月26日に発売されます!
対戦ゲームである前に、しっかり一人でも遊べるボリュームのある内容、次世代の高いクオリティを目指しました。この世にビデオゲームという歴史が始まって以来、最も長く続くストーリーというギネス記録も保持している鉄拳ですが、今回が初めて購入する人でも絶対に楽しめるハイクオリティなストーリーモード、そしてプレイヤーのゲームセンター体験ができるアーケードクエストというもうひとつのストーリーモードも用意しています。さらにさらに、「元祖」格闘ゲームのビーチバレーである鉄拳ボールモードも搭載。
オンラインでは、プレイヤーがみんなで集まれる仮想の街「ファイトラウンジ」があり、毎日ゲームセンターに通うような感覚で、友達とワイワイできます。
また、間違いなくこのジャンルにおいては最高峰のA.I.技術を搭載しており、プレイヤーの分身とも言えるゴーストバトルが楽しめます。「その人が操作しているとしか思えない再現度」のゴーストです。直接対戦が苦手な方は、是非自身のゴーストと友人を闘わせたり、ライバルのゴーストを倒すという遊びが待っています。
というわけで、皆さん是非「鉄拳8」をよろしくお願い致します。
あと、鉄拳以外にもいろいろ開発しておりますので、その際はまた宣伝させてください。
っていうか、これ毎年思うんですけどみんな読んでくれているのかしら?(笑)
バンダイナムコネクサス
代表取締役社長 兼 バンダイナムコエンターテインメント執行役員
手塚晃司
代表作:ドラゴンボールZ ドッカンバトル2023年に仕事ではなく一番やりたくてやっていたゲームは何だろうと考えた時に、やはり『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が、一番でした。
ゲームとしての練度があまりにも高く、課題の提示→ヒントの発見→仮説構築→試行錯誤→達成・報酬獲得→新たな課題の提示という超基本サイクルに隙が無さすぎて、ずっとゲーム作りの授業を受けている感覚でプレイしていました。
うまく進められずストレスを抱えがちな場面でも、これは自分のプレイの仕方が悪いだけで、もっと工夫すれば楽しくなる形を何らか用意してくれているはずなんだと、見えない開発者に対して信頼感をもって旅することができるのは、任天堂さんが培ってきたユーザーとの信頼関係がなせる業ですね。
本作に結実されたこれまでのゲーム作りの積み重ねの歴史の重みに感心させられました。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
2023年は、日本中が熱狂する最強のIPは今なお野球なのかもしれないと思わされた1年でした。WBCも大谷の活躍も阪神のアレも!そんな中でWBCの裏側を捉えたドキュメンタリー映画『憧れを超えた侍たち 世界一への記録』は、視聴者は既に大会の結果を知っていてなお、(むしろ選手像まである程度の知識があるからこそ、)監督や選手たちの裏側での悩みや葛藤などを知ることで、より感動が重層的になるという、ファン目線でメタを分かり切って作り、ジャストタイミングできっちり出すというIPプロデュースの最先端の見本となる作品だと思います。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
毎年注目しているのですが、2023年は特に目が離せなかったのが『キングダム』の原泰久先生です。
2023年は舞台も映画もあり、本編も激アツな展開が続く中で、あれだけの描き込み量の漫画の週刊連載を続けられていることに驚嘆します。
『キングダム』は、名場面も多いですが、その名場面を描くために綿密に設計された展開や伏線となっていたセリフなど、読み返すたびに発見があって漫画という1人の先生が産み出すクリエイティブの奥深さに感動しながら味わっています。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』の10周年に向けた仕掛けが次々に展開予定です。数年前から準備してきたことを節目のこのタイミングでしっかりとお届けできればと思います。
また、ドラゴンボール、ワンピース、ナルトを始めとした各IPタイトルも、ゲームの中だけではなく外でも展開を増やし、IPの魅力を改めてしっかりと伝えながら、それを受け止めるゲームとしての表現を突き詰めていければと思います!
ドラゴンボールZ ドッカンバトル (C)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション (C)Bandai Namco Entertainment Inc. |
ONE PIECE バウンティラッシュ (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc. |
ファーレンハイト213
代表取締役 クリエイティブディレクター
塩川洋介
代表作:『キングダムハーツ』『ディシディア ファイナルファンタジー』『Fate/Grand Order』『イロまぜインク店』というアプリです。公式によれば「ハイスピード色当て&精密色並べアクション」とのことですが、それはさておき、ゲーム内に登場する店長がとにかく可愛いいんです。ノリノリのダンス、いい塩梅に省略されたルックや演出、プレイヤー入力に対する細かな反応など、独特の味がする要素がそこかしこに散りばめられていて、その可愛さがくせになります。ゲームとしても、とにかく色を選んでいく簡単ルールの遊びに、ちょっとだけ頭や目を使って考える要素を加え、それらをテンポの良い演出やアクションでまとめあげていて、しっかり楽しませてもらいました。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
『キミと青いヨルの』という漫画です。週刊少年ジャンプに読切漫画として掲載された作品ですが、なんとマーダーミステリー(マダミス)を体験できてしまうものでした。あのジャンプでマダミスが扱われることもさることながら、漫画雑誌とマダミスとWebとオンライン通話を組み合わせて遊ぶ、数年前には存在しえなかったエンタメの形として、印象深い作品でした。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
人物じゃないですが、あえて挙げますと「ゴジラ」です。2023年といえば『ゴジラ-1.0』が公開され大ヒットとなった年でしたが、2021年の『ゴジラvsコング』から2023年の『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』、そして2024年公開予定の『ゴジラxコング 新たなる帝国』と“日本のゴジラから、世界のゴジラへ”大ブレイクする階段を一歩ずつ歩んでいっている過程を、まるで海を渡って大活躍する日本人メジャーリーガーを応援するような気持ちでした。世界で戦える、日本を代表する人物の一つとして、注目しています。そして、映像作品だけでなく、ぜひ世界で戦える“ゴジラゲーム”にも期待しています!
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2023年は12月にSteamにて、ミステリーADV『マーダーミステリーパラドクス このひと夏の十五年』をリリースしました。推理ゲームやADVがお好きな方、ぜひ年末年始や週末のお供によろしくお願いします。2024年はキャラクターデザイナーに黒星紅白さんを、コンポーザーに石元丈晴さんを迎えて絶賛開発中の、運命さえ“クラフト”する、アールピージー。『つるぎ姫』のリリースを目指して全力疾走していきます。SteamのNewsページで最新情報を定期的にお届けしているので、ぜひウィッシュリストに登録して続報をお待ちください!!
つるぎ姫 (C)2022 Fahrenheit 213 Inc. All rights reserved. | |
マーダーミステリーパラドクス このひと夏の十五年 (C)Aniplex |
ブシロード
代表取締役社長
木谷高明
代表作:・カードファイト!! ヴァンガード Divinez
・BanG Dream! It's MyGO!!!!!
「桃太郎電鉄ワールド 〜地球は希望でまわってる!〜」
前作にハマり、年末年始にプレイすることを楽しみにしていたからです。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「ゴジラ-1.0」
全米第1位おめでとうございます。
ゴジラを知らないで鑑賞した方はかなり楽しめたのではないかと思います。
個人的には冒頭の人間ドラマが少し長く感じられましたが、そこがゴジラファンで意見が分かれたところだと思います。迫力は歴代NO.1で、この予算で制作されていることに驚きました。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
「木谷 高明」
自分です。今年は自分を見つめ直しつつ、会社も見つめ直しました。
来年から色々なことが変化していくと思います。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
1月6日 (土)に東京ドームシティホールで「ブシロード新春大発表会2024」が開催されます。
是非、2024年もブシロードにご注目ください。
カードファイト!! ヴァンガード Divinez (C)VGD CD(C)CLAMP・ST illust:Kinema citrus |
BanG Dream! It's MyGO!!!!! (C)BDP |
プラチナゲームズ
プロデューサー/ゲームデザイナー
齋藤健治
代表作:『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』『TRANSFORMERS: DEVASTATION』『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』
前作のゼルダのフィールドやストーリー進行の自由度も驚愕でしたが、今作の自由度はプレイヤースキルによる組み合わせの多さと複雑さが追加されていて、単純に「できるかも」という組み合わせを網羅しつつ、様々なものを駆使してプレイヤー自身が発想した形にも組み上げることができ、しかもどこでもそれを使うことができる・・・この時点で開発者目線としてはとんでもない要素を詰め込んでいるのが容易に見えてしまうので、ずっと、とんでもねぇなと思い考えながらプレイしていました。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
『ABURA』
幕末の京都を舞台にした剣戟アクション時代劇で、新選組最後の内部抗争として知られる「油小路事件」を中心に物語が展開します。殺された仲間の遺体を取り戻すため、わずか七人の御陵衛士が新選組に立ち向かう様子がアツく描かれています。
全3巻でそこまで長くないのですが、剣士たちの生き様や戦いの激しさをギュググィッ!!と凝縮して描いているため緊迫感、スピード感、情熱感に圧倒される体験ができると思います。
歴史や剣術に興味のある方にはオススメです!
“北辰一刀流”の二刀流の使い手、服部武雄の強さにシビれるコト間違いなし!
あと毛内さんも好きです。
あとは何年か前から書き続けていますが、ずっと見続けているVTuber。
リアルタイムは少なめですが今年も楽しんで視聴していました。
今年もかわらず箱推しなので興味ある配信は覗いていますが、去年同様、大空スバルさん・獅白ぼたんさんの配信を中心に作業やゲームをしながら視聴することが多いですね。
それと新たにデビューした「ReGLOSS」“儒烏風亭 らでん”さん
デビュー時は能面の印象が強かったけど、自分が全く触れてこなかった落語や芸術、美術館の知識が豊富で説明も丁寧でわかりやすく雑談も面白い。ネタ枠なのにまじめでイイ子です。自分の地元にも大塚国際美術館というところがあるので帰省した際に訪れてみようと思いました。
今一番自分の中でアツいのは“一条 莉々華”さん
かわいい・ポジティブ・ジーニアスな配信と思っていたけど、限界飯や色んな配信を見て印象がどんどん変わっていく。ReGLOSSメンバーはデビューして間もないのでこれからどうなっていくかを楽しみに視聴していきたいですね。
あとリアルタイムで見るのは難しいこともあるので切り抜き動画もよく見ています。切り抜き師たちの進化の方向が面白いなと思いながら見ていたりもします。某番組風の切り抜きだったり、手描き切り抜き動画だったりメンバーに特化して魅力を最大限に引き出す切り抜きだったり配信が終わってとてつもないスピードでアップされる切り抜きだったりなど、同じ場面を切り抜いているにもかかわらず違う印象を受けたりします。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
『梶 泰幸』
元プラチナゲームズの後輩がディレクターをしている『グランブルーファンタジー リリンク』が完成し発売日も決定したようなので、リリースされたら是非プレイをしたい。情報が出るたびにリリンクには注目していたので本当に楽しみ。
あとはもちろん田浦貴久ですよ。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2023年は、インフルやコロナで体調を崩してしまうことが多かったので、2024年は健康第一!
プラチナゲームズ
ディレクター
田浦貴久
代表作:『ASTRAL CHAIN』 『NieR:Automata』『Hi-Fi RUSH』
リズムに乗って戦う気持ちよさを100%堪能できるシステムに感心しっぱなしでした。脱帽。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
『幽☆遊☆白書』(Netflix)
とてつもなく好きな作品なので、これだけ時代を経た今最新技術で実写化されることに単純に期待感がすごく高いです。これを書いているときはまだ公開前なので、公開されたら即観ます。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
『豆腐』
YouTubeでかわいいパグの動画をアップしている方。パグが可愛すぎて寝る前に見ては悶える日々。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
去年のコメントに引き続きまだ何も成せておらず、ご期待いただくものなど何もない状態ではあるのですが、2023年のあれやこれやの多くのシンドさを、現在制作中のゲームに集中することで、発散できる年になるといいなと、心より思います。
フランスパン
ディレクター/バトルプランナー/バトルプログラマー
芹沢鴨音
代表作:「UNDER NIGHT IN-BIRTH II Sys:Celes」
「MELTY BLOOD: TYPE LUMINA」
「ストリートファイター6」
格闘ゲーム業界に革新をもたらすほどの、斬新な取り組みが凝縮された、言わずと知れたビッグタイトル。新しいモードや機能だけでなく、驚くべき量の便利な要素や、微細なディテールに至るまでの徹底したこだわりが見受けられ、その熱意はコストを度外視したものとも思えます。この情熱には、多くの格闘ゲーム開発者が感謝し、感動し、涙を流してそうです。
「ウーマンコミュニケーション」
昔から笑える下ネタがツボなんです。まあ余裕でクリアできるでしょと自信満々、孤軍奮闘の気持ちで挑みました。光るアイデアが注目を浴びる一方で、求められているものに焦点を絞り、しっかりと練り上げられているので、うん、これこれ!と思わず膝を叩いてしまいます。落ちついて冷静にプレイすることが大事ですが、後半では予想外の熱い展開もあり、最後まで飽きることなく遊べて満足です。さっちん、困らせたい。プァァァーーーン。
<質問2>2023年に発売/公開されたエンターテイメントコンテンツの中で最も印象深かった作品
「スキップとローファー」(アニメ)
人物の心情描写が繊細で丁寧なので、グイグイとストーリーに引き込まれました。主人公が持つ、天然ともいえる魅力からは、たくさんの元気をもらいました。
「トリリオンゲーム」(コミック)
テンポ良く読める、今の時代にあった疾走感のある物語が最高です。無茶な展開を圧倒的画力でねじ伏せていく、その説得力から漫画の持つ無限のパワーを感じました。
今季は「葬送のフリーレン」とか「16bitセンセーション ANOTHER LAYER」とかを楽しく見ています。今年のアニメも豊作でしたね。
<質問3>2023年に、個人的に注目した(している)人物
長谷川育美さん
『月姫』『メルブラ』でのご活躍はもちろん、それ以外でも多くの作品でお名前を目にする機会がありました。
『ぼっち・ざ・ろっく!』のアニメでは、物語中のバンドが披露する多くのボーカル曲があります。どれも素敵な歌でしたので、最初はどなたかプロの歌手が担当されていると思っていましたが、喜多ちゃん役を演じた長谷川さんが実際に歌っていることを知ってとても驚きました。その後も、関連するCDを集めたり、ミュージックビデオを鑑賞して感動したりと、継続的に注目してきたなぁと思った次第です。
<質問4>2024年に向けての抱負、また4Gamer読者に向けてのメッセージをお願いします。
2024年、UNIシリーズの最新作「UNDER NIGHT IN-BIRTH II Sys:Celes」がついにリリースされます。
この新作ではビジュアル面やストーリーが一新され、オンライン対戦ではロールバックネットコードに対応しています。既存のキャラクターは全員続投し、さらに新キャラクターも追加され、リリース後もシーズンパスで新たなキャラクターが継続的に提供されます。あとなぜか早期購入特典でシーズンパスが付いてきます。
先日のオープンβではたくさんの貴重なご意見をいただき、製品版ではそのフィードバックを多く取り入れています。皆様が楽しんでいただける作品になるよう、精一杯努力してまいりましたので、ぜひお楽しみいただければ幸いです。
2024年も皆様からのご期待にお応えできるよう、より一層努力していきたいと思います。抱負はエンジョイです。
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