Tencent，Ubisoft Entertainmentへの出資を大幅に拡大

　Ubisoft Entertainmentは北米時間の2022年9月6日，中国のIT大手Tencent Holdingsが，Ubisoftへの出資を大幅に増やすと発表した。

Ubisoft strengthens its core shareholding via the expansion of the concert around the group's founders to the benefit of its long-term stability and development

　Tencent Holdingsは，Guillemot Brothers Limitedの保有するUbisoftの株式49.9％を2億ユーロ（約258億円）で購入し，さらに同社に対して1億ユーロ（約142億円）の増資を行うという。
　Guillemot Brothers Limitedは，Ubisoftの共同設立者の1人であるYves Guillemot氏の持ち株会社で，これによりTencentはUbisoftの株式の11.3％を保有し，直接出資比率を現在の4.5％から9.99％に引き上げるが，Guillemot Brothers Ltd.はUbisoftに対する支配権を維持し，Tencentに運営上の同意権や拒否権はないとのこと。また，Tencentは5年間，Ubisoftの株式を売却できず，出資比率が9.99％を超えることがないことも発表されている。

　Yves Guillemot氏は今回の取引について，「長期的な発展に不可欠な安定性が会社にもたらされる」とコメントしている。

　イギリスのメディアReutersの報道によれば，新作タイトルの開発遅延と，経営陣の入れ替えにつながった一連のセクシャルハラスメントの申し立てによって，Ubisoftの株価は下落しており，8月初旬の段階で，Tencentが株価を引き上げるなんらかの計画を表明していたという。Tencentは2018年にUbisoft株式の約5％を購入し，Vivendiによる敵対的買収を阻止したことがある。