Microsoft，「Call of Duty」シリーズなどActivision Blizzardタイトルは，今後もPlayStationに提供されると発表

　Microsoftは北米時間の2022年2月9日，「規制に対応する：アプリストアに対する原則」（Adapting ahead of regulation: a principled approach to app stores）と題する記事を公式ブログで公開した。

Adapting ahead of regulation: a principled approach to app stores

　Microsoftの副会長兼社長を務めるBrad Smith氏の名前で発表されており，内容は，アメリカ上院司法委員会が2月上旬に可決した「Open App Markets Act」に対応して，アプリストアに対するMicrosoftの新たな原則を明らかにしたものとなっている。「Open App Markets Act」は，大手IT企業の独占的支配を制限することを目的とし，5000万人以上のアメリカ人ユーザーを抱えるアプリストアの運営者に対して，自社の決済方法を開発者に要求してはならない，といったことを定めている。

　これに呼応する形で公開された記事では，開発者に対してアプリ内決済にMicrosoftの支払いシステムを使用する必要がないことや，異なる決済システムを採用したアプリ開発者が不利益を被ることはないといった，さまざまな原則が述べられている。これらはXboxのアプリストアにも適用されるとのこと。

　詳しくは公式サイトを参照してほしいが，今回の発表にはさらに，Activision Blizzard買収に対する規制当局の懸念を払拭する目的もあることが述べられている。北米時間の1月18日に，約687億ドル（約7兆8742億円）でActivision Blizzardを買収したMicrosoftは，Tencent，ソニーに次ぐ世界第3位のゲーム会社になるが（関連記事），これに対して連邦取引委員会が反トラスト法（独占禁止法）に基づく審査を行うという報道もあり，Microsoftとしては，開かれたマーケットであることを明確にして当局の買収承認を得る必要があった。

　そのため，Activision Blizzardのタイトルについてもかなりのスペースが割かれており，買収完了後も，「Call of Duty」シリーズやActivision Blizzardの人気タイトルはXboxの独占にはせず，今後も引き続きPlayStation向けにも提供されることが明記されている。任天堂など，ほかのプラットフォームに対しても同じポリシーが適用されるとのことだ。