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アカツキがeスポーツ実業団「Team UNITE」を発足。勤務と練習を両立できる体制を確立
「Team UNITE」に所属する選手は,同社のゲーム事業部で検証とカスタマーサポートを行うCAPS(Customer And Product Satisfaction)チームに所属し,これまで培った高度なゲームプレイ経験を活かせるQAやバランスチェックなどの業務を1日4〜5時間ほどのパートタイムで従事しながら,eスポーツ選手としての安定的な練習時間の確保や,遠征費,活動費の提供といったサポートを受けられるというものだ。
アカツキの戸塚佑貴氏は,ゲーム企業だからこそできる環境を提供しつつ,ゲーマーの特性を活かした業務の成果を受け取るという,新しいeスポーツ選手の育成・輩出のスタイルをアピールし,日本国内におけるeスポーツ業界の発展に貢献したい旨を語った。
チーム名の「UNITE」には「一体化する・統合する」といった意味があるという。実業団オーナー及び事業責任者をつとめる渡辺佑太郎氏は,自身がプレイヤーだった頃にゲームに打ち込んでいることを人に言えない時期があったそうだ。そんな歯がゆい経験から,本来の自分の心に従い気兼ねなくゲームにチャレンジできる環境を作り,人の持つ二面性を一つに統合したいという願いを込め,このチーム名を付けたのだという。
チームで扱うタイトルに関しては,特定のものに限定せず,タイトルごとに選手を募集するとのこと。
その第1弾タイトルとして挙がったのは,カードゲームの「マジック:ザ・ギャザリング」だ。チームには「グランプリ メンフィス 2019」Top 8の井上 徹選手と,「MAGICワールドカップ2018」Top 8の森山真秀選手が所属し,コーチとして「2006世界選手権団体戦」準優勝の片山英典氏が就任している。全員が国内や世界の大会で高い成績を残しているプレイヤーであり,なおかつこれまでも社会人とプレイヤーとしての活動を両立させていた人物である。
チーム発足にあたりオリジナルのユニフォームも完成しているが,今年秋には新たに,アパレルブランド「ナノ・ユニバース」とコラボした新ユニフォームが制作されることも発表となった。ジャケットスタイルの「ダメリーノ」をベースとした同社プロデュースのユニフォームで,ロゴやキーカラーがデザインされる予定となっている。各社とのコラボによるチームのグッズ展開なども,今後の視野に入れていると渡辺氏は述べている。
そしてチームで扱う第2弾タイトルが「Apex Legends」(PC / PS4 / Xbox One / Nintendo Switch)だということも明らかにされた。こちらは現在3名の選手を募集中で,詳細は公式サイトや公式サイトで発表予定とのことだ。
会見では所属の井上選手と森山選手のトークコーナーも設けられた。ともに小学生の頃からカードゲームに勤しんでいたが,森山選手が「マジック:ザ・ギャザリング」を始めたのは約3年前とのことで,約1年のキャリアで日本選手権の優勝を果たし,その実力には井上選手も大いに驚かされたそうだ。森山選手もこの優勝を期に,プロ選手を目指すことを意識したという。
井上選手は元SE,森山選手は元銀行員という社会人経歴を持っていて,練習をする時間が限られ,体力的にもしんどいところがあったそうだ。しかし,チームに所属した現在は,午前中から15時までが業務,以降19時までが練習という1日のスケジュールが組まれていて,プレイヤーとしての活動も充実しているようだ。
これからの活動に向けて井上選手は「実業団に所属するにあたって,ゲームプレイも仕事という意識を持って,これまで以上に結果を意識したい」と語る。一方,森山選手は「会社の看板を背負って活動させていただくので,結果はもちろんですが,立ち振る舞いなど,他の選手の模範になれるような存在でありたいと思っています」と語った。
「アカツキ」公式サイト
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