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マイクロソフトのライブ配信サービス「Mixer」が終了へ。コミュニティは提携先のFacebook Gamingに移行する方針
「奥谷海人のAccess Accepted第433回:Amazon.comが『Twitch』を買収したのはなぜか」(関連記事)に詳しいが,海外におけるゲーム実況の盛り上がりとともに,AmazonがTwitchを巨額買収したのが2014年8月のことだ。マイクロソフトは,これに倣って2016年8月にライブストリーミングのサービスを始めたばかりのスタートアップ企業「Beam」を買収し,2017年3月のアップデートでWindows 10に組み込むと共に,その5月には「Mixer」という名称で,ライブストリーミングにおける競合となるべくサービスを展開していた。
2019年8月には,「Fortnite」で瞬く間に1470万人のフォロワーと視聴総数4億8000万ビューを獲得し,ゲーム実況界の頂点に立っていたストリーマーのNinjaことリチャード・タイラー・ブレヴィンス(Richard Tyler Blevins)さんとの提携(移籍)に成功。また,その10月には「Counter-Strike: Global Offense」で絶大な人気を誇るshroudことマイケル・グルゼシエック(Michael Grzesiek)さんの移籍も成功させ,2020年後半から始まる「Halo Infinite」などXbox Series Xでのサービスでその影響力を発揮するはずだった。
もっとも,こうした人気ゲーム実況者やパートナー企業の加入で大きな変化があったとは言い難く,ストリーミング業界の動向をチェックするStreamElementsが2020年4月に公開した動向調査(リンク)によると,Mixerの1年間での視聴時間成長率はたったの0.2%に止まっている。新興のFacebook Gamingが238%,さらにTwitchも98%に成長していることを考慮すると,MixerはXbox Liveのヘビーユーザーのみにしかアピールできておらず,ほぼ1人負けの状態になっていたことが浮き彫りになっていたのだ。
スペンサー氏によると,「プレイしやすく,プレイしたくなるゲームを発見できる場」にフォーカスしたサービスがXbox Liveの未来のカギであるとしており,Xbox Series X時代はすでにFacebookと提携している「Project xCloud」を利用したサービスの向上を目指していくという。その一方で,低レイテンシーによるストリーミングに特化した技術開発を行って来た「Mixer」も,今後はマイクロソフト全体でそのテクノロジーが共有されていくとしている。
Access Accepted第433回:Amazon.comが「Twitch」を買収したのはなぜか
北米時間の2014年8月25日,ゲームプレイのライブ配信サイトである「Twitch」が,Amazon.comに約1000億円で買収されるというニュースが流れてきた。今やゲームのプロモーションに「Twitch」や「YouTube」のファンメイドムービーは欠かせない欧米ゲーム業界。今週は,そうした状況についてレポートしたい。
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- ライター:奥谷海人
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「Facebook Gaming」公式Webサイト
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