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“ゲームの世界初”を見てみよう。埼玉・SKIPシティで「あそぶ!ゲーム展 ステージ1:デジタルゲームの夜明け」が開催中
この企画展が特集しているのは,最初期のコンピュータゲームが誕生してからファミリーコンピュータが発売される直前までのゲーム黎明期だ。展示品の多くが稼動しており,実際にゲームをプレイできる状態となっている(一部はエミュレータで動作。故障や混雑状態などによってプレイできない場合もある)。
「あそぶ!ゲーム展 ステージ1:デジタルゲームの夜明け」紹介ページ
「Tennis for Two」
“世界初のコンピュータゲーム”のひとつとされる「Tennis for Two」。同年代のオシロスコープ上に再現されたものと,エミュレータで再現されたものが展示されており,後者はプレイ可能だ。
「Spacewar!」
“不特定多数の人に遊ばれた初のテレビゲーム”とされる「Spacewar!」。こちらはエミュレータ再現に加え,プラットフォームであるミニコンピュータ「PDP-1」のレプリカも展示されている。
「Computer Space」
“世界初のアーケードゲーム”である「Computer Space」。以前,長崎・ハウステンボスのゲームミュージアムで展示されていた際は非稼動状態だったが,今回はエミュレータで稼動状態が再現されている。
「PONG」
“世界初のヒットしたゲーム”として有名な「PONG」。同作を含む一部の展示物は,内部構造の解説図も展示されている。
「DEATH RACE」
「ハンドルとペダルで車を操作してターゲットを轢き殺す」というゲームシステムが物議を醸し,筐体の打ち壊しまで行われたという(そのため,現存する筐体は非常に貴重)「DEATH RACE」。“世界初の残虐表現を採用したゲーム”と言えるが,現代の視点から荒いドットで描かれたキャラクターがチョコチョコと動くモノクロ画面を見ると,ファンシーにすら感じられる。
「MAN EATER」
「MAN EATER」は,映画「ジョーズ」に影響されて開発されたタイトル。これ自体は便乗商品だが,“メディアミックスのはしり”と言えるかもしれない。サメの頭部を模した筐体は,ビデオゲームと言うよりエレメカに近いセンスを感じる。
「Space Fury」
表現上の利点から,1980年代までゲームに使用されていたベクタースキャン方式のディスプレイ。ベクタースキャンのゲームは多くがモノクロだが,セガ・エンタープライゼス(当時/米国法人)がリリースした「Space Fury」は,“世界初のカラーベクタースキャンディスプレイ搭載のアーケードゲーム”だ。
なお,“日本初のカラー液晶ディスプレイ搭載の携帯ゲーム機”のゲームギアをリリースしたのもセガ・エンタープライゼスで,“世界初のホログラフィックディスプレイを搭載したアーケードゲーム”の「Hologram Time Traveler」をリリースしたのも同社米国法人。いろいろと実験的なメーカーだ。
「スペースインベーダー」
「パックマン」
日本国内はもちろん欧米でも大ヒットして,2005年にはギネス・ワールド・レコーズから“最も成功した業務用ゲーム機”として認められた「パックマン」。こちらも「スペースインベーダー」同様に基板や仕様書など,貴重な資料が多数展示されている。
Brown Box
Odyssey
ゲーム&ウオッチ
今回の企画展では,1983年のファミリーコンピュータ発売から爆発的に普及した家庭用ゲームの取り扱いは控えめ。その中で展示されていたのが,“世界初の家庭用ゲーム機の試作品”である「Brown Box(レプリカ)」と“世界初の家庭用ゲーム機”である「Odyssey」,そして任天堂初の携帯ゲーム機である「ゲーム&ウオッチ」だ。
その他
貴重な品々を揃えてゲーム史上の重要なポイントを押さえた,非常に見応えのある今回の企画展。「ATARI GAME OVER」や「Video Games: The Movie」といったドキュメンタリ映像作品がリリースされ,「ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック」や「ピクセル」といったレトロゲームを題材にした映画が公開されるなど,“ゲームの歴史”がちょっとしたブームになっている近年。そういった作品からゲームの黎明期に興味を持った人は,SKIPシティまで足を運んでみてはいかがだろうか。
会期中には,ゲームデザイナー,ゲーム研究者,ゲーム好き著名人などを迎えた多数のイベントも行われるとのこと。現時点では,2016年1月23日にトークイベント“ゲームデザイナーの仕事”の実施が決定している。詳細については,SKIPシティ公式サイトにて確認してほしい。
なお,タイトル通り今回は“ステージ1”。ファミリーコンピュータ発売後から今日までの歴史は,今後の“ステージ2”および“ステージ3”で特集される予定だ。
最後に,企画展のディレクションを担当したデジタルSKIPステーションの澤柳英行氏からメッセージをいただいたので,以下に紹介する。
映像コンテンツとしての「デジタルゲーム」の進化の歴史を辿ると同時に,会場のゲーム機を来場者自身がプレイすることによって,その時代性や先進性を体感していただくこと意図し,この展覧会を企画いたしました。
この機会を逃すと,いつプレイできるか分からない,デジタルゲーム黎明期の重要アーケードゲーム機の数々がプレイアブルな状態で展示してあります。是非ご自身でプレイして,その時代の雰囲気や開発者の思いなどを感じていただければと思います。
「あそぶ!ゲーム展 ステージ1:デジタルゲームの夜明け」紹介ページ
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