業界動向
ゲーム事業は成長の牽引役に。ソニーが2016年度の経営方針説明会を開催
ソニーの本業である家電事業は,営業利益および純利益の改善が続いており,とくにPlayStation 4(以下,PS4)を軸としたゲーム&ネットワークサービス分野は引き続き好調で,PS4の世界累計販売台数は4000万台を超えたことを,あらためて発表している(関連記事)。
「利益の創出と成長への投資」をテーマとして掲げた2015〜2017年度の中期経営計画では,規模,つまり市場シェアを追わずに収益性を重視した経営に集中することで利益の改善を目指したことにより,ソニーの連結営業利益は,2014年度の685億円から2015年度に2942億円と大幅な改善を達成した。
現在進行中の2016年度も,連結営業利益は3000億円を予想しているほか,2017年度は,同社としては20年ぶりとなる5000億円以上の連結営業利益を予想するなど,強気の見通しを示している。
好調の立役者であるゲーム&ネットワークサービス分野は,プレスリリースにて「ソニーの成長を牽引する最大のドライバー」と非常に高い評価が付けられているのがポイントだ。PS4本体と対応ゲームが好調であるだけでなく,定額制ネットワークサービス「PlayStation Plus」も,2015年度には売り上げが前年度比で50%以上拡大するなど成長を続けているとのこと。2016年10月には仮想現実対応型ヘッドマウントディスプレイ「PlayStation VR」を発売することによって,さらなる利益の拡大を目指しているという。ただ,PlayStation VRの具体的な販売見込みは示していない。
一方,ゲームと並んで成長を牽引していたデバイス分野は,スマートフォンの成長鈍化によって主力製品であったイメージセンサーの売り上げが減速しており,2016年度は下方修正,2017年度も減速が避けられないと厳しい見方を示している。そのためイメージセンサーは,スマートフォン以外の機器,監視カメラやドローン,車載機器といった用途の拡大で成長を目指していくとのことだ。
一方,新規の事業としては,コンシューマー向けロボットの事業化が上げられている。ソニーでロボットといえば,犬型ペットロボットとして名高い「AIBO」(アイボ)を思い出す人もいるだろう。プレスリリースでは,「お客様と心のつながりを持ち,育てる喜び,愛情の対象になり得るようなロボット」の開発を行っているとあり,まさにAIBOの再来といった印象を受ける。
開発中の新しいロボットがどのような製品になるのか,今から楽しみだ。
ソニーの投資家情報ページ
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