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Samsung,次世代GPU用DRAM「HBM2」の生産開始を発表。メモリ容量は1スタックで4GB,容量8GBも年内に
2016年登場予定であるNVIDIAの次世代GPU「Pascal」や,AMDの次世代GPUアーキテクチャ「Polaris」でも採用予定といわれるHBM2 DRAMの概要を簡単にレポートしよう。
SamsungのHBM2 DRAMは,20nmプロセスで製造され,「Buffer Die」と呼ばれる土台の上に,容量1GB(=8Gbit)の半導体ダイを4枚重ねる構造を採用しているという。そのため,1スタックでのメモリ容量は4GBとなる。メモリエラー回避機能の「ECC」(Error Correcting Code)にも対応しているとのことだ。
HBM1 DRAMを採用しているAMD製GPUであるRadeon R9 Furyシリーズの場合,4GBのグラフィックスメモリ容量を実現するために,メモリ容量1GBのDRAMスタックを4つ使っていた(関連記事)。つまり,SamsungのHBM2 DRAMを使えば,1つのDRAMスタックで同容量を実現できるわけだ。
NVIDIAはPascalのメモリ帯域幅が,1TB/sに達することを明らかにしているので,容量4GBのHBM2 DRAMを4スタック分,=16GBを搭載する計算になる。
さらにSamsungでは,2016年中にメモリ容量8GBのHBM2 DRAMを生産することも予告しており,この8GB HBM2 DRAMをグラフィックスカードに使うことで,GDDR5 DRAMに比べて(おそらくはメモリ関連の基板面積を)95%以上の省スペース化を実現できると,Samsungでは主張している。
HBM2 DRAMが生産に入ったということは,PascalやPolarisといった次世代GPU実現の鍵となる重要なコンポーネントの準備が整いつつあることを示しており,次世代GPU搭載グラフィックスカードが登場する日が,また一歩近づいたといえるだろう。
Samsungによる当該プレスリリース(英語)
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