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もう差し込むときに迷わない!? 上下対称形状の新端子「USB Type-C」規格化が完了
USB Type-Cのコネクタ側(左,赤丸内)と対応ケーブルのプラグ部分(右,赤丸内)をイメージした画像。画像のプラグはUSB 3.1用をイメージしたものだが,外観はUSB 3.0用やUSB 2.0用のUSB Type-Cと変わらない |
USB Type-Cでは,USB 2.0用とUSB 3.0用のコネクタおよびプラグが規格化されているほか,近い将来登場するUSB 3.1との互換性も確保されている。対応製品の登場時期には言及されていないが,規格化が完了したことによって,メーカー各社は対応製品の開発に向けた取り組みを開始しているはずだ。そう遠くない将来に,製品も登場するだろう。
今後のUSB端子はMicroサイズが標準に?
USB 3.0 Promoter Groupが公開した資料によると,USB Type-Cには上下対称形状以外にも,以下のような特徴がある。
- コネクタ側のサイズは8.4×2.6mm
- 1万回以上の抜き差しに耐える
- コネクタは5A,ケーブルは3Aの電力供給に耐える
- 既存のUSB規格との互換性
- 将来的には転送速度10Gbpsを可能とするUSB 3.1にも対応
ちなみに,目にしたことのない人も少なくないだろうが,USB 3.0 Micro-Bのコネクタは,USB 2.0 Micro-Bの横に追加のコネクタを並べるという形状であったため,横幅が実測で13mm弱と大きく,小さな機器では実装しにくい問題があった。USB Type-Cではそういう問題は起こらないので,機器メーカーも採用しやすくなるのではないだろうか。
USB 3.0 Type-Cのプラグ(左)とピン配置(右) | |
USB 2.0 Type-Cのプラグ(左)とピン配置(右)。形状は同じだが,ピンの数がUSB 3.0とは異なるのが分かる |
既存のUSB Micro-Bとは形状が異なるので,USB Micro-BのケーブルをUSB Type-Cのコネクタに差し込んだり,その逆をしたりすることは当然できない。
となると「じゃあ今までのUSB機器は使えないのか?」という疑問を持つかもしれないが,ちゃんと既存のケーブルとつなけるためのアダプターも作れるようになっている。だから,アダプタ経由にはなるものの,USB Micro-BプラグやフルサイズのUSB Type-Aプラグを,USB Type-Cに変換して接続することは可能だ。
USB Type-AプラグをUSB Type-Cに変換するアダプタのイメージ |
USB 2.0 Micro-BプラグをUSB Type-Cに変換するアダプタのイメージ |
既存の規格と互換性があり,サイズが小さくて上下の向きを気にせず使え,そのうえ将来の規格でも利用可能など,USB Type-Cはいいことづくめの有望な規格であるように思える。小さなプラグに多数のピンを並べる必要があるため,登場当初は実装コストが多少上がるかもしれないというのが懸念点ではあるが,対応機器が増えれば,大した問題ではなくなるだろう。
遠くない将来には,スマートフォンやタブレット端末,PCと,USB対応周辺機器はUSB Type-Cでつなぐという時代がやってきそうだ。
USB Implementers Forum 公式Webサイト(英語)
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