お気に入りタイトル/ワード

タイトル/ワード名

最近記事を読んだタイトル/ワード

タイトル/ワード名

LINEで4Gamerアカウントを登録
「AIは創作と演算の革命」。誰もが同じ道具を手にした今,問われるのはユーザーへの理解だ。CEOが語ったNDC26のオープニングトークをレポート[NDC26]
特集記事一覧
注目のレビュー
注目のインタビュー

メディアパートナー

印刷2026/06/16 13:41

イベント

「AIは創作と演算の革命」。誰もが同じ道具を手にした今,問われるのはユーザーへの理解だ。CEOが語ったNDC26のオープニングトークをレポート[NDC26]

 NEXON Koreaは,カンファレンスイベント「Nexon Developers Conference 26(NDC26)」を,2026年6月16日から18日までの3日間,韓国・板橋(パンギョ)のネクソン本社および周辺施設で開催している。

画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / 「AIは創作と演算の革命」。誰もが同じ道具を手にした今,問われるのはユーザーへの理解だ。CEOが語ったNDC26のオープニングトークをレポート[NDC26]

 NDCは,さまざまな経験を分かち合い,楽しみ,ともに成長するために設けられたイベントだ。2007年に小規模な社内行事として出発し,19回目を迎えた今年は,AIを含む合計9つのトラックで構成。一般セッションに加え,複数の登壇者が語り合う対談セッションも幅広く用意されている。

画像ギャラリー No.003のサムネイル画像 / 「AIは創作と演算の革命」。誰もが同じ道具を手にした今,問われるのはユーザーへの理解だ。CEOが語ったNDC26のオープニングトークをレポート[NDC26]
 開会の歓迎の辞に登壇したのは,ネクソンCEOのイ・ジョンホン氏。氏はまず,2007年に小規模な社内行事として出発したNDCが,数多くの悩みと学びをやり取りしながら,19年目を迎えたいま,韓国のゲーム産業を代表する知識共有カンファレンスとして定着したと振り返った。成功談の裏に隠された,激しい思考のプロセスや試行錯誤までも率直に語る。その率直さの積み重ねが,今日のNDCをかたちづくってきたのだという。

 続けてイ氏は,AIという巨大な潮流がゲーム産業にも多くの問いを投げかけていると切り出す。会場には年齢を重ねた参加者もいるだろうが,そうした人々のなかには,90年代初頭のインターネット普及にともなう“革命”の過程を,直接体験してきた世代もいるはずだ。すでに多くの人が,AIへの転換を,インターネット革命,あるいは産業革命にまでなぞらえている。AIは,もはや拒むことのできない確定的な変化の流れであり,「創作と演算の革命」なのだとイ氏は語る。

画像ギャラリー No.001のサムネイル画像 / 「AIは創作と演算の革命」。誰もが同じ道具を手にした今,問われるのはユーザーへの理解だ。CEOが語ったNDC26のオープニングトークをレポート[NDC26]

 その意味は,ゲーム産業にとっても大きい。経験が豊富で熟練した経歴者が,これまでやってみたくてもできなかったことを,より手軽に実現できるようになった。同じように,経験はないが「やってみたいこと」が多い新人にとっても,実装を容易にする道具が等しく与えられる。
 そして,その実装ツールの発達速度は,途方もなく速いだろうとイ氏。それに比例して,創作コンテンツを楽しむ消費者の好みや目線はさらに高くなり,より細分化されていく。結果として,私たちが手がけるコンテンツには,これまで以上に深い完成度と多様性が求められるようになるという。

 ここでイ氏が強調したのが,2つめのポイントだ。誰もが同じ道具を手にした時点で,差を生み出すのは結局,「何を作るのか」という見識と判断であり,その見識はユーザーへの深い理解と共感から生まれる,というのである。
 結局は,ユーザーなのだ。ユーザーが何に熱狂し,どんな瞬間に物足りなさを感じるのか。そして,自分たちの作った世界に,どれだけの時間を費やす価値を感じてくれるのか。それこそが,新しい技術で何を作るのかを決めるうえで,もっとも重要な基準になるべきだとイ氏は説く。
 だからこそ,いまこの時点でNDCの多くの発表者が伝えるメッセージは,その価値をいっそう高めている。NDCの核心は,実務で直接積み上げた経験と知識の交流にある。技術が変わる速度が速いほど,互いの領域を理解し,現場の話を交わすプロセスが持つ重みと価値は,むしろ大きくなっていくというわけだ。

画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / 「AIは創作と演算の革命」。誰もが同じ道具を手にした今,問われるのはユーザーへの理解だ。CEOが語ったNDC26のオープニングトークをレポート[NDC26]
 NDCは,ネクソンが30年を超える長い時間をかけてライブサービスを高度化しながら向き合ってきた問いと,その答えを探してきた過程を,外部に包み隠さず紹介する場でもある。新規開発タイトルの制作過程をはじめ,ライブサービス全般を取り巻く開発環境やインフラ,運営,マーケティング,さらには巨大なユーザーコミュニティを運営するなかで培ってきた経験と洞察を,複数のセッションを通じて分かち合いたい,とイ氏は述べた。

 今年はAIを含む9分野で,合計51のセッションが用意された。なかでも,「ARC Raiders」で近ごろ注目を集めるEmbark Studiosの主要開発陣も,ゲーム開発の経験談の共有に自ら名乗りを上げたという。同スタジオがゲーム開発に取り入れている機械学習やデータ分析,アート制作の手法まで,ほかではなかなか聞けない話に出会えるとのことだ。

画像ギャラリー No.004のサムネイル画像 / 「AIは創作と演算の革命」。誰もが同じ道具を手にした今,問われるのはユーザーへの理解だ。CEOが語ったNDC26のオープニングトークをレポート[NDC26]

 とくに今年は,各分野の専門家が一つのテーマをめぐって語り合う対談形式のパネルトークセッションに,かなり力を入れて準備したという。ネクソン社内の人材だけでなく,ゲーム企画やプロダクション,人工知能(AI)など分野ごとに著名な登壇者が集い,それぞれの専門知識をもとに,異なる予測や視点を交わす。その過程から,参加者に新たなインサイトを得ていってほしいとイ氏は語る。
 このほかにも,「ブルーアーカイブ」「マビノギモバイル」「The First Descendant」など,さまざまなプロジェクトから,生きた経験とノウハウが共有される。

 ほかのプロジェクトでは何を試みているのか,そこからどんな教訓を得たのか,そしてその道のりから自分が得られるものは何か。今回のNDCが,こうした問いの答えを探っていく意義深い時間になることを願っている。
 私たちが作るゲームが,誰かの日常にとってどれほど特別な瞬間になりうるのか。その感覚をもう一度感じ取る時間になってほしい。NDCがその本質をともに見つめ直し,より深い思考へと進んでいくきっかけとなることを願う,として,イ氏は歓迎の辞を締めくくった。


  • 関連タイトル:

    展示会/見本市

  • この記事のURL:
4Gamer.net最新情報
プラットフォーム別新着記事
総合新着記事
企画記事
スペシャルコンテンツ
注目記事ランキング
集計:06月15日〜06月16日