インタビュー
[インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている
![]() |
新主人公のグレースはリソースを管理しつつ慎重に立ち回り,シリーズの顔であるレオンは高い戦闘力で感染者に立ち向かう……というメリハリが効いたプレイも,最新のプレビュービルドで体験できた。このプレビュービルドを踏まえた合同インタビューがディレクターの中西晃史氏に対して実施された,その模様をお伝えしていこう。
「バイオハザード レクイエム」最新プレビュー。怯えるグレースと百戦錬磨のレオン――恐怖と戦闘がコントラストを描く“懐かしくも新しいバイオ”
2026年2月27日に発売を予定している「バイオハザード レクイエム」の最新プレビュービルドのプレイレポートをお届けする。今回は,怯えるグレースと百戦錬磨のレオンという対照的ともいえる2人のパートを体験できた。そこで感じ取れたのは,“懐かしくも新しいバイオハザード体験”だ。
![]() |
――よろしくお願いします。プレビュービルドでのプレイ中,感染者の行動が別の感染者に影響する相互作用的なところもあり,トロフィーも用意されていたのが印象的でした。
中西晃史氏(以下,中西氏):
我々は感染者どうしの相互作用を「シナジー」と呼んでいて,さまざまなシナジーにできるだけ対応したいと考えています。開発中は感染者のシナジーでカオスになり過ぎたため,一部抑えたようなところもあったくらいです。
![]() |
――感染者のそれぞれが生前の執着を引き継いでいるということでしたが,感染者の1体1体に対して,どんな行動をさせるかを設定していったというかたちなのでしょうか。
中西氏:
そのとおりです。「感染者の全員に個性があると楽しいんじゃないか」というアイデアのもとで開発を進め,ホラーゲームのパニック状態で処理できる情報量の限界も踏まえて,ゲーム体験に落とし込んでいきました。
いつもどおりの感染者だと,何をしてくるかが分かってしまいます。そこで「いかにプレイヤーさんの予想外のことをさせるか」「新しい感染者が出るたびに,こいつは何者なのかと想像する余地を作ろう」というコンセプトで感染者を変化させていきました。開発スタッフもパッションを持って制作していますので,プレイごとの発見をぜひ楽しんでください。
――感染者の行動を作るうえでの苦労話などはありますか?
中西氏:
感染者どうしが相互作用すると,我々が想定していなかったようなシナジーが起こることもあったため,調整に時間を掛けました。感染者に特徴を付けたのは恐怖を演出するためですが,恐怖と笑いは紙一重ですから,どうしても面白さが出てきてしまう部分については覚悟のうえで開発を進めています。ちょっとセリフ回しが違うだけで面白さが増してしまうところもあるため,見た目や動き,ボイスまでさまざまな角度から調整を施しました。
――先ほど「感染者の反応を一部抑えるようなこともあった」というお話がありました。どのような基準で調整したのでしょう?
中西氏:
ケースにもよりますが,どういった体験をしていただきたいかを考え,不要なものは引き算をし,足りないところは伸ばしていくということで調整を加えました。
![]() |
――バージョンによる表現の違いはあるのでしょうか?
中西氏:
「バイオハザード RE:4」から通常版とZ指定版でバージョンを分けることはしておらず,「バイオハザード レクイエム」もCEROのZ指定のみです。また,日本版の「バイオハザード ショーケース」で流した映像も同じCEROのZ指定版となっています。我々はショックやレオンに迫る危機というものを表現したいと考えていて,グロテスクなものを作りたいから制作しているわけではありません。
![]() |
――今回はグレースとレオン,2人の主人公でプレイフィールが大きく異なります。主人公を2人にした理由を教えてください。
中西氏:
当初は「プレイフィールが異なる2つのパートを作ったとしても,プレイヤーさんが集中できないのではないか」という不安があったのは確かです。しかし実際に作ってみると,今までになかった体験であることが分かり,それぞれの体験に特化したダブル主人公制となりました。
今回のプレビュービルドでは,グレースパートがレオンパートより長かったですが,長短を逆にすることでも違った味が出ます。プレイヤーさんが油断できないよう,飽きず楽しめるよう作っていきました。
![]() |
![]() |
――2人の差別化はどのように進めたのでしょう?
中西氏:
グレースパートは,敵を全部倒すことが前提ではない,いわば「オールドバイオスタイル」です。倒すのか? 感染者の特徴を利用してやり過ごすのか? 倒すにしても,銃を使うか? ナイフにするか? 大ダメージを与えられる消費アイテム「破血アンプル」を使うか? といったように,戦略を組み立てることがコアになっています。
ですので,体術にしてもダメージを与えるようなものというよりは,逃げたり,狙い撃つのに役立つよう,感染者との距離を離すものにしました。逆に,レオンは複数体の感染者に遭遇した際,誰を先に倒すかを判断したうえで,相手を怯ませるようなものになっていますね。
――レオンに関するこだわりや,トマホーク(手斧)を持たせた理由について教えてください。
中西氏:
レオンは「バイオハザード RE:4」のアクションで好評だった部分を引き継ぐところからスタートし,「20年ほどの時間が経過した,2026年のレオンを掘り下げよう」というテーマが決まりました。
レオンは戦い続けていますが,その過程では犠牲も出ていますし,世界が平和になったわけでもありません。そんな年月を過ごしていれば「自分のやってきたことにどんな意味があるのか」と少し疲れて厭世的になってくるだろう……ということで,ああした鬼気迫る感じのレオンになっています。そして,トマホークを持たせたのは,背負った重さの象徴です。
とはいえ,今回のミッションについても,救える人は救いたいのがレオンですから前向きに挑んでいきます。このあたりは昔から変わっていないところですね。そんなレオンが自分のルーツともいえるラクーンシティに帰るわけです。我々からすると,大人になってから小学校を訪れるようなもので,思うところがあるんじゃないでしょうか。
――ゲームとゲームのあいだの話を「バイオハザード リベレーションズ」の新作のような形で出すような予定はありますか?
中西氏:
バイオハザードユニバースの人たちがどうしていたかは,ある程度考えていますから,もしもチャンスがあれば面白いんじゃないかとは思います。
――本作のレオンのビジュアルが発表された際,コンセプトである「イケオジ」がそのままローマ字になってネットミーム的に盛り上がったようなこともありました。ユーザーの反応は狙いどおりだったのでしょうか?
中西氏:
レオンのビジュアルには時間をかけました。弊社の中にも女性のレオンファンがいて,首のしわひとつに突っ込みが入るような状態でしたね。そうした甲斐あり,海外の女性ファンの皆さんから「カプコンの女性メンバー,グッジョブ!」というお声をいただくこともありました。
![]() |
――過去作のレオンは「ベリィ・トゥ・ベリィ」や「ネックブリーカードロップ」といったプロレス技を使っていましたが,今回はどうなのでしょう?
中西氏:
敵に対してレオンが強すぎても緊張感が弱まってしまいますから,プロレス技は使いません。油断すると倒されてしまうような戦いをギリギリで切り抜ける感覚を表現したいですし,同時にうまくいった爽快感を出したい……ということで現在の技となりました。あとは体術を選ぶうえでは「イケオジが使いそうな技」という視点も重要になっています。
![]() |
――レオンパートを作るうえで苦労した点はありましたか?
中西氏:
シリーズも30年になりますから,レオン像にしても皆さんそれぞれの解釈が存在しています。そのうえで,皆さんが納得できるようなレオンになるよう作り上げていきました。
――本作に登場するクリーチャーについて聞かせてください。
中西氏:
ウイルスの変異という考え方をもとにしているのが今回のクリーチャーです。序盤に登場するものは人間ベースが中心になっていますが,ゲームを進めていくとそれ以外のクリーチャーもいろいろと出てきます。“ザ・バイオハザード”とでもいうべきものを目指していますね。
![]() |
![]() |
――グレースパートでは自身を強化していく要素もありました。強化を進めれば,グレースもレオンのような強さを手に入れられるのでしょうか?
中西氏:
リソースを全振りしても,急にレオンのようになれるわけではありません。グレースなりの全振りになります。
――がんばって生き延びるという,グレースのコンセプトは変わらないと。
中西氏:
そのとおりです。感染者の血液を使ったクラフトや破血アンプルといった要素も出てきますが,生き残るための手段が増えるというニュアンスになります。
![]() |
――試遊のグレースパートではインベントリがいっぱいになることが多かったです。製品版で初めて触れるプレイヤーに向けて,何かアドバイスはありますか?
中西氏:
最近のシリーズに慣れている方だと,アイテムボックスにアイテムを預けるという発想が出てこない場合があります。ですから,アドバイスとしては「アイテムボックスを使うこと」「持っていくアイテムを選ぶこと」でしょうか。慣れてくると「今から行く場所には敵がいるから回復を持っていこう」「あらかた敵を倒した場所なので,回復は要らないな」といった判断ができるようになり,こうした部分も面白みになります。また,インベントリを拡張すれば,アイテム管理もそこまでシビアではなくなります。
――グレースが集めたアイテムを,アイテムボックスを介してレオンに渡すようなことはできるのでしょうか?
中西氏:
そうしたアイデアがあったのは確かです。ただ,複雑になり過ぎてしまったため,アイテムのやり取りはできないようにしています。また,「バイオハザード」は情報量が多いうえ,プレイヤーさんが恐怖でパニックを起こされます。パニックに陥ると,文字を読めなかったり,敵が目に入らなかったりしてしまいますから,情報量を絞る必要もあります。アイテムのやり取りをできないようにしたのは,こうした調整の一環としての側面もあります。
![]() |
――グレースとレオンのどちらも一人称と三人称視点を選べます。例えば一人称視点だと画面外の敵が攻撃してこなくなるなど,視点ごとに異なる調整がされているのでしょうか?
中西氏:
プレイヤーさんの好みでどちらを選んでいただいても,同じように「バイオハザード レクイエム」を味わっていただけます。ただし,体験を損なわないよう,部分的に調整を施しているところはあります。
![]() |
![]() |
――一人称視点でキャラクターを表現するために苦労した点があれば教えてください。
中西氏:
同じ一人称視点でも,グレースだと銃を構えるときに手が震えていたり,レオンなら体術が見えるように画面を引いたり……と,それぞれのキャラクター性が伝わるように細かな調整をしています。このあたりにも,開発スタッフのこだわりが出ています。
![]() |
![]() |
――エンドコンテンツ的なものがあるかどうか教えてください。
中西氏:
これまでのシリーズ作品と同様,一周を終えたあとのやり込み,長く遊べるような仕組みは用意しています。
――本日はありがとうございました。
- 関連タイトル:
バイオハザード レクイエム
- 関連タイトル:
バイオハザード レクイエム
- 関連タイトル:
バイオハザード レクイエム
- 関連タイトル:
バイオハザード レクイエム
- この記事のURL:
キーワード
- PC:バイオハザード レクイエム
- PC
- アクション
- アドベンチャー
- カプコン
- ホラー/オカルト
- Nintendo Switch 2:バイオハザード レクイエム
- Nintendo Switch 2
- PS5:バイオハザード レクイエム
- PS5
- Xbox Series X|S:バイオハザード レクイエム
- Xbox Series X|S
- インタビュー
- ライター:箭本進一
(C)CAPCOM
(C)CAPCOM
















![画像ギャラリー No.018のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/018.jpg)


![画像ギャラリー No.002のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/002.jpg)
![画像ギャラリー No.003のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/003.jpg)
![画像ギャラリー No.004のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/004.jpg)
![画像ギャラリー No.005のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/005.jpg)
![画像ギャラリー No.006のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/006.jpg)
![画像ギャラリー No.007のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/007.jpg)
![画像ギャラリー No.008のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/008.jpg)
![画像ギャラリー No.009のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/009.jpg)
![画像ギャラリー No.010のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/010.jpg)
![画像ギャラリー No.011のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/011.jpg)
![画像ギャラリー No.012のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/012.jpg)
![画像ギャラリー No.013のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/013.jpg)
![画像ギャラリー No.014のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/014.jpg)
![画像ギャラリー No.015のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/015.jpg)
![画像ギャラリー No.016のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/016.jpg)
![画像ギャラリー No.017のサムネイル画像 / [インタビュー]「バイオハザード レクイエム」では,感染者が相互作用するシナジーや2人の主人公のプレイフィールの違いなど,こだわりを持って開発を進めている](/games/917/G091773/20260126055/TN/017.jpg)