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「Microsoft Flight Simulator」はさらに進化する。部門トップのヨーグ・ニューマン氏にローンチから現在まで,そして今後の展開を聞いた
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印刷2021/01/20 14:00

インタビュー

「Microsoft Flight Simulator」はさらに進化する。部門トップのヨーグ・ニューマン氏にローンチから現在まで,そして今後の展開を聞いた

画像集#002のサムネイル/「Microsoft Flight Simulator」はさらに進化する。部門トップのヨーグ・ニューマン氏にローンチから現在まで,そして今後の展開を聞いた
 2020年8月にMicrosoftからリリースされた「Microsoft Flight Simulator」は,同社の「Bing Maps」などで活用されている膨大な衛星写真のデータによって,地球をまるごと生成しているフライトシムだ。
 約3万7000という世界中の民間空港を表示するだけでなく,約1億1700万の湖や池,約2兆本の樹木までも再現。しかも,地形データは定期的にクラウドサーバー側でアップデートされるので,3日周期で地球が作り直されている。さらに気温や湿度,風向きといった気象データをリアルタイムで取り込み,雲や雨,太陽の色までもシミュレートしている。

ヨーグ・ニューマン氏(Head of Microsoft Flight Simulator)
画像集#001のサムネイル/「Microsoft Flight Simulator」はさらに進化する。部門トップのヨーグ・ニューマン氏にローンチから現在まで,そして今後の展開を聞いた
 4Gamerでは2021年1月13日,Microsoftのフライトシム部門を率いるヨーグ・ニューマン(Jorg Neumann)氏にオンラインインタビューを実施し,2月中のアップデートにて日本語対応を予定していることをお伝えした(関連記事)。後日,別の担当者から「2月または3月の予定」であることが伝えられたのだが,メニューやUIが日本語になるのであれば,日本のフライトシムファンにとって,よりプレイしやすくなるだろう。

 Microsoft Flight Simulatorでは,2020年9月の東京ゲームショウ2020 オンラインに合わせて「World Update I: Japan」が実装された。高解像度のフォトグラメトリックデータにより,6都市(仙台,東京,宇都宮,横浜,高松,徳島)と6空港(釧路空港,八丈島空港,長崎空港,諏訪之瀬島空港,慶良間空港,下地島空港)が再構築されているだけでなく,さらに富士山や厳島神社といった20種類のランドマークも手作りで制作されている。
 その後,同年11月の「World Update 2: USA」を経て,今年1月26日には第3弾となる「World Update 3: UK」が実装予定だ。

画像集#003のサムネイル/「Microsoft Flight Simulator」はさらに進化する。部門トップのヨーグ・ニューマン氏にローンチから現在まで,そして今後の展開を聞いた

 また,昨年末にはVRモードの正式サポートが開始。今年に入ってからは,天候表現に雪や氷のシミュレーションが追加されている。今後はXboxプラットフォームへの対応も予定されており,実質的な開発を担うAsobo Studioとの二人三脚によって,非常に速いペースでアップデートが続いている。
 今回はこのような経緯を踏まえつつ,ローンチから現在まで,そして今後の展開について,ニューマン氏に話を伺っているのでお伝えしたい。

「Microsoft Flight Simulator」公式サイト



Microsoft Flight Simulatorはさらに進化する


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 昨年末,Microsoft Flight Simulatorのデータがインフォグラフィックスとして公開されました。「200万人以上のパイロット数」というのは,それだけの販売本数だったということですよね。

ニューマン氏:
 ええ。世界中の多くの人に愛されていることに,とても安堵しています。

画像集#004のサムネイル/「Microsoft Flight Simulator」はさらに進化する。部門トップのヨーグ・ニューマン氏にローンチから現在まで,そして今後の展開を聞いた

4Gamer:
 興味深い情報ばかりですが,「最もプレイヤーが訪れている空港」がユニークですね。ジョン・F・ケネディ国際空港(KJFK),ロサンゼルス国際空港(KLAX),そしてヒースロー空港(EGLL)はいずれもメジャーな空港です。ただ,ヒースロー空港は「Premium Deluxe Edition」のみ,高精細モデルが収録されています。

ニューマン氏:
 そうですね。パイロットの皆さんは「高精細モデルであるか」ではなく,どこかに旅行する際のハブとして空港に訪れることが多いのでしょう。熱心なパイロットであればあるほど,同じ経路を毎日フライトしていて,ニューヨークからロスまで,ニューヨークからヒースローまでを飛んでいる人が非常に多いということです。

4Gamer:
 そんなことまでデータから分かるんですね。

ニューマン氏:
 こうしたデータは,ゲームを改良するうえでも非常に役に立ちます。例えば,大型機では離陸までの工程や確認作業が多いため,滑走路を飛び立つ前に止めてしまう人が多かったんです。そのため,チュートリアルでプロセスを分かりやすくするといった調整を行い,ストレスを感じることなく楽しんでもらえるようにしました。

4Gamer:
 人気の空港にプレイヤーが集中するとはいえ,同じ空港ばかり利用しているのはもったいない気がします。

ニューマン氏:
 ええ。だからこそ,「World Update」では特定の国のよく使われる国内線中心の空港や,僻地にあるような空港を選び,さまざまなチャレンジを用意しているんですよ。自分が知らなかった場所を訪れることも,Microsoft Flight Simulatorの魅力ですから。

画像集#005のサムネイル/「Microsoft Flight Simulator」はさらに進化する。部門トップのヨーグ・ニューマン氏にローンチから現在まで,そして今後の展開を聞いた

4Gamer:
 それでは,1月26日の実装が予定されている「World Update 3: UK」について教えてください。

ニューマン氏:
 「World Update 3: UK」ではイギリスの航空測量会社・Blueskyと契約して,ロンドンやリバプール,マンチェスターといった大都市だけでなく,かなりの広範囲を精密に再現することができました。今回,Blueskyから提供されているデータにはアイルランドも含まれていて,同様にアップデートが行われますので,正確には「UK & Ireland」と呼ぶべきかもしれません。
 世界中にはローカルで活動している測量会社がいっぱいありますが,うまく利用されていないケースが多いと思っています。Microsoft Flight Simulatorでは,そうした企業との提携を行い,良い関係を築けています。

4Gamer:
 World Updateの醍醐味である僻地の空港はいかがでしょう。

ニューマン氏:
 スコットランドにあるバッラ空港は面白いですよ。砂浜の一部を滑走路に利用しているのですが,満潮時には水没してしまいます。興味深いチャレンジを提供してくれるでしょう。

4Gamer:
 それは面白そうですが,つまり潮の満ち引きも表現しているということになりますね。

ニューマン氏:
 ええ。調べてみたところ,カナダには干満差が16メートルもある場所があるそうです。もちろん,空港はありませんが。

画像集#006のサムネイル/「Microsoft Flight Simulator」はさらに進化する。部門トップのヨーグ・ニューマン氏にローンチから現在まで,そして今後の展開を聞いた

4Gamer:
 徐々に「生きている地球」に近づきつつありますね。前回のアップデートでは積雪表現が見事でしたが,デアイサー(除氷車)のような陸上車両が登場する可能性はありますか。

ニューマン氏:
 車両ではありませんが,機体ごと入っていくハンガー形式の除氷装置というアイデアは出ています。以前からプレイヤーのフィードバックがありましたし,やはり冬場になると必要な機能ですからね。

4Gamer:
 なるほど。本当にプレイヤーの声をしっかりと汲み取っている,という印象があります。

ニューマン氏:
 これまで何十年にもわたって愛されているゲームですから,ファンベースの求めているものはさまざまあります。それらをできるだけ叶えていくべきだと思っています。

4Gamer:
 サードパ―ティによる有料DLCが相当数がリリースされています。ニューマンさんが気になっているものはありますか。

ニューマン氏:
 やはり機体やその内部の作り込みをしていただいているDLCですね。「空調を切った時,どのような音になっているのか」をシミュレートしているDLCもあるのですが,コアなプレイヤーならではのアイデアは本当に頼もしいです。

画像集#007のサムネイル/「Microsoft Flight Simulator」はさらに進化する。部門トップのヨーグ・ニューマン氏にローンチから現在まで,そして今後の展開を聞いた

4Gamer:
 公式ブログのポストによると,ファンのリクエストとして「Scenery Gateway System」に関する要望が多く寄せられているようですね。これはコミュニティがコンテンツを作成して,各自アップロードができる仕組みということでしょうか。

ニューマン氏:
 そのとおりです。まだ調査段階ではありますが,Microsoftのリソースを活用することで,例えばコンテンツの認証システムといった問題にも対処できる自信はあります。空港内の構造物や看板といったものあれば,実現は難しくはないでしょう。

4Gamer:
 「World Update 3: UK」以降の展開についてお聞きします。2022年にはファンのリクエストが多いヘリコプターの実装や,韓国をフィーチャーするアップデートが予定されていますね。

ニューマン氏:
 2022年のどの時期に韓国を扱うのかは計画中の段階ですが,以前,お話をしたようにWorld Updateは2か月ごとにリリースしていく予定です。まだ発表はしていませんが,2021年内のスケジュールは決まっていますので,UKから韓国までの間に何もないというわけではありません。
 また,今後の言語対応については,World Updateでフィーチャーする国や地域に合わせて開発を進めていく形を考えています。

4Gamer:
 そういえば,VRモードを試してみましたが,やはり臨場感が格別でした。ただ,非常に動作が重いことが気になりました。

ニューマン氏:
 そのような声は届いています。VR対応には専属チームを作り,フレームレートの改善に取り組んでいますので,今後はさらに良くなっていくはずです。

4Gamer:
 今回の日本語対応をはじめ,VRモードやWorld Updateの施策を見ると,昔からのファンだけでなく,新しいゲーマーにアピールしたり,新しい遊び方を提唱したりしていることが伝わってきます。今夏,Xboxプラットフォームにリリースされることになれば,さらに多くの新しいゲーマーがMicrosoft Flight Simulatorをプレイすることになりますね。

ニューマン氏:
 ええ。そのために,しっかりと準備と計画を進めていますので,Xboxユーザーにも楽しんでもらえるようになると確信しています。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。今後もいろいろな場所を飛んでみたいと思います。

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