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俺のコラボカフェ:Menu 035 今年は「装甲悪鬼村正」に出てくる,揚げ玉がバチバチ鳴るたぬきそばで年を越す
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印刷2021/12/25 12:00

連載

俺のコラボカフェ:Menu 035 今年は「装甲悪鬼村正」に出てくる,揚げ玉がバチバチ鳴るたぬきそばで年を越す

画像集#009のサムネイル/俺のコラボカフェ:Menu 035 今年は「装甲悪鬼村正」に出てくる,揚げ玉がバチバチ鳴るたぬきそばで年を越す

 4Gamerをご覧の皆様こんにちは。クッキングエンターテイナーの大西哲也です。様々なゲームをテーマにした料理をプロ料理人が本気で作って勝手に発表する「俺のコラボカフェ」です,今月もよろしくお願いいたします。

 2021年も終わりを迎えようとしていますね。思えば2021年は新型コロナウイルス感染症が猛威を振るい続ける中でも,オリンピックや東京ゲームショウも開催されるなど,明るいニュースもありました。未だ予断は許さない状況ながらも,2020年よりは少しだけ落ち着いて新年を迎えられそうな気がしています。

 さて,年末に食べる料理といえば,年越しそばですよね。私には,ゲームの中に登場するお蕎麦で忘れられないものが1つあります。それは「装甲悪鬼村正」に登場する「たぬきそば」です。作中では,こう語られています。

 最初にアレを食べたときは,少なからず衝撃を受けた。(中略)

 つゆの中で天かすがばちばちとはじけて踊っている,そんなたぬき蕎麦は俺もここでしか食べたことがない。単にはじけさせるだけなら簡単そうに思えるが。味との兼ね合いが難しいのかもしれない。この店のたぬきは生きの良い天かすと蕎麦との相性が抜群なのだった。


 なんでも,この店は主人公の湊斗景明が学生時代の修学旅行中に訪れたそう。悪友たちが安価なたぬきそばを頼んだ景明への当てつけのように,高額蕎麦を食べる中

 「転機は,俺の蕎麦が着た瞬間に訪れた。一目でわかった。全てが逆転したことは誰の目にも明らかだった」
 「店を出たとき,小長谷が呟いた。一番安いのを頼んだやつが一番うまいものを喰いやがった,と。その横で尾崎は店の場所を必死に覚えようとしていた。俺は勝者だった」


 と語られるほどなので,相当なものなのでしょう。たぬきそばは一般的にあまり注目されるメニューではないことも相まって,非常に興味をそそられる描写でした。

画像集#001のサムネイル/俺のコラボカフェ:Menu 035 今年は「装甲悪鬼村正」に出てくる,揚げ玉がバチバチ鳴るたぬきそばで年を越す
 このシーンに限らず,装甲悪鬼村正ではシナリオライターの奈良原一鉄氏の巧みな文章表現で語られる非常に重厚で,時にコミカルなストーリーが魅力です。戦闘シーンの緊張感と情景が思い浮かぶようなリアルな描写は,ニトロプラス作品の中でも随一だと感じています。
 PC用の18禁ゲームですので全年齢に対応版の登場を強く希望する次第です(できれば追加のシナリオなども)。

 そんなわけで「装甲悪鬼村正」をプレイしてから10年以上,いろいろな蕎麦屋に入るたびにたぬきそばを食べ続けています。この作品をプレイした同士に同じような人もいるのではないでしょうか。

 しかしながら100件前後食べ歩いても,「装甲悪鬼村正」で描写されるようなたぬきそばには出会えませんでした。
 専門家に聞いたところ,油がバチバチ鳴る=油が切れていない=つゆが油っぽくなり風味を損ねるのでやらないお店が多いのではないか,とのことでした。

 幻のまま終わってしまうのか……そう諦め掛けたときに閃いた1つのアイデアを昇華させ,ついに完成したレシピを今回は皆様にお伝えします。

 その方法とはなんと,市販の「インスタントカップ天ぷらそば」に手を加えて究極においしく調理することなのです。皆さんの家でもすぐにできます。というわけで,早速始めましょう。「鬼に逢うては鬼を斬る…仏に逢うては仏を斬る…ツルギの理,ここに在り」。


■材料
カップ天ぷらそば 1つ
かつおぶし ひとつかみ
水 カップに書いてある線の5mmくらい下までの量
サラダ油 大さじ1

(トッピング用)
刻みネギ 少々
かまぼこ 少々
ゆずの皮 少々

画像集#002のサムネイル/俺のコラボカフェ:Menu 035 今年は「装甲悪鬼村正」に出てくる,揚げ玉がバチバチ鳴るたぬきそばで年を越す


鍋に水とかつおぶしを入れて中火にかけ,沸騰したら弱火にし1分煮て出汁をとる
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かつおぶしを網や箸などで取り,再び沸騰させて麺を入れ3分茹でる
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フライパンにサラダ油大さじ1を引いて中火にかけ,天ぷらを両面1分ほど揚げ焼きにする
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粉末スープを入れ丼に戻し,トッピングを載せて完成
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実食


 アツアツの天ぷらを乗せるときには,期待通りにジュー!バチバチ!と音が鳴り楽しませてくれました(厳密にはたぬきそばではないですが)。


 しかも音だけではなく,サクサク感もかなりアップしています。正直,こんなにサクサクでおいしい天ぷらは食べたことがありません。
 出汁もインスタントとは到底思えない,新鮮な風味です。作り置きの出汁に,少しだけ素材を足すことで,出来たての風味を復活させるプロの手法を応用しました。
 さらに,麺をしっかりと茹でることにより食感が生蕎麦に近くなるのです。高温調理することでデンプン質の糊化が進むからではないかと思っています。
 仕上げに薬味を乗せることで,インスタント感は完全になくなり,本格的な蕎麦屋さんに迫るおいしさと言ってもいいでしょう。

画像集#007のサムネイル/俺のコラボカフェ:Menu 035 今年は「装甲悪鬼村正」に出てくる,揚げ玉がバチバチ鳴るたぬきそばで年を越す

 ここから様々なアレンジも楽しめそうですが,「冷やしたぬき」だけは作品中で「天かすを冷たい汁につけて食うなどという行為が人類に許されているはずもないだろう。アウストラロピテクスまで遡っても断じて有り得ない」と言われているのでやめておきましょう。

 今回のメニューはいかがでしたでしょうか? 実際に作った人は「#俺のコラボカフェ」「#COCOCORO」といったハッシュタグをつけてSNSに投稿してくれると嬉しいです。あわせて,感想や作ってほしいメニューなどの意見もどうぞ。今回のレシピは「COCOCOROチャンネル」でも動画を公開しますので,ぜひこちらもご覧ください。それでは、またお会いしましょう! 来年もよろしくお願いいたします。

■■大西哲也(クッキングエンターテイナー)■■
 あるときは,東京都,西調布にある「料理うまいBAR COCOCORO」のシェフ,またあるときは,「COCOCOROチャンネル」のYouTuber,しかしてその実体は……,料理を通じて多くの人を喜ばせたいと日々奮闘する,クッキングエンターテイナーだ! 大西氏は2021年は飲食店営業ができなかったが,そのかわりに2冊の料理本の執筆,調理器具や調味料の開発,販売,資格取得などの活動に精力的に取り組めた1年だったそう。2022年はお店の営業を再開しつつ,新しい取り組みもしていくとのことなので,いろいろと期待できそうです。


※次回の掲載は2022年1月22日を予定しています
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