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「MONSTER HUNTER: WORLD」のサウンドを最高級ホームシアターで体験。ヤマハ主催「素晴らしき“ゲーム×シアター”の世界」をレポート
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印刷2020/01/22 12:00

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「MONSTER HUNTER: WORLD」のサウンドを最高級ホームシアターで体験。ヤマハ主催「素晴らしき“ゲーム×シアター”の世界」をレポート

 ヤマハミュージックジャパン 会員事務局は2020年1月17日,ヤマハミュージックメンバーズ会員限定イベント「素晴らしき“ゲーム×シアター”の世界」を,東京・ヤマハ銀座スタジオにて開催した。
 このイベントは,「MONSTER HUNTER: WORLD」PS4 / PC)の超大型拡張コンテンツ「ICEBORNE」のサウンドを最高級ホームシアターで体験するというもの。会場では,オーディオ&ビジュアルライターの逆木 一氏と,カプコン サウンドプロダクション室 サウンドディレクターの黒岩若菜氏および細井秀基氏が,トークセッションやデモプレイを行った。

画像集#002のサムネイル/「MONSTER HUNTER: WORLD」のサウンドを最高級ホームシアターで体験。ヤマハ主催「素晴らしき“ゲーム×シアター”の世界」をレポート

左から黒岩若菜氏,細井秀基氏,逆木 一氏
画像集#003のサムネイル/「MONSTER HUNTER: WORLD」のサウンドを最高級ホームシアターで体験。ヤマハ主催「素晴らしき“ゲーム×シアター”の世界」をレポート

 トークセッションの最初のテーマは,「ゲームの音はどのように作られているのか」。黒岩氏は基本的にはアニメや映画といった映像コンテンツと同じとしつつ,ゲームならではの要素としてインタラクティブであることを挙げた。
 例えばBGMの切り替えであれば,映画ならあらかじめシーンの尺が決まっているので,それに合わせて決め打ちでやれる。しかしゲームの場合,プレイヤーの操作などによってBGMが切り替わるタイミングが変わるので,楽曲のどの部分で切り替わっても自然に聞こえるようにしているという。
 また逆木氏も,ゲームではプレイヤーのカメラ操作に応じてリアルタイムで音の位置が変化すると説明を加えた。

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 次のテーマは,「『MONSTER HUNTER: WORLD』および『ICEBORNE』の音を作る上でこだわった点」。黒岩氏はモンスターの個性を表現することを重視して効果音を作っているとし,具体例としてまず「ブラントドス」を挙げた。ブラントドスは尖った頭部を用いて凍土の雪の中を自由に泳ぎ回るモンスターだが,その個性を表現するために動物の鳴き声に除雪機のエンジン音を混ぜ,特徴的な声を作っていったという。

画像集#005のサムネイル/「MONSTER HUNTER: WORLD」のサウンドを最高級ホームシアターで体験。ヤマハ主催「素晴らしき“ゲーム×シアター”の世界」をレポート

 また,水を自在に操る能力を持つ古龍種・ネロミェールは,どのようにして水のブレスを吐き出しているのか体内構造から考えていったという。おそらく喉にポンプ機能があり,体内の水分を口から放出しているのではないかと想定した黒岩氏は,こちらも動物の鳴き声と水中のポンプの音を混ぜてネロミェールの声を作り出したそうだ。

 細井氏によると,効果音によってモンスターの性格を強調できるとのこと。例えばトリッキーな動きをするモンスターにキーキーという鳴き声を付けると,よりトリッキーさが増すそうだ。また,そうやって試行錯誤しながら鳴き声や効果音を付けたモンスターには愛着が沸くという。

 さらに細井氏は,「MONSTER HUNTER: WORLD」および「ICEBORNE」では空間表現にもこだわったと語った。これは壁の材質や開けている方向,距離などに応じて音の反響が細かく変動するということで,ハンターが武器を振りながら洞窟を進んでいく動画とともに解説がなされた。

 環境音について,「リアル世界の日常感を出したくなかった。モンハン世界のリアルにしたかった」と語る黒岩氏。会場ではリアルの森で聞こえる音と,ゲーム内の森で聞こえる音の比較がなされ,「ゲームではワクワクするような,何かが潜んでいるような感覚が得られるように音を作っている」と説明が加えられた。
 さらに環境音の遷移にも言及がなされ,ハンターが洞窟の内部から出口に向かって歩いて行くと,次第に外部の音が大きくなっていく仕組みも紹介されていた。

 最後のテーマは,「ゲームをホームシアターやサラウンド環境で遊ぶ意義」。黒岩氏はプレイヤーのゲームの操作性向上を挙げ,プレイに必要な情報を音で入手しやすくなるとした。すなわち,音が出ている場所の方向と距離が把握しやすくなるため,次の目的地や目指すべき対象が特定しやすくなるというわけだ。

画像集#006のサムネイル/「MONSTER HUNTER: WORLD」のサウンドを最高級ホームシアターで体験。ヤマハ主催「素晴らしき“ゲーム×シアター”の世界」をレポート

 また逆木氏は,ホームシアターやサラウンドスピーカーは,基本的にテレビやディスプレイの内蔵スピーカーより音そのもののクオリティが高まり,とくに低音表現に強いと指摘する。それを受けて黒岩氏は,モンスターの大きさを表現するのに低音表現は欠かせないとし,低音があるバージョンと,ないバージョンのイヴェルカーナの声を比較する動画を披露。「低音があると振動が伝わり,耳で聞こえる音だけでなく,感覚にも訴えかけるので,より緊迫感が高まる」と説明した。

 会場では,龍結晶の地を舞台にした紅蓮滾るバゼルギウス狩猟クエストのデモプレイが披露された。細井氏によると,龍結晶には特殊なエネルギーが秘められているといった設定があり,このフィールドでは風や溶岩など環境音の奥に不気味な低音を重々しく鳴らすことでそれを表現しているという。
 また,その低音との対比としてキラキラとした高音を入れることで,龍結晶の異質さを表現したと話す。

 ちなみにバゼルギウスは,「MONSTER HUNTER: WORLD」および「ICEBORNE」における逆木氏の面白い音モンスターランキング第3位とのこと。フィールド一面にバゼルギウスが爆鱗を撒き散らし,それが爆発する音をホームシアターで聞いていると,部屋が戦場になったかのような感覚になるそうだ。

 細井氏によると,バゼルギウスはコンセプトが爆撃機なので咆哮はサイレン風にして敢えて抑揚を付けず,それまでのモンスターとは異質であることを意識させるよう努めたという。
 さらに爆鱗の爆発音については,近いタイミングで多数が爆発するため,ドカーンといった単純な爆発音にするのではなくタイトな音にしたとのこと。具体的には,クルミを割る音をダイナミックマイクに近付けて音割れ風に収録し,そこに短めの反響を加えていったそうだ。

 続いて,渡りの凍て地を舞台にしたイヴェルカーナ討伐クエストのデモプレイが披露された。黒岩氏はイヴェルカーナの効果音について,身体を覆う結晶を表現するために特徴的な響きを持たせたかったと説明。そのために単なる金属や石ではなく,鎖を擦り合わせたときに生ずる音を使ったという。

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 渡りの凍て地の環境音や効果音は,2月の岩手で収録した音に手を加えて,「ICEBORNE」の世界でリアルに響くよう変化させたとのこと。また,ハンターが積もった雪をかき分けていく足音を雪の深さに応じて変えていたり,川の音にときどき氷が流れる音を入れたりしているそうだ。さらに雪には音を吸収する性質があるため,ほかのフィールドよりも音が響かない設定にしたり,風の音を近めにして吹雪の感じを出したりしていることも明かされた。
 ただ,すべての音についてこだわってしまうと収拾が付かなくなるため,強調すべきところとそうでないところを分けることも重要であると黒岩氏は話していた。

 イヴェルカーナはブレスによって多数の氷柱を作り出すが,その効果音にはやはり氷を使ったとのこと。氷を積み上げてそれに複数人で石を投げつけ,ガラガラと崩れさせることで,ランダム性のある音になったという。また,氷の近くに金属の板を立てたことも,ちょっとした音のスパイスになっているそうだ。

 なおイヴェルカーナは,逆木氏の面白い音モンスターランキング第2位(第1位は,悉くを滅ぼすネルギガンテ)だという。イヴェルカーナの攻撃音には鋭さ,硬さ,重さがある一方で,舞い散るときのカシャーンという美しく繊細な部分もあることがその理由で,「これはホームシアターにとってのごちそうのようなモンスターだと思いながら狩りをしていた」と話していた。
 また「モンスターハンター」シリーズのモンスターは,特定の攻撃を放つ前に予備動作を見せるが,黒岩氏によるとイヴェルカーナは鳴き声でもどの攻撃が来るか予測できるとのこと。聴覚に自信のあるハンターは,ぜひホームシアターやサラウンド環境を整えてイヴェルカーナに挑んでみてほしい。

会場で使用されたホームシアター機材の紹介もなされた。ヤマハのAVプリアンプ「CX-A5200」は「SURROUND: AI」を搭載し,シーンごとに最適な音場効果をリアルタイムで作り出す。また,11chパワーアンプ「MX-A5200」は,バランス入力を搭載し,プリアンプからの信号を11本のスピーカーにバランス良く伝える
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スピーカーシステムは「Soavo」NS-901シリーズを使用
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PS4本体のホームシアター/サラウンド環境の設定やゲーム側でのオプション設定に関する説明もなされた
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逆木氏の自宅の6.1.4chホームシアターと,仕事部屋の5.0chサラウンドシステムも披露された
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 会場では,カプコンのミックススタジオも紹介された。このスタジオは平面に7本,天井に4本のスピーカー,そしてサブウーファーを備えた7.1.4chのサラウンド環境を実現しており,ゲーム開発においては最終的な音のチェックに使われるとのこと。

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 今回のイベントで使われたホームシアターの感想を問われた黒岩氏は,「開発中にサラウンド環境で聞いたときは音の遷移がうまくできていないと思った部分も,このホームシアターでは綺麗に聞こえた」と率直な感想を述べた。
 また細井氏は,「僕らが意図して作った音をプラスアルファで表現していただいている印象。長時間プレイするゲームなので,耳に付かないよう敢えて高域を使わず音を丸めることもあるのだが,それをうまく補完してクリアで綺麗な音に仕上げていてありがたいです」と話していた。

 なお黒岩氏と細井氏は,自宅では左右のスピーカーにサブウーファーを加えた2.1ch環境でゲームをプレイしているとのこと。これは,他社のゲームがどのように音程と周波数のバランスを取っているのか研究するためだという。また黒岩氏は,5種類前後のヘッドホンで聴き比べることもしているそうだ。

 イベントの最後には,逆木氏が初めてサラウンド環境でゲームをプレイしたときのエピソードを披露。それはPS3発売当時のことで,「世の中にはこんなに面白い体験があるのか」と衝撃を受けたという。そして逆木氏の「以降,ゲームとホームシアターやサラウンド環境を融合したときの魅力を伝えるべく活動を続けてきましたが,今回ようやく実現できて喜ばしく思っています」と感謝の言葉とともに,イベントは締めくくられた。

来場者が実際にサラウンド環境で「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」を体験できるコーナーも設けられた
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