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閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH公式サイトへ
  • マーベラス
  • 発売日:2017/03/16
  • 価格:通常版:6980円(税別)
    にゅうにゅうDXパック:9980円(税別)
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「閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH」リリース記念インタビュー。“爆乳P”高木謙一郎氏が語る,「くねくねフィニッシュ」誕生の経緯,そしてシリーズの今後とは
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印刷2017/03/31 12:00

インタビュー

「閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH」リリース記念インタビュー。“爆乳P”高木謙一郎氏が語る,「くねくねフィニッシュ」誕生の経緯,そしてシリーズの今後とは

 マーベラスは2017年3月16日,PlayStation 4用ソフト「閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH」(以下,PBS)をリリースした。本作は「閃乱カグラ」シリーズの最新作だが,今回は“爆乳ウォーターバトル”を掲げ,水着の少女達がウォーターガン(水鉄砲)を武器に勝負するシュータータイプのゲームとなっている。
 4Gamerでは,本作を手がける“爆乳プロデューサー”こと,マーベラスの高木謙一郎氏に,セールスポイントやシリーズの中での位置付け,そして今後の展望などを聞いてみた。

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「閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH」公式サイト



誰でも女の子の魅力を楽しめるよう

ハードルを下げたシューターに


4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。
 PBSがいよいよリリースされますが,どんなゲームなのか,あらためて概要から教えてください。

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高木謙一郎氏(以下,高木氏):
 閃乱カグラシリーズは,主にアクションゲームとして,あるいは外伝ではリズムゲームとして展開してきましたが,PBSでは新たな流れとしてシューターにチャレンジしてみました。
 今までのシリーズとはジャンルこそ違いますが,ノリはこれまでどおりワイワイガヤガヤ,ちょっとエッチで,最後には泣けるか? みたいなところもありつつ……という感じの仕上がりになっています。

4Gamer:
 今回,これまでとはまた異なるジャンルにした理由を教えてください。

高木氏:
 まず僕自身が,一人のゲーマーとしてFPSもTPSも含めてシューター好きだからです。
 また,ハードが進化すると,リアルなグラフィックスを生かし,よりガチな戦争を描くシューターが増えていくのは必然ですが,逆に初めてシューターに触れる人向けに,ジャンルの入り口になるようなタイトルがあってもいいんじゃないかとも考えていました。
 そこで水鉄砲でキャッキャウフフできるようなものを思い浮かべていたのですが,おかげさまで前作の「閃乱カグラ ESTIVAL VERSUS -少女達の選択-」(以下,閃乱カグラEV)も好調な売り上げを記録しましたので,思い切って実現してみようということになったんです。

4Gamer:
 閃乱カグラシリーズの最新作であることよりも,シューターを作ることのほうを先に考えていたのでしょうか。

高木氏:
 う〜ん。どちらが先ということはありませんでしたね。僕らはチームとしてアクションを標榜していますが,5年,6年と同じシリーズの開発を続けていると,どうしても慣れが出てきます。
 それが飽きにつながりそうな気配も少しあったので,閃乱カグラで新しいジャンルにチャレンジして心機一転しようということは,常々考えていたことでもあるんです。

4Gamer:
 そういう意図もあったんですね。
 水鉄砲のような武器を使ったTPSというと,どうしても「Splatoon(スプラトゥーン)」を思い浮かべる人も少なくないと思うんですが,そのあたりはどうなんでしょう?

高木氏:
 PBSを“スケベトゥーン”と表現する人もいるくらいですからね(笑)。ただ,PBSの原型となる構想自体はPlayStation 4が出るという話を聞いた頃からありましたし,そもそもゲーム性がSplatoonとは違います。
 また一昔前のシューターは,日本だと一定の需要こそありましたが,それほど幅広い層に支持されているジャンルではなかったので,むしろSplatoonの大ヒットでジャンルのすそ野が広がったことをありがたく思っています。僕自身も大好きなゲームですしね。

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4Gamer:
 ちなみにTPSではなく,FPSにしようという案はなかったのでしょうか。

高木氏:
 操作しているキャラクターが見えるかどうかを考えると,FPSは選択肢になり得ませんでした。やっぱり,キャラクターのコスチュームチェンジが大きなセールスポイントになるゲームですから。
 それにFPSだと,一般的にはまだまだハードルが高いゲームに見えてしまうと思うんですよ。TPSなら,これまでの閃乱カグラシリーズとの見た目的な違いが少ないというのは大きいです。

4Gamer:
 ではPBSをシューターとして開発するにあたり,配慮した点はありますか。

高木氏:
 これはシリーズを通してやっていることですが,アクションゲームやシューターが苦手な人であっても,何となくコントローラーのボタンを押しているだけで,いつの間にか勝てちゃいそうな雰囲気を目指しています。とくにシューターだと,右スティックで照準を合わせる操作はハードルが高いですから,オートエイムを入念に調整するなど,かなり遊びやすくしています。
 せっかくキャラクターなどに興味を持って触れてもらったのに,「ゲームが難しすぎて何もできなかった」となっては申し訳ないですし,もったいないですからね。僕ら作っているスタッフはもともとアクションが得意な人間が多いので,どうしても難度を上げたりマニアックな方向にしてしまいがちなのですが,そこは毎回気をつけています。

4Gamer:
 難しすぎて女の子を見ている暇もない,となっては本末転倒だと。

高木氏:
 そのとおりです。敵を捌くのに精一杯で,胸の揺れもパンツも見られないのでは楽しくないでしょう。もちろん,そういった硬派なゲームがあってもいいですが,閃乱カグラシリーズが見せたいのはゲームとしてシビアな部分じゃないですから。

4Gamer:
 見せたい部分……ということで気になるのは,新たに登場する「くねくねフィニッシュ」の存在です。これは,どこから生まれたものなんでしょう?

高木氏:
 シリーズではコスチュームの破壊および全破壊がおなじみですし,閃乱カグラEVには「ぷるぷるフィニッシュ」がありました。このように,フィニッシュにこだわり続けてきた閃乱カグラシリーズの新作として,今回は何がいいかなと,ずっと考えていたんです。
 実をいうとPBSの企画開発を進めていく中で,僕には“水鉄砲を撃つ”というイメージがなかったんですよね。ずっと“水をかけ合う”というイメージで捉えていたので,その延長でプールサイドに寝そべっている女の子にホースで水をジャーッとかけて,身体をくねくねさせながら「やめて,やめて!」と逃げ惑うさまを眺めるのは楽しかろうと思ったんですよ。それがくねくねフィニッシュの発端です。

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4Gamer:
 割とヤバい発想ですね……。

高木氏:
 そうかもしれません。「できるだけ太いホースでやったほうが楽しいだろうな」とか考えていましたから(笑)。とにかく“撃つ”のではなく,水を“かける”ことをやりたかったんですよ。僕の中ではこの二つは全然違うニュアンスなんです。
 それに,くねくねフィニッシュ時に水の色を赤や緑に変えられるアイテム「ぴよぴよ」にはギャグ要素を残していて,あまり悲惨な感じや危険な感じにはならないように,というような配慮はしています(笑)。

4Gamer:
 そういった配慮といえば,シリーズを通じて謎の光が女の子達の身体の一部を隠しますよね。

高木氏:
 そこは見えそうで見えない美学といいますか,見えないところに妄想が広がっていく楽しさにこだわっています。エロかそうでないかと言われれば確かにエロですが,エロギャグの範疇を超えないところがシリーズの魅力の一つだと捉えていますので。
 「ここまでやるなら,全部見せちゃえよ」という意見があるのは承知していますが,僕らとしては「分かってねえな,そうじゃねえんだよ」と(笑)。

4Gamer:
 チーム内で,「ええい,もう全部見せよう」という意見は出てきませんか?

高木氏:
 まったくないですね。そこは皆理解してくれています。


シリーズのストーリーラインが1本にまとまる

重要なターニングポイント


4Gamer:
 PBSは,シリーズで初めてのPlayStation 4専用タイトルですよね。

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高木氏:
 閃乱カグラシリーズは長らく携帯機向けに展開してきましたが,僕らとしては,やっぱり据え置き機向けも作りたいと考えていたんです。そこで閃乱カグラEVでは,PlayStation VitaとPlayStation 4のマルチプラットフォーム展開をしたんですが,今回はさらに一歩進んで,がっちり据え置き機専用で行くことに決めました。

4Gamer:
 マルチプラットフォーム展開は考えなかったんですか?

高木氏:
 水鉄砲で撃ち合うということで,セクシー要素のあるゲームとしてはやはり「濡れた」「透けた」「脱げた」といった部分は避けて通れません。閃乱カグラEVのPlayStation 4版にも濡れたり透けたりはありましたが,スペックの都合でPlayStation Vita版では残念ながら実現できなかったんですよね。
 またオンライン対戦も,閃乱カグラEVのPlayStation 4版は最大10人,PlayStation Vita版は最大4人という仕様となっていました。しかし対戦コンテンツは,1チームの人数が少ないとメンバー一人あたりの責任が大きくなってしまいがちです。「何となくガチャガチャやっていたら,相手を倒せて楽しかった」というような気軽な対戦を目指すのであれば,少なくとも1チームに5人はほしい。
 この2点をきちんと実現するためには,PlayStation 4専用以外の選択肢はなかったというのが正直なところです。

4Gamer:
 その背景には,PlayStation 4本体の普及台数も関係しているんじゃないかと思うのですが。

高木氏:
 そうですね。今だから言えますが,閃乱カグラEV立ち上げのときは,社内でも「え,PlayStation 4版もやるの?」という空気が多少あったんです。そんな時期でしたから,閃乱カグラEVのマルチプラットフォーム展開はけっこうなチャレンジだったんですよ。でも結果として,PlayStation 4版とPlayStation Vita版の売り上げ本数はほぼ同じでした。昨年(2016年)3月に出したPlayStation 4版のみの廉価版,「桜 EDITION」も1万5000本くらい売れていますからね。PlayStation 4が普及して軌道に乗っていく中で,うまく流れに乗れたのかなと。
 その一方では,僕自身もそうですけど,プレイヤーの立場からすると,「リビングで大画面テレビを使って遊ぶようなゲームじゃない」という意見もありますけどね……。

4Gamer:
 確かに,たとえ携帯機で遊ぶにしても,人目があるところでは躊躇するゲームではありますよね(笑)。

高木氏:
 ええ,そうなんですけど(笑)。
 ともあれ僕らとしては,女の子を綺麗に描くことを何よりも優先しているんです。だから今回は,PlayStation 4専用にしよう,と。

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4Gamer:
 それでは,閃乱カグラシリーズにおけるPBSの位置付けを教えてください。

高木氏:
 シリーズのストーリーは,これまでニンテンドー3DSラインと,PlayStationラインの二つの軸で展開してきました。僕の中では3DSラインは三つのDLCを含めて完結しており,一方でPlayStationラインはまだ続いています。その中で,閃乱カグラEVではDLCなどを通じて少しずつ3DSラインの要素を取り入れてきたんですが,PBSはそれをさらに推し進めて,二つのラインを一つにつなげるポイントになります。
 シューターや水鉄砲の印象から,PBSは番外編と受け取られているかもしれませんが,実はストーリー的には本編の大きなターニングポイントとなっているんですよ。

4Gamer:
 シリーズのストーリーが好きなファンは,「今回は少し毛色が違うから」と敬遠せずプレイしたほうがいいと。

高木氏:
 そう思います。次の展開をイメージさせるような仕掛けもありますから,「シューターは苦手だから」と言わず,ぜひプレイしてほしいです。

4Gamer:
 では,次の展開とは……?

高木氏:
 いくつかありますが,次はナンバリングで出したいなと。

4Gamer:
 おおっ! となると,PBSはストーリー的に極めて重要な位置付けにある……と。

高木氏:
 意外とそうなんです。

4Gamer:
 そこまで重要なターニングポイントでジャンルを変えるというのは,高木さんがおっしゃっている以上にチャレンジだと思うのですが。

高木氏:
 あらためて考えるとそのとおりなんですけど,まあ面白いからいいかな,と(笑)。

4Gamer:
 さすがです(笑)。
 一方で,これまでシリーズに触れてこなかったけれども,ジャンルがシューターになったことでPBSに興味を持つ人もいるかと思います。そうした,いわゆるシリーズ初心者が理解できるストーリーになっているんでしょうか?

高木氏:
 そこは大丈夫です。過去のストーリーで起きた出来事も,何となく分かるようになっていますから。
 それに何より,まずキャラクターを好きになってもらえれば十分楽しめるはずです。キャラクターの集合体が世界を構築していますから,誰か一人を気に入ってもらえたら,自然に入っていけると思います。

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単なる着せ替えモードではなく

遊んで楽しい部分として作り込んでいる「更衣室」


4Gamer:
 シリーズを通じて「更衣室」にはこだわりが見られますが,今回も凝っていますね。

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高木氏:
 本来はただのコスチュームチェンジモードだったんですが,どんどん機能が追加されていったんですよね。キャラクターを組み合わせていろんなシチュエーションを作り出せたる「ジオラマモード」も今回パワーアップし,より凝った撮影ができるようになりました。
 とくに今回は,キャラクターに触れられるスキンシップ要素もパワーアップして,彼女達固有のリアクションが見られるようになっています。中でも両奈は特別扱いといってもいいくらいリアクションが多いので,かなり楽しめると思います。

4Gamer:
 そのようにリアクションを増やした理由を教えてください。

高木氏:
 せっかくたくさんキャラクターがいるわけですから,全員が同じリアクションでは面白くありませんよね。僕らの根本には,それぞれのキャラクターを可愛らしく見せたいという思いがありますから,動きや声に変化をつけることでより魅力的にしようと考えたんです。

4Gamer:
 ゲーム本編ではない部分に,そこまで手間暇かける価値はあるのか? という議論も出てくるかと思います。それでもキャラクターの魅力を引き出すために,更衣室の作り込みは必要であると。

高木氏:
 そもそも何を持って本編とするか,ゲームをプレイして楽しいと思える部分はどこかという議論もあるんですよ。その意味だと,閃乱カグラシリーズでは,メインストーリーやアクションだけに力を入れるより,脱線する部分にもしっかり力を入れていきたいですね。

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4Gamer:
 分かりました。そのほか,今回の更衣室の特徴を教えてください。

高木氏:
 水鉄砲で水をかけることもできるので,服が濡れたり透けたりします。僕のオススメは,コントローラーのトリガーをチョンチョンと触って,ピュッピュピュッという感じで水をかけることです(笑)。

4Gamer:
 ……(笑)。
 ちなみに,コスチュームごとにそれぞれ素材が違いますよね。素材が違うと,透け方も変わるのでしょうか。

高木氏:
 もちろん変わります。ただ,どちらかというと見栄え重視ですね。普通に考えると「この素材は濡れたって透けないだろう」という場合でも透けますから。そこは突っ込んだら負けです(笑)。
 まあ更衣室は,皆さんが自然と笑顔になるようなものを目指して作っています。

4Gamer:
 それでは,アナウンスされているPlayStation VRへの対応についても教えてください。

高木氏:
 詳しいことはまだ言えないのですが,シューターの部分をVRで遊びたいという人は少ないと思いますので,ご期待に添えるものを発売後のアップデートで提供するべく準備中です。

4Gamer:
 仮定の話ですが,例えば更衣室をVR化するとしたらどんな感じに……?

高木氏:
 僕だったらジオラマモードでいろんなキャラクターを立たせて,その中心に入って眺めるとかやってみたいですね。

4Gamer:
 見上げたりも?

高木氏:
 実は今回の更衣室には,キャラクターのサイズを任意に変更できる機能がありますので,皆さんの思いどおりのサイズ感で楽しめると思います。

4Gamer:
 期待が高まるところですね。
 ところで今回,PBSの店頭体験会も各地で開催されていましたが,反響はいかがでしたか。

高木氏:
 どの会場も盛況で,皆さんがニコニコしながら楽しんでいる姿を確認できました。シューターの部分を確かめている方もいましたし,ひたすら更衣室にこもっている方もいましたね。僕自身も,閃乱カグラEVのときよりサインをしたり一緒に写真を撮ったりする機会が増えて嬉しかったです。

4Gamer:
 高木さんのサインって,どんな感じなんですか。

高木氏:
 “にゅうにゅう”と書きます。もう4年くらい変わっていません。色紙だったりパッケージだったり,濃い人はゲーム機だったり抱き枕だったりしますが,いろんなものにサインしてきました。

4Gamer:
 一番驚いたのは何にサインしたときですか?

高木氏:
 うーん,僕が関わっていないゲームのグッズにサインを求められたときですかね。「いやオレ,確かにそのキャラは好きだけど!」って。その人も分かって持ってきているんで,ありがたいことなんですけど(笑)。


今後の閃乱カグラシリーズでは

海外展開も積極的に……?


4Gamer:
 それでは閃乱カグラシリーズ全般についていくつか教えてください。何でもこのところ,海外での人気が高まっていると聞きましたが。

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高木氏:
 ありがたいことに北米,欧州,アジアと世界各国で年々,閃乱カグラファンだという人が増えてきています。

4Gamer:
 海外受けは最初から狙っていたのでしょうか。

高木氏:
 いえ,まったく。僕らは日本のことしか知りませんから,「海外を狙え」といわれても「いや無理っス」と(笑)。
 そこでシリーズ初タイトルの「閃乱カグラ -少女達の真影-」のときは,予算規模を絞り日本市場にターゲットを据えたんです。それが逆に日本的なコンテンツを愛好する海外の人達の目に留まって,現状があるんですよね。

4Gamer:
 海外で話題になるきっかけに心当たりはありますか。

高木氏:
 何でしょうね……。まず海外の人達からすると,「ニンテンドー3DSで,おっぱいが飛び出て見える」という特徴を知って,「やっぱり日本人はヤバいな」と思いつつもなかなか手を出せなかったんじゃないかと。
 そうやって気になっているところに,PlayStation Vita向けにリージョンフリーでシリーズを展開したので,一気に海外のファン層が広がったというのが実情じゃないでしょうか。実際「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-」のリリース時には,「世界中で売れているよ」と,各国でソフトを買った人とその国の国旗とをズラッと並べた画像を送ってくれたファンもいるんですよ。

4Gamer:
 それは嬉しいエピソードですね。

高木氏:
 その後,「デカ盛り 閃乱カグラ」のプロモーションで初めて台湾を訪れたのですが,街中には日本のコンテンツがあふれているんですよね。台北ゲームショウではサイン会を開かせてもらったんですが,熱量の高い閃乱カグラファンが集まってくれて,広がりを感じました。それに応えるべく,僕らも日本と海外の発売日の差を縮めるといった努力をしています。

4Gamer:
 海外で受け入れられるのが分かったから,ちょっと海外向け要素を入れてみようという考えは……ないですよね(笑)。

高木氏:
 ええ,ありませんね。やっぱり海外の趣味嗜好は分からないですから(笑)。何となくで「金髪がいいのかな」「お尻がでかいと受けるのかな」みたいなことをやったところで,うまくいかないと思うんですよ。それは,海外の人達がイメージで日本を描いても変な日本像にしかならないのと同じです。
 ですから今後も基本を変えず,僕達が本当にいいと思うものを提供していきます。

4Gamer:
 海外向けといえば2016年6月からは,PC版の「SENRAN KAGURA SHINOVI VERSUS」をSteamで配信していますが,こちらの手応えはいかがですか。

高木氏:
 非常に好調です。Steamで配信されるタイトルは年々増えていますが,閃乱カグラシリーズのような日本ならではのタイトルの数はまだ少ないですから,目立つということもあるんでしょうね。
 この3月には,第2弾として「SENRAN KAGURA ESTIVAL VERSUS」の配信も始まります。今後はPCへの対応が普通になっていくでしょう。

4Gamer:
 そこには,やはり多くの人に自分達の作ったゲームを届けたいという思いがあるのでしょうか。

高木氏:
 もちろんです。広げられるところは,どんどん広げていきたいですね。その分,皆の仕事が増えて大変になるんですけど(笑)。

4Gamer:
 認知が高まることにより,制約も増えるといった恐れはありませんか? とくに閃乱カグラシリーズは……。

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高木氏:
 そうですね。当初から女性の価値を下げるようなことは絶対にしないよう努めてきましたが,閃乱カグラシリーズが有名になるにつれて世間の目に気付かれ,見た目の判断で厳しい意見を飛ばしてくる人が増えていきました。
 とくに海外では,一時期すごかったですね。とにかくインタビューで「お前は女性をどう思っているんだ。これは女性蔑視じゃないのか」と聞かれるので,一つ一つ丁寧に説明しました。

4Gamer:
 根っこの部分にある文化とか倫理観みたいなものが違いますしね……。

高木氏:
 ええ。なので説明したからといって完全に理解してもらえたかというと,なかなか難しいとは思うんですが,それと同時に海外の閃乱カグラファンが増えていき,フォーラムなどで意見を表明してくれるようになったからか,最近は糾弾めいたインタビューは減っています。
 ただ,今後も絶対付きまとう課題だと思いますから,そこは今まで以上に気を配っています。例えばパッケージイラストは多くの人が目にするものですから,セクシー一辺倒にならないように,とかですね。

4Gamer:
 それでは高木さん自身のことについても少し教えてください。2016年10月にマーベラスの執行役員に就任しましたが,それによって変わったことはありますか。

高木氏:
 以前から自分のタイトル以外にも,社内全体のコンシューマゲームタイトルを見ていたので,基本的なところはあまり変わっていません。
 ただ会議が増えましたし,社内全体のことを考える機会が増えたので,忙しくはなっています。でも,それで予算が取れるのなら決して悪いことばかりではないですから。僕個人としては,忙しくなったからといってゲームのクオリティを落とすことのないよう頑張っていきます。

4Gamer:
 高木さんご自身のゲームスタジオも新たに設立されたんですよね。

高木氏:
 執行役員になったから,というわけではないんですが,常に一人でやっていることに限界を感じていたんですよね。そこで今いるスタッフやアシスタントが,それぞれのタイトルを作れるような環境作りをしていこうと考えました。
 スタジオのロゴは,「おもちゃ箱から楽しいものがいろいろ出てきますよ」というイメージで作っています。7体のキャラクターが描かれていますが,旗を振っているセクシーなお姉ちゃんは閃乱カグラのイメージです。それ以外の6体に関しては,チームの誰かがそれぞれに当てはまるようなコンテンツを作ってくれるといいな,という思いを込めました。

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4Gamer:
 スタジオ設立前後で,何か変わったことはありましたか?

高木氏:
 基本的にはないです。僕が以前から何となく思っていたことをスタジオという形にしただけですね。そうしないと,チーム内が閃乱カグラしか作っちゃいけないみたいな雰囲気になってしまうかもしれませんから。
 エンターテイメントを手がける会社としては,新しいことにどんどんチャレンジしていくことが一番大事です。幸いなことに,僕の周囲はいろいろ面白いことができる環境が整ってきましたので,頑張っていきます。

4Gamer:
 最後に,ゲームに限らず高木さんの今後の野望を教えてください。

高木氏:
 今まではセクシー系やギャグ系など,ちょっと変わったタイトルを扱ってきましたので,一般女児向けの王道タイトルを手がけてみたいですね。僕の娘が小学生になったときに,自慢できるようなやつを一つ。スタッフも増えてきたので,もしかしたら実現できるかも,とは思っています。ほかにもゲームの舞台化など,今までやったことがないことができると楽しいですね。

4Gamer:
 今後,面白いニュースが聞けることに期待しています。
 ありがとうございました。

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  • 関連タイトル:

    閃乱カグラ PEACH BEACH SPLASH

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