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「そうだ アニメ,見よう・特別版」第83回は7月19日公開の映画「東京喰種 トーキョーグール【S】」。永江Pが語る【S】の見どころとは
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印刷2019/07/11 11:00

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「そうだ アニメ,見よう・特別版」第83回は7月19日公開の映画「東京喰種 トーキョーグール【S】」。永江Pが語る【S】の見どころとは

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 人の姿でありながら人を喰らう“喰種(グール)”をテーマにした,石田スイ氏のコミックス「東京喰種トーキョーグール」(集英社刊/全14巻,新編「:re」全16巻)。ダークな世界観と魅力的なキャラクターが話題の本作は,アニメや舞台など,多数のメディアで展開中の作品で,ゲームでもスマホアプリ「東京喰種トーキョーグール :re invoke」iOS / Android)が配信されている。
 というわけで,「そうだ アニメ,見よう」第83回は,いつもと趣向を変えて,同作の実写映画第2弾となる「東京喰種 トーキョーグール【S】」をお届け。監督は川崎拓也氏平牧和彦氏,脚本は御笠ノ忠次氏が担当。7月19日より全国にて公開される。


「東京喰種 トーキョーグール【S】」


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 人間社会に紛れ込み,人を喰らう“喰種”が跋扈する東京。不慮の事故により,喰種と人間のハーフ【半喰種】になってしまったカネキ(窪田正孝)は,2つの世界の狭間で葛藤しながらも,トーカ(山本舞香)ら喰種達の駆け込み寺でもある喫茶店「あんていく」に身を寄せていた。生き抜くためには力が必要と感じたカネキは,トーカに戦い方の指南を受けつつ,ささやかながらも幸せな毎日を過ごしていた。

 そんなある日,「美食家(グルメ)」と呼ばれる喰種・月山(松田翔太)が「あんていく」を訪れる。月山を「厄介者だ」と言い露骨に嫌な顔をするトーカは,カネキに「あいつとはかかわらないほうがいい」と釘を刺した。
 しかし,月山は半喰種であるカネキの特殊な“におい”に目をつけ,カネキを「喰種レストラン」へ招き入れる。カネキVS月山……それぞれの“正義”がぶつかり合い,喰種 VS 喰種の生存を懸けた闘いがいま始まる――

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 生物にとって,ほかの生き物を食料にするのは生存するために必要なことだ。しかし,その食料が人間だったら? 本作は,そんな命題に翻弄される青年・カネキを中心に,人間サイドと喰種サイドの人間模様を描いた作品だ。
 2017年7月に公開された実写映画第1弾では,事故により喰種の臓器を移植され,半喰種となったカネキが,戸惑いながらもそれを受け入れていく姿が描かれる。人間の食べ物は受け付けなくなり(コーヒーを除く),激しい食人衝動に襲われながらも人間らしさを失わないカネキを,主演の窪田さんが熱演し話題となった。

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 その続編となる本作でも,カネキ役は窪田さんの続投となり,今回は新キャラクター・月山役に松田さんが抜擢されている。月山は,その独特のキャラクター性で原作でも人気の喰種。異常なまでに“味”と“カネキ”にこだわる月山を,松田さんは先日のOSAKAプレミアで「(カネキを)喰べたいという気持ちは,そのままだと理解しにくいので“好き”いう気持ちに置き換えてます」と,独自のアプローチで演じたと語っていた。果たしてどのような“月山像”が出来上がっているのか,劇場で確認してほしい。

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CGとVFXで表現される喰種同士のバトルシーン


 もうひとつの見どころは,人間離れした力を持つ喰種同士のバトルアクションだ。喰種は,捕食や戦闘の際に赫子(かぐね)と呼ばれる器官で攻撃するのだが,この赫子を前作ではCGとVFXで表現。本作でもその手法が採用され,まるで生物のような動きで,原作の激しいバトルを表現している。
 トーカ役の山本さんも,自らワイヤーアクションに挑戦し,素早い動きを身上とするトーカの戦闘スタイルを見事に演じ切っている。カネキとのコンビネーションも用意されているので,見逃せないポイントとなりそうだ。

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プロデューサーの永江智大氏が語る【S】の見どころ


 前作「東京喰種 トーキョーグール」の続きの物語が描かれる本作。気になる見どころを,プロデューサーの永江智大氏に聞いてみた。

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松竹 映像企画部 プロデューサー
永江智大氏
4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。早速ですが,前作の映画「東京喰種 トーキョーグール」が永江さんのプロデューサーデビュー作だと聞いてます。石田スイ先生のコミック「東京喰種」を映像化しようと思ったのはなぜでしょうか。

永江智大氏(以下,永江氏):
 原作の取り上げているテーマは,普遍的なもので,答えがないものです。いわゆる勧善懲悪ではない,人間と喰種のドラマが描かれていて,それは現実世界でも置き換えられるものだと思っています。対立した二者がいた場合,勝ったものが“正義”になりがちですが,それだけでは割り切れないことがたくさんあるじゃないですか。

4Gamer:

 “正義”というのは主観的なものですしね。

永江氏:
 それは国家間でもそうですし,細分化していくと企業間や家族の間でも起こりうることですよね。いろいろな状況下で当てはまるテーマだと思っているんです。

4Gamer:
 喰種にしてみれば,人間を食べるということは生きるために必要なこと。つまり正義ですよね。逆に人間にしてみればそれは悪になります。

永江氏:
 そこですね。答えはあるようでないんです。それを見つけようと,もがき続けて変化を起こしていくという,原作の持つテーマがすごく面白くて,ぜひ映像化したいと思ったんです。

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4Gamer:
 試写を拝見したのですが,今回も前作同様,非常に原作に忠実な内容だと感じました。映画ならではのオリジナル要素を入れるという案はなかったのでしょうか。

永江氏:
 いや,(オリジナル要素を)入れています。原作に忠実なように見せてはいますが,実は原作通りではないんです。

4Gamer:
 あれ,そうなんですか?

永江氏:
 はい(笑)。そこがいちばんやりたかったところです。最近いわゆる“改変”,まあ“改悪”と言われることが多いですが,映画でやれること,漫画でやれること,アニメでやれることはそれぞれ違います。同じアプローチはできません。
 それならば,原作の持っている“流れ”だったり,大事にしている部分を損なわずに,どうしたら実写映画として表現できるかというところに力を注ぎました。

 前作でも「原作に忠実」と言われたのですが,かなり変えているんですよ。原作を読み返していただければ分かると思います。大筋は同じですが,けっこう細かい部分を変えていますね。オープニングシーンはまったくのオリジナルですし。
 ただ,僕らが大事にしているのは,根底に流れているものを壊さないことなんです。それが「原作に忠実」と感じていただいた理由なのかなと思っています。

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【S】はカーブボールのような変化球


4Gamer:
 実写映画第2弾ということで,前作とテーマ性を変えているのでしょうか。

永江氏:
 テーマ自体は変わっていません。見た目的なもの,そうですねパッケージ感で言うと,前作は“ド直球のストレートボール”で今回は“カーブボールのような変化球”になります。

4Gamer:
 というと?

永江氏:
 前作に足りなかったのは,遊びの部分なのかなと思っていまして。もっと観ている人に,肩の力を抜いて笑ってほしいなと思ったんです。月山の変態っぷりとかですね。
 今回原作のどこを切り取るかと考えたとき,「東京喰種」の持つ“ビジュアル的な美しさ”とか東京の“街”感だったりとか,空気感を出したいと思ったんです。そういう意味で作品の持つカラーが変わっていると思います。

4Gamer:
 今回,川崎拓也さん,平牧和彦さんのダブル監督体制に変更されていますが,これにはどういった意図があるのでしょうか。

永江氏:
 前作は,その当時考えうる最適解をやらせていただいたのですが,「パート2は同じことはできない」というものが自分の中にありまして。(前作では)良いところも悪いところもたくさんあって,悪いところはアップデートしつつ,それとは違う新しいことをやりたいと思ったんです。
 そこで思いついたのが“ダブル監督”なんです。ハリウッドではたまに見かけますが,日本ではほとんど採用されていないですよね。

4Gamer:
 あまり聞いたことがないです。

永江氏:
 「アベンジャーズ」シリーズのルッソ兄弟(アンソニー・ルッソとジョー・ルッソ)とか,Netflixの「ストレンジャー・シングス」のザ・ダファー・ブラザーズとか。昔ですとウォシャウスキー兄弟(「マトリックス」の監督)ですね。

 息が合わないと難しいと思うのですが,川崎さんと平牧さんは前作から関わっていただいている方で,気心もしれていましたし,それぞれ演出担当と映像担当とカラーも違いました。お二人ともCM関係の出身で,(所属するギークピクチュアズの)同期なんです。
 はじめは「ぶつかるかな?」とも心配していましたが,そんなことはなく,阿吽の呼吸で息がぴったりでした。もちろん,お互いの得意分野に意見を出すこともあり,すごくいい関係でやっていただいたので助かりました。お二人のダブル監督で映画もよりクオリティが上がったと思います。

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ゲームがスタッフ陣の共通言語


4Gamer:
 前作ではクインケや赫子の実現に注力されたと聞いています。そのときの経験は本作でも生かされているのでしょうか。

永江氏:
 はい,それは生かせてますね。前作の時は存在しないものをゼロから作らないといけなかったわけだったので,かなり苦労しました。

4Gamer:
 クインケも赫子も見たことないものですからね。

永江氏:
 今回はベースがあったので,それをどうブラッシュアップしていくかに力を注ぎました。トーカの赫子も前作に比べるとディティールがすごく細かくなってます。

4Gamer:
 トーカの羽赫は表現が難しそうです。

永江氏:
 あれは原作の設定では,噴出しているガス状のものですよね。ガスだとやはりCGでの表現が難しくて,ある程度形をもって作ったんですが,それを今回はもっと気体っぽく作り直しています。それと今回の物語のテーマとして,(トーカの赫子を)「きれい」に見せる必要があったので大変でした。

 実は,監督お二人が僕と同世代なので,完全にゲーム世代なんですよ。FCから入って,PS,64,PS2,PS3とひと通り同じところを通ってきたわけですね。CGに関しては,リファレンスにゲームを素材にしたものが多かったんです。
 「ここをもうちょっとドラクエのアレみたいに」とかのほうが分かりやすかったり(笑)。

4Gamer:
 ゲームが共通言語ということですね。

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永江氏:
 ですね。だから今回,月山とのバトルシーンでFPSのような一人称視点になるシーンもあるんですよ。僕自身は「ファイナルファンタジー」シリーズが大好きなので,それをリファレンスに使っていたりしましたね。
 映画から持ってきてもいいんですが,それはちょっと悔しい。「あの映画のあのシーンみたいにしたい」だと,結局誰かの後追いをしているだけじゃないですか。それ以外のものから発想を得たほうが,映画としては“発明”になるわけで。新しいことがやりたかったんです。

4Gamer:
 今回の物語の核となる人物・月山役に松田さんを選んだ“決め手”は?

永江氏:
 本当に直感なんです。月山は「華を持った人」でないと演じられないと思っていました。アニメ版の月山(CV:宮野真守)のインパクトが強いので,それとまったく同じことは実写ではやれない。リアルでやると絶対に興醒めすることになると思うんです。
 そんなとき,たまたま松田さんの映像を拝見することがあって,「あ,月山がいる」って思ったんです。その後,実際に松田さんとお会いしたときに,長い前髪をかき上げる仕草がびっくりするぐらい“月山”でした。それを見て「間違いなかった」と思いましたね。

4Gamer:
 本作をプロデュースするにあたって「これだけは実現させたかった」のはどの部分でしょうか。

永江氏:
 それは“東京感”です。

4Gamer:
 “東京感”ですか? それは風景を盛り込むということでしょうか。

永江氏:
 はい,僕達が生きているこの東京という街をなるべく映像として取り入れたかったんです。それは前作ではあまりできなかった部分で,今回はオープニングから渋谷の街をばっちり撮っています。東京の街って生き物みたいなもので,つねに新陳代謝していて,ビルも人も入れ替わりが激しい。そんな中で息づいているものを描きたくて。
 その中に「喰種みたいなものがいてもおかしくない」という風につなげていきたいと思ったんです。リアリティを持たせたかったのかな。なので,今回は東京の街の撮り方にめちゃくちゃこだわりました。渋谷のスクランブル交差点で360度カメラを使ってみたり,“街”の切り取り方に工夫を凝らしています。

4Gamer:
 最後に読者へのメッセージをお願いします。

永江氏:
 個人的にお気に入りのシーンとして,カネキと月山がカフェから出るシーンがあります。何気ないシーンですが,そこの松田さんの演技がすごく好きで。そのちょっと前にすごい演技をしているのに,何事もなかったかのように振舞う松田さんがすごいです。
 あと,クライマックスシーンでカネキがトーカに投げかけるセリフがあります。そのセリフは彼が「成長したな」と感じられるもので,今回は随所でそういうカネキを見られると思います。ぜひ,そこに注目して観ていただきたいです。

4Gamer:
 ありがとうございました。


 喰種達の人間模様やバトルシーン,新たなキャラクター・月山の参入など,多数の見どころが盛り込まれた本作。前作の続きが気になる人はもちろん,本作で「東京喰種」に初めて触れるという人でも楽しめる内容となっている。人間と喰種が暮らすもうひとつの“東京”が気になる人は,劇場に足を運んでみよう。

画像集 No.012のサムネイル画像 / 「そうだ アニメ,見よう・特別版」第83回は7月19日公開の映画「東京喰種 トーキョーグール【S】」。永江Pが語る【S】の見どころとは

「東京喰種 トーキョーグール【S】」公式サイト

「東京喰種 トーキョーグール【S】」公式Twitter


公開データ
2019年7月19日公開
キャスト
金木 研(カネキ):窪田正孝
月山 習:松田翔太
霧島董香(トーカ):山本舞香
亜門鋼太朗:鈴木伸之
永近英良(ヒデ):小笠原海
西尾 錦(ニシキ):白石隼也
西野貴未:木竜麻生
小坂依子:森 七菜
笛口雛実(ヒナミ):桜田ひより
芳村:村井國夫
イトリ:知英
マーガレット:マギー
四方蓮示:栁俊太郎
ウタ:坂東巳之助
スタッフ
原作:石田スイ「東京喰種トーキョーグール」(集英社 ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:川崎拓也、平牧和彦
脚本:御笠ノ忠次
音楽:小田朋美、菊地成孔
主題歌:女王蜂「Introduction」(Sony Music Associated Records)
製作総指揮:大角正
エグゼクティブプロデューサー:吉田繁暁
プロデューサー:永江智大、福島大輔、高橋潤
共同プロデューサー:樋口慎祐
撮影:小宮山充
照明:保坂温
美術:小泉博康
装飾:藤原慎二
録音:田中博信
監督補:安食大輔
アクション監督:横山誠
VFXスーパーバイザー:桑原雅志
特殊スタイリスト:百武朋
オリジナルコスチュームデザイン:森川マサノリ
音楽プロデューサー:茂木英興、宮地洋佑
編集:武田晃
スクリプター:天池芳美
衣裳:星野和美
ヘアメイク:小出みさ
制作担当:児嶋冬樹
ビジネスプランナー:秋吉朝子
宣伝プロデューサー:松浦由里子
制作プロダクション:ギークサイト
制作協力:松竹撮影所、松竹映像センター
企画・配給:松竹
製作:「東京喰種【S】」製作委員会
(C)2019「東京喰種【S】」製作委員会 (C)石田スイ/集英社
  • 関連タイトル:

    東京喰種:re invoke

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    東京喰種:re invoke

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