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「そうだ アニメ,見よう」第22回はファンタジックな日常アニメ「小林さんちのメイドラゴン」。カンナのラブリーさに注目
4月からの春アニメは「進撃の巨人 Season 2」や「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」など話題作が目白押しだが,なかでも注目したいのが「終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?」。奇抜な設定のライトノベルが原作の作品なので,どんな映像になるのか楽しみだ。
さて,第22回となる今回のタイトルは「小林さんちのメイドラゴン」。原作はクール教信者氏が「月刊アクション」で連載中の同名コミックで,少しだけファンタジー要素が入った日常系アニメだ。制作は京都アニメーションが担当,監督は「甘城ブリリアントパーク」や「氷菓」を手がけた武本康弘氏が務めている。
小林さんちのメイドラゴン
どういうことか分からず尋ねると,昨夜酔った勢いで小林が家に誘っていたようだった。はじめは難色を示す小林だったが,仕方なく家に住まわせることになる。
種族間のギャップに戸惑いつつも,トールとの共同生活になじみ始めた小林。そんなある日,角を生やした少女・カンナ(CV:長縄まりあ)が小林家を訪れた。小林にたぶらかされたトールを連れ戻すというカンナだったが,実はイタズラしすぎて故郷を追い出されたのだった。
事情を知った小林は「友達になろうなんて言わないよ,一緒にいよう,そんだけ」とカンナに語り,そんな彼女にカンナは次第に心を開いていくのだった。
巨大なドラゴンが人間に変身。メイド姿のトールが小林家を訪れた |
女性なのだが化粧っ気のない小林 |
出社しようと玄関から出るとドラゴンが |
ドラゴンであるトールは,猛スピードで空を飛べたり,尻尾を材料に料理をしたり,汚れだけを落とす唾液で洗濯をしたりと,なかなか多芸な能力の持ち主だが,現代社会での常識にはやや疎いという欠点を持っている。さらに,ことあるごとに人間を見下すような発言をするが,そんな彼女を小林は穏やかに諭す。
ドラゴンと人間が一緒に暮らす小林家の平穏は,小林さんの広い心で守られているのだ。のちにカンナが家族の一員として加わるが,小林は彼女も受け入れる。まじで小林さん,男前ッス。
汚れだけを落とす唾液は便利。ベトベトなのは困るが |
人類が滅亡しそうだけどドラゴンだから仕方ない
とはいえ,ドラゴンとの共同生活は,人間にとって驚異の連続だ。トールとカンナのじゃれあいは地球を壊しかねない恐ろしいバトルに発展するし,ドッジボールで遊ぶとしても人間にしてみれば命懸けになる。本作では,そうした彼らとのすれ違いを,コメディタッチのオブラートで包んで表現している。「なんかすごいことになってるけど,ドラゴンだから仕方ないかー」というわけである。
ちなみに,このバトルシーンは驚くほどのクオリティで描かれ,どこかの戦闘民族同士の戦いを髣髴(ほうふつ)させてくれた。どんなシーンでも手を抜かないのは,さすが作画に定評のある京都アニメーションならではといえる。
違うアニメを見ている気分にさせてくれる戦闘シーン |
ドッジボールも命懸け |
目を離すとすぐ遊び始める2人 |
個性的なキャラクター達が小林家に集結
そんな小林家を個性的な登場人物達が訪れる。トール達と同じドラゴンのルコア(CV:高橋未奈美)やファフニール(CV:小野大輔),小林の同僚の滝谷(CV:中村悠一)など,ひと癖もふた癖もあるキャラクター達がさまざまな問題を巻き起こしていくのだ。
第6話の時点ではまだ登場していないが,新たなドラゴンのエルマ(CV:高田憂希)の参戦が予定されている。トールとほぼ同等の力を持つエルマは,秩序を重んじるまじめな性格だが,やっぱり人間社会の常識に欠けるドラゴン勢。トールと彼女のドタバタがどう小林家に影響を及ぼすか,今から楽しみだ。
小林家にはさまざまなドラゴン達が集う |
大人の魅力溢れるルコア |
なぜかゲームが大好きのファフニール |
カンナのラブリーさをご堪能あれ
そして,登場人物達のなかでも特に注目してほしいのが,幼いドラゴンのカンナだ。おっとりとした彼女は,ほかのキャラクターのように自己主張が激しいわけではないので,あまり目立った行動はしないがとにかく愛らしい。トール達の後ろでちょろちょろ動いているだけでも,その可愛らしい仕草で注目を集めてしまう。原作のほうでも彼女のラブリーさが話題となり,ついにはスピンオフ作品「小林さんちのメイドラゴン カンナの日常」の連載がスタートしたほどだ。
筆者もそのカンナの魅力にやられたクチなので,今回は少し多めにカンナのシーンを集めてみた。カンナファンの人もそうでない人も,堪能してほしい。
ちょろゴン達の歌う「イシュカン・コミュニケーション」
エンディングテーマは,作中のドラゴン達「ちょろゴンず」(トール,カンナ,エルマ,ルコア)が歌う「イシュカン・コミュニケーション」だ。のんびりとした曲調のこの曲は,不思議と耳に残るフレーズで思わず口ずさんでしまいそうになる。気になる人は公式サイトのムービーでチェックしてみよう。
人間とドラゴンの共同生活を描いた本作。ところどころでトールの過去のエピソードなどシリアスな展開も登場するが,それは物語全体を通してみれば些細なことだ。難しいことを考えずに,彼女達の奔放な行動や小林へのラブラブっぷりを見て,ほっこりするのが本作の正しい見方だろう。
可愛らしくも偉大なドラゴン達と人間の,異種間コミュニケーションを堪能してはいかが。
「小林さんちのメイドラゴン」公式サイト
放映データ |
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2017年1月〜 |
キャスト | |
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小林:田村睦心 | トール:桑原由気 |
カンナ:長縄まりあ | エルマ:高田憂希 |
ルコア:高橋未奈美 | ファフニール:小野大輔 |
滝谷 真:中村悠一 | 才川リコ:加藤英美里 |
才川ジョージー:後藤邑子 | 真ヶ土翔太:石原夏織 |
スタッフ |
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原作:クール教信者 (双葉社「月刊アクション」連載中) |
監督:武本康弘 |
シリーズ構成:山田由香 |
キャラクターデザイン:門脇未来 |
美術監督:渡邊美希子 |
色彩設計:米田侑加 |
小物設定:秋竹斉一 |
撮影監督:浦 彰宏 |
音響監督:鶴岡陽太 |
音楽:伊藤真澄 |
音楽制作:ランティス |
オープニング主題歌:fhana「青空のラプソディ」 |
エンディング主題歌:ちょろゴンず(トール,カンナ,エルマ,ルコア) 「イシュカン・コミュニケーション」 |
アニメーション制作:京都アニメーション |
製作:ドラゴン生活向上委員会 |
■Blu-ray&DVD情報
「小林さんちのメイドラゴン」Blu-ray & DVD Vol.1
2017年3月15日(水)発売
初回特典
・キャラクターデザイン門脇未来描き下ろしデジパック&クリアケース
・16Pオールカラースペシャルブックレット
・キャラクターデザイン門脇未来描き下ろしイラストカード
・原作クール教信者描き下ろしイラストカード
・「小林さんちのメイドラゴン」スペシャルイベント昼の部優先購入申込券
日時:2017年6月18日(日)
場所:都内某所
出演:田村睦心,桑原由気,長縄まりあ,高田憂希,高橋未奈美
※出演者は変更になる場合がございます
※詳細は随時公式HPにて発表いたします
映像特典
・小林さんちの○○ドラゴン
小林とトールとカンナが,メイドラゴンではなく,様々な○○ドラゴンになる!?
・PV集
・音声特典
・オーディオコメンタリー
商品情報
Blu-ray
PCXE-50731 / \6800(+税)
DVD
PCBE-55661 / \5800(+税)
1話・2話収録 / 本編48分 / 日本語字幕
発売元:京都アニメーション・ドラゴン生活向上委員会
販売元:ポニーキャニオン
全7巻 各2話収録
vol.2:2017年4月19日 / vol.3:5月17日 / vol.4:6月21日 / vol.5:7月19日 / vol.6:8月18日 / vol.7:9月20日
(C)クール教信者・双葉社/ドラゴン生活向上委員会
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