D＆D最新ソースブック「エベロン冒険者ガイド 最終戦争を越えて」が本日発売。魔法科学世界での冒険を可能にする追加ルールを収録

　ホビージャパンが展開するテーブルトークRPG「ダンジョンズ＆ドラゴンズ 第5版」（以下，第5版）の最新ソースブック「エベロン冒険者ガイド 最終戦争を越えて」（以下，エベロン冒険者ガイド）が本日（2020年9月19日）発売となった。店舗によって入荷/発送にブレはあるが（Amazonの場合21日予定），全国の取扱店舗にて購入可能となっている。装丁はA4版フルカラーの320ページで，価格は6600円（税込）だ。

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　本書は，「ダンジョンズ＆ドラゴンズ 第3.5版」から展開されている最新のキャンペーンセッティング「エベロン」を，第5版で遊ぶための拡張ルールセット兼ワールドガイドだ。エベロンは，かつて日本でもサービスされていたオンラインゲーム「Dungeons & Dragons Online」で採用されたセッティングでもあるので，4Gamer読者なら雰囲気を知る人も多いのではないかと思うが，その特徴はなんといっても魔法が科学として一般化した独特な世界観にある。
　魔法の街灯が都市を照らし，人造の機械種族があたりまえに人々に溶け込み，暮している。エレメンタル駆動の飛空船が街々を結び，雷をまとった機関車が大陸を横断する――そんな，いわゆる“剣と魔法”のファンタジーとはやや趣を異にする世界で，プレイヤー達はパルプでノワールな冒険を繰り広げることになる。

冒険の舞台となるエベロン世界。第5版の標準セッティングであるフォーゴトン・レルムとは異なる地での冒険が幕を開ける

「Dungeons & Dragons Online」のプレイヤーにはなじみ深いウォーフォージド・タイタンももちろん登場

　「エベロン冒険者ガイド」には，このエベロン世界を冒険するための追加データが数多く含まれている。新たなプレイヤー種族としてウォーフォージド，オーク，カラシュター，ゴブリン類，シフター，チェンジリングが登場するほか，既存の種族にもさまざまな副種族と，それに類するエベロン特有の氏族特徴・ドラゴンマークが追加。冒険者の顔ぶれに彩りを加える。
　さらに新職業として，魔法技師であるアーティフィサーが登場。アルケミスト（錬金術師）やアーティラリスト（砲術士），バトル・スミス（戦場の鍛冶屋）といった，魔道具をベースとした呪文体系を持つキャラクターが作成できる。

ドラゴンマークは，エベロンのヒューマノイドの肌にときおり現れる魔法の力を持った紋様のこと。ルール的には「種族の特徴の一部，もしくはすべて」を置き換える形で運用され，追加の呪文習得などの特殊能力をキャラクターにもたらしてくれる

科学として体系化された魔術を行使する新クラス・アーティフィサー。呪文スロットこそ少なめだが，呪文リストには秘術呪文と信仰呪文の双方が含まれており，さらに儀式発動も可能と，マルチな活躍が期待できる。さらに2レベルで習得する「魔具化」――アイテムに魔法を吹き込む能力が，このクラスをさらにユニークなものにしている

　またキャンペーンの運用を助ける新たなルールとして，冒険者達の後ろ盾となる組織が設定できる「パーティ・パトロン」が登場。エベロン固有の魔法のアイテムやクリーチャーも多数掲載されており，データ面も充実した一冊となっている。
　惜しむらくは，日本語でアクセスできるエベロン世界対応アドベンチャー（いわゆるシナリオ）が少ないことだが……本書の大半を占めるワールドガイドには，冒険のとっかかりとなるアイデアが詰め込まれているので，それを元に自作するのはそう難しくないはず。一風変わった世界での冒険を楽しみたい人は，ぜひ挑戦してみてはいかがだろうか。

アドベンチャーは，1レベルキャラクター4〜6人を対象とした短編1本を収録。“塔の街”シャーンを舞台にしたシティアドベンチャーで，エベロンらしいガジェットが次々と登場するのが特徴だ。独特の世界観を掴むのにベストな導入なので，まずはこの続きを自作してみるのがいいかも？

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「ダンジョンズ＆ドラゴンズ 第5版」公式サイト