連載
少女の抱える心の闇とは――。スマートフォン向けアドベンチャーゲーム「星下の贖罪」を紹介する「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」第473回
スマートフォンには相当な数のゲームが存在しているが,「じゃあ,どれが面白いの?」「そもそも,数が多すぎて好みのタイトルが探せない!」と思っている人も少なくないはず。 そんな問題を解決すべく,スタートした連載が「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」だ。話題の新作タイトルからネタ要素多めのオモシロ系まで,スマートフォンのゲームを片っ端からプレイして(ほぼ)毎日お届けする。
本日の「(ほぼ)日刊スマホゲーム通信」では,「不思議の国のアリス」をモチーフとしたアドベンチャーゲーム「星下の贖罪」(iPhone / Android)を紹介しよう。物語のメッセージ性が強く,プレイヤーの胸を打つこと間違いなしの作品だ。
「星下の贖罪」ダウンロードページ(App Store)
「星下の贖罪」ダウンロードページ(Google Play)
本作は,3Dグラフィックスで描かれた箱庭を探索しつつ,主人公である少女の失われた記憶を探し,物語の核心に迫っていくという内容。少女が不思議の国と呼ばれる謎の空間で目を覚ますところから,物語は動き出す。
なぜか自分の名前が思い出せず,どうしてここにいるのかも分からない少女に,「なんとこの世界には、失われたキミの『記憶のかけら』が散らばっているんだよ!」と,不思議の国らしく(?)うさぎのぬいぐるみが話しかけてくる。その口調があまりに軽く,言っている内容が突拍子もなかったため,夢ではないかと疑っていた少女だったが,次第に自分の置かれている状況を認識し,失われた記憶を取り戻すことを決意する。
会話シーンは,キャラクターイラストとテキストで進行する |
行き詰まってしまった場合は,開発元による攻略ページを参考にするといいだろう |
さて本作は,物語を読み進めていくテキストパートと,不思議の国にある記憶のかけらを探す探索パートに分けられている。プレイヤーは,2つのパートを交互にプレイし,さまざまな謎を解き明かしていく。基本的に1本道で進行する本作は,記憶のかけらを探すことに集中すれば,エンディングまでたどり着ける作りとなっている。
彼女に起こった出来事,彼女がこれから辿ろうとする未来,そしてタイトルに込められた意味など,最後までプレイすることで,さまざまなことに気づかされる本作。
ネタバレになるため物語については深く言及できないが,和やかなグラフィックスとは裏腹に,とても凄惨で陰鬱とした内容となっているので,カジュアルな物を想像している人は注意が必要だ。
インディーズゲームである本作は,イラストや3Dモデリングなどのクオリティが決して高いとは言えず,物足りない印象を受けてしまうかもしれない。しかし,衝撃的なシナリオ展開のおかげで,プレイし始めてしまえば,ゲームに引き込まれてしまうはずだ。
ボリュームはあまりなく,2時間前後でエンディングまでたどり着けるので,手軽に楽しめる濃厚なノベルゲームを探しているという人は,不思議の国で少女の記憶を探してみてはどうだろうか。
著者紹介:トリスター/目代将規
ゲームやアニメの書籍企画,編集,シナリオライティングや広告制作なども手がける編集プロダクション「トリスター」所属。スマートフォンならではのゲームや,一瞬で遊べてしまうゆるいゲームが大好物。好きなゲームのジャンルはRPGとアドベンチャー。“モンハン”好き。
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(C)2014 SOLALIAS
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