イベント
“ロードス愛”が語られた「ロードス島戦記オンライン」のスペシャルイベント「〜良き再会亭の宴〜」をレポート。CBT参加者も募集中
このイベントでは,「ロードス島戦記オンライン」プレミアムクローズドβテストや,その実施スケジュールなどが公開された(関連記事)。
そのほかにも,本作のゲーム概要が明かされたり,関係者が「ロードス愛」を語るトークセッションなどが行われるなど,サービス開始を待つロードスファンにはたまらない発表会となった。本稿では,原作者の水野 良氏ら豪華ゲストも登場した発表会の模様をレポートしよう。
最初に登壇したのは,ロードス島戦記オンラインの運営プロデューサー 合田真二氏と,ブランドマネージャー 加藤 仁氏。それぞれ,「〜良き再会亭の宴〜」開催の挨拶を行った。
続いて,ロードス島戦記の原作者である水野 良氏と,ロードス島戦記オンラインを開発しているL&K Logic Korea CEO ナム・テクウォン氏が登壇。テクウォン氏が通勤中に日本語の小説版「ロードス島戦記」を読んでいたというエピソードや,その経験がゲーム開発に大きな影響を与えたひとつになっていることを明かした。
「ロードス島戦記」原作者の水野 良氏 |
L&K Logic Korea CEO ナム・テクウォン氏。L&K Logic Koreaは,ゲームオンでサービス中の「RED STONE」の開発元としても有名だ |
そして,ロードス島戦記のリプレイが掲載されていたパソコン雑誌「コンプティーク」を立ち上げ,現在はカドカワ代表取締役会長を務めている佐藤辰夫氏から,ロードス島戦記オンラインへのエールを綴ったメッセージが送られ,会場で読み上げられた。氏は,ロードス島戦記について「三国志や指輪物語に並び称されるべき心躍る壮大な物語です。いまでも,パーンやディードリットは僕の中に生きています」と述べ,ロードス島戦記オンラインでも多くのファンを魅了し,楽しんでもらえるように願っているとした。
クォータービューで描かれたロードス島を舞台にした2DMMORPG。実機でのプレイを交えてロードス島戦記オンラインを紹介
挨拶のあと,合田氏と加藤氏は,実機でのプレイを交えてロードス島戦記オンラインの概要を紹介した。
ロードス島戦記オンラインは,クォータービューの2DMMORPGで,フィールドやダンジョンに出現するモンスターを倒し,経験値やアイテムを集めていくハックアンドスラッシュタイプとなっている。プレイヤーはロードス島戦記の主人公であるパーン達の7人めのパーティメンバーとしてストーリーを追っていくことになる。
本作は原作小説1巻「灰色の魔女」がベースとなっていて,原作のエピソードを追体験できる。また,原作にはない幕間のエピソードも語られるようだ。
続いて,プレイヤーの分身ともいえるキャラクターが紹介された。ロードス島戦記オンラインにおけるキャラメイクは,キャラクターと性別,クラスがセットになっている。現時点で選べるクラスは,エスカイア(男性),オラクル(女性),マジックユーザー(男性)の3クラス。スキルなどは原作小説を再現したものがメインだが,世界観を壊さない範囲でオリジナルのスキルも実装されているとのことだ。
エスカイアは,いわゆるタンクタイプのクラス。「プロボーク」などタンクらしいスキルも持つ一方,多様な攻撃系のスキルも所持しているという |
オラクルは戦神マイリーを信仰するヒーラータイプのクラス。仲間のLP(ライフポイント。HPに相当するパラメータ)を回復できるほか,メイスによる物理攻撃や,バトルソング(バフ効果のかかる歌)による支援効果も期待できそうだ |
マジックユーザーは,その名のとおり魔法を使うダメージディーラー。魔法による攻撃を得意とするほか,自身にバフを与えたり,敵にデバフを与える魔法も使いこなすという |
ここで,ゲームの必要環境が明らかにされた。ゲームシステムのベースが2Dということもあり,昨今の3Dのオンラインゲームほど高いマシンスペックは必要ないようで,現在発売されているようなPCはもちろん,また少し古いノートPCでも十分プレイできるだろうとのことだ。
操作はマウスを主体にしたシンプルな操作系統で,その気になれば片手でものんびりプレイできるという。それを支えるシステムとして「リアクションスキル」が実装されている。
「リアクションスキル」は,「チェイン」と「クラス」の2種類が存在する。チェインは攻撃時に条件を満たせば確率で発生するもので,クラスは,各クラスに応じて設定されたスキルが,条件を満たすと発生するもの。それぞれ発動条件は異なるが,いわゆる,パッシブスキルのようなものだと考えればよさそうだ。
また,キャラクターの成長要素について語られた。キャラクターレベルは,キャラクターの総合的な強さを表したものだ。そのほかに,多様な「冒険者技能」がある。これも本作の特徴といえるだろう。
「冒険者技能_成長」は,キャラクターの直接的な攻撃能力を上昇させるものだ。戦闘で得られる経験値とは別の“プレイすることで得られるポイント”を消費するという。
「冒険者技能_冒険」は,戦闘要素以外の能力が向上する技能で,パーティプレイ時の獲得経験値増加や,アイテムの入手率アップなどが見込めるという。
「冒険者技能_職業」は,プレイヤーが保持しているキャラクターのクラスの組み合わせによって,該当するスキルが開放されるものだという。例えば,エスカイアとオラクルを育てているプレイヤーが,エスカイアで冒険者技能_職業の条件を満たして取得したスキルは,オラクルにも装備させられる。所持しているキャラクター次第で,独自のキャラクタービルドが可能になるというわけだ。
4つめの「冒険者技能_狩り」については,今後の実装機能ということで,この場では詳しく説明されなかった。
最後はアイテムについて紹介された。
冒頭でハックアンドスラシュタイプのゲームだと紹介した通り,入手できる装備アイテムには,それぞれランダムでユニーク能力が付与される。さらにレアアイテムとして,古代語が刻まれた装備品もあるそうだ。
そのほかに,各種レシピによってアイテムを作る「製作」といったクラフト系コンテンツ,そしてほかのゲームでは見られない「探索」というコンテンツも実装される。探索は,スペースキーを押すとキャラクターの周囲に見える「輪」の範囲内を探索し,隠されている宝箱が見つけられるトレジャーハント的なものだという。
熱い「ロードス愛」が語られたトークセッション
ゲーム概要紹介のあとは,水野氏とナム氏が改めて登壇し,ロードス島戦記にまつわるトークセッションが行われた。
その前に,彼らの口を滑らかにするためか,ロードス島戦記のパーンをモチーフに作られた,「ナイト オブ ロードス」というカクテルが4人に振る舞われ,ロードス島戦記30周年記念と,ロードス島戦記オンライン始動を祝して乾杯した。
4人に提示された最初のテーマは「好きなエピソードについて」だ。
※以下,小説版のネタばれを若干含むのでご注意を
加藤氏はそれぞれの巻に好きなエピソードがあると話しながら,1巻のベルドとカシュー王の戦いで,謎の矢によってカシューが勝利したシーンを挙げた。この矢を放ったのは誰かというのは今でも謎であり,だからこそ戦記物,歴史物らしさがあって好きだという。以前にも,水野氏に犯人を聞こうとしたことがあるという加藤氏。「答えてしまったら,それはそれでがっかりする人もいると思う」と水野氏は述べ,回答が明かされることはなかった。
ナム氏は第1巻のラストでカーラと戦うシーンを挙げ,続きのある結末だったので残念な面もありながら,次回作につながる可能性を持たせた興味深いエピソードだと語った。新装版ではウッド・チャックのセリフがかなり変わっていて,そこも面白いと話し,その比較ができるくらいに愛読者であるところを見せた。
第4巻でオルソンが死ぬシーンが好きだと話した合田氏は,子供のころに読んだときに「主人公でも死ぬんだ!」とショックを受けたという。ロードス島戦記オンラインの仕事をするにあたり読み返したところ,やはりこのシーンが好きだと再認識したそうだ。
一方,原作者の水野氏は,「7巻のラストで『呪われた島と呼ぶ者はもういない』的な一文を書いたときに,うまくハマったなとすごく嬉しかった覚えがあります」と当時を懐かしむように話していた。
続いてのテーマは「今だからいえるロードス島戦記にまつわるエピソード」。
合田氏は,子供のころに読んでから,ロードス島戦記オンラインに関わるまで,大きな空白期間があったと,エピソードというよりは懺悔のようなコメント。
ナム氏は,「RED STONE」でウィザードがファイアボールを使用するときに,頭上に炎が現れてから発射するという演出が,カーラがファイアボールを放ったときの演出がモチーフになっていたと話し,その場で水野氏に「どうかご了承いただければと思います」と告げて会場の笑いを誘った。
3つめのテーマ「ロードス島戦記で好きなキャラクターは?」が発表されるやいなや,加藤氏が「ディードリット一択でしょ」と断言。ナム氏もそれに同意した。
いやいや,「それだけじゃないでしょう」とコメントした合田氏は,やはりオルソンを挙げた。彼個人だけでなく,周囲の人間関係も含めてオルソンが好きだと説明し,それを聞いた水野氏は,冒頭でメッセージを寄せたカドカワの佐藤氏もオルソンが好きで,男性にはオルソンファンは多いと話した。
生みの親である水野氏は,大ニース,レイリア,小ニースが書きやすいキャラクターという意味で好きだという。また,自身がTRPGをプレイするときは魔法使いや盗賊を好んで使うので,それらのキャラを書くときは力が入る一方,戦士系はまったく感情移入ができないのだとか。ロードス島戦記のキャラクターは,リプレイでのプレイヤーの性格などを参考にしているところが多いと話した。
最後のテーマは「ロードス島戦記の魅力について」。
先頭を切ったナム氏は「表現や設定に力が注がれ,ファンタジーを知らない人でも楽しめる正統派ファンタジー」だと語った。
本を読んだり感想文を書くのが嫌いだったという合田氏も,中学2年生ぐらいにロードス島戦記に出会い,「文章が身体に入ってくる感じが鮮烈な印象を受けた」と話す。
加藤氏も同様に,「いい意味でクセのない,パーン達が苦難を乗り越えて成長していくというスタンダードな面白さがある」と述べて,「ロードス島を取り巻く状況が刻一刻と変わっていく戦記物の面白さ」が魅力ではないかとまとめた。
水野氏は,「自分の作品の魅力が本当に分かっていたら,クリエイターとしてこんなに苦労していない」と笑いながら話し,自らの創作スタンスとして「書けるものしか書けないし,書きたいものしか書けない。当時,僕が好きだったTRPGとファンタジーに対して,真面目に書いたところが共感を得たのではないか」と分析。そして,「これほど売れる作品になるとは思いませんでしたから,自分が一番驚いています。もう一度あの大成功を産めるような作品を作り上げたい」と話して,トークセッションをまとめた。
トークセッションのあと,今後のロードス島戦記オンラインの予定について明らかにされた。
既報のとおり,1万人規模で実施されるプレミアムクローズドβテストが,2016年1月29日17:00〜2月1日12:00のスケジュールで行われる。負荷テストや不具合の調査,調整などが目的が目的となるこのテストは,レベルキャップは20,プレイ可能なマップは,原作小説1巻の冒頭にあたるザクソン村とその周辺,アラニア周辺となっている。
プレミアムβテスト参加者への特典として,レベル12まで到達したキャラクターの名前を,オープンサービスに引き継げる権利が与えられ,またレベル15まで達成したプレイヤーには「ぷちでぃーど(鎧)」がプレゼントされる。
「ぷちでぃーど(鎧)」は本作では「バディ」と呼ばれていて,プレイヤーのあとに付いてくるペットのようなキャラクターとのこと。「ぷちでぃーど(鎧)」は,オープンサービス以降に配布される予定となっている。
このプレミアムβテストの参加者募集は,2016年1月14日〜1月25日の10:00までで,すでに始まっている。公式サイトで応募できるほか,4Gamer募集枠として3000名分を用意してもらったので,興味のあるMMORPGファン,そしてロードス島戦記ファンは,ぜひ応募しよう。以前にメールマガジンに登録した人については,改めて応募しなくても当選扱いとなる。
「ロードス島戦記オンライン」プレミアムクローズドβテスター募集の4Gamer枠に応募する
そして気になるオープンサービスについては,「遠くない未来に,なるべく早い時期に皆様にお届けできれば」と合田氏が明らかにした。サービス形態は,基本プレイ無料+アイテム課金という形になるようだ。
ロードス島戦記オンラインのβテストや,オープンサービス開始にあたって水野氏は「オンラインで遊ぶRPGというのは,僕がロードス島戦記を書くキッカケになったTRPGに一番近い形だと思います。ロードス島戦記がオンラインのゲームになるということは,僕にとっても待望であります。ぜひ,皆さんにもロードス島戦記の世界をオンラインで体験してほしいと思います」と大きな期待を寄せた。
それに応える形で加藤氏が「本当にお待たせしました。自分自身も嬉しく思いますし,プレッシャーも感じています。僕自身もロードス島戦記が大好きなんですが,それを押し出しすぎないよう,ロードスを知らない人にも満足して頂けるよう頑張っていきます」と話した。
最後に合田氏が「今回,ロードス島戦記オンラインの魅力を伝え切れたかどうか反省しきりですが,プレミアムクローズドβテストに参加していただければ,僕らが伝えたいことがきっと分かってもらえると思います。当時の小説の雰囲気を思い出しつつ,プレイしてもらえれば」とまとめ,イベントを締めくくった。
「ロードス島戦記オンライン」公式サイト
- 関連タイトル:
ロードス島戦記オンライン
- この記事のURL:
©水野良・グループSNE 発行:株式会社KADOKAWA ©GameOn Co., Ltd. All Rights Reserved. Published by GOP Co., Ltd. Developed by L&K Co., Ltd.