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同ブースには,日本のプレイヤーだけでなく,海外のプレイヤーもかなり訪れており,世界的に認知度の高いタイトルであることを改めて実感した。
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そんなEAのバイスプレジデント兼「FIFA」シリーズのエグゼクティブプロデューサーを務める牧田和也氏と,同じくエグゼクティブプロデューサーのデビッド・ラッター氏が同会場にいたので,それぞれに話を聞くことができた。
インタビューでは,以前聞いた話を踏まえ,ストロングポイントや,体験版からフィードバックされた内容など,発売を目前に控えた本作の現状を聞いてみた。
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アニメーションの量は10倍に。CPUもより賢く
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本日は,よろしくお願い致します。
では,さっそくですが「FIFA 14」の開発状況を教えて下さい。
牧田和也氏(以下,牧田氏):
よろしくお願いします。
PlayStation 4(以下,PS4)版,Xbox One版ともに,ゲームの開発は終わっています。現在は,商品の製造待ちといった感じです。
4Gamer:
なるほど。さて,今回の東京ゲームショウ2013(以下,TGS 2013)は,日本のゲームファンが初めて本作に触れることができる場となりますが,現在の心境はいかがでしょうか。
牧田氏:
そうですね。本作は,前作の「FIFA 13」と比べて,「あぁ,進化したな」という部分を強く感じてもらえると思います。次世代機版では,より多くのアニメーションを追加しているので,そのあたりでも違いを体感してもらえるはずです。
4Gamer:
次世代機だからできたことがあれば教えて下さい。
牧田氏:
次世代機だからこそという要素は,大きく分けて2つあります。
今までのFIFAは,アニメーションの量がギリギリだったのですが,PS4やXbox Oneはメモリに余裕があるので,アニメーションを増すことができました。実質10倍くらいになっています。
4Gamer:
10倍とは,またすごい増加量ですね。
牧田氏:
ええ。そうなんですよ。
そしてもうひとつは,AIが4倍ほど賢くなっています。
4Gamer:
AIが4倍……? 少しピンとこないのですが,つまりどういうことでしょうか。
牧田氏:
今までのCPUは,ほかの選手の状況や,先の展開が見えていなかったのですが,「こういう経験を元にこうなった」ということを判断しながら,CPUがより人間らしいリアクションを取るようになっています。
4Gamer:
なるほど……。モーションだけでなく,中身もより現実に近づいたわけですね。
だとすると,PS4やXbox Oneを触ってから,PS3版をプレイすると物足りなく感じてしまいませんか。
牧田氏:
正直なところ,それはあるかもしれません。サッカーゲームの場合,いろんな要素が積み重なってできているので,我々が思っていた以上に,現世代機と次世代機での性能の差が出ましたね。
例えば,通常のアクションゲームの場合は,テクスチャの量を増やせば,よりリアルな部屋が作れたり,戦争シーンが作れたりします。
4Gamer:
そうですね。
牧田氏:
それって積み重なってる部分ではないので,見た目は綺麗だけど,遊び方としてはあんまり変わっていないんです。
繰り返しになってしまいますが,サッカーゲームの場合は,1つ1つの要素が積み重なってできているので,そこは予想以上に変化しましたね。
4Gamer:
とにかく次世代機はすごい,ということですね(笑)。
牧田氏:
現世代機との差はあると思います。しかし,現世代機版と次世代機版は,同じレールの上で作っているので,PS3版がまったく違ったゲームということではないですね。どちらも,基本的な部分は変わらないので遊びやすいと思います。
4Gamer:
少し話は変わりますが,日本で10月17日に発売される現世代機版から,PS4のローンチタイトルとして発売される次世代機版にデータの移行ができるという発表がありましたが,あれはFIFA Ultimate Team(以下,FUT)に限られた話なのでしょうか。
※FIFA Ultimate Team:試合をしてポイントを稼ぎ,理想のチームを作り上げるモード。稼いだポイントでゲーム内のカードパックを購入し,その中にランダムで入っている,選手,トレーニング,エンブレム,ユニフォームなど,さまざまなカードを集めてチームを作る。
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牧田氏:
いえ,それだけではありません。例えば,EAスポーツフットボールクラブのポイントでアンロックした,ボールやユニフォームなどのアイテムに加え,プレイヤーのデータやレベル,バーチャルプロとシーズンモードで入手できるトロフィーもそのまま移行できます。
4Gamer:
なるほど。
ちなみに,現世代機と次世代機版で同じタイトルを出す場合は,両方購入した人向けに,「PS3版を持っているとPS4版が安くなる」というような,特典プログラムを準備しているメーカーは多くないと聞きます。御社では,そういった取り組みはあるのでしょうか。
牧田氏:
いい質問ですね(笑)。
それについては,前向きになんらかの施策を検討しています。
4Gamer:
それでは,スマホ向けタイトルについてもおうかがいします。スマホ向け「FIFA 14」(iOS/Android)はどういったタイトルになるのでしょうか。
牧田氏:
従来のスマホ向け「FIFA」は,単品売り切りの形だったのですが,本作からFree to Play(基本プレイ無料)の料金形態を採用しています。
世界にはサッカーファンがたくさんいらっしゃるので,誰でも持っているスマホで遊べるということは,たくさんの人にFIFAシリーズを楽しんでもらえるということです。
4Gamer:
なるほど。スマホ版もコンソール版と同じように遊べるのでしょうか。
牧田氏:
基本的には,同じように遊べます。その中でも,スマホ版はFUTにフォーカスを当てており,豪華なカードパックを購入する場合などに課金が発生します。
また,FUTだけでなく,エキシビションマッチで遊びたいという方もいると思います。今までのスマホ向けFIFAというのは,安いときは0.99ドルなどで売っていたのですが,そのときは,各チームをそのまま使うことができました。しかし,本作からは課金をしてエキシビションマッチをアンロックする,というシステムに変更しています。
4Gamer:
FUTモードをスマホ向けに最適化したというイメージでいいでしょうか。
牧田氏:
そうですね。
4Gamer:
これは,いわゆるソーシャルゲームのような感覚でしょうか。
牧田氏:
いえ,通常のスポーツアクションゲームとして楽しめるタイプと考えてください。
4Gamer:
なるほど。
牧田氏:
ちなみに,前作の操作方法は,バーチャルパッドを使用していたのですが,本作からはタッチ操作がメインになっています。
例えば,スペースをタップするとそこにパスを出したり,スワイプするとシュートを放ったりと,モバイル向けの遊び方を導入しています。もちろん,従来の操作に慣れている方のために,今までの操作方法も用意しています。
4Gamer:
それは斬新ですね。持ち運びができるデバイスということで,友人とプレイすることが多くなりそうですが,1対1のリアルタイム対戦も可能なのでしょうか。
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リリース時はインターネットを経由した対戦のみ可能で,その後,ローカル対戦も実装する予定です。
4Gamer:
やはり,こうした持ち運びができるデバイスの作品は,ローカル対戦の需要が高くなりそうですね。
牧田氏:
そうですね。実のところ,弊社はスマホ向けタイトルにはかなり力を入れていまして,どれくらい遊んでもらえるか,非常に楽しみにしています。
4Gamer:
料金形態や操作方法の変更など,思い切った施策からもそれが感じ取れます。今後はモバイルをメインに注力していくのでしょうか。
牧田氏:
いえ,コンソールとモバイルでどちらを優先する,というのは決められなくて,どちらも最重要視しているので,コンソールとモバイルの2本の柱で展開していこうと考えています。
4Gamer:
ちなみに,今後も携帯ゲーム機での展開というのは,視野に入っているんでしょうか。
牧田氏:
ビジネスとして考えたときに,携帯ゲーム機で遊ぶよりも,モバイルで遊ぶ機会の方が断然増えていますよね。なので,弊社としても少しずつモバイルに移行している,というのが実情です。
4Gamer:
つまり,広く普及しているデバイスに向けて,ちゃんと力を入れていくと。
牧田氏:
そうですね。より多くの方に遊んで頂けることが,我々作る側としても嬉しいです。
開発陣の数も限られているので,あまり力を分散し過ぎると,今までのファンの方に,本当に良い物を届けられなくなってしまう可能性があります。時代の流れに乗るところは乗り,絞るところは絞りながらやっていきたいですね。
4Gamer:
そういう意味でも,スマホ向けタイトルがいいキッカケになればいいですよね。
牧田氏:
そうですね。ただ,まずはブランドの構築が必要だと思っています。
4Gamer:
ブランド力といえば,日本国内には強力なライバルがいますよね。その点は,どうお考えでしょうか。
牧田氏:
とくに本作から特別な施策がある,というわけではないのですが,我々としては自社タイトルに自信を持っていますので,あとは遊んで頂けるチャンスがあるかどうかだと思います。
それに向けて,ローカライズに力を入れるなど,やらなくてはいけないことはたくさんありますが,まずは遊んでもらいたいですね。そこで,モバイル版というのは,大きなアピールになると思います。
また,次世代機で楽しめるサッカーゲームは,今のところ弊社タイトルしか思いつかないので,これは良いチャンスになればいいなと。
4Gamer:
サッカーゲームは,身の周りの友人が遊んでいるタイトルを遊ぶ傾向にありますよね。
牧田氏:
そのとおりです。なので,次世代機でサッカーゲームを楽しみたいという方が多くなれば,本作をプレイして頂けるチャンスも高くなると思います。
4Gamer:
話は変わりますが,ライセンスのお話についてもうかがってみたいと思います。
牧田氏:
本作は,33のリーグ,約600のチーム,約1万6000人の選手のオフィシャルライセンスを取得しています。とくに今回は,ブラジルのナショナルチームに加え,アルゼンチンとチリのクラブチーム,さらには,ブラジルの19あるクラブチームのライセンス取得が目玉と言えます。
4Gamer:
ブラジルのリーグは,かなり細分化されていますよね……。
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そうなんです。ただ,本作のキャリアモードには,グローバルネットワークという,スカウトを送って選手を発掘する新しいシステムを取り入れています。そこで,普段あまり見られないリーグや選手を発掘してくるのは,すごく面白いんじゃないかなと。
4Gamer:
なるほど。さきほどの話では,公式ライセンスのリーグが3つ公開されるとのことですが,これはビジネス的な側面で,南米に力を入れていきたいということの現れでしょうか。
牧田氏:
サッカーの人口と,FIFAを遊んでくれている人が多い地域ですので,流れとしてはごく自然かなと思います。
4Gamer:
と,なると日本でも……。と,聞きたくなるんですが,Jリーグに関してはなかなか難しそうですね。
牧田氏:
そうですね……。かなり難しいですね。ただ,グローバルな視点で考えれば,海外で活躍しているサッカー選手も多いので。
また,ブラジルとロシアに関しては,Free to PlayのPC向け「FIFA Online」を展開していくつもりです。
4Gamer:
PC向けの「FIFA Online」は,日本での展開予定はありますか。
牧田氏:
今のところ考えていないですね。PCよりもまずは,コンソールとモバイルに注力していこうと考えています。
4Gamer:
つまり,各国の実情を見て,投入すべきリソースを判断しているということですね。
牧田氏:
そういう感じです。マーケットに合ったものでなければ,遊んでもらえないので,そのあたりは地域やタイミングを見極めて判断しています。
4Gamer:
最後になりますが,本作の注目部分をお願いします。
牧田氏:
現世代機(PS3/Xbox 360)でいえば,人間らしい動きと,サッカーらしさに注目してもらいたいですね。次世代機(PS4/Xbox One)は,生きているようなイメージで,スタジアムに行ったような,ボールを蹴っているような,そういった実際の感覚に近づけています。そのあたりの雰囲気や感覚を味わって頂ければと思います。
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ファンの意見は,非常に大切にしている
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本日は,よろしくお願いします。
デビッド氏は,EAでどういった立場の方なのでしょうか。
デビッド・ラッター氏(以下,デビッド氏):
2009年からFIFAシリーズに関わっており,本作のエグゼクティブプロデューサーを務めています。
4Gamer:
具体的には,FIFAのどういったところに関わっているのでしょう。
デビッド氏:
ユーザーから届いたフィードバックを参考に修正を進めていく指揮を取ったり,スケジュールの管理やメディア対応など,全体的なディレクションを行っています。
4Gamer:
では,本作における前作との違いや強みといった点を教えて下さい。
デビッド氏:
本作は,プレシジョンムーブメント(precision movement)という開発エンジンを使っています。この物理エンジンは,足を置いた位置によって,移動する速さが変化するなど,プレイヤーの動きがより現実的な見え方になります。
また,ユーザーからのフィードバックにより,オンラインの最適化を行い,シーズンモードも協力プレイが可能になっています。
4Gamer:
オンラインの最適化とは,具体的にどのようなことでしょうか。
デビッド氏:
エキシビションで協力プレイを行うさいに,試合の相手や味方が見つかりやすくなっています。過去のシリーズでは,11人揃わないとできなかったのですが,いまは,5人から試合を始められます。
4Gamer:
なるほど。
では,もうひとつのシーズンモードで協力プレイという点について。これは,2人のCo-opになるんでしょうか。
デビッド氏:
そうですね。前作までは1対1しかできなかったのですが,本作からは2対2で対戦できるようになりました。これは,シーズンモードの機能なので,もちろんエキシビションマッチであれば,11対11も可能です。
4Gamer:
シーズンモードの協力プレイ以外に,ユーザーのフィードバックを受けて反映したところはありますか。
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FIFAには,熱心なファンがいて,印象に残っているフィードバックは,「ボールが空中に浮いているときに2人しか競り合いができない」というものです。この点は,本作から2人以上で競り合うことができるように修正しました。
4Gamer:
素早い対応ですね。
デビッド氏:
こういう長いシリーズでは,ファンの方をとくに大切にしていかなければなりません。フィードバックがあれば全力でお応えできるように努めています。
少し前に体験版を配信したのですが,ヘディングとシュートが強すぎる,という意見をもらったので,バランスを調整しました。
4Gamer:
なるほど。
デビッド氏:
次世代機に収録されている内容についても触れておきましょう。本作の開発エンジン「Ignite」と,次世代機のパワーにより実現された新要素はいくつかありますが,中でもリビングワールドが特徴的です。
リビングワールドは,観客が3Dモデリングされていて,スタジアムで動いている100個ほどのメディアカメラや,ボールボーイ,警備員,控えの選手の動きなどが,それぞれ現実に沿った形で再現されています。
4Gamer:
それはつまり,観客やチームスタッフ,スタジアムの人,メディアカメラなど,すべてが別のAIで処理されているということでしょうか。
デビッド氏:
そのとおりです。すべてがバラバラに動きます。これは本作の開発エンジン「Ignite」だけでなく,次世代機の恩恵を受けていると言えます。
4Gamer:
観客やメディアカメラなどがただの景色ではなくなるということですね。
ちなみに,日本にはセールス面でFIFAを上回っているサッカーゲームもありますが,その点については,どうお考えですか。
デビッド氏:
FIFAは,アメリカとヨーロッパでは非常に人気のあるサッカーゲームですし,我々としても,自分達で作った作品には自信があります。そして,もっと日本のプレイヤーにFIFAを知ってもらうために,日本のゲームショウにも力を入れていますし,少しでもプレイしもらえれば,FIFAシリーズの良さがきっと分かってもらえると自負しています。
4Gamer:
牧田さんにも同じようなお答えをいただきました。まず知ってもらい,プレイしてもらいたいと,EAでは考えているわけですね。
さて,話は変わりますが,FIFAシリーズを次世代機で作ろうと思ったキッカケはなんでしょうか。
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次世代機への参入は,かなり前から準備にしていましたね。早い段階で次世代機のソフトを出せるのは,開発エンジン「Ignite」の存在が大きいです。
4Gamer:
次世代機が発表される前に,FIFAシリーズを次世代機のローンチタイトルで出すことは決まっていたんでしょうか。
デビッド氏:
FIFAシリーズは,過去にもローンチタイトルとして出していたので,これは続けていくべきだということで,早い段階で決定はしていました。
4Gamer:
なるほど。
ちなみに日本のパッケージに登場する,吉田麻也選手,長谷部誠選手はご存じですか。
デビッド氏:
……ごめんなさい。私は今,カナダに住んでいるのですが,彼らの出ているリーグの放送がないので,よく知らないんです。もちろん,真ん中に写っているリオネル・メッシ選手は知っていますが(笑)。
4Gamer:
では,最後に日本のプレイヤーにメッセージをお願いします。
デビッド氏:
本作に対して大きな自信を持っており,現世代機,次世代機と,さまざまなハードで楽しめます。ボールやキャラクターの物理的な動きを体感してもらいたいですし,きっとみんな喜んでくれると思います。
4Gamer:
ありがとうございました。
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